楽園の悪鬼   作:我輩=メイじゃもん

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3.ビンクスの酒

 

 死者は、海の向こう側にゆく。永遠においつけない水平線は、そこが生者の世界の区切り目だからだ。

 古い船乗りたちはそう信じ、死んだ仲間の遺体を、海に流した。

 

 白ヒゲのおやっさんもまた、古い海賊だ。船長であるおやっさんは、己の海賊団の掟を決める。

 白ヒゲ海賊団の掟にしたがい、サッチの遺体は小舟にのせられ、グランドラインの波の向こうへ送られたと言う。

 マルコはぽつりと、墓をたててやりたかった、と言った。

 

 サン・ファルドに潜伏し、もう3ヶ月とすこし。シャーリン・シャリーアの手厚いサポートには抜かりがなく、隠れ家には酒のストックもある。しかし、普段、私が飲まないせいで、ラム酒の瓶は用意がなかった。

 

 久しぶりの外だった。マルコは人に見られたくないとのことで、鳥の姿のまま、上空を飛んでいる。

 私にはもう潜伏する意味もない。肌をさらして堂々と、マーケットの中央を歩く。

 

 今日も、ちいさな祭りが行われているらしい。サン・ファルドは表向き、仮装カーニバルで有名な島だ。どこか不気味で奇怪な仮装をした人々のあふれる祭りは、サン・ファルドで行われる闇取引をカモフラージュするためのもの。

 にぎやかな人だかりも、悪党どもの姿と、どす黒い欲望を隠すためのカーテンでしかない。

 

 しかし、秋晴れの日差しの中では、ふしぎな郷愁をよびおこすような光景だった。

 

 人手は多い。島の住民なのだろう、普段着で食料品をのぞきこむ、家族づれの姿もある。

 それに混じって、きらびやかな仮面をつけた人々が、マントをひるがえしてどこかへ向かう。

 だれもその違和感を気にも留めないことこそ、強烈な違和感を放っていた。

 

 普段着の人々も、仮装をした人々もおなじである。

 私があるけば彼らはおどろき、恐れるように道をゆずる。

 

 珍しいことじゃない。他の島と比べたら、あってないような小さな反応だ。

 人々が私をさけるのは、私が大量殺人鬼であるから、という理由ではなかった。

 黒いからだ。肌が。

 

 私は生まれつき、チョコレート色の肌をもっている。私の知識にある、異世界〈チキュウ〉という惑星では、黒人と呼ばれる人々と、似たような皮膚の色だった。むしろ、黒人の中では、黒さがうすい部類に入るのではないだろうか。

 

 ふしぎと顔立ちは、黒人っぽくない。ラテン系の女と、インドネシア人の少女を、足して2で割ったような面差しである。

 

 ちょこんと小ぶりな鼻は、高すぎず、低くもない。

 分厚いわけではないのだが、色のトーンの関係で、はっきりと目立つ、コーラルピンクの唇。

 

 チョコレート色の肌にかこまれた、つり目がちな瞳は、髪とおなじく金色だ。

 なかなか悪魔的な色合いではあるものの、冷静に見ればそこそこの美女だといえるだろう。

 

 夜の暗がりで鏡をのぞきこむと、目玉とくちびるだけが浮いているように見えることもあり、自分でもギョッとする。しかし、明るいところで見るならば、自分でも満足のいく、そこそこな美女である。

 

 おいしそうな色をしたこの肌は、サン・ファルドの日差しにつるりと艶めく。手入れは欠かしていない。我ながら、うっとりするほどセクシーな肌の色だった。

 

 ただしこの世界では、馴染みのない色であるらしい。黒い肌の人間がいる、という事実そのものを、知らない人間の方が多い。

 それもそのはず、黒い肌の人間は、数が極めて少ないのである。

 現状、世界政府が確認している〝黒人〟の数は、一人。

 私だけ。

 

