Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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FGOのマンドリカルドさんは意地でレベル100にしました
聖杯と結晶をたくさん入れました(実は間際の一撃だけスキルレベル9っていうね)

スカディ&玉藻よりマイフレンド優先は当然のことである
推しだから(なお宝具レベル)


2話 一日目:最初の会議

こんな陰気臭い地下室で話を続けるのもなんだと言って、召喚したばかりの彼を階段から外へと連れ出した。

無駄に豪奢な作りになっている我が家の内装を見て彼はなにやらそわそわとしている。

 

「どした、生前の記憶にくるか俺ん家は」

 

「いえ、そうじゃ・・・・・・ないん、ですけど」

 

召喚直後の威勢よさはどこへやら、俺の後ろを歩いているのはまるで弱みを握られたパシリ的なサムワン。

こんなんじゃあ戦闘入った瞬間にジャパニーズ土下座を披露して降参しかねないぞって懸念が浮かぶくらいなよなよしてる。

 

「まあ取りあえず俺の部屋来な、お前の部屋もきっちり用意するつもりだがまずは情報を互いに渡すとこからだ」

 

へっぴり腰調な彼の左手を取り、半ば強引に引っ張っていく。

俺の寝室にある一人掛けのソファに座らせ、俺もテーブルを挟んで向かい側にあるソファへと腰を下ろした。

彼はまるで面接を受ける大学生かのように握り拳を膝の上に載せ縮こまっている。

コミュニケーションに関してほんとに不安でしかないのだが、なにぶん俺もそういう類が大の苦手なおかげで適切な距離感がわからない。

さっきよりも主らしく上から感あふれる態度で接してみたけど完全に萎縮しちゃってるしこれは大失敗だ。

とにもかくにもこの戦い勝つにはサーヴァントの力をいかに引き出すかが勝負、険悪な雰囲気になったらいざという時の仲違いで俺が殺される羽目にだってなりかねない。

・・・・・・まあこの縮こまりかただと俺に直接手を下しそうなタイプじゃないとは思うけど。

 

「・・・・・・最初に決めておくことだが、口調どうする」

 

「はい??」

 

向こうは絶対サーヴァントとしての能力関係を聞かれると思ってただろうから拍子抜けしたんだろう。調子の狂った声が喉から飛びだしてきた。

 

「さっきみたいにちいとばかし高圧的な態度取ってた俺が言うのもなんだが、主従を感じさせる言い方はやめて家族とか友達みたいなのに話しかける感じの・・・・・・でね・・・・・・まあ俺友達どころか家族もいないんだけど」

 

こういうとき社会的生物技能がダメだと辛い。

案の定彼は頭上にクエスチョンマークいっぱい浮かべてますし。

 

「あ、あのな。霊体化できるとはいえ、時には実体化して他の人と接する必要にかられる時があんだよ。そういうときに変なボロが出ないように、普段からそういう、態度で・・・・・・」

 

背中に冷や汗がつうと伝ったような気がした。

大丈夫だろうか何か勘違いされてねえか。久方振りの業務連絡以外っぽい会話だからうまいこと前頭葉が働かねえ、またとんでもないこと口走りそうで怖い。

 

「ま、マスターがそう言うなら、俺は従いますよ」

 

「マスターって言うの禁止!それ他のマスターが聞いたらめんどくさいことになるから!名前で呼び合うぞ名前で」

 

「え、ええええ!!んなこといきなり言われても!」

 

こうなりゃ雪隠火事ってやつだ。テーブルの上に放置していたスキットルのウイスキーを飲み干した勢いで全部済ませちまえ。

 

「俺は平尾克親、地味な商社で働いてる平社員だ。まあ呼び方は適当に克親でいいわ。で・・・・・・マンドリカルド、だっけか。どうすっかな・・・・・・真名はおいそれと呼ぶわけにもいかないしライダーてのも衆人監視な状況では不自然だろ。特撮みたいな感じになっちゃうし」

 

「特撮ってのが何かはよくわかりませんけど、まあ真名隠しについては賛成っす。マス・・・・・・か、克親が名前決めてくれ」

 

