Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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新しい章の実装がなくってかなしいです
後少しだけ待てば・・・うおおおおお


本編はやっとこさ戦闘です、マイフレンドの感じた”臭い”というもの&クラスでなんか察せるでしょうがわかってもお口チャックでお願いします。


16話 二日目:おうちかえりだい

と、いうわけで。

 

「食べ放題だからたんまり食ってくれていいぞ。満腹で動けないってならんくらいになら俺が許す」

 

網の上が一瞬にして肉で埋まり、かぐわしいにおいをあげている。

こういったものにはいまだに慣れていないマンドリカルドのために、食べ頃の奴を取っては渡していく。

 

「お前がどこを信仰してるのかは知らんが多分ヒンドゥー教じゃねえだろうし牛肉だったら宗教的にも大丈夫だろ、ほら食え食え」

 

俺も肉を貪りながら勧めまくる。こういうときは疲れていても少しくらい詰め込まなければならないという無意識中の圧力が見事に働きまくっていた。

店内中から聞こえる肉の焼けていく男に聴覚をほぼジャックされそうな気分・・・・・・こういうところに来なければわからない感覚だ。

 

「ご飯おかわりいっすか」

 

最初は戸惑っていた彼もスイッチが入ったのかどんぶり飯を当たり前のように平らげ、ばくばくと肉も野菜も吸い込むように食っていく。普段とちょっとイメージが違う、意外と食いしん坊キャラなところが面白い。

 

「やっぱ肉は正義っすね」

 

頬袋にリスのごとくものを詰め込んでの発言。

いつの時代も人間ってそういうもんなんだなあとぼんやり考えながら、烏龍茶を喉に通していく。

積み上がる皿の塔はいつしか俺の座高をゆうに越すほどのものへと成長。

それでもなおブラックホールのような胃には肉が取り込まれていく。

 

「やっぱ普段の飯じゃ量足りてなかったりする?」

 

「いやそういうわけじゃないっすよ。俺はただ食おうと思ったら結構入れられるだけなんで」

 

目にも留まらぬ箸さばき。

本能的になのかどうかはわからないが、じゃっかんほんの少しだけ高い肉をことごとく食われていく。

これで今回食べ放題じゃなきゃどうなっていたことかと戦慄を覚えながら、俺も飯を楽しんだ。

 

 

会計を済ませ店を出たところ、あたりは既に暗くなっていた。

そして感じる視線・・・・・・マンドリカルドとも念話でやりとりしたがやはり気づいているようだ。

少し誘ってみるため、駅から離れ人気のない路地裏へと移動する。前にシャッターを下ろしてしまった店に囲まれている場所で気づかれる心配もまあない。

ゴミ箱まみれな細い道を抜け、少しだけ広い場所へ出る。

 

「・・・・・・さすがに暗いだろうから、暗視の強化かけとくぞ。Excitation(励起)・・・・・・Voir l'obscurité(闇すらも見よ)

 

詠唱を簡略化した魔術をマンドリカルドにかけて、俺は背後をとられないよう壁に寄る。

彼も完全武装を纏い、例の木剣を携えあらゆる角度からの急襲を防ぐべく気を吐いていた。

今回俺が持ってきている武器のストックは5本。真剣が使えないため、槍などの武器を中心とした構成になっている。

できれば使いたくはないのだが、恐らくサーヴァントとの戦いは一筋縄じゃいくわけもない・・・・・・いざという時は強化魔術を使って逃げる算段も立てておかねばならぬ。

さあ、相手方はどうくるか・・・・・・

 

「アナタ、サーヴァントですね?」

 

上から飛び降りてくる人影。こちらも警戒していたためか攻撃は入れてこず、ちょうどマンドリカルドの3mほど前方へと降り立った。

サーヴァントは女性であり、金色の髪をツインテールにして、手には大きな槍の穂先らしい何かと光る盾らしき物を持っていた。

・・・・・・ところまではいいのだが、いかんせん格好がなんというか破廉恥という問題がある。

もう公共に出す上で最低限のところ隠せばいいか!レベルの・・・・・・もはや水着に腕と足の装甲を足してマントを羽織っただけというその姿。視線をどこにやればいいかわからなくなる。

