Fate/Serment de victoire   作:マルシュバレー

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ショットライザー買ったので最近好き勝手遊んでます
ゴリラごっこたのしい


え、マーリン?知らないですねあんなグランドろくでなしなんてエーンエーン


八日目
90話 八日目:分業大事


「起きろカス」

 

「ぶべらっ!?」

 

朝っぱらから腹にかかと落としを食らわされ、一瞬身体が息を忘れたせいでベッド上にて転げ回る。

2分ほど呼吸の動作データをサルベージに使い、なんとか減りつつあった酸素を供給した上で俺は海を睨んだ。

 

「・・・・・・殺す気か」

 

「オメーがその程度で死ぬわけねぇからやったんだよ、ほらさっさと起きろっての」

 

やけに急かしてくるもんだから俺は頭上に沢山のクエスチョンマークを浮かべつつベッドから降りた。

時刻は午前8時・・・・・・土日だというのに何があるってんだか。

 

「篠塚とセラヴィの二人がアヴェンジャーの気配を感じ取ったんだとよ。お前ん家の裏山に誘い込んで潰しちまおうぜ」

 

「・・・・・・そうか」

 

そろそろこの戦いにも動きが必要だ。

これ以上じりじりと時間を浪費していてもらちがあかないのは事実である。

 

「朝飯前の労働はきついだろうが、アヴェンジャーほっとくわけにもいかねえからな」

 

「そらそうだ。のんきに食ってられねえよ」

 

取りあえず寝間着から着替えるだけ着替えて、一発大きな伸びをする。

頬をしばいて強制的に意識を覚醒させ、俺は海と共にリビングへと移動した。

 

「旦那、話は聞きましたか?」

 

「ああ聞いた。アヴェンジャーが近くにいるんだってな」

 

俺がそう言うと篠塚とマンドリカルドは同時に頷く。

 

「こっちのことも知ってるっぽいからまだ手出ししてこないんすけど、このまま泳がせるのも違うし」

 

「つまり今日殺したい」

 

棒のついた飴をばりばりと噛み砕きながら海が結論を言い放った。

三人の決意は固いので、俺がここで止めても無意味・・・・・・というかまず俺も賛成なので考えなくてもよいのだが。

 

「マスターはついてるのか?」

 

「いや、俺が確認したところいない。だがどこぞに隠れていざという時不意打ちの令呪をぶっぱするかもしれねえし」

 

令呪を使われれば此方の予想を遥かに越える挙動(瞬間移動をはじめとした動き)をするかもしれないので注意が必要不可欠。せっかく同盟を組んでいるので、できればそれを使われないようにどちらかが牽制したいという思いもあるが・・・・・・

 

「取りあえず、向こうのマスターに警戒しつつセラヴィが囮になって裏山に引き込め。まず誘導したところで奇襲をかけるが、回避されたらちとずっこいが二人がかりで攻めるぞ。異論はあるか」

 

「ない。礼装持ってくるから待ってろ」

 

研究室へと繋がる階段を駆け上がり、ドアを半ば適当に開ける。

睡魔との激戦を制し修復したライダー装備群と俺の防御&出力安定化礼装を引っ張り出し、後者を急いで着込む。

トランクの中身を目視確認し、一度蓋を閉めてリビングへと持って降りる。

三人とも今の時間を利用して準備を整えていたのだろう。マンドリカルドは鎧を出し易い簡素な服装に、今にも寝そうなほどに眠たげだった海の目はぱっちりと開いている。

 

「・・・・・・あれ、篠塚は?」

 

「指定の場所にきっちりスタンバってる。俺があとでその場所に連れてくから、取りあえずお前らはアヴェンジャーの標的になれ。煽り散らして判断力を減衰させてるとなおよしだ」

 

ぐっ、とサムズアップする海。俺は了解の言葉だけ返しサムズアップをし返した。

どうやら海も一緒に外へ出るらしいので、家の鍵を閉めることにする。

 

「じゃ、あとは頼む」

 

モノクルを外してコートのポケットにしまい込み、海はその場で消えた。

魔眼の能力を行使したためとはいえやはり目の前で消滅されるとびっくりするし慣れないものだ。

 

「・・・・・・セラヴィ、アヴェンジャーの気配は」

 

「こっから見て右方向に斜めこんくらいっす」

 

ちょうど南の方を向いてマンドリカルドが指し示すのは2時方向。直線距離で400mほど先にいるようだ。

確かそのあたりは場尾プラザとかいうスーパーやドラッグストアが集まっているような地帯だったはず・・・・・・こちらから行ける最短ルートなどを考え、算出する。

山名の中でもとりわけここらへんは俺の庭と言って差し支えない場所なので道はだいたい覚えているのだ。

 

