Re:ゼロ RTA エミリア陣営・なんでもありチャート 《完》   作:青煉瓦

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Part.14

 試練の内容が意地悪なRTAはーじまーるよー!

 

 前回はテレシアに引き続きシリウスを倒し、ボスラッシュを制したところでしたね。妙な行動で仲間に怪しまれましたが、あの後シリウスの死体を見せつけることで誤解を解きました。

 今回は第四章最後のイベント、エミリアによる試練突破を行っていきたいと思います。

 

 本章最初に述べた通り、墓所の試練突破は第四章クリアに必須。なぜなら試練を突破して聖域の結界を剥がさないとエミリアが外に出られませんし、ガーフィールがメイザース領から避難してきた村人を解放してくれないからです。

 

 では、改めて試練について説明しましょうか。

 

 試練というのは夜にエキドナの墓所で発生するイベントのようなモノですね。全部で三つあり、それぞれ『過去』『現在』『未来』に向き合うことが必要となってきます。試練を受けられるのはハーフ種族かエキドナに資格を貰った者のみ。

 

 本チャートでもスバルくんではなくエミリアにこの試練を突破してもらうわけですが、その上で大きな壁となるのは第一の『過去』に向き合う試練でしょう。

 

 エミリアには故郷を襲撃されて大切な人を失い、そのときの力の暴走によって故郷の皆と自分をまとめて氷漬けにしてしまったという辛い過去があるんですよ。

 この過去に向き合うのはかなりの困難です。彼女の持つ精神的な脆さもありますし、何より『虚飾の魔女』パンドラの力によってエミリアの記憶が書き換えられていますので。

 

 そのうえで、エミリアが過去を直視しようとするならば、彼女の内面、精神性に大きな変化をもたらす必要があります。

 

 原作のように普段からエミリアに寄り添う姿勢を見せていれば、彼女の弱さを認めたうえで好意を伝えるという手段が有効でした。そうすればエミリアは精神的な弱さを克服して過去を直視できるようになります。

 ですが、本チャートでは積極的に交流していませんので、その手段はとれません。原作のように愛の言葉を囁いても薄っぺらいものになってしまうでしょう。だから別のアプローチをする必要があります。

 

 そこで本チャートでは……エミリアに試練を突破してもらうために、とある魔法を使います。

 というわけで、その魔法を使えるロズワールの下へ行きましょう。ロズワールさんは本当に神的に良い人だから協力してくれるはず。

 

 

 そうこう言って歩いている内にロズワール発見。オッスお願いしま~す。

 

「おやーぁ、スバルくんじゃないか。私のところに来たのは……また頼み事かーぁな?」

 

 そうだよ。ロズワールぐらいの魔法使いなら意思疎通の魔法を使えますよね?

 

「意思疎通……陰属性と陽属性を複合させた高等魔法『ネクト』のことだーぁね。六属性全てを高いレベルで操れる私なら確かに使えるとも。一体何に使うつもりかーぁな?」

 

 エミリアに試練を突破してもらうためですね。協力オナシャス、センセンシャル!

 

「ふむ。いーぃとも、協力しようじゃないか。――君がそうするべきだと思ったなら、それが効率的で最善の手段だろうからね」

 

 ありがとナス! やっぱロズワール君の優しさを……最高やな!

 というわけで、エミリアの背中を押すために使う手段とは、意思疎通の高等魔法『ネクト』です。原作ではペテルギウス討伐に一役買った魔法でしたが、本チャートでの出番はここですね。

 この魔法の有用性見とけよ見とけよ~。

 

 さて、協力を取り付けられたのでエミリアが試練を受ける直前までスキップです。

 

 ~少年待機中~

 

 はい、試練の時間になりましたね。

 

「それじゃ、スバル、それからロズワール。私頑張ってくるわね」

 

 エミリアが墓所に入ったのを見届けて十分な時間が経ったら……OK、もう試練が始まっている頃合いでしょう。それではロズワール、お願いします。

 

「――――ネクト」

 

 その瞬間スバルくんの視界がガラリと変わり―――。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 私、エミリアの目の前で……大好きな養母フォルトナが幼き日の私に微笑んでいる。

 

 私がこの過去の光景を眺めるのは二度目だ。一度目は初めて聖域にやってきた日。その後は襲撃者の件でゴタゴタしてたから、落ち着いて試練を受けた今日で二度目。

 

 私の目の前で故郷の人たちが微笑み、優しさを見せるたびに心が針で刺されたように痛む。やめて、私はこの後皆を裏切ってしまうのに。

 後悔と申し訳なさに押しつぶされそうになって、ごめんなさいごめんなさいと叫ぶけれど、私の声は届かない。ああ、なんて苦しいんだろう。

 

 そして、目の前の光景は苦しむ私にお構いなしに進んでいく。止まって!それ以上見たくない!無駄だとわかりつつそう叫んでしまったとき―――

 

 

「オッハー! オッッッハーーー!!!」

 

 

 馬鹿みたいに元気で大きい声が私の耳に響いてきた。この声は……スバル?

 

「エミリアたんオッスオッス。一緒に眺めてたけどすっげえキツかったぜ」

 

 声は聞こえるけど姿が見えない……というか私の過去見られてたの!?

