Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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オンライン授業が始まったので更新する分の小説ストックが切れそう
こわい


49話 五日目:ヒミツノハナゾノ

謎の辻斬りサーヴァントのことは調査する程度に留めておいて、今はまず療養が大事だ。

魔力を供給したことで、表面上は何事もないように見えているのだが隠れた場所の損傷がひどい。

その上一時的とはいえバーサーカーから精神汚染のような攻撃を食らったので、その面もちゃんとケアしてあげなければ。

 

「解析させてほしいんだが・・・・・・いいか?」

 

「・・・・・・構わないっすよ」

 

マンドリカルドは言葉の割に少し躊躇するような素振りを見せたので、伸ばしていた手を一度止める。

やっぱりあの体に自分ではない何かが侵入してくる感じは嫌なのだろうか。俺はその感覚を体験したことがないからわからない、というのが辛い点だ。

 

「やっぱ嫌か?」

 

「べ、別にそんなんじゃないんすけど・・・・・・ちょっと気になる事が、あの・・・・・・」

 

しどろもどろな言い方ではあるがなんとなく言いたいことはわかる。

彼もサーヴァントとして、俺の魔術を詳しく知っておきたいのだろう・・・・・・今まで雑な説明しかしてなかったし、この機会にいろいろと教えてやろうか。

 

「どした?なんか聞きたいことがあるなら言っていいぞ?」

 

俺がそう促すと、マンドリカルドは軽く狼狽の声をあげつつも顔をあげて俺の方を見る。

なんか表情が告白する前の女子っぽいな、とかいうものすごく失礼な考えが浮かんだ。

 

「・・・・・・克親は、俺のこと・・・・・・す、すすすす・・・・・・す、き・・・・・・なんすか?」

 

「そうだけど」

 

「へぁ!?」

 

自分から聞いといてなんでびっくりしてるんだか。生前はかわいい女の子見りゃすぐにアタックするし美女の顔をみたいがために軽く狂乱して軍列を単騎で荒らしていたというのに、なんといううぶさなのだろう。

もしかしてそのあたりの記憶だけ現界するときに置いてきたのか?

 

「それにしてもなんでいきなりそういうこと聞こうと思ったんだ」

 

「・・・・・・一昨日、聞いたんすよ。克親の魔術は、よっぽど愛している奴相手じゃないと使わないって」

 

絶対英国も驚愕必至の五枚舌野郎(唐川)がいらんこと吹き込んだなこれは。

いつかおはぎ(はんごろし)orお餅(ぜんごろし)の二択を迫ってやろう。ああどっちにしろ殺す、絶対に殺す。

 

「あいつに会ったのか。あの天パ味覚土砂崩れに」

 

「唐川さんのことっすよね?・・・・・・会いましたよ、一昨日の夜に。マスターにどれだけ魔術かけてもらったのかって聞かれたんで、答えたらそう。別にまずいことは言ってないつもりっすよ」

 

知られたら致命的なことは漏らしていないそうなのでひとまず安心だが、それでも完全に気は緩ませられん。

 

「そうか、それならいいんだが・・・・・・ま、実際俺の魔術なんて他人にゃそう使わねえもんだよ。強化魔術を他人に使うのは基本難しいっつーかめんどくさいし、解析も相応の技術を持たないと安定した結果が得られないどころか相手を傷つけかねないし。そういう面もあって、簡単に他人には使わん。それと平尾家の家訓として、『家伝ノ術ハ愛シキ者以外ニ使ウベカラズ』なんてのもあるからな」

 

「・・・・・・そ、それって」

 

こんなこと知るなら最初から聞かなければよかった、というマンドリカルドの感情がありありと見て取れる。

だがもう後の祭りなので諦めていただきたい。恨むなら唐川を恨め。

 

「ああ。自分の命を守るため、とかそんなのは関係なしに・・・・・・俺は、お前のことを愛している。つっても性的な意味は全くないから安心しろ、そういう趣味じゃあねえ」

 

あんま考えて言おうとすると余計な感情が出てきてだめになりそうだったので、俺はきっぱりとここで言い放つ。

あくまで友達というか親友、恋愛感情はないので安心されたし。

 

「そう、っすか・・・・・・よかった」

 

