Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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瀬戸内の民なのにクソあぢで死にそうめう

んで最近キアラさんとテスラさんが来たのでわいは運を使い切ったと思いますブハハハハ死んだら供養してください


130話 十日目:それがせめてもの贖罪

「将来時計塔の方に行く予定とかはあるのか?」

 

昼下がりのクッソどうでもいい情報ばっか垂れ流すワイドショーがよほど退屈なのか、海は大あくびをかましながらそう問った。

貴志は何にも考えてないといった顔をしている。言葉の答えを聞くまでもない。

 

「あっことつきあい出すと得もあるがそれなりに損もあるってところだな」

 

魔術の特許関連で俺もいろいろと関わり合いになってはいるが時計塔そのものへは行ったことがない。

一応今からでも入って研究云々ということもできるが、今更めんどくさいしと言うわけで現状がこれだ。

 

「まぁあそこは科学排斥派と容認派やら貴族主義と民主主義やらの対立まみれでめんどくせえらしいからな。俺はああいうの嫌だから入ってねえけど」

 

煙草の値上げ報道にくたばれJ○とド直球も甚だしい罵声を上げ、胸ポケットからまた煙草を取り出す海。このニコ厨が。

 

「お前さあ、俺はともかくとしてこいつの真ん前で煙草ふかすのはどうかと思うぞ。肺に悪い」

 

「はいはいわかりましたよーだ」

 

嫌な国になったぜ全くと悪態をつきつつ、海は廊下に出て行った。今日は雨、さっき海の手の中にある箱を見たが今あいつがくわえているであろうやつが最後の一本。

また篠塚あたりがパシらされるんだろうなと予測がつく。

 

「来栖さんはセイバーと一回家に帰るっつってたが、いつ帰ってくるんだか」

 

最悪の場合籠城戦にもなりかねないから(この家がギルガメッシュの宝具祭りに耐えられる前提なのがおかしいが)と1週間分の服や食べ物を持ってくるらしい。

いくら結界張った上で防空壕も兼ねる地下室へ逃げ込んだところで因果律を書き換え触れたものは何でも粉砕する宝具とか出されたら即おしまい不可避なのだ。

なんだかんだで空襲があってもちょっと屋根が焦げた程度で済んだ家だが、至近距離で核爆弾ぶっぱされたらそりゃ消し炭になるわけで・・・・・・

 

「とはいえ防衛システムもうちょい硬くしとくべきか」

 

フローリングに手で触れ、敷地内に張り巡らされた索敵網と結界をアップデートする。

俺の家は龍脈の真上も真上、このあたりで一番魔力の流れが強いから強い結界システムを組んでも俺にはそこまで負担がない。

俺という水道を使わなくても井戸から水を勝手に汲んでやってくれるのだから便利だ。時折不届き者が毒を混入する場合があるので濾過に関してはかなり厳重でなければならないのだが。

 

「やっぱ平尾さんって、このあたりの龍脈って全部支配してるんですか?」

 

「山名は一応そういうことになってるな。明海に関しては知ってると思うがナディアっつうやつの管轄だ。万が一のために舞綱全域の脈を独占する手段もあるが県丸ごと吹き飛ぶような隕石でも来ないとやらない」

 

貴志がそれを聞くなり平服するような格好を見せる。俺はそういうの求めてないからとなんとか元の姿勢に戻させた。

 

「俺に魔術を教えてください師匠」

 

「教師になった覚えはないんだがなあ」

 

「そこをなんとか」

 

まあ万一俺が子孫を残せず死ぬような事態になってしまっては、平尾家が代々研究して積み重ねた技術が水泡に帰してしまう。

保険というのも何だが、俺がこの先ギルガメッシュに殺されるだのなんだのという可能性を考えたら少しだけ技術を教えるという手もある。

絶妙に悩ましいが、思い切ってやってしまった方がいいだろうか。

 

「言っとくが機密度の高い情報は外部に漏らしたら即刻首ちょんぱだぞ」

 

「は、はい!」

 