「よし、まず坂降りてあっち行くぞ。追いかけられる途中に攻撃される可能性も考えて、帰りは建物間隔が広い道を通って裏山な」

 

「うっす」

 

トランクを小脇に抱え、少し急ぎ足で現場へと向かう。

前に辻斬りが頻発しているという話も聞いたので、刀を装備しているアヴェンジャーがその犯人と見て間違いない。

となると、やはり捨て置けないものだ。

 

「・・・・・・なんか反応が変わったっす、市街地で出すべきじゃない出力・・・・・・まさかとは、思うっすけど」

 

「そのまさかっぽいぞ!」

 

小走りから全力疾走に切り替える。

だが既に手遅れと俺たちをあざ笑うように、女性の金切り声が響いた。

男性の逃げろという叫びやらなんやらも聞こえてくる。

 

「・・・・・・マジかよ・・・・・・!」

 

マンドリカルドの眉間に深い皺が刻まれる。

それもそうだ。悲鳴の発生源であろうプラザが見える道へと飛び出した俺達の視界に入ってきたのは、凄惨な光景。

いろんな店へと繋がる交差点の真ん中で、赤いプールが開かれていたのだから。

まだ息があるのか痙攣するように動く人の身体・・・・・・そこに、容赦なく刀が突き刺さる。

 

「やめろ、お前何してんだ!!」

 

昨日見た記憶がフラッシュバックする。それとともに訪れる頭痛で膝を折りそうになるが、ここでもたついていては無様な死に方をするだけだ。

無理やり口の中の肉を噛む形で紛らわし、俺はアヴェンジャーを見据えた。

 

「・・・・・・ライダーか」

 

性別の判断が一瞬付かないような低めの声が、悲鳴の鳴り止んだプラザに響く。

遠くからはパトカーらしい車のサイレンが聞こえ、ここでサーヴァント同士としての戦いを繰り広げるべきでない、早く裏山に行けと本能的に察知する。

向かうため背を向けなければならないのだが、そのタイミングがつかめない。アヴェンジャーの敏捷性が不明なので油断が許されないのだ。

 

「魔力のためだかなんだか知らんが、罪なき人を殺したな」

 

「・・・・・・私も心痛いが、これも不可抗力と言うものだ。誰もが貴様のようなマスターを持つと思うな!!」

 

鼓膜に直接来るような重たい声だ。

心痛いと言ってはいるが、彼女の目からは人を殺すことへの躊躇いを全く感じられない・・・・・・人斬りの目そのものだ。

 

「心が痛いってんならもう罪を犯さないようにしてやるよ、たとえ俺らが罪を被ろうと」

 

「・・・・・・その霊基、聖杯に返すっすよ!」

 

俺は隙を見てマンドリカルドにベルトとキーを投げ渡す。

万一人に見られても少しだけならヒーロー対人型の化け物みたいな構図に解釈してくれる・・・・・・はず。

プラザ交差点に転がっている誰かの亡骸はどうするべきか全くわからないので、ちょっとだけ申し訳ない気持ちもするが不破の野郎に任せることとしよう。

マンドリカルドが渡したベルトを腰に巻き、右手に持ったキーを横に勢いよく突き出す。

 

『Pawn』

 

昨日かなり雑だが完成させたシークエンス通りに起動し、今回は滑らかさよりもキレを重視した速い挙動で肩のちょうど上へと右手をやり、左手を突き出す。

あまりもたついてもいられないだろうという彼の判断だろう。俺もトランクから装備一式の圧縮パックを取り出し、備える。

 

「・・・・・・なにをしている」

 

「黙って見てろ・・・・・・変、身ッ!」

 

一気に両腕を広げ、左手でベルトを抑えつつ右手でキーを装填する。

 

『Opening・・・・・・A glorious rider, an unbroken history of carving! It's time to reign!』

 

トランクの部品を分解し、展開する。

一気にマンドリカルドを取り囲むように動かし、彼が鎧を出した直後に部品を貼りつけていく。

 

「・・・・・・メイトインワン。アンタはもう、詰んでんだよ」

 

仮面のおかげでテンションの上がった彼からいかにもなセリフが飛び出す。

多分ことが終わったらあのくっさい決めゼリフは黒歴史だなんだと騒ぎそうなのでそこらへんカバーしなければ・・・・・・

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