Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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もうすぐオリュンポスが来ますね。
マイフレンドを市中引き回しのごとくストーリー中のバトルで引きずり回すつもりです(ド畜生)
キリ様前戦闘時クラスはキャスターだったし今回もそうだったらありがたいな、ライダー単体宝具のマイフレンドでボコボコにできるだろうな(超絶希望的観測)


10話 Interlude:信じたいけど

夜になるたびに、また俺の中の何かが暴れ出す。

どうせ失敗ばっかりだ、なにをしたってうまくいくわけがない。

そんな声が俺を苛んでばかりだ。

さっき、あの程度の否定で済ませなければ良かった。俺という存在の弱さをしっかりマスターに伝えなければならなかった。

昼間の喫茶店で感じた違和感・・・・・・サーヴァントの気配も、ただの勘違いだったという可能性を考えて、間違っていたときのことばかり予測して何でもないとはぐらかしてしまったのだ。

それのせいで彼にとって悪いことが起きるかもしれないと考えるとまた心臓の辺りがきゅうと縮こまる。

もう誰にも迷惑をかけたくない、失敗したくない・・・・・・それを可能にするだけの力もないくせに高望みばっかりして。

 

「・・・・・・俺の本質はいつまで経っても変わらないのか」

 

このままでは、もし聖杯を手に入れられたとしても変われない気がする。

後ろ向きにずっと走り続けてばっかりの俺が、回れ右なんてできるわけがない。

頭の奥がじんじんと熱くなって、なぜかさらに不安や怖さが沸き上がってくる。

少しでも気を紛らわそうと、俺は座っていたベッドから立ち上がり、霊体化して外に出た。

 

「今日、満月か」

 

門扉の上で実体化して、上に座り込んだ。鉄の冷たさが臀部より凍みる。

少しだけあったかい春の風が吹き抜け、俺の髪を揺らしていく。

月はいつまでたっても同じことを繰り返しているだけなのに、どうして俺と違いあんなに綺麗に見えるのだろう。

・・・・・・それが月のあり方として、”自然”になっているからなのだろうか。

俺も、ああいう風に・・・・・・月のように、自分のままでいればよかったのか。否、もう変わってしまった俺にそんなことはできない。何もわかっていなかった俺を恥じて、霊基まで弄りかねない勢いで性格をねじ曲げた。

傲慢で強欲で他人の持ってる力に嫉妬ばかり。だから人間としてクズ以外の何者でもなかった俺を殺した。

 

「それも無駄でしかなかった。か」

 

いくら頑張ろうとクズがクズ以上の何かになれるわけもない。

誰かによってうまく仕立て上げられても結局俺は変われない。

弱いままだからいつかマスターに捨てられて、誰にも拾われず消える運命なんだ。

どうせ、どうせ俺なんて。

 

「おーいんなとこでぐらぐらしてっと頭から落ちるぞ?オジサン咄嗟にキャッチできる自信ねえんだがなあ」

 

サーヴァントの気配を感じ、門扉の上で武装する。

話しかけてきた男は目下で呑気そうににこやかな笑みを浮かべていて、見たところ武装は一切していない。

カーキのワイシャツに黒いベスト、そんでもって手ぶら。敵意は感じられないがなんだか少し警戒してしまう。

 

「・・・・・・あんたは、何の用で来たんですか」

 

「他陣営の偵察ってところかな?場合によっちゃ同盟組んでもいいっちゅう話だけど、どうよ?」

 

偵察となるとこちらとしてはあまり情報を渡したくない。

俺みたいなドがつくマイナー敵役でも手がかりから真名を掴まれる可能性が明日地球が爆発するくらいの確率で無きにしもあらずだ。

追い払った方がいいのだろうがここでいざこざを起こすと克親に知られる。もしかしたら向こうは最初っからマスター狙いで俺を利用し釣られて来たところを殺すつもりなのかもしれない。

ああ思考が錯綜する、どうすれば、どうすれば一番危険を犯さず切り抜けられる・・・・・・?

