Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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ギャグ回・・・なのか???

アサシンの正体についてはもうほとんどわかっちゃってますけど・・・一応感想とかで真名出しちゃうのはなしでお願いしますね()


66話 六日目:配慮なき発言は命取り

「まあ個人撮影のパロディVくらいのノリってことで周りには通しとこうか。さすがに本物だとか言ったら配給会社に殺される」

 

「そりゃそうっすよ。それ騙ったら犯罪っしょ」

 

そんなことを喋りながら家に戻る。

鍵を開けて中に入ろうとするもドアが開かない。もう一回試してみたところ、今度はちゃんと開いた。

つまり最初は鍵が開いていたということで、それイコール不法侵入者の在中につながる。俺の家に施してある結界の類はかなり強固なはずなのだが、どこから入ったのだ・・・・・・?

 

「セラヴィ・・・・・・武装して入るぞ。窃盗犯の類がいたら迷わずぶち殺せ」

 

「・・・・・・いいんすか?」

 

「ああ、許可する。正当防衛の結果被疑者死亡ってことにごまかすわ」

 

いくら何でもうちの機密事項に触れることは許されない。一匹残らず殲滅しろというのはこの家が始まってからずっと続く家訓である。

マンドリカルドが静かに鎧を着込んだところを確認し、ゆっくりと家の中へ足を進めた。

輩はリビングの方にいるので、研究室などに被害がいかないうちに始末しなければ。

 

「・・・・・・いくぞ」

 

「了解っす、克親」

 

部屋へと繋がるドアを乱雑に開け、そのまま突入する。

人影に向かってマンドリカルドはその場で拾った未使用のテーブルタップを持って鞭のように振り回す。

 

「ちょっと待てやる前に相手ぐらい確認しろてめぇ!」

 

一閃。

しなるコードが根元から切れ、擬似的なデュランダルとしての能力を失活して床へと落ちる。

一振りの刀を持った篠塚が、やれやれとため息をついてそれを鞘へと戻した。

 

「・・・・・・何で入れたんだお前ら」

 

「そりゃあんなクソガバ結界だったらいくらでも行けるわ。俺の魔術さえあればな」

 

人の家なのに煙草をふかす海の頭を一発平手でしばき回した。

普通できたとしてもしないのが道徳だろと言っても、魔術師の道徳じゃないからと雑にかわされてしまう。

 

「で?なんの用だ。まさかもう居候しにきたってのか?」

 

「そうに決まってるだろ。指示系統を一部再編してベースから離れてする通信も滞りなくしたし研究資材も持ってきた。1ヵ月はもつな」

 

そんなに長くいてもらっても困るのだが、聖杯戦争が終わるまでは何があっても出て行かなそうだこいつの場合。

人生諦めが肝腎なので、もうそこらへんは放っておこう。

 

「篠塚くんは・・・・・・サーヴァントだったな」

 

「そうっすね。あのときしっかり魔力の反応があったっす」

 

海はあの時アサシンと言っていたのは無論覚えているが、真名はなんだろうか。

プレイヤードで使っていた木刀、そして今その手に持っているのは日本刀・・・・・・長さ的には70~80cm程で腰につり下げられているところを見るに太刀の類だろう。

 

「ああその通り。俺はサーヴァント、アサシン・・・・・・まあ真名は当然ながら明かせねえが」

 

「毎度思うけどなんかちょくちょく口調変わるよね君って」

 

女の子のようなかわいらしい時もあれば今のように男らしい時もある。基本は腰の低い青年、というイメージなのだが時折それが崩壊するのだ。

 

「そこらへんは俺が説明するわ。実はだな──────」

 

そう言って、海がつらつらと事情を説明し始めた。

 

 

曰わく、海はとある組織の最強格とされる人間をセイバーで呼び出そうとしたらしい。

だが触媒の入手に難儀しており、探し回ってやっと手に入れた刀で召喚の儀を執り行ったのだが、なぜか触媒は狙った英霊のものでなくその部下が使っていたものだったという。銘の前半が同じだったので後半を見ることなく早とちりでやったせいもあり、その部下とされる英霊が召喚された。アサシンで、狙っていたクラスではなかったにしろ勝ち抜く戦術を組んでいたところまではいいのだが・・・・・・ある日、アサシンの異変に気付いたという。