 おかげで驚きすぎた人々からは、悪魔だの、悪霊だの、邪神の化身だのといって追いかけられることもある。

 はたまた、島によっては、海の神にちがいない、神の使いにちがいないといって、神殿にいざなわれたり、住民総出で拝みたおされることもある。

 

 ちょっとビックリして道をあける、という程度の反応など、あってないようなものだった。

 

 マーケットの端にある、雑貨の露店で酒を買う。銘柄は、ビンクス。大昔からあるという、安いラム酒だ。

 海に向かって歩き出せば、後ろをついてくる男たちの気配がある。いち、に……13人。

 一つのチームを組んでいるようだ。その動きから察するに、彼らは私の首をもぎとりたいと思っているらしい。

 今は相手をする気分じゃない。人目のなくなる路地に入り、すかさず〝空〟へ駆け上がる。

 

 悪魔の実の能力、ではない。武装色の覇気とよばれる、エネルギーコントロールの応用だ。

 

 男たちが私を見失ったことに気づくより早く、空を走り出す。

 はるか眼下の町並みは、やけに黄色が多かった。マスタードイエローの屋根の向こう、下から見上げる人の目に、私の姿は、鳥の影だと映るだろう。

 おなじく覇気というエネルギーを利用して、ソナーのように、他人の居場所を見つける技……見聞色の覇気をつかい、マルコの元へと降り立った。

 

 切り立った崖に挟まれた、小さな小さな砂浜だ。サン・ファルドにこんな場所があるとは、知らなかった。

 潮風がびゅうと、崖にぶつかり海原へと引き返していく。

 手にした酒の瓶は二本。人の姿にもどったマルコへ、酒を一本なげわたす。

 

「〝ビンクスの酒〟か。……古くせェ弔い方だよい。よく知ってたな」

「むかし、古い海賊から教わった。そいつはもう死んでるが…………海はどこにでもつながってる。死者の国にも。……だから……海に酒を流せば………死者にも届く………ってね」

 

 マルコは愛おしむように、呆れるように鼻で笑う。

「どうだかなァ……」

 

「じゃあいいよ、お前は何も流すな、私が二本分やるよ、よこせ!」

「やめろよい、誰がやらねェと言った、ひっぱるなよい!」

 

 死者への弔いの酒だ。船の上から捧げるのなら、静かに海へ注ぐのだろう。陸から捧げる私たちは、思い切りふりかぶり、酒瓶を海へとなげた。

 

 

 すべてのはじまりは、3月15日。

 その日の昼、白ヒゲ海賊団の副船は、とある島へ立ち寄ったらしい。白ヒゲがナワバリとする島を荒らしていた他の海賊を、討伐した帰りだった。

 

 サッチは、白ヒゲ海賊団、四番隊隊長をつとめていた。最高幹部のひとりであり、普段は、白ヒゲの本船に乗っていた。

 何をどう言いつくろおうと、海賊は海賊だ。最終的には、腕っ節がものを言う。

 大海賊団の幹部であるサッチもまた、この世界で指折りの猛者だった。

 

 ナワバリを荒らす他の海賊を相手どるため、主戦力として、本船クルーの数名が副船にのりこみ、現場へ向かったという。その本船クルーの中には、サッチと、マーシャル・D・ティーチがいた。

 

 つつがなく、他の海賊を討伐し、白ヒゲ本船と合流すべく、船は帰路についた。

 合流予定の島には、白ヒゲの本船よりも先に到着したという。

 そこで、本船到着をまつ間、クルーたちは自由に島を散策することになる。

 

 マルコたちを乗せた、白ヒゲ海賊団の本船が、その島に到着した時。

 海沿いの岩場の上、たおれている人影を見つけたのだった。

 

