Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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ぐだぐだ感アリアリのまま続けていつのまにか43万文字という
文の質を無視したら本出せるわ(なお三点リーダの乱用)


143話 十日目:決着 

「令呪を以て命ず・・・・・・我が身を寄る辺に舞い戻れ、マンドリカルド!」

 

もはやセイバーたちにはにはバレているだろうからと、俺は思い切って彼の名を叫んだ。

真名が持つ力は絶大で、その上サーヴァントという普段は名を隠すような存在なら尚更というわけ。

世界に言って聞かせてやろうじゃあないか。我が友はここにいる、白陽の鷲とともに。

手の甲にあった最後の令呪が、きんっという音を立て瞳を閉じるように消えていく。

握り込んだペンダントの石は大きく啼いた。

 

俺の献じた王冠はそのこうべの上で星のように煌めく。

再冠の時は今ここに。

王は、今こそ発ちぬ。

 

「・・・・・・っ、来い!!」

 

半透明の彼に、手を触れた。

存在座標の完全一致。世界はこれを、同一存在として認識する。

 

「克親・・・・・・今行く!」

 

マンドリカルドの存在が俺の体表で拡散し、オーバーレイ状態へ移行。

同じ意志の元に、魂は結合する。

体を濡らす雨の雫も、強大な力によって吹き飛ばされた。

どんな絶望の畔に立たされようとも、俺たちは負けやしない。

俺とマンドリカルドの間にあった縁は誰にも切らせない。

 

「・・・・・・ああ」

 

この腕の中に、確かに彼がいる。

それだけで満たされる、それだけで嬉しい。

冷えた体に熱がこもる。

俺たちは、ぎゅうと右手を握りしめた。

地面を強く蹴り、数メートルを一気に跳躍する。その右手が目指すは無論、友の体を乗っ取った野郎の顔面。

 

「俺の友達を返して貰おうか!!」

 

捻りを加え、思いっきり手を手前に引いた。全力を込めて、拳を突き出す。

 

「今更かよっ────!!」

 

黒に染まったデュランダルの刃が此方へと振り下ろされるが、聖遺物の力を纏っているお陰か掠り傷で済んだ。

この程度の血なんてもう見飽きたと、そのまま手は軌道も変えず奴の頬へとたたき込まれる。

 

「っが!!」

 

奴は一瞬で横へと吹き飛ばされ壁にぶち当たった。動きが鈍った瞬間を見逃さず不破は奴を拘束した。

衝撃でデュランダルを取り落としたのを俺は見逃さず、そいつを奪い取りそちらへ投げ渡す。

 

「俺が殺れってか!」

 

「ああそうだ、俺と一緒にこいつをたたっ斬ってくれ!」

 

どういう理屈だよと言われればそれまでだが、俺にはなぜか絶対の自信があった。

 

目を閉じ、意識を集中させる。

葎の広がる心象世界、そこにはもうなかったはずの剣があった。

 

「・・・・・・具現化」

 

起源の力を駆り、それを現実世界へ引っ張り出す・・・・・・言わば、視界を変化させない極小の固有結界。空想具現化。

マンドリカルドの存在そのものと同化したそれは強い現実性を持ち、あたかも最初からそれがあったかのように・・・・・・現実を書き換える。

固有結界の性質上、抑止力にかき消されやすいが今という異常事態・・・・・・それも、目を瞑ってくれている。

 

「勝つぞ」

 

「・・・・・・今、誓いを果たすっすよ」

 

再びこの世に顕現した聖剣。

この轍こそが、宿命だ。

 

「・・・・・・アンタら、どうなってやがる。デュランダルの力はもうないはずじゃなかったのか」

 

「これに関しちゃ概念の上塗りだ」

 

実のところ俺もよくわかっていないが、こんなときは気持ちで勝ちにいくほうが合っている。

剣を上段に構え、全身の力を手へと集約させる。

不破も俺の状態を見て、下段霞の構えを取った・・・・・・受肉したのなら、先ほどのように分裂される心配もない。

 

「・・・・・・クソ」

 

観念したか、奴は静かに目を閉じる。

少しカラーリングが違うだけでほぼ彼そのもののような姿を斬るのは少々気が引ける気もするが、躊躇うわけにはいかん。

 

