Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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マイフレンドの推しが金枠になりました
種火がたりません(血涙)


3話 一日目:とりあえず就寝

「馬って例の名馬と名高いブリリアドーロだよな」

 

「そうっすね。あいつがいなきゃ俺は英霊になんてなれなかったくらいの名馬なんすわ・・・・・・入手のいきさつがちょっと邪悪というか言語道断だったせいで戦闘の時に一瞬しか呼べないっていうからもう俺みたいな底辺のサーヴァントだけで戦わなきゃいけないっていう・・・・・・すんません、やっぱ帰らせてください俺なんかが勝てるわけないっす」

 

一瞬で自己嫌悪状態に陥ってからのこれである。有るはずもない尻尾が垂れ下がって見えるような・・・・・・幻覚症状まで引き起こしてしまうほどの闇オーラを噴き出している。もうこれだけで敵が倒せそうな気がした。

前言撤回、めんどくさい子だこれはこれで。

 

「いや悲観すんなって、ブリリアドーロいなくたって十分戦えるだろ?」

 

「十分なんかじゃないっす一分くらいしかないっす!!いやもう五厘!!」

 

タタール人のはずなのにやけに日本語に詳しいのは聖杯からの知識なのかが気になるけどもそれは置いといて、このマンドリカルドの自己肯定感の低さは何なのだろうか?

原典だとどこの歌を見てもだいたい俺様系キャラだったというのに、座で誰かしらから諭されたのかってくらいの変わりようだ。

 

「デュランダルはないし誓約の縛りで木とかでできた模造品以外の剣は使えないんすけど」

 

まあ今言えるのは精神的な面でだいたい装備品など頼りだったのに、召喚されたらそれがいろいろない状態ということが性格変容に噛んでいるのは間違いないと思う。

言い方から察するに自ら持ってこなかった訳ではなく持ってくることができなかった(困難だった)とみていいだろう。

 

「剣が使えないんなら槍でも斧でも銃でも使えばいいじゃねえか。うちには腐るほどその類があるからな、銃刀法違反でしょっぴかれる前に証拠隠滅に協力してくれたっていいんだぞ」

 

『名剣のドゥリンダーナを打ち振れば、いかなる盾も、兜も、また綿を詰めたる布も、いっこうに物の役には立たぬゆえ』なんて謳われる稀代の絶世剣がないのは痛いが戦えない訳じゃあないだろう。

相手がどんな業物使ってくるか完全にわからないので対策は練りにくいが、緊急時の対応が出来るように普段から気を張っておけばいいことだ。

 

「安心しろ。お前がそこまで言うくらいなダメダメ能力だろうと俺がどうにかするさ。こんなナリでも俺は七代目の魔術師なんだ、「強化」に関してはまあ自信があるっての」

 

背中を服の上から掻きむしる。

最初の「四角」と比べたらまあ3割前後が埋まったくらいか。

研究の度に更新しているおかげで魔術刻印は肩口まで線を伸ばしていて、起動したときはかなりわかりやすく緑に光る。

魔術師としての歴史が全て詰まった代物を背負うのはいいが、俺が貴族っぽいやつにありがちな科学嫌いじゃないことが親戚にとっては不満の種らしく、お前みたいなボンクラ魔術師に平尾家の歴史を任せられるかなどとめちゃくちゃな言われようなのだ。

一子相伝のシステムとはいえ魔術刻印は一部の移植だってできるんだし親族内での株分けしてもいいじゃんという持論を展開したことも要因に含まれていると思う。つくづく思うがめんどくせえ。

 

「俺の全霊をもってすれば、どんな神話の神だって殺させてみせる」

 

大見得切ったはいいがそんなことできる確証は全くない。というか無理に等しい。

思い切って話せるようにと酒を多めに入れちまったせいだ。がらにも無いことをすると大概そうなるもんだ。

 

「・・・・・・神だって殺せる、か・・・・・・」

 