 クルーの誰かが見聞色の覇気をつかったのだろう。岩場でたおれるその男は、サッチその人だと、すぐに気づいた。

 サッチは、自力で立ち上がれない様子だった。

 その胸には、どくどくと血を流す、袈裟懸けのおおきな傷。

 三本線の切り傷は、巨大な猛獣の爪アトのようだった。

 

 本船の医務室にはこびこまれたサッチは、その日の夜、息をひきとった。

 

 この日を境に、白ヒゲ海賊団から姿を消した人間は、もう一人いる。マーシャル・D・ティーチは、翌日になっても、その翌日になっても、船に戻らなかった。

 

 ここからはマルコや白ヒゲのおやっさんが、副船のクルーたちから聞いた話だ。

 サッチは、死の当日、悪魔の実をみつけていたらしい。

 自由行動をとっていたクルーのもとに、サッチが電々虫で連絡をいれたそうだ。〝悪魔の実をひろった〟と。

 

 悪魔の実は、それ自体も、異常な性質をもっている。通常の果実とはことなり、〝食べられるまで、なにがあっても腐らず、傷まない〟のだ。

 

 サッチが見つけた悪魔の実は、岩場の影、波の中にプカプカと、浮き沈みしていたという。

 白ヒゲ海賊団の掟によれば、『悪魔の実は、見つけた奴のもの』。

 サッチが見つけた以上、所有権はサッチにある。

 

 すべての生き物は、悪魔の実を、生涯1つしか食べられない。2つ目を食べたものは、体が内側から弾けとび、死んでしまうと言われている。

 

 サッチは、悪魔の実の能力者ではなかった。自分で食し、その力を身に宿すこともできた。

 ただし悪魔の実の能力は、一度宿せば、とりかえられない。そして多くの場合、なんの能力をえられるのか、食べなければわからない。

 

 慎重にもなるだろう。悪魔の実を、欲しがる人間は山ほどいる。だれかに食べられるまでは腐らない、傷まない果実である。高値で売ることも、決心がつくまで、とっておくこともできる。

 この果実をどうするか。サッチは電々虫で、一人でじっくり考えてみる、とクルーに告げた。

 

 そしてサッチが持っていたはずの、悪魔の実は、消えていた。サッチの倒れていた岩場にも、それどころかその島のどこを探しても出てこなかった。

 

 さらには、サッチの胸を抉った、三本線の傷。

 海にひそむ巨大生物ーーー海獣のものにしては小さく、その島に生息する陸の猛獣たちのものにしては、大きすぎる。

 しかし、その傷にぴったり当てはまるものを、白ヒゲ海賊団の面々は知っていたのだ。

 

 サッチの死を境に、船から姿を消した、白ヒゲ二番隊の一員、マーシャル・D・ティーチ。彼の愛用する武器ならば、サッチの胸についた傷口と、一致する。

 

 これに気づいたクルーは、ティーチがサッチを殺し、悪魔の実を奪いとって逃げたのだ、と結論づけた。

 仲間殺し。

 どのような船においても共通して禁じられる、最大の罪である。

 

 ティーチの所属していた白ヒゲ二番隊の、隊長であるポートガス・D・エースは、ことさら強く憤った。

 エースはもとより、仲間意識のつよい男だ。そこに加えて、仲間殺しの容疑者・ティーチは、エースの直属の部下である。

 

 白ヒゲのおやっさんは、エースを止めたらしい。それがエースの怒りの炎に、さらなる油を注いでしまったのか。

 エースは船長の命令にそむき、船を離脱した。

 消えたティーチを追いかけ、探し出し、罪を償わせるために。

 

 それが、マルコが私に会いに来る、五日前のこと。

 

 エースが離脱したことで、ティーチは仲間殺しをやらかした罪人だ、というウワサは、白ヒゲ海賊団の中で爆発的なひろまりをみせた。今ではそれが真実として語られているだろう。

 