この様子だと基本的な強化すらもまともにやっていなさそうなので、まずはそこからだ。

後継ぎができたときのシミュレーションとして少し彼を実験台とさせてもらおう。回路や属性の相性もあるため全く同じ手法でOKということはないだろうが、しないよりかましだ。

 

 

「ただいま帰りましたー」

 

2時間ほど貴志を相手に教鞭を振り回していたところで来栖さんとセイバーが帰ってきた。手には大きなボストンバッグとレジ袋。2Lペットボトルの先端部が袋を破って突き出ているあたり、崩壊まで後少しと言ったところか。レジ袋をケチるのは危ないだろうに・・・・・・

 

「やれやれ雨の中買い出しは疲れるねえ」

 

傘をさしていただろうに、セイバーの肩は濡れている。おそらく来栖さんに傘を傾けすぎたせいだろう。

サーヴァントだから風邪は引かないだろうが、このまま放置するのもかわいそうということで俺はタオルを持ってきてセイバーに投げ渡した。この勢いで使っていると今日の風呂時に足りるか不安だ。

 

「そういやどうすんのさ、今から戻って英雄王のお相手でもするのか?」

 

「・・・・・・そっちの方が良さそうな気はしますけど、あの医者が怖くて」

 

令呪を指先で撫で、俯く貴志。

 

「・・・・・・マスターだけは死なないでくださいって、言われたんで」

 

「ランサーにか」

 

俺がそう聞くと、貴志は静かに頷いた。

 

「俺は、なにもしてやれなかったんです・・・・・・お任せくださいって言われて、真に受けて。危ないって感じて令呪で呼び戻そうとしたけど」

 

その前に消滅を迎えたというわけだ。暴走していた俺の友にとどめを刺されて。

 

「何にもわからないまま、代理戦争をしてもらうだけの話だと思って・・・・・・」

 

「あぁ・・・・・・巻き込まれたんだな」

 

参加する意志を持った奴が7人に満たなければ、定員に達するまでその街にいる魔術師から無作為に選ぶシステムらしい。

召喚の順番は確かアーチャー、アサシン、セイバー、バーサーカー、ランサー、アヴェンジャー、ライダー。人数あわせとしてランサーと貴志が選ばれたのだとしたら、アヴェンジャーのマスターもいわゆる巻き込まれで参加したはずだ。

つまるところ、最後まで渋っていた俺と、参加を表明した魔術師が事故で死んだおかげで巻き込まれた来栖さんを含めても5人しかいなかったと推測できる。

 

「聖杯戦争について知ってる魔術師とか、そう簡単にはおらんから仕方ないだろうよ。だが言われなかったのか、マスターが死ぬとサーヴァントも消えるとか、そういった話」

 

「・・・・・・聞いてましたけど、わざわざこっちを狙ってくるだなんて」

 

「馬鹿言え、マスター狙いはだいたいのやつが考えつく手段だ。わざわざ兵器ぶつけ合わせて戦うよりもよっぽど楽だしコスパもいい。だから戦争中はサーヴァントにずっとついてもらうか工房に引きこもるべきなんだよ」

 

少しきつく言ってしまっただろうかと、俺は貴志の表情を見る。

納得してはいるが、どこか悔しそうな顔つきだ。

 

「じゃあ俺は、俺なりにランサーの隣で支援していればよかったんですか」

 

「・・・・・・まあそういうこった。家に籠もって必要な時に支援を送る戦法もメジャーだそうだが」

 

俺も資料を見ただけなのでご高説を垂れていいわけじゃあないが、取りあえず言うだけ言ってみるほうがいいのかもしれない。

 

「・・・・・・そうですよね、俺が、適当なことやってたせいで・・・・・・ひどいことをした」

 

ぎゅうと右手を握りしめ、貴志は唇を噛む。

 

「・・・・・・後悔してるならせめて生き延びる努力くらいはしといた方がいい。もうどうでもいいってなって死んじまったらランサーも・・・・・・ブラダマンテも浮かばれないだろ」

 

適当なことを言った。ブラダマンテの気持ちなんてわかるはずもないのに、わかったふりをして。

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