頬を紅潮させ俯いたマンドリカルド。

どうやら人見知り激しめなタイプらしく、まるでぬいぐるみのように木剣を抱いている。

んで名前を決めてくれと言われたのはいいが悩むものだ。欧州ぽさとアジアぽさが混じったような雰囲気だからどっちに寄せるかで大いに悩む。

・・・・・・まあ、適当に好きな言葉となんか名字っぽい音を名前にでもしておこうか。あまり凝ってたとしても不自然になる気しかしないし。

 

「・・・・・・セラヴィ。セラヴィ・アムスールでどうだ。なんかそれっぽいだろ」

 

「・・・・・・え?」

 

三白眼で元から小さい黒目が更に小さくなって胡麻みたいに変化するマンドリカルド。

ビーツの汁に一夜漬けしたかのように耳から何から真っ赤に染めて悶え苦しむ姿はなんか滑稽に見えてきてつい噴き出してしまいそうだ。

 

「なに、そんな恥ずかしい名前か?」

 

「は恥ずかしい訳じゃないっすけど、いややっぱ恥ずかしいっす!!セラヴィはともかくアムスールだなんて!」

 

どういうことかわからんので文明の利器であるスマートフォンの検索を使う。

アムスール、と文字を入れてエンジンを回したところ、出てきたのはフランス語フレーズ集。

該当箇所を見ると、アムスールはいわゆるソウルメイト的な意味だそうで。

・・・・・・学の無さがこういう結果になるなんて思わないじゃない、普通。

 

「あー・・・・・・そっか。お前フランス語圏か」

 

「一応出典がフランス辺りの話っすからね」

 

フランス圏の原典、デュランダルを触媒に用いた上での召喚、あと真名。

ここまで出てくりゃやっぱわかってくることは大きいものだ。

俺は手の上で転がしていたスキットルを置いて立ち上がり、後ろの本棚の奥で埃を被っていた一冊を取り出す。

ハードカバーに金糸の刺繍がなされたいかにも高そうな本には『THE ORLANDO FURIOSO』と書かれていた。

 

「そっか、なんとなく思い出したわ。マンドリカルドってあれだ、前半武勇伝で固められたかと思ったら後半狂乱してどっか行った奴のデュランダルパチったり一騎打ちで鎧の力過信して容赦なくぶちのめされたかませわんこの」

 

「く、黒歴史をこうもストレートに言われると心に来るっす・・・・・・」

 

引っ張り出してきた本の背表紙についていた埃をぺしぺしと手で払い、机の上に置いた。

イタリア語でびっちり36万行を越す大長編なだけあって、威圧感は広辞苑に負けずとも劣らない凶悪さだ。

 

「俺も小学校の頃読み聞かせてもらっただけだから忘れてたわこんなの。つかデュランダル触媒に使ったら普通ロジェロとかローラン来ると思うじゃん」

 

「その節は申し訳なかったとしか言えないっすよ。俺は聖杯にかける願いのことしか考えてなくって、あん時はマスターのこととか何も考えずホイホイ出てきちゃって・・・・・・」

 

「まあ正直俺としてはロジェロ&ローランはお断りだったしよかったんだけどな。フられて発狂するやべーやつと魔法耐性とかが0超越してマイナスまでぶっちぎってそうな輩だし。それに比べてお前は小悪党くらいで済んでるんだから扱いやすいわって話」

 

褒めてんだか貶してんだかぜんぜんわからない言い方ではあるが、これでも俺は彼を評価しているのである。

なんだかんだ言いつつ原典では一騎当千とはいかずとも一騎当百くらいの力は有しているし、ヘクトールの鎧を着ていいと認められた武勇も持っているのだから。

・・・・・・まあ途中で魔がさしてからアレにゃなったが。

 

「でも俺、陰キャっすけどね」

 

「会話出来てりゃ別に問題ねえよんなのは」

 

実際俺もコミュニケーション能力に不安のある人間なので思考の伝達共有が出来るだけで万々歳ってわけだ。

 

「俺、馬も普段から出せないし真剣が誓約のおかげで持てないっすからね」

 

「・・・・・・ん?」

 

なんか今、ものすごくとんでもないことを暴露されたような気がしたのは私の勘違いでしょうか。

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