 サッチの死の直後、白ヒゲのおやっさんは私に向けて、電報をうったらしい。

 電報は、裏社会でよく用いられる連絡手段だ。

 各島にいる情報屋あてに、電々虫で連絡をいれ、伝言をたのむのだ。この島に〝◯◯〟がきたら、〝◯◯〟と伝えてくれ、と。

 

 情報屋はみな、カタギを装って生活している。そのため電々虫を使っても、盗聴されるリスクが少ない。万が一、なにものかに盗聴されたとしても、互いの居場所を知られてしまう危険がない。

 代わりに、相手にメッセージが届くまでの、タイムラグは大きかった。

 

 エースが出奔したその日の夜、おやっさんはマルコに、私の元への使いを頼んだ。マルコに託されたのは、トーンダイヤル。チキュウで言う、音声レコーダーのような性質をもった、貝殻だ。

 

 トーンダイヤルにはおやっさんの声で、私へのメッセージが録音されていた。

 

『エースと話ィ、してやってくれ』

 

 だとよ。

 

 ふざけたジジイだ。

 

 なんでも?

 『男は男が相手だと、意地をはっちまう生き物だ』とか? 『女にしか言えねェ本音もあらァ』とか? 『あのエースをとっ捕まえられる女といやァ、おれァ、おめェしか思い浮かばねェのさ』とか?

 

 ふざけやがって。

 

 海賊に例外はない。

 年長者だの国家だの法律だの、自分の頭の上にあるものすべてが気にいらねぇからこそ、陸をはなれて海に出るような連中だ。

 

 その海賊どもが、自分じゃないだれかを、船長と仰ぐのである。

 命をあずけるだけじゃない。誇りも、未来も、アイデンティティでさえも、海賊どもは自分の大事なものすべて、船長に託す。

 他でもない、エースという一人の海賊が、己のすべてを託すにふさわしいと選んだ相手こそ、白ヒゲのおやっさんだろう。

 

 そのおやっさんの言うことを聞かねぇって時に?

 白ヒゲ海賊団のナカマでもない、ましてや海賊ですらもない、私みたいな女にちょろっと何か言われて、エースがおとなしく私の言うことを聞く?

 んなわけ、

 あるかボケ!

 

 世界最強の男とされる、〈白ヒゲ〉エドワード・ニューゲートは、食えない男だ。豪快で奔放に見えて、その実、相手をからめとるような話術にも長けている。

 電々虫ではなく、わざわざマルコにトーンダイヤルを運ばせた、その本当の意図は。

 私に反論するスキを与えねぇためだったんだろうなぁ、どうせ!

 

 ついでに、トーンダイヤルに録音されていた、『どうせオメェも分かってんだろう……おれァ、そろそろ、人生の幕引きだ……来年、さくらの春島を、見れるとは思えねェ……』なんていう、おやっさんらしくもねぇ弱音だって、私の同情心をあおり、罪悪感をひきだして、おやっさんの言うことを聞かねばならないような気分にさせるためのテクニックに決まっている。

 

 クソが!

 まんまと騙されやがったマルコからは、オヤジの頼みをきいてやってくれと、頭まで下げられたよ!

 

 白ヒゲ本船に滞在してた間、マルコには散々世話になったんだぞ!

 腕相撲大会でハシャギすぎて骨折したときも、マルコの放つ〝治癒の炎〟……マルコのもつ悪魔の実の能力で、骨を治してもらったんだぞ! 骨折するほどムキになってたとか、恥ずかしいからみんなに内緒にしといてもらってんだぞ!

 そのマルコに頭下げられたら、断れねぇじゃねぇか!

 どうせ! そこまで分かってやってんだろうがなぁ!

 クソジジイぃぃいい!