「さっさと去ねぇええええええええええ!!」

 

「消えろおおおおおおおおおお!!!!」

 

同時に聖剣と魔剣が交錯する。

汚染されたデュランダルは、正規のデュランダルとほぼ逆の力を持っている・・・・・・かと思われたが握っていてわかった。

あれの力は奴にねじ曲げられただけで本質は変わらない。

逆の力ならば相殺するものだが、衝突する瞬間同じ位相のものが融合するために増幅が起こる。

腕が吹き飛びそうな衝撃が、びりびりと顔面に伝播してきた。

だがまだ終わるわけにはいかない。何度も剣を打ちつけ、完膚なきまでに叩きのめす。

 

「もうそろそろいいだろ、灰燼に還してやる!!」

 

「待てや!俺まで消し炭にされるのはゴメンだっての!!」

 

慌てて不破が横に飛び、ルーラーの背中に隠れる。さすがに彼も食らったらヤバいと見たのだろう、正しい選択ではある。

核らしき部分に、緑の粘性物体が張り付いている・・・・・・こいつを引き剥がせば大丈夫だと俺は察知し、剣を掲げた。

 

空想は具現化する。

願いは叶えられる。

それが、人類のためならば。

 

「・・・・・・人の営みに、お前は必要ない」

 

剣の切っ先へ、すべてを集約させた。

霊核を砕かぬよう、優しく・・・・・・それを触れさせる。

 

「繧?a繧、繧?a繧・・・・・・繧?a繧阪d繧√m繧?a繧阪d繧√m繧?a繧!!!」

 

「・・・・・・Сау булыгыз(さよなら)

 

音もなく、それは蒸発した。

 

八月朔日の体から這い出たそれも、意味の理解できない言語を吐いて消え去る。

・・・・・・おそらくこれは感覚を共有するもの。どこぞの魔法少女製造業の奴らとは違い、どれかが死ねばそれがすべての個体に共有されるという性質の。

 

「・・・・・・聖杯の泥みたいなもん、っつっても所詮は魔術師の作ったパチモンってわけか」

 

「・・・・・・本物だったらこうはいかないだろうな」

 

ぱちん、と音がして俺の体からマンドリカルドが離れた。恐らく元の体が戻ったからであろう。

 

「つかさ、さっきは焦ってたから言及しなかったけどなんでテメェ霊核ごと乗っ取られてんのにそんな芸当ができたんだ」

 

不破の言うことも一理どころか万理ある。

 

「それはだな・・・・・・俺もわからん」

 

「理解しとけ」

 

正直ペンダントにそんな魔術はかけていなかったはずだ。

死なないでの思いとともに、致命傷を2回耐えきるような・・・・・・某ゲームでいう「きあいの○○」みたいなやつ。

汚染効果が致命傷という判定だったっつうならそれまでだが、どうもよくわからん。

 

「まあ兎にも角にも騒動は終わった。あとはこの戦争に決着をつけるだけだ・・・・・・って言っても俺に監督役の資格はないがな」

 

聖なる杯をポケットから取り出してルーラーに渡した不破。

 

「俺はもう公平性を捨て、こいつらに味方した。全部を決める権利はテメェにある、ルーラー」

 

ルーラーは金の杯を見つめたあと、小さくため息をついて不破に返した。

不破の方はなんでだよと押し付け返そうとしたが、やっぱり地味にサーヴァントとしての力を発揮され無理やり返してきた。

 

「・・・・・・そんなに俺に持っていて欲しいのかよ」

 

ルーラーは静かに頷き、とんでもない惨状を呈している俺の家を見た。それにつられて俺も視線をそちらに移す。

屋根はバキバキ、二階の研究室は完全に露出。研究室の床に穴も空いたせいで雨漏り放題。

修繕にいくらかかることやら。

 

「・・・・・・まあ、周りに被害が出るよかマシか」

 

被害を受けたのが俺の土地のみなので、不破がカバーストーリーを作り上げる難易度はかなり低い。

簡単に、俺が趣味の工作をしていたらガスの配分間違えて爆発したとかその程度でいいのだから。

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