Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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日曜日
仮面ライダーの時間帯には起きれるようになった
成長(おい)


76話 七日目:優先事項

「まず、こないだオジサンたちは戦闘の臭いを嗅ぎつけてとある場所・・・・・・まあ大引寺近くにある広場つったらわかるか?あそこに行ったんだがそこではアーチャーとバーサーカーが戦っていた。これが画像、んでマスターのスマホで映像も少しばかり撮っている・・・・・・今再生できるか?」

 

セイバーが促し、来栖さんはかわいらしいケースを纏っているスマホを机の上に置いた。

フォトのアプリを開き、昨日の欄にある2分程の動画データをタップして開く。

俺、マンドリカルド、海、アサシンの四人が画面を覗き込んだ。

 

「・・・・・・オーバーキルじゃねえか」

 

「容赦ぬぇーっすね・・・・・・俺の時でもここまでいたぶられなかったっすよ」

 

一方的なまでの暴力が、バーサーカーを嬲っていた。マンドリカルドも食らった、あの鎖による拘束&他人の宝具射出による殺傷・・・・・・

置換魔術を利用した転移を行えるはずのナディアが全く手も足も出ないままに、ただただ自らのサーヴァントが傷つけられる様を見ている。

おそらく、術を使ったところで逃げられないと判断した末の状況であろう。

 

「ここでなんか気づくことはあるか?」

 

「・・・・・・武器の射出までに少し、時間のムラがある」

 

アサシンがセイバーの問いにそう返した。

 

「やろうと思えばかなり早く出せる代わりにクソガバエイムだな。狙って撃つことも可能だが、相応の時間がかかると見た」

 

海の言うとおり、ギルガメッシュの出すものたちは狙いを定めない限り命中率は低い。その性質もあいまってか、絨毯爆撃のように出来るだけ射出の密度を高めることで殲滅率を上げているようだ。

狙いを定めた場合は最低でも約2秒、この隙さえ突ければかなりのアドバンテージにはなるはず・・・・・・

 

「弾切れ狙いはたぶん難しいだろうから、出来るだけ時間を稼ぎつつギルガメッシュに誰か一人を狙撃させるよう誘導する必要があるっすね。俺のスキルを使えばタゲ取りできるんでそこらへんは問題ないっす。あの蔵みたいなとこにはゲイ・ボルクみたいな追尾式の宝具もあるだろうから・・・・・・そこらへんはまた対策を練らなきゃっすけど」

 

マンドリカルドも腕を組んで唸る。自分で言っておきながら、ギルガメッシュがそんな誘いに乗るはずがないだろうという考えのせいで悩んでいるらしい。

 

「誰か一人を狙撃する方針へうまいこと誘導できたとして、狙われた場合それを防ぎきれるっつう確証はあるのかい?オジサンは必要とあらば石でも飛んできた武器でもなんでも使えるけどね、お前さんそういうのできっか?絶対破損しない剣でもない限り、ヤツの攻撃を受けていればいずれ得物は壊れるだろうし」

 

「・・・・・・条件付きではあるっすけど、一応。木をぶっこ抜いて戦ったりするのも慣れてるんで」

 

真剣でないものであればなんでもデュランダルとして振り回せるという彼の特性上、ギルガメッシュとの相性はまあ悪い訳ではない。

拘束されていないのと、飛んできた武器の中に剣以外のものが混じっていなければならないというかなり難しい縛りは存在するが、逆に言えばそれさえクリアすりゃ勝算は見えてくる。

 

「それならいいんだが」

 

長い髪を結ぶ青いリボンを指先で弄りながら、セイバーはまたへらへらと笑った。

 

 

「あと大きな問題として、ヤツの機嫌というものがある・・・・・・悪いと当然情け容赦なく殺しにくるが、だからといってこちら側がご機嫌取りをすると逆効果だ。かえって不快に思われ死亡率が上がると見て間違いない」

 

