夜空を見上げていたら   作:Celtmyth

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 前書き、何も思いつかない。


12月の日記・その3≠『闇の書』

12月@日

 

 はんちゃんとシアちゃんに怒られてしばらくシアちゃんと行動する事になった。また勝手に話さないようにする為だって。あとヴェヌスじゃ止めないって言うのも理由の1つだった。

 そしてはんちゃんは僕が剣士のお姉さんと会った風芽丘図書館と大きな病院で探索し始めた。僕が剣士のお姉さんと出会ったとき、他に誰かいなかったか聞かれたから車いすの女の子と話していた事を伝えた。それを聞いてその女の子がこの海鳴市が拠点なのは確実だって。ただこの二カ所の周辺を探索するんじゃなくてこの場所からバスが通る当たりを調べるんだって。まずは手頃な移動手段を使っている前提で拠点を探すらしい。何度もバス停を降りるの? って聞いたら候補が出てるからそこから探すらしいよ。その間、僕とシアちゃんが図書館で聞き込み。表向きはシアちゃんもあってお礼が言いたいからにしてる。

 

 

12月♭日

 

 明日には退院できるおじさんのお見舞いに行った。今日は先に荷物をいくつか先に持って帰る為だ。ただ魔力はまだ回復しきってないから魔法は難しいってヴェヌスが言っていた。家に帰ってからはほったらかしだった所の掃除をしたよ。魔法を使えば早い所だけどなんか考えるのが面倒くさいから自分の手でやった。と思ったけどヴェヌスが等身大で手伝ってくれたからこれって魔法に入るのかな?

 そんな夜。はんちゃんがまた犯人達の戦いに遭遇した。今回も転送して行こうとしたけど今回は人数が多いし黒い服の男の子が結界の外を飛び回って何かを探していたからはんちゃん1人で観戦したよ。そんなはんちゃんから仮面を被った人が現れたって。はんちゃんから見るとこの人、なんか独善的に見えたらしい。

 

 

12月▽日

 

 今日はおじさんの退院日だ。途中経過で定期的に診察に行かなきゃいけないって。それでも帰ってくるのはいつもの日常に戻ったって感じだ。今日は特別に学校をシアちゃんとはんちゃんと一緒に休んでおじさんを出迎えて、そのまま退院祝いの買い出しを一緒にしてウチに帰った。その後は精一杯にはしゃいで、体力が残っている内に片付けをした。そして今日はおじさんを交えて改めて犯人について話し合ったよ。やっぱりおじさんは正体に心当たりがあった。犯人は闇の書に選ばれた主。そしてあの剣士のお姉さん達は守護騎士ヴォルケンリッター。名前はかっこよかった。

 

 

 

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12月▽日

 

「ロストロギア闇の書。それがこの事件の中心だよ」

 

 忠は静かに、天吹たちに告げた。

 

「この魔導書は厄介な代物でね。全ての機能を使うにはリンカーコアの魔力を蒐集して666の頁を埋めなきゃならないが、その苦労に見合うだけの物だろうし、蒐集した際には魔法もコピー出来る。完成したなら魔法のデパートだよ。ただ闇の書は破壊の力しかなく、前例においても制御できずに暴走したそうだ」

「忠殿。前例との事でござるが、その闇の書は何度も同じ事を繰り返しているのでござるか?」

「そうだ。闇の書の厄介な所でね。闇の書を破壊してもすぐに復元にて次の持ち主を探して転移する。その際には蒐集した頁はリセットするからまた魔力の蒐集となる。そして完成すれば暴走。これの繰り返しさ」

 

 呆れるほど凶悪な仕様だと3人と1機は思う。以前のジュエルシードも大変な代物だったが今回はまさに世界に危機とも言えるからだ。

 

「……じゃあなのはちゃんの魔法とかバンバン撃っちゃうのかな?」

「確かに。ただコピーした魔法は術式を組み直す必要があるから別の効果になったりするらしいしね」

「ねぇおじさん。おじさんはなんで闇の書を知ってるの?」

「……直接的じゃないが縁があってね。管理局のデータをハッキングして調べた事なんだ」

「えっ!? それってものすごく危ない事だよ!!」

「私は傭兵だがグレーな傭兵だからね。基本的には非合法だったんだよ」

「ですが、忠が情報を知っていたおかげでこうして相手が見えるようになりましたが」

「デバイスに慰められるとは思わなかったなぁ」

 

 少し場の空気が緩くなったが天吹(アルハザード並の実現力)、阪奈(ガチ忍者)、アリシア(蘇生少女)、ヴェヌス(ある意味の元凶)なんて存在がいる時点で真っ当ではなかった。グレーな傭兵だった忠が霞む程には。

