Re:ゼロ RTA エミリア陣営・なんでもありチャート 《完》   作:青煉瓦

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Part.16 前半

 NPCとの協力が重要なRPGはーじまーるよー!

 

 はい、前回は作戦会議を終え、プリステラ防衛戦が始まったところでしたね。

 ボスに対する割り振りですが、大兎の対処にはオットーとリリアナとユリウスを、『暴食』のロイ・アルファルドにはヴィルヘルムと()()()()を、黒蛇にはラインハルトをぶつけることにしました。

 みんな頼もしいキャラクターなので、上手くやってくれるでしょう。

 

 そして、スバルくんが担当するのは『強欲』のレグルス・コルニアスと『暴食』のライ・バテンカイトスです。二人は今、プリステラの東部にある屋敷に居るようなので、準備が終わったら突入しましょう。

 

 現在、エミリアにはレグルスの花嫁たちが集合している教会に向かってもらっています。そして、花嫁たちを氷漬けの仮死状態にしてもらったら、対話鏡という遠距離通信用の魔法器を通して連絡するようにお願いしています。

 

『もしもし、スバル? こっちは終わったわよ。だから、そっちをお願い。無事に帰ってきてね……私、信じてるから』

 

 オーケー、エミリアから連絡が来ましたね。これでレグルスの疑似心臓が停止し、無敵状態が解除されました。では窓を割ってレグルスが居る部屋にダイナミックエントリーしましょう。おっ、開いてんじゃ~ん。

 部屋に入ったら即座にレグルスに不意打ちをします。くらええええ!

 

「誰だよお前はグアアァァァァァァ!!!!!」

 

 ギャグマンガ日和のように、勢いに任せてレグルスの心臓を貫けば工事完了です……。レグルスは『小さな王』で作った疑似心臓が止められたことに気付けませんし、身のこなしがスバルくん以下のド素人なので、準備してから不意打ちすればサクッと倒せます。

 

 いやあ『強欲』は強敵でしたね。まぁこれは前座みたいなものです。本番はこの後。

 

 

「あァ、おまえが噂の策士、ナツキ・スバルか。いいね、いいよ、いいさ、いいな、いいじゃないか、いいだろうともさ! ひ弱なのに単身乗り込んでくるその度胸ッ! あのレグルスの権能を乗り越えてしまうその頭脳ッ! 俺たちが味わうに相応しい相手だなァ」

 

 

 はい、ウンコの擬人化かと思うほど小汚い存在がやってきましたね。ついに本番……魔女教大罪司教『暴食』担当、ライ・バテンカイトス戦の開始です。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 水門都市プリステラの都市庁舎は、プリステラの中枢を担う機関である。この建物の特徴はなんといっても、都市全体に声を届ける放送の魔法器が備え付けられていることだろう。緊急事態の際、住人に声を届けて指示を与えられるような作りになっているのだ。

 

 そして今、この都市庁舎にオットー、リリアナ、ユリウスの三人が集まっていた。

 

「えーと、とりあえず、もう一度だけ確認しておきましょうか」

 

 そう言って話を切り出すのはオットーである。作戦開始前に念のため、確認を行っていた。

 

「まず、ユリウスさんが僕とリリアナさんを意思疎通魔法『ネクト』で繋げる」

 

「そうだね。私としては現場で戦えないのが歯がゆいところだが……これも重要な役目だ。全力を以て務めさせてもらうよ」

 

 ユリウスは戦力として頼もしい存在だが、ネクトを使える人間が他にいなかったため、ここに駆り出されていた。

 

「ありがとうございます。んで、次に僕が『言霊の加護』で魔獣……大兎に通じる言語を思い描き、ネクトの効果でリリアナさんの頭に直接叩き込む」

 

「そして私が『伝心の加護』を利用した歌で兎さんたちの感情を塗り替える! いいえぇい! 私、兎さん相手に歌うなんて初めてで、なんだか興奮しちゃいますよぅ」

 

「兎さんと呼べるほど可愛い存在ではありませんけどね……。で、それからアナスタシア様の傭兵団『鉄の牙』やクルシュ様などが動いて大人しくなった大兎を仕留めると」

 

 まとめると、ネクトでリリアナとオットーを繋ぎ、翻訳した歌によって大兎の飢餓感を別の感情で塗りつぶし、その間に仕留める。これが一連の流れだ。

 三人は街中の大兎に歌を届けるために、放送の魔法器がある都市庁舎に集合したのである。

 

「魔獣を歌で鎮めて倒すとはなんとも童話的な……ナツキさんもまた妙なことを思いつきますねえ」

 

