闘神は踊る   作:カサミノ

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次は鉄の森編と言いましたが嘘です。飛ばしてガルナ島に変更です。
滅神魔導士ということでシェリアやナナキアと組ませた方がいいのかなぁ?
魔法を食べてパワーアップってロマンで溢れてるよね!


ガルナ島の呪いと月の雫
闘神とS級クエスト


 あれから三年の月日が経った。

 この三年の間に色々あった。と言ってもナツ絡みの評議院ブチ切れ案件が主だが。いやまぁ、ナツはどうでもいいんだ。些細なことだ。

 この三年間の内で最も大事なのは最近ウェンディに好きな人が出来たこと。シャルルから聞いた。初恋らしい。ち、畜生! 愛しの妹がとられちまう! どうやったらウェンディに相応しい相手であるかどうかを見極める方法を必死に考えていたら、シャルルに呆れられた。ウェンディが大変そうだとさ。ウェンディと相手の奴は大変だろうさ。とても。だけどね。お兄ちゃんこうでもしないと安心できないの! そう言ったらそういう意味じゃない。気がつけ。と怒られてしまった。分からん。

 ともあれ、その事の衝撃がデカすぎてもう何もしたくない。働きたくない。寝ていたい。

 

「おい! ソル! 仕事だ! 仕事行くぞぉ〜!」

「あい!」

 

 家のドアが乱暴にぶち開けられる。ドアの向こうにいたのは桜色の髪の毛がツンツン立ってる事とつり目が印象的な青年___ナツ・ドラグニルとその相棒であるまん丸大きなお目目が可愛らしい青毛の羽付き猫___ハッピーだった。妖精の尻尾最強、いや最恐のお騒がせコンビが一体どうして? 

 

「これだよ。これ」

 

 満面の笑みで依頼書を見せてくる。ふむふむ。ガルナ島の呪いを解いてくれ? ん? これってまさか……

 

「おい、ナツ。これって」

「驚いたか! S級クエストだ!」

「やっぱり! やめとけ、バカヤロー! マスターにボコられんぞ!」

「やだね! S級クエストに行かなきゃいつまで経ってもエルザには勝てない。俺はS級クエストに行って強くなるんだ! そして、エルザをぶっ飛ばす!」

 

 両腕を力強く天に向かって伸ばし、大きく開かれた口の奥にはチラチラと炎が輝いている。うわぁ、やる気だよ。こうなったナツは誰にも止められない。

 

「もう! ナツ! S級は危ないんでしょ! 命が幾つあっても足りないわよ!」

 

 常識的な指摘をナツにした彼女はルーシィ・ハートフィリア。希少な聖霊魔導士で黄道十二門の鍵を数本所持している。新入りにして問題児ナツとチームを組んでいる。そして、凄く可愛い。ブロンドの髪が非常に美しく、顔立ちの整い方も何処か気品溢れる感じだ。

 やいやいと気品溢れる顔からは想像もつかないほど騒がしくナツとルーシィが揉めている。

 

「お前ら、仲がいいのはいいんだがどうして俺の所に来たんだよ」

「ん、ああ。その事か。お前、S級行きたいって言ってたじゃねぇか」

「それはS級魔導士になってからやりたいっつー意味だよ!」

「ははは、そうだったか! 悪りぃ、悪りぃ」

「でも、それだけじゃないよ」

 

 ナツに説教垂れてやろうとしたらハッピーに遮られた。ハッピーの後ろから黒い外套を着て、黒い布で顔を覆った人物が出て来る。四肢が包帯で覆われていて背中に奇妙な形の杖が5本ある所が余計に不気味だ。胸の膨らみから女だと分かるが一体誰だ? こんな奴知らないぞ。いや、一人だけ知ってるがアイツは男だ。

 

「ご主人様、帰って来ちゃいました」

 

 そう言って黒い女は顔を隠していた布を外す。中身は栗毛の美少女だ。余計に疑問が深まった。こんな美少女知らないぞ。

 

「誰?」

「ひどいです! 私です! アキレアですよ!」

「アキレア! 帰ってきてたのか?!」

 

 アキレアはハッピーの栗毛verだった筈だ。こんな美少女じゃないぞ。いや、美人猫だとハッピーは言っていたