Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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戦闘シーンってどうやったらうまく描写できるんや・・・・・・


85話 七日目:太陽の子(模倣)

「兎にも角にもあっちまで向かうしかねえな。水上バイクちょいとパクるか」

 

正々堂々と犯罪宣言されたがもう突っ込むまい。

 

「というかレンタル屋いるんだし聞いてからやれ、俺まで巻き込んで前科つけさすな」

 

オフシーズンなので利用客は少ないのだが、一応開いてるっちゃ開いてるのでまず聞くのが先決だ。時間のロスとかそういうのはほっといてでも社会的な体裁を・・・・・・ってもう手遅れかもしれんが。

 

「もう夜だから営業時間終わってるだろ。ほれ見ろあっこのシャッター閉まってらぁ」

 

「マジか・・・・・・」

 

こうなってくると本格的に無断拝借しなければならない。緊急時なので容赦してくれるはずという希望を無理やり持ちつつ、俺は3人用のジェットスキーを探し出してやった。

無論エンジンキーがついていたりするのだが、そこは不破が黒い物体を持ち出してきて強引に開けた。恐らく形を自由に変更できる魔術素材で穴内部のピンを押し上げたのだろう・・・・・・悪用すればたいていの家やロッカーを開けられる危険な術だが、こいつは健全に使っているのだろうか。

 

「行くぞ、後ろ乗れ」

 

「・・・・・・お前免許持ってんのか?」

 

確かこういった乗り物は小型の船舶免許か何かが必要だとどこかで見た気がする。

 

「あるわけねえだろ、こういうのはだな・・・・・・ノリで行くんだよ!」

 

「セラヴィ、投げ出された時が俺たちの終わりだこれ」

 

泳げない&海泳ぎしたことないコンビである我々は、落ちた瞬間結構な確率で死ぬ。

マンドリカルドが海での泳ぎに対応できればまだ道はあるが、例の海魔にやられる可能性は否めない。

 

「大丈夫だっつの、しっかり掴まってりゃ・・・・・・な!」

 

いきなりアクセル全開でぶっ飛ばす不破。物理法則が普通に適用されるせいで俺たちはいきなり後ろへ飛ばされそうになるがなんとか不破の体を掴むことで耐えきった。

発進するぞとかの言葉をちったあよこせと文句を言いたいがもはやこいつに話は通用しない。

 

「かかか克親これってあの怪物んとこ辿り着いても足場がなきゃまともに戦えないっすよ・・・・・・?」

 

「そういうことだがなんかいい案はあるのか不破くんよ」

 

「ねえよ」

 

無責任な!と二人の声が揃った。

そんな気はしていたが、巻き込んだ癖して全くのノープラン&人任せというのはさすがにいただけない。

マンドリカルドにあげた空中歩行の護符がまだあればいいのだが・・・・・・

 

「セラヴィ、こないだあげた護符効果時間まだ残ってるか?」

 

「まあ25分くらいならいけるっすよ」

 

彼が慎重な性格で助かった。これで使い切っていたら俺が無理やり動魔術で彼を浮かせなければならなかったし、正直今の状態じゃあそれをやってもまともな戦闘はできないだろうから効果が残っていて本当によかった。

 

「かくいうお前は飛べるのか」

 

「そりゃそんくらいの魔術使えるに決まってるだろ、教会の奴だからって舐めんなよ」

 

いや別に舐めてなんかないですけども。

というか主の御名の下、魔術や異端を許さないのが聖堂教会なんじゃなかったのか。こうも堂々と魔術が使えると言われちゃ認識が間違っていたんじゃないかとまで思えてくる。

まあ埋葬機関にあわや入りかけたような人間だから普通の信徒や神父とは結構違うんだろうが、さすがに一線を画しすぎではないか?