「街中で広域殲滅系の魔法を使うわけにもいかないからね。なかなか合理的な方法だと思うよ。エミリア様の陣営の柱、策士だという噂は本当だったようだね」

 

「合理的ねぇ。まぁそうなんですけど……僕まで一緒に歌う必要ってありますかねえ? ナツキさんがいつもみたいにからかってるだけのような」

 

 そう、歌うのはリリアナだけではない。オットーも一緒に歌うデュエットの形式である。

 

「何言ってるんですかっ! 一緒に歌った方が絶対に楽しいですよぅ! それにそれにっ、ネクトで繋がるとはいえ『言霊の加護』を持ってるのはオットーさんなんですから、オットーさん自身で語りかけることも必要になりますって」

 

「それはそうかもしれませんが……はぁ、仕方ないですね」

 

 なんだかんだ押しに弱く、必要とあれば動いてしまうオットーであった。

 

「住人に対する外出禁止令も完了した。スバルの言う通りなら、そろそろ大兎が動き出す頃だ。では始めようか。―――ネクト」

 

 ボーカルは『歌姫』リリアナと行商人オットー。サポーターに『最優の騎士』ユリウス。

 

「「せーのっ、兎どもぉ! 私 / 僕 の歌を聴けぇーーー!!!」」

 

 大兎を観客に迎え、異色のバンドによるコンサートが開幕した。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 同時刻、プリステラの西部を二つの影が移動していた。その二人とは、ヴィルヘルムと、亡くなったはずのテレシアである。

 

「スバル殿から作戦を聞いたときは耳を疑いましたが、実際に目の当たりにすると……いやはや」

 

 なぜテレシアがここに居るかと言うと、聖域で灰になった彼女をエキドナが再び蘇らせたからだ。

 聖域の問題が片付いた後、スバルはテレシアの灰を回収していた。本来はそのままヴィルヘルムに渡すはずだったが、急遽予定を変更。エキドナの『復元魔法』で形を元に戻し、屍を操る魔法によって強力な仲間の一人に仕立て上げたのであった。

 

『ヴィルヘルムさんの居ない場所で勝手に倒した挙句、こんな弄んで利用するような真似をしてすいません。でも今回は本当にヤバイんで、どうか協力をお願いします』

 

 そう言って頭を下げるスバルの姿を思い出す。テレシアが自分の与り知らぬ所で討たれたことに対する複雑な思いはあったものの、ヴィルヘルムはスバル達がやったことは正当防衛だと納得していた。一度死んでいるとはいえ、妻は手加減して勝てるほど柔な相手ではないからだ。

 

 テレシアの蘇生と利用に対しても複雑な思いを抱いたが、その中で一番強い感情は怒りではなく感謝だった。魔女教の手から解放してくれたことに、仮初の舞台とはいえ再び妻と舞う機会を用意してくれたことに感謝している。

 

 と、そこまで考えたとき、ヴィルヘルムの視界に一人の男が映った。

 

「嬉しいな、嬉しいね、嬉しいさ、嬉しいとも、嬉しいと感じられるからこそ! 暴飲! 暴食ッ! お前は確か『剣鬼』だよなァ。僕たちが食べた記憶に残ってるよ。それに、どういうカラクリか分からないけど、隣にいるのは『先代剣聖』だよね。こんな歯ごたえのある奴らがまとめて来るなんて、僕たちってば運が良いなァ!」

 

 その異常性と強さを察知し、ヴィルヘルム達はすぐに臨戦態勢に突入する。

 

「お前は……」

 

「僕たちは魔女教大罪司教『暴食』担当、ロイ・アルファルド」

 

 目の前に現れたその男、アルファルドは名乗りをあげて、ゆらゆらと独特の歩法で歩いてくる。

 

 それに対してヴィルヘルムは剣を構え、一人の戦士として名乗り返す。『暴食』に対して名乗るのは危険だと教えられているが問題ない。なぜなら、妻と共に戦えば負ける気がしないから。

 

 

「《夫》、ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア」

『《妻》、テレシア・ヴァン・アストレア』

 

『「――――いざ、参る」』

 

 

 終わったはずの剣鬼恋歌、その新たな一節が刻まれようとしていた。

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 プリステラを出てしばらく北に進んだ所にある、周囲に人気のない場所にて、ラインハルトは一人で待ち構えていた。そして今、彼の眼前に三大魔獣の一匹、黒蛇が佇んでいる。

 

「なるほど……スバルが僕をここに配置した理由が分かったよ。これは僕以外では荷が重いね」

 

 そう言って、ラインハルトは鞘から龍剣レイドを引き抜く。化け物VS化け物、勝手に戦え、と言いたくなるような戦闘が始まった。

 

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