 

「・・・・・・話だけ聞かせてもらいます」

 

取りあえず、穏便にことを運ばせておきたい。

相手の戦闘能力がわからない以上、こちらも無闇に手の内やらは明かせないし。

 

「そうか、そりゃありがたい。オジサンこの年だから体を動かすのが大変でね~・・・・・・戦わないで済むのは万々歳よ」

 

軽々と俺の座っている門扉の上部まで跳躍してきた男。

ああも軽々しく来たというのに何故か膝をさすって苦笑いしている。

 

「やれやれ、膝が既に悲鳴を上げそうだ。やだねーほんと、なんでこんな時が全盛期扱いなんだか」

 

「それを言っちゃ俺だってそうっすよ。なんでこんな中途半端な年齢で召喚されちまったのか」

 

今の俺は簡単に言えばデュランダルを手に入れる前の状態。詳しく言うとヘクトールの鎧を手に入れた直後くらいだ。

行いから考えるとその時期が一番英雄らしかったのかは知らんが、どうせならデュランダルを持って召喚されたかった。

まあ今となっては後の祭りだ。

 

「お前さんはまだいいじゃないか。体の不調知らずって感じの年齢だろ?それに比べて、俺は現役引退待ったなしだから」

 

自虐的に笑う男。彼はそう言っているが全くそう感じられないのが不思議だ。

一度戦闘モードに入ったら俺を凌駕する俊敏さで首を刈りに来そうな・・・・・・戦士としての直感みたいなものがそう囁いている。

この人とは戦いたくない。戦いで勝てる気がしないのに加えて、何故か俺の霊核あたりがこの人の存在にざわめいているからだ。

多分、この人は生前の俺となにかしらの関係があるのかもしれない。だが、思い当たる節があまりない。

 

「・・・・・・あなたは、どこの英雄なんですか?」

 

「おいおい、それを言っちゃ真名がバレちまうよ。あんま知ってるやつぁいないだろうがね、一応そう簡単には教えらんないなぁ」

 

まあ当たり前か。

俺みたいな伝説に出てくるどうでもいいチョイ役なんかだったらまだしも、普通のサーヴァントならそれなりに知名度はあって然るべきだ。聞いてホイホイ教えてくれるわけがない。

 

「ま、クラスくらいなら大丈夫かね。オジサンはセイバー、武器にこだわりはあんまないけど今回は珍しく剣士で呼ばれたわけさ」

 

「・・・・・・ライダーです。馬が有名だったばっかりに、このクラスで来ました」

 

「そうかそうか。ライダーなら騎乗の技能も長けてるんだろうな。オジサンも一応同じやつ持ってるから機会がありゃ馬上試合でもすっか?」

 

全力で遠慮したいところなのだが一応はいとだけ言っておいた。

いくら名馬ブリリアドーロと言えど戦闘のとき一瞬しか呼べないし、そもそも今の俺に従ってくれるかもわからないし不安点しかない。ついでに言えば馬上での戦いは生前のトラウマ(死因ともいう)が関連して少し怖いのだ。

 

「・・・・・・どした?なーんかさっきから見てて思うけど元気がないねぇ。マスターとうまくいってないのかい?」

 

「・・・・・・いや、そういう訳じゃないんすけど・・・・・・自分がこの戦いで生き残れる気がしなくて。マスターは俺のこと評価してくれてるんすけどね」

 

俺はマスターがなんで褒めてくれるかがわからないのだ。

否、わからないというより信じられないのほうが正しいと思う。どうして俺みたいなのをああも賛美してくれるのか、あの人は本当に大丈夫かなんて、しまいにゃマスターに疑念を抱きかけている。

こんなんでは円満な関係なんて築けそうになくて、不安でしかないのだ。

 

「俺はお前さんのこともお前さんのマスターのこともわからんがね、そうビクビクするもんじゃないと思うよ。俺たちサーヴァントはよくも悪くもマスターに仕える影法師さ。従者なら従者らしく、自分のあり方を見せりゃいい。オジサンは守る戦いは得意だけど攻め込むのはそんな得意じゃなくってね、それを伝えてなきゃ出会い頭にぶっ飛ばしにいけみたいな感じでこき使われるところだったわけよ。あー危ない危ない」

 

気楽そうに頭を掻いて男は笑う。

 

「・・・・・・守る戦い、ですか。俺の知らないものですね」

 

生前も俺は守るべき国民を捨てて放浪したし、弟も俺が叩き売りした喧嘩が元で死んだしロドモンテと結婚寸前だったドラリーチェを奪ったのがきっかけで妹も死なせた。

全方位向け喧嘩売りさばき機だった俺に守るものなんて持てなくて、結局ドラリーチェを置いて俺はロジェロにぶっ殺されたわけだ。

あの時少しくらい自重していれば、そもそも王位継承者としての仕事をほっぽりだしてヘクトールの武具を求めていなければ。

その後悔が今も俺の中で竜巻のようにぐるぐる、回っている。




今回のマイフレンドはFGOより自己評価の低さがブーストしております。

あともう一人称がアレの時点でセイバーが誰か皆さんお気づきかと思いますがそれは言わぬが華という奴です。大丈夫だとは思いますが一応名出しはお控えくださいな・・・・・・()
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