 

「さーてーと、海魔とご対面だ」

 

そうこうしているうちにかなり近くまでやってきた。

オルク(仮)はこちらに気づかず、水中に居座っているようだ・・・・・・あまり見えないので全員へ暗視の術をかけ、観測を始める。

いつ気づくかが完全予測できないだけあって恐ろしいことこの上ない。

周囲に帰港しようとする漁船などがないことを確認した上で、オルク(仮)に刺激を加えてみる。

 

「おーら起きろ不味そうなタコ」

 

不破が黒鍵を一本出してきて、海中の魔物へと投擲する。

水の抵抗などなんのその。減速することなくそれは突き進み、怪物の瞼っぽい場所へ刺さった。

瞬間、鼓膜が破れそうなほどの悲鳴が耳をつんざく。

思わず耳を塞ぎたくなったが、今ここで手を離したら間違いなく吹き飛ばされてドボン間違いなしなので歯を食いしばり耐えるしかない。

 

「っと・・・・・・んじゃ行ってきますか。ライダー、下手こくんじゃねえぞ」

 

「・・・・・・わかってるっすよ。克親、もしなんかあった時は先に岸へ行っといてくれ」

 

マンドリカルドの言葉に俺は相槌で返し、二人を見送る。

万が一のために出来るだけ魔力は温存しておきたいが、取りあえず生存を第一に乗り捨てなども考えつつ戦況を見守ろう。

 

「人類っのきょーいはみっなごっろし~♪ちーりひーとつのっこさんぞ~♪」

 

やけにコミカルだが歌詞が物騒な歌を歌いつつ、不破が運転席立ち上がってキャソックの袖をたくしあげた。

右腕をばっと横に突き出したかと思うと、肩の方から黒い何かがぞわりと現れる。それは血管のように枝分かれし、ずんずんと太さを増していった。

恐らく体表を覆うことによって何らかの能力向上を図っているのだろう。顔にまでその枝は浮き上がり、固着化する。

 

「・・・・・・じゃ、行くぞ」

 

「・・・・・・うっす」

 

マンドリカルドも鎧を実体化させ、一つ大きく深呼吸。

作ってあった剣を渡し、俺は操舵者のいなくなったジェットスキーのハンドルを握る。

 

「そらよっと!」

 

二人が跳んだタイミングでオルク(仮)が水面から顔を出す。

やはり様相は禍々しい鱗を纏ったタコで、頭の部分も相当にでかい。

取りあえずこいつの絶命を目標とするが、体の特徴もタコに準拠しているとなるとかなり厄介だ。

なにしろ心臓が3つもあるのだから・・・・・・まあ、メイン一つのサブ二つという感じなので、とにかくメインだけを潰せば殺せるとは思うのだが。

 

「どるるるるるぅうあっしゃぁああ!!」

 

ものすごい巻き舌でまくし立てる不破が確実にオルクの頭上へと降り立ち、マンドリカルドもすぐ近くに一度着地する。

オルクもさすがに頭へ乗られると気づくのか激しく足を動かし叩き落とそうとするも二人の前には空振りばかり。

だが回避行動ばかりせざるを得ないためなかなか有効な一撃を与えるのが難しいらしく、手をこまねいている。

俺も傍観するだけではいけないなと思い、取りあえず一般人相手にはこれが見えないように隠蔽してやった。

あの海が自ら教えてくれたという珍しい魔術で、俺の回路とは微妙に合わないがそれなりの錬度で使えるようにしてあるので有効には働いてくれる。少しでも魔術に造詣がある人間には聞かないが、ないよかマシだ。

 

「っしゃナイスゥ!俺の仕事減らしてくれたしこれで思う存分暴れられるぜ!」

 

どうやら人目を気にしてあまり大きな技は使えなかったようだ。不破の性格からして全く気にせずぶっ放すかと思ったが意外とそんなでもないらしい。

狂化EXでも入ってるんじゃねえのって表情をしながら不破は空中に何かをばらまく。

それは瞬時に黒鍵へと姿を変え、オルクのある一点を目掛け一直線に飛んだ。

マンドラゴラの声ってこんなトーンなのかって思えそうなほどに悲痛な叫びが響くも、血は噴き出さない。あくまでタコに似ているだけのものらしいが・・・・・・

 

「この鱗結構硬いぞ、引っ剥がすか隙間狙え!」

 

「今ちょうど隙間作ってくれたし利用させてもらいますかっと!!」

 

不破が黒鍵を抜くと、そこには無論傷があるわけで。

再生能力がどれほどあるのかはわからないが、ノータイムで攻撃を加え続けるならばそれもまあ無視ができる。

 

「リボルクラーッシュ!!」

 

「太陽要素どこだそれ!」

 

ほぼ確実に相手が死ぬような大技の名前を叫び、マンドリカルドは不破の開けた傷からオルクへ蒼白に光る剣を突き刺した。

俺の知らないうちに誰かからいろいろ吹き込まれたのか。そうなのか?

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