 怒りと困惑が入り混じったような感情がこみあげてくるけれど、これまで献身的にしてくれたスバルに身の上話をしてなかった負い目もあるから素直に怒れない。

 

「あー、こういう強引な手段になっちゃったのは正直すまないと思ってる。後で何でもするから一旦無礼に目を瞑って欲しい。こうやってエミリアたんの試練に介入してきたのは伝えたいことがあるからだな」

 

 伝えたいことって?

 

「さっきのごめんなさいってのは、この故郷の人たちに言いたいんだよな? 見たくないって言ってたけど……謝りたいなら猶更、過去を直視するべきだと思うぜ。辛いこと言うようだけどな」

 

 その言葉で頭に血が上る。スバルが……私の、皆の何をわかるっていうのよ!

 

「話してもらったこと無いから何もわからねえよ。ただこれだけはわかるぜ。自分のやったことを理解しないのに上辺だけで謝っても、故郷の皆も……エミリア自身も納得できないってことはさ」

 

 それ、は……。

 

「直視したうえで謝るのが怖いってんなら俺も、ロズワールもレムもラムもパックもベア子も一緒に頭を下げる。なんならオットーに土下座させても良い。赤信号みんなで渡れば怖くないってやつだ」

 

 意味は分からないけど使い方は間違ってると思う。そもそも、謝ると言ったって氷漬けになったせいで皆死んだ可能性も……。

 

「エミリアが生きてたんだから、皆だって生きてる可能性の方が高いと思うぜ」

 

 仮に、生きてたとして。謝っても拒絶されたら……私は悪魔だって、魔女の娘だって呼ばれたのよ。

 

「エミリア、知ってるか? 俺ってば傭兵の皆に『良心を大瀑布に落とした男』『頭大罪司教』とか呼ばれてるんだぜ。これで主従そろって魔女コンビだな」

 

 ダメダメな評価じゃない。一体、何を――

 

「でもな、すげえ恥ずかしいけど、あいつらは『漆黒の策士』『エミリア陣営の柱』とも言ってくれたんだ。んで……エミリアのことは『白銀の天使』って言ってたかな?」

 

 ―――。

 

「それから、白鯨相手に無事勝てたのはエミリア様のお陰だ、感謝をって。以前にも言ったけど、今のマイナス好感度なんて誤差だよ誤差! 人生の時計が止まるまでリカバリーの可能性は残ってる。だから仲直りのエンディングに向けて一緒に駆け出そうぜ」

 

 ……でも、そこに辿りつくまですごーく大変だと思うわよ。

 

「へーきへーき、みんなで協力すれば大丈夫だって。安心してくれよな~頼むよ~」

 

 何も考えてないような返事に何故だか頬が緩む。どうしてだろう、スバルの返事を聞いて安心してしまったのは。厳しい道のりなのは分かってるのに、皆で力を合わせれば、なんとかできてしまうんじゃないかと思ってしまった。

 

 そうか。そうだ、私はもう独りぼっちじゃないんだ。そして、こんなところで蹲ってられない。

 今まで目をそらして立ち止まっていたから……私の出発地点はここだ。ここから駆け出そう。皆と笑いあえる未来に向かって、よーいスタートだ。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 エミリアが試練を受けている最中に、エミリアとスバルくんを意思疎通魔法『ネクト』で繋ぐことで試練に介入できます。これが通称『試練介入』の裏技、直球なネーミングですね。これを使えばエミリアとの会話をショートカットして彼女の過去を把握することができます。

 

 まぁ介入といっても、できるのは声を届けることぐらいですが。見ている光景を弄るとかは無理です。

 試練が始まる前に直接説得すればよかったんじゃねと思うかもしれませんが、本チャートでそれをやると失敗する可能性が結構ありました。説得の成功率を高めるためにネクトのある性質が重要だったんですよ。

 

 ネクトによって意識が深く繋がっている間は、自分と相手の境界が薄くなるんですよね。だから、スバルくんがへーきへーき大丈夫だと思うと、それに影響されてエミリアの思考も楽観的かつ前向きな方向に寄ります。結構あっさり説得されたのにはこういうカラクリがあったわけですね。

 まぁ一時的な効果かもしれませんが、試練を乗り越える間だけでも前向きになっていればそれで十分ですので。

 

 (邪悪な方法に見えますが洗脳では)ないです。ファンタジーなカウンセリングと言って欲しいですね。

 

 解説終了。これでエミリアが第一の試練を乗り越えてくれました。こうなると第二、第三の試練はトントン拍子に進むので何の心配もいりません。

 

 途中、聖域開放を嫌がるガーフィールが墓所を潰そうとしてくるのですが、エミリア陣営で囲んでパパッとねじ伏せましょう。戦いは数だよ兄貴。

 

 

 そうやって時間を過ごしていれば――

 

「みんなお待たせ。それから、改めて……すごーく迷惑かけちゃうかもしれないけど、これからもよろしくお願いします。力を合わせて、笑いあえる未来を作りましょう」

 

エミリアが全ての試練を乗り越えて、工事完了です……。エミリアの素敵な笑顔を見たらリザルト画面へ。

 

 ハラハラドキドキした第四章もこれで終わりッ!閉廷!あーさっぱりした。

 

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