ほら、マンドリカルドもああいう女子ちょっと苦手そうだし震えているじゃないか。

 

「ま、マス、た・・・・・・ぁ?」

 

振り返るマンドリカルド。

その顔は蒼白で額には脂汗、ついでに言ったらもう既に泣きそう。

そこまで苦手だったのか、この手合い。一応理由だけ聞いてみようかと思い、俺はこう返す。

 

「どした、なんかあったか」

 

「・・・・・・トラウマの匂いがするっす・・・・・・俺にはできません無理!」

 

トラウマとは何のことかと考えたが、答えはすぐに見つかった。

恐らく生前の彼を葬った騎士ロジェロあたりのことをさすとみてまあ間違いはなかろう。

となると、彼女の正体候補はかなり絞れるのではないか?せっかくだから真名看破まで持っていったほうがよいのではないか?

そんな考えに至り、俺はマンドリカルドに言う。

 

「トラウマがなにか知らんが戦ってくれ」

 

「嫌だ!おうちかえる!!」

 

「帰るな戦え」

 

「嫌っす!絶対嫌!!」

 

こんなところで今まで全然してこなかった反抗をされるとは思わなかった。

だがここで尻尾巻いて逃げるというのも外聞やらがよくないだろう。

令呪を制御のために使うのはあまりやりたくなかったことだが、この際仕方がない・・・・・・

 

「令呪をもって命・・・・・・」

 

「わーわかりました、わかりました戦いますから!それだけは勘弁してくださいって!!」

 

対魔力がCなので絶対に逆らうことが不可能な令呪をちらつかせると結局こんな感じで従ってくれるからありがたい。

下手に能力が高いと耐えられて逃げてしまうから、やはり制御のためにもそういったステータスは平均くらいがよいのだ。

 

「・・・・・・終わりましたか?」

 

相手もなんでこんな律儀に待ってくれるんだか。

彼女なりの信念みたいなものがあるのか、そのまま俺たちの前で仁王立ちしている。

 

「お、終わりました・・・・・・アホみたいなお見苦しいもの見せて申し訳ない」

 

一応謝罪だけしておこう。一応神聖な戦いの場を汚しかねない行為ではあったし。

俺がそう言うと彼女は金の髪を揺らし頷く。

 

「いいでしょう、謝罪に免じて許します。私はサーヴァント、ランサー。騎士たるもの名を名乗るのが礼儀ですが、此度はそれを禁止されているためクラス名での名乗り、お許しください」

 

深く頭を下げるランサー。

随分と礼儀正しい騎士らしく高潔・・・・・・中身はとてもよい女性というと語弊があるがまあ俺はそう感じた。

 

「・・・・・・サーヴァント、ライダー。俺はどこぞの有名な騎士でも何でもないただの冒険者だが、一介の戦士として名乗りを上げられないこと、慚愧に堪えない」

 

さっきまでのへっぴり腰はどこへやら、マンドリカルドの顔は覚悟を決めた漢の顔つきになっていた。

この際相手が女性の姿でなぜか現界したロジェロとかだったとしても関係なしに戦ってくれそうである。

 

「では、早速ですが戦いましょうか。私が女と見て真剣を持たないという手加減、後々後悔しますよ」

 

これは手加減じゃないんだよなあなんて宣っていられる余裕はない。

彼女が構えるのに合わせ、マンドリカルドも木剣を両手で握り込む。

宝具の使用はよっぽどのことでもない限り禁じているが、いつあれが壊れないとも限らないのでストック用に体積を魔術で弄った槍を手のひらで握っておく。

 

「そうか。ならその後悔ってのをしないように、こちらもがんばるだけがんばらせてもらいますよってね」

 

随分と自信ありげな言い方をしながら、マンドリカルドは剣を持ったまま重心を低く下げる。

ぐ、と足底に力を込めて・・・・・・彼は先に一撃を叩き込むべく飛びかかっていった。

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