高級カーペットのごとくのごとくびらり広げた大風呂敷だが、マンドリカルドはそれを真に受けてしまったらしく唇をもにもにと噛んで何かを考えている。

なんか、ただのほら吹きを信じられると広げちまったもんが畳めないと言いますかなんといいますか・・・・・・

 

「こんな一伝説の脇役だろうと、あんたはその魔術強化で勝たせられるってことっすか」

 

「まあな」

 

またその場のノリで肯定してしもうた。

もうこのフェーズから戻れる気がしない。今回召喚された相手のサーヴァントが弱い奴であることを祈るしかない。

あとは伝家の宝刀をぶっこ抜く決意を固めるとか、いかに普段の研究を活用するかとか・・・・・・

考えつく限りの手段を思い浮かべてみるのはいいがもう頭が鉄もとろけるくらいに発熱しそうだ。

明日(正確に言えばもう今日)が日曜日でほんとによかったと思う。

 

 

「・・・・・・ねっむ」

 

サーヴァント召喚で持って行かれた魔力が余りに多量だったせいで体を襲う倦怠感は俺史上1、2を争うほどの威力だ。

マンドリカルドと話しておきたいことはまだたくさんあるのだがさすがにこれ以上は体が持たない。

朝になったら聖堂教会のクソ野郎(別名怪人キャロライナリーパー押し付け男)に会わねばならないのだから、少しでも回復しておかなければ開戦直後に後ろからバッサリなんてことになるかもしれないのだ。あの男はほんと油断ならないから。

 

「じゃあ、部屋だけ教えるから寝るなりなんなりしてくれたらいい。まあつってもここ出て左曲がってすぐの部屋だけどな」

 

今にも寝落ちしそうな体を引きずってマンドリカルドを部屋へと連れて行く。

書斎と寝室が融合したような部屋で、魔術の研究や持ち帰った残業行き詰まりになった時よく使う部屋だ。

無論いつごろごろしに行ってもいいように整頓はしてある。

 

「・・・・・・いいんすか、こんな豪華な部屋もらっちゃって」

 

「いいんだよいいんだよ。これから運命を共にするやつなんだからそんくらい当然だっての。ここの本も勝手に読んでいいからな」

 

この部屋は昔買った漫画からうん百年ものの魔術書が混じり合うというなんとも雑な管理状態の書斎である。

親父が生きていたときはちゃんと分類されていた(というかそもそも漫画とかなかった)のだが俺が所有者になったとたんこの様というわけだ。家政婦みたいな片付け係もいないので、整っているところと言えばシリーズものの本が全部ちゃんと巻数順に並んでいるくらいだった。

ここを部屋として与えた理由を言えと言われてもキッチン周りと寝室と研究室とここ以外を混沌あふれる魔境にしているから選択肢が無かったとは八つ裂きにされても言えない。絶対にだ。

 

「・・・・・・ああそうだ、飯はどうする。今日はこんなんだから大したもん作れねえと思うけど」

 

サーヴァントは魔力さえあればこの世界に留まってられるのだが一応聞いておきたかった。

飯の有無が能力パラメータに影響するタイプもいる(らしい)し、なにも考えず飯抜きってのは不和の原因にもなるだろう。

 

「もらえるのなら、ありがたく食わせていただくっす」

 

「そうか、わかった。ちゃんと8時ごろくらいに起きれるかわからんが、用意はする。じゃ、とりあえずおやすみ」

 

「お、おやすみ・・・・・・克親」

 

肉体の限界がかなり近かったので俺はそれだけ言ってドアを閉めた。

さっきの部屋に戻り、ベッドへと転がり込んで目を閉じる。幸い俺の魔力回復は早いほうで、安静にしていれば魔力量が数値で表すところの0近くを彷徨った場合でも一日くらいありゃどうにかなる。

体内で循環するエネルギーの流れを感じ取りながら、俺はそのまま意識を落としていった。




アドバイスとか頂けると歓喜に咽び泣いて流星一条します
お好みで掎角一陣の弾にもなります髄液ぶっさしてください
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