Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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度重なるキーボード入力のせいか親指がごきごきしてきました(フリック入力大の苦手民並感)

イベントのほうエリセちゃん宝具5にしたし高難易度もクリアしたし素材もあらかた取ったので絆ポイント稼ぎくらいしかすることないめう~(915+マシュ配置ボーナスが地味においしい)


七日目
74話 七日目:午前3時位まで起きてると体が痛くなる


あれ以降は特に大した話もなく、ただただ計画していたモジュール開発を完遂するだけして俺は寝室に戻り爆睡した。

魔術基盤と機械を一体化させるというのは一見簡単そうに見えるが突き詰めていくと意外とめんどくさいものだ。

起源の補助もあっての結果なのだろうが、一晩で作り切れるとは思わなんだ・・・・・・

 

「おはようございまぁーふ」

 

「うぇーい・・・・・・」

 

4時間程度しか睡眠をとっていないせいでいまだに体が重たい。

こんな状態じゃあいざという時に対応できないのだが、残念なことに四肢は神経の叫びを聞き流している。

 

「克親朝飯もうできてるらしいっすけど、行かないんすか」

 

「・・・・・・今は無理だ。起きらんねー」

 

顔の横に手を投げ出して、俺はでっかい溜め息をつく。

いくらゲーミングチェアと言えど背もたれ使ってなきゃそこまで意味がないってやつだ。腰回りがバキバキで今にも粉みじんになりそう。

 

「しゃーない。あとで食うって伝えときますわ」

 

「頼む・・・・・・あいででで」

 

本格的にヤバい気がする。根を詰めすぎたのか、起きあがる気力すら湧かない。

辛うじてベッドの上を転がり回ることは出来るのだが、それ以上がどうしても無理。

 

「言ってきたっすけど、大丈夫なんすかほんと。開発めちゃくちゃ頑張ったってのはわかるんすけど・・・・・・あんま無理しないでくれっすよ」

 

心配そうに俺の顔を覗き込むマンドリカルド。そりゃここまで疲労困憊している様を見せつけちゃあそうも思われるだろう。

俺の不調は彼の不調へと直結するのだから、あまり勝手なことをして彼を弱体化させてしまうのもよろしくない。出来るだけ自重はしたいのだが、なかなかうまくいかないのが現状である。

 

「すまんな、俺の悪い癖だ」

 

そう言って大あくびを一つかますと、うつってしまったのかマンドリカルドも小さくあくびをした。

壁に掛かった時計を見ると時刻はすでに8時30分。今日はアーチャー打倒作戦についてセイバーたちともう一度、相談をしておきたいところなのだが・・・・・・今彼らは家にいるのかがわからないのでどうするべきか迷う。今日は金曜日なのだが、来栖さんの方は有給を取らせていただいたと聞いているので会社には行っていないはず・・・・・・

 

「・・・・・・来栖さんたちの居場所がわからんな・・・・・・」

 

「克親はセイバーに魔力供給のパス通してたっしょ・・・・・・それたどるのは無理なんすか?」

 

「その手があったか」

 

完全に浮かべていた可能性の数々にはなかったものたがマンドリカルドのおかげで浮かんできてくれた。

正規の接続と比べて半分程度しか繋がりがない状態だが、一応感知自体はできるはず。セイバーはアサシンのようにサーヴァント特有の魔力流を隠蔽する事が出来ないため、常時探知が可能だ。

 

「早速やるぞ・・・・・・ちょっとそっちにも魔力流出するだろうけど、一応気をつけといてくれ」

 

「うっす」

 

目を閉じて、メイン回路とセイバーと繋いでいる太ももの回路を起こす。

じわりとメインで魔力を発生させ、サブへと移動・・・・・・このときのロス分がそのままマンドリカルドに流れるのだが、微量なものなのでさして問題はないはずだ。

動かした魔力に指向性を与え、セイバーへと送る。

返ってきた情報から察するに彼らは家にいるようだ。まあこの時間帯だし当たり前っちゃ当たり前だ。

 

「・・・・・・来栖さん家だな。どうする、ちゃっちゃと出発するか?」

 