 

「さて、話の続きだ。闇の書の機能の一つに守護騎士ヴォルケンリッターと言う物がある。主を守護する4人の魔法生命体。まさか私もその1人に襲われたとは思わなかったよ」

「忠殿。それはつまり守護騎士とは思わなかったとも聞こえるでござるが?」

「その通りだよ。情報とは違ったからね」

「違うってどんな所が?」

「管理局の情報になるが、彼女たちは主の命令を実行するだけのプログラム。感情を見せたなんてなかった。だからあの時、礼儀正しく決闘を望んだ姿勢で結びつかなかったのさ」

「ふむ……。ヴェヌス殿、其方の見解を聞かせて貰ってよいでござるか?」

 

 守護騎士ヴォルケンリッターの話を聞いて阪奈が意見を求めたのはヴェヌスだった。少々冷淡かも知れないが、プログラムと聞いてそれに近しい彼女を指名した。

 ヴェヌスは特に気にした様子はなく、天吹の頭の上から自分の意見を口にする。

 

「おそらくは感情はあったのでしょう。しかし歴代の主がそれを求めなかったのでしょう。どんな姿形であれ闇の書の機能の一つです。人間性よりも成果を求めたのでしょう。」

「じゃあ今回の主さんは人間らしくしていいって事なのかな?」

「そうですね。今代は人格者なのでしょう。であればある仮説が浮かびます」

「それは?」

「守護騎士達が独断で魔力を蒐集している可能性です」

 

 ヴェヌスの仮説に納得した素振りを見せたのは阪奈だけだった。闇の書を知っていた忠は疑念を感じており、天吹とアリシアに至っては『そうか』と言う感じだった。

 

「マスターとアリシアはともかく、忠は納得出来ないようですね」

「いや、キミの可能性を否定しているわけじゃないんだ。ただ判断材料は足りない。なら複数の可能性を考慮した行動を目指すべきだ」

「ならこの間の新情報を提供するでござる。携帯電話のカメラで画質は少々荒いでござるが」

「では私が修正しましょう。阪奈、失礼しますよ」

「どうぞでござる」

 

 阪奈がヴェヌスに向かってケータイを差し出すと触れることなく、魔法陣を自分と阪奈のケータイに出現させた。その中から最新の写真データを取り出し、修正する。

 

「……できました。お見せしますね」

 

 ものの3秒で作業を終えたヴェヌスは十数枚の映像を皆の中心で出現させる。守護騎士たちはもちろん、なのはたちや管理局員。そして新たに登場した仮面の男性の物もあった。

 

「この仮面の者は守護騎士を救ったでござるが、どうも知り合いではないようで――」

「阪奈ちゃん」

「ござる?」

 

 説明の途中、忠が遮りその説明していた仮面の男性を指さす。

 

「その仮面の男を映した写真。あれは一瞬の物じゃないよね?」

「ござるよ。相手の正体が後にわかるように特徴的な場面を写真に収めたでござる。相手と話す姿勢や攻撃の瞬間でござるな」

「そうか。そうか……」

「心当たりがあるのでござるか?」

「凄くね。いや、縁が繋がり続けると驚くを超えて肩の力を抜けるよ。うん」

 

 1人納得したような忠。するとゆっくりと立ち上がった。

 

「少し席を外すよ」

「えっ? 今のこの謎の仮面の男の正体は!? 的な流れじゃないかな?」

「悪いけどこれはちょっと言えない。私の過去に関わる人だからね」

「だから今から確認しに行くのでござるか?」

「この手には察しがいいね阪奈ちゃん。ちょっと電話をしてくるだけさ」

「まぁ忠殿ならわざわざ敵を呼ぶ真似はしないでござるな」

「当たり前だよ。それじゃあちゃんと話し合うんだよ。ただし慎重に行動するようにね」

「「はーい」」

「ござる」

「わかりました」

 

 

 

 

 

 席を外した忠は地下室に向かった。傭兵の名残を集めた数々の品の中から埃を被った物を手に取った。それは一見して通信端末の用であった。

 

「んっ、んんっ」

 

 わざとらしい咳払いと共に端末を操作する。そして耳に当て、繋がるのを待つ。

 

『――もしもし。誰かな?』

 

 繋がった相手は目的の人物だった。それを確認し、忠は応える。

 

「ようおっさん。元気してたか」

 

 声色も変わり、いつもの忠ではなかった。そこにいたのはかつて『信頼すべき傭兵』と呼ばれた男だった。

 




 魔法の素質は高くなかったけど依頼達成率が100%だった忠。当時は本名で活動してました。
 あと誰に電話を掛けたのかわかりやすい。
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