こっちから干渉するべきでない・・・・・・つまり相手と出会ったとき勝負であるという。

ギルガメッシュがどういった行動で怒るのかがわからない以上、それとなく地雷を避けるように戦わなければいけない。なかなかハードな話ではあるが、死ぬよりかはましだと思う。

 

「理想はあいつが怒るまでもなくバイバイだけどな」

 

「さすがにそれは難しいだろ」

 

いくら脇が甘いとはいえ、英雄王を相手取ってそう簡単に勝てるわけがない。

アサシンの気配遮断スキルはAと高いが攻撃を加える瞬間は各段にそのランクが落ちることもあり、察される可能性がある。

敏捷性で言えばギルガメッシュに勝っているのだが、虚を突き切れなかった場合命取りだ。

 

「俺の魔眼を使って気配遮断の力を強めるってのもありだ。認識されなくなれば成功率は高くなるだろ」

 

「それはそうだが・・・・・・一度そこにいると思われたらもしもの時の第二刃が入れられないんじゃないか?」

 

「そこはお前らの仕事だろ。セイバーが防御が必要なマスターの警護、ライダーが攻撃。アサシンはサポートに回る形でパターンを増やす。単調な攻撃だったらその場しのぎであろうと対策とられんだ、出来るだけ多角的に攻めた方がいい」

 

確かにワンパターンだと即座に反撃される道筋しか浮かばない。

やられた時点でほぼゲームオーバー決定な俺たちマスターを守る人員は最低でも一騎必要。アタッカーとサブアタッカーをとにかく入れ替えまくって翻弄できればいいのだが・・・・・・

 

「場所アドを取られるときついから、できるだけ高い建造物がない場所で戦った方がいいよな・・・・・・ライダーはいざという時空中歩行も可能だが時間制限がある。それ頼みってわけにもいかん」

 

ビルのような堅牢な建物ならば、いつぞや見せたマンドリカルドの垂直壁上りを使って行けなくもない・・・・・・が、どうせ撃墜されてしまうこと間違いなし。

 

「平地希望なのはオジサンも同じだね。こちらの手が届きにくい場所に移動されてあの爆撃を食らうとひとたまりもないのは見え透いた事実だ。空中歩行を除くと、高度をとられた際の対抗策は武器の投擲くらいしかなくなる。オジサンの宝具をちょいといじれば槍にも出来るし投擲にも向いてるが・・・・・・それが安全な状態で戻ってくるという確証はない」

 

セイバーが言いたいであろうことは、おそらく『追いつめられたときの最終手段としてなら宝具の投擲もある』という話であろう。さすがにリスキーすぎる話なので、マスターの生命を優先するにあたっての最適解ならば・・・・・・という条件を設定した。

セイバーの望みとしてはマスターの無事が最優先。自分の願いは二の次みたいなところもあるらしく了解という返事が来た。

 

「俺たちはサーヴァント、自分の願いもそれぞれにあるだろうが・・・・・・まずはマスターを守らなきゃならんのはわかってるだろ」

 

「・・・・・・そりゃそうっすよ。俺らは所詮英霊の写しみたいなもんなんで死んでもノーダメみたいなところあるっすけど、マスターたちは一度死んだら終わりじゃないっすか」

 

「ここで負けても、俺たちには次のチャンスがある・・・・・・けども、マスターたちにはない」

 

そこらへんはわかってるなとセイバーが頷き、テーブルに肘をついた。

 

「これは勝ち目がない、危ないと判断したらこの中の誰かがマスターを連れて逃げろ。敗退したのなら、監督役の奴に匿って貰ったほうがいい」

 

「・・・・・・唐川の奴は信用ならんが、教会の守り自体は信じられるからな」

 

教会には聖杯(何号かは知らん)があるので勝手に取られないよう防御は硬い。

ギルガメッシュもよほど怒らせなければ既に負けた人間を始末しに来ることもないはずだし、唐川がいらんことをしなければ生命の危機はない・・・・・・はず。

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