「克親が大丈夫なら俺は構わないっすよ。でもその様子じゃきついんじゃないっすか」

 

起き上がれない俺を見てまた心配したのか、ちいちゃい眉がわかりやすく角度を変えた。

 

「ま、それもそうか。ちょっと二度寝さしてくれ」

 

「了解っす」

 

というわけで俺はそのまま沈没した。少なくとも2時間位は寝たいところだ。

 

 

「・・・・・・克親、克親起きてくれっす・・・・・・」

 

夢を見ることもなく意識の奥深くまで沈んでいた俺をサルベージしたのはマンドリカルドである。

頬を緩くしばかれては三度寝というわけにもいかず、大きく伸びて一度起き上がった。

 

「もう10時っすよ。そろそろ行かなきゃだめなんじゃないっすか?」

 

「・・・・・・そうだな・・・・・・昼飯時に押し掛けるのもアレだろうし今くらいがちょうどいい。準備するから待ってろ・・・・・・ああそうだ、帰りにライダーシステム(仮)を試したいし・・・・・・」

 

どたどたと研究室まで移動し、大きめのアタッシュケースに入れていたものを確認する。

ベルトと装備を集約したトランク、そして主武装である伸縮可能な槍。改めてみるとこれを一日で完成させた俺の集中力は凄まじい。

 

「素材にも限りがあるもんでな、一部お前が持ってる鎧を転用させてもらうつもりだ。ベルトを起動すりゃ、このトランクの中身・・・・・・外装がおまえの周りを取り囲むからその間に鎧を実体化させてくれ」

 

「了解っす、タイミングを教えてもらえれば出来るようにするんで」

 

なんだかんだ言いつつ彼は心なしかノリノリである。やっぱり10世紀以上前の人間でも本質は今時の奴とそこまで変わらん男の子なのだろう。

 

「よっしゃ行くか」

 

「待てや」

 

玄関で二人して靴を履き出ようとしたところで、海に呼び止められた。

何か買ってきてほしいものでもあるのだろうか。

 

「どした」

 

「俺らも連れていけ、どうせセイバーんところにいくつもりなんだろ・・・・・・顔合わせくらいはしとかなきゃな」

 

珍しい。こいつがこうやって積極的に他人の家へ行こうとするだなんて。

基本家に居っぱなしで稀に俺の家へ嫌がらせに来るぐらいしかしなかった奴が、随分と成長したではないか。

 

「そういうことならついてこい。初手どん引きされるようなムーブは避けろよな、こっちまでとばっちり食らいかねない」

 

「わかってらぁ。あくまで司馬田のカシラとして振る舞わせてもらうわ」

 

海よ、お前の会社は公安に見張られてそうな指定暴力団か何かなのか。

確かにうちと司馬田でここいらの二大権力者ではあるが、べつに反社会的なことはしていなかったはず(秘密裏に人をコンクリ詰めにしている可能性はあるが)。

 

「出来るだけ女らしくしとけよそういう時くらい」

 

「嫌に決まってんだろボケ、俺はいつだってこのまんまだ」

 

煙草を取り出して口に咥えようとした海だったが、きっちりと傍らについていた篠塚・・・・・・アサシンに止められる。

彼の勤め先であるプレイヤードの方は昨日の事件もあり5日ほど臨時休業らしい。あそこのコーヒーが飲めないのはきついが、仕方ない話である。

話は戻るが、アサシンは人の家行くのに煙草は駄目でしょと母のような言い方で海へと注意を食らわせた・・・・・・恐怖というものがないんだろうかあいつは。

 

「煙草は一日二本まで、外出時は飴で我慢してください。公共のためと、マスターの肺のためです」

 

そして手渡したのは安定の棒つき飴。丁寧にあの外れを引いたら全然ほどけない包装も剥いてある。

 

「もう肺については手遅れだと思うけどな。しょうがねえ・・・・・・我慢しといてやるよ」

 

差し出された飴の棒を摘まみ、球状になっているキャンディー部分を口に含んだ。

煙草を吸えない寂しさも見えたが、心なしか表情はそこまで険しくない。

やはり糖分は正義である。


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