 

 グランドラインは広く、険しい。前半と後半をくぎる大陸、レッドラインを超えるだけでも、船では2週間以上かかり、そのうちの7割が途中で死ぬ。

 

 白ヒゲのおやっさんに伝令をたのまれてから、マルコはたったの五日でサン・ファルドまでやって来たのだ。いくら空路だとはいえ、不眠不休で飛んできたのだろう。疲労をみせるマルコは、それでもすぐに後半へ戻るといった。

 

 四番隊隊長、サッチの、不審な死。

 本船クルー、ティーチの失踪と、疑惑。

 二番隊隊長、エースの出奔。

 

 立て続けにおこった〝これまでにない〟事件たちは、白ヒゲ海賊団に今、不穏な空気をもたらしている。

 

 そんな中、一番隊隊長であるマルコは、自分たちの船をはなれてまで、私に事実を告げにきたのだ。「悪かったな」と、口から漏れた一言は、なにに対しての謝罪なのか、自分でもよくわからなかった。

 

 マルコは力なく、苦笑した。

 

「オヤジが気を使ってくれたんだ。………おれァ、サッチとは、長ェ付き合いだからよい……。おれが、仲間内のイザコザに巻き込まれねェよう、サッチの………死と………しずかに向き合えるように………オヤジはおれを一人にさせてくれたんだよい。使いを頼むって形でな………。オメェに謝られるようなことじゃねェよい」

 

 ドン、と背中を叩かれる。肋骨にまでひびいてくる、遠慮のない力加減は、懐かしい感覚だった。

 仲良くなってからというもの、白ヒゲのクルーたちは、ドンドンドンドン無遠慮に、人の背中を叩いてきやがったのだった。

 はじめに私の背中を叩き、その輪の中に押し入れてくれやがったのは、サッチである。

 

 海はきらめいている。いつもにぎやかなグランドラインの海面も、砂浜から眺めれば、慌ただしい沖合のようすまでは見えない。

 静かで穏やかで明るくて、さみしげな海。

 

 ドン、とマルコの背中を叩き返す。

 この海で生きてりゃ人は死ぬ。陸で生きるよりもはるかに、呆気なく死んでいく。

 それを悲しむことはあれ、それに囚われてはならない。

 私たちは海に生き、止まらぬ波とともに進んでゆくしかないのだから。

 

「よい」

 マルコは一つうなずいた。そして少ししてから、一つ付け足した。

「……マジェルカ、腰を叩くなよい、おれの背中はもうちょっと上だよい」

「じゃ、お前がかがめ」

「はァ……チビが……」

「あぁあ!?」

 

 チビじゃねぇし!

 

 ふたたび空に溶けてゆくような、青い鳥をみおくって、隠れ家のある浄水場のちかくへ向かった。

 浄水場の裏側、たびたび泳いでいた岩場の影には、一見してそうとは知れない洞窟のいりぐちがある。

 

 迷路のように入り組んだ岩のでっぱりを、奥へ奥へ、暗いほうへとすすんだ先には、ぽっかり空いた空洞が待っていた。

 ひざ下までの浅い水位に、一隻の小舟が浮いている。

 

 舟のまわりをぐるりと一周するのに、1分もかからない。人が一人寝転べば、いっぱいになってしまうような小舟。

 

 しかし、帆はふたつある。メインマストの横帆〝おうはん〟と、前方にはヨットのような三角形の帆、縦帆〝じゅうはん〟が組み合わされた舟だった。

 

 10年以上の航海をへても、しっかりとした木の感触。こう見えて、私とともに四つの海を行き来してきた、猛者中の猛者である。

 その名を、モクちゃん号。

 私の足であり、もはや私の一部だ。

 

「待たせたね」

 仄暗い洞窟の中、するりと舟体をなでれば、まったくだ、と言われたような気がする。

 

 夕暮れをまって、島をはなれた。

 真昼の海へこぎ出すには、サン・ファルドには悪党が多すぎる。ふだんならばいくらでも迎え討つところであっても、今は、妙なちょっかいをかけられたくない。

 銀杏の黄金とにたような、黄昏どきの夕焼けにまぎれて、静かにモクちゃん号は出港した。

 

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