屈託のない笑みを浮かべられて、俺もつられるように顔が綻ぶ。

少しだけ心の壁が溶けたのかなと思うと、なんだかとても・・・・・・嬉しかった。

 

 

与えてもらった寝室に戻り、布団へとマンドリカルドを寝転がす。

前回多量の魔力を注いでしまったせいで軽い熱を出させてしまった反省を生かして、少量の受け渡しに向いている手から多量の譲渡専用に向いている心臓のあたりから解析の枝を伸ばしていこう。

マンドリカルドの着ているパーカーの前を開き、Tシャツと下着をたくしあげる。

露出した胸部に両手を当てて、静かに目を閉じた。

 

「いくぞ・・・・・・」

 

「・・・・・・いいっすよ」

 

その答えを合図にして、俺は回路をはっきりと起動させる。

焦らずゆっくりと魔力を生んで、そのまま彼の中へと注ぎ込んでいく。

 

「は、ぁ・・・・・・あ!」

 

手の時ほど抵抗による熱はないはずだが、かわりに霊核へと直結する心臓近くへ直接魔力を送り込むのでどっちにしろマンドリカルドへの影響は少なくない。

手際よく進めないとかわいそうなので、俺はどんどん枝を伸ばして末端神経まで浸透させていく。

やはり、一度へし折られた四肢や締め上げられた首へのダメージが大きい。それに修復されてはいるが百に近い数の傷があった・・・・・・ギルガメッシュに拘束されたまま、剣や槍で好き放題されていたのだろう。

霊基状態は推測通り、エクシード状態の反動で現在の実現可能最大出力が弱体化しているようだ。

 

「・・・・・・かなり、ボロボロじゃねえか」

 

「ふ、うぁ・・・・・・す、すんません・・・・・・俺、弱く、て・・・・・・ぇう!」

 

継続的に心臓周りを魔力の腕で撫でてしまうせいか、マンドリカルドの声はとても弱々しく上擦ったものになっていた。

 

「弱くねえよ、お前は。こんなんになっても最後まで諦めなかったんだろ、おかげで俺も生きてるんだ。自信持て」

 

いろいろと探っているうちに、何か変なところへとたどり着いた。

なんとなくのイメージでしか掴めないが、様相は恐らく大きな扉・・・・・・何かが、守られているような。

・・・・・・これは、秘密なのだろうか。

手を出していいものじゃないと知りつつも、つい・・・・・・見たくなってしまう。

枝たちを集め、その扉へと触れてみる。

 

「あ、ちょ・・・・・・そこは、だ─────!」

 

ぼんやりとした何かが実体化して、俺の方へと流れ込んでくる。

ぱき、と何かが割れるような音が脳裏に響いて、情報が爆発した。

・・・・・・マンドリカルドが心の奥にしまって、隠していたかったもの。それは、孤独だった。

生きていたころの30余年、英霊になってからの定義できるかすらわからない時間・・・・・・彼は、ずっと。

 

「・・・・・・寂しかったのか?」

 

「・・・・・・はぁ、はーっ・・・・・・そう、っすよ。俺は、っずっと・・・・・・満たされなくて、寂しくて」

 

彼が目を伏せる。

自分は醜いとでも言うかのように、俺の手をすっと包みこむ。

 

「結局俺は、いつまで経っても・・・・・・欲まみれなんすよ」

 

「いいじゃねえか、それで。なんでもいい、俺が許すから」

 

本能的に俺は察知していたのだ。

『マンドリカルドの力を引き出すためには彼の光も闇も、なにもかもを受け止めて認めてあげたほうがいい』ということを。

 

「生前いくら勝手なことしたからって、今なにもかもを禁止しなければいけないとかいう決まりなんてないだろ?法に触れることじゃないんならいくらでも言え。それがお前自身のためだ・・・・・・だから」

 

友達にわがままを言ったっていいんだぞと、俺は静かに告げた。




実を言うとこの世界ではなんかCCCとかに出てくるシークレットガーデンが存在してる設定です
なんか解放のしかたが男子勢と女子勢のまぜこぜになってるような感じですが全て気のせいです()

最近ノリがウ=ス異本的になってるのも気のせいです
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