あんぱんを好んで食していたはずの彼が、急にたくあんを所望してきたそうな。内心困惑しながらも買い与えると、なぜか口調が変化。現在の彼みたいな男らしい言い方になったらしい。

 

「・・・・・・んで、気になった俺はアサシンの霊基を調べてみたところ・・・・・・4体の英霊が一つの霊核に収まった存在、つまるところ複合英霊になっていたということがわかったんだよ」

 

「んなことがあり得るのか?二人一組みたいな感じで召喚されるサーヴァントってのは聞いたことあるが、一つの体に英霊が共存するだなんて」

 

聖杯による召喚のルールは未だ不明瞭なところが多いので、もしかしたらできるのかもしれない。

だがにわかには信じがたい話なのも事実である。

 

「俺らの芯になってる男は武術の心得もあったしそれなりに強いんだが、不安だしついて行きたいと唐突に俺の上司が言い出してだな。ほっときゃロクなことにならんと思って俺ともう一人連れて無理やり馳せ参じる前の奴を捕まえ俺らも行くと詰め寄った挙げ句の果てに一つの役へ押し込められたんだよ」

 

召喚者の操作が全くない、英霊たちの自由意志から生まれた複合体となるとさらに特異な例である。

 

「あいつのことは信頼していたはずなんだが、いざとなるとひとりで送り出せないとかどんなオカンだって話だ」

 

ソファに深く座り込み、篠塚・・・・・・アサシンはでかいため息をついた。

じわじわと今表出している彼の真名の候補は絞られてきたのだが、アサシンとしての真名はまた違うものだろう・・・・・・なかなか核心まではたどり着けないのがもどかしい。

 

「いくら一つの霊基とはいえ英霊4人分がすし詰めにされてたせいで消費魔力も多かったんだが・・・・・・芯の英霊がこれまた幸いなことにスキルで戦闘力と引き替えに燃費がよくなったってわけ」

 

海曰わくアサシンのクラススキルと彼の固有スキルによって、非戦闘時は微量の魔力で実体化の維持が可能かつサーヴァントの気配というのも完全に絶つことができたという。

実際何度も接触を繰り返していたというのに、マンドリカルドは彼がサーヴァントであるということを認識できていなかったようだし。

 

「もしかして、隙あらば俺ら殺そうとしてた?」

 

「なわけあるか。これでも腐れ縁じゃねえか・・・・・・殺したら後味悪いし別のこと考えてたさ。例えばセラヴィくんを人質に取って・・・・・・」

 

いらん話はせんでいいと海の口をふさぐ。どうせ俺に積年の恨みをぶつけるつもりだろうが、そういうことをマンドリカルドに聞かれると彼は警戒するに違いない。

 

「お前もいい友を持ったもんだな。性格はかなりアレだがなんてったって胸が最高だ。100点満点中1500点だ。普段は勿体ないことにさらしと厚着で隠しているが脱いだときの衝撃ときたらもうとんでもねえ・・・・・・普段からちゃんと出してくれれば3000は固いんだが」

 

「士道不覚悟で切腹するかこのおっぱい魔神」

 

海の口角だけは笑顔の形になっているが目は全くといっていいほど笑っていない。なんならこめかみに青筋まで立っている。

奴は自分の胸を限界まで押しつぶし、外から見ればぺったんこにしているのだ。おかげでふれたときもなんだか薄っぺらく感じるというもの。

 

「そうだぞー普段からちゃんと露出しとかないと体にも悪いぞー」

 

「・・・・・・うっせえなドタマかちわんぞ」

 

持ち込んでいたらしいウイスキーのボトルを逆さに握って海は俺の方を向いた。

ぴくぴくと引きつった表情筋が恐ろしいのなんのって・・・・・・って殴られそうなんですが助けてマンドリカルドさん。

 

「今のは自業自得っすよ」

 

「こういうときに限って非情だなマイフレンドぉおおおおおおお!!」

 

さすがに瓶で殴ったら死にかねないと判断したのか、海は俺の臀部に本気蹴りを繰り出した。

 

「・・・・・・バイオレンス」

 

「次は股間蹴るぞ」

 

半殺害予告を食らってしまった俺は、それ以上何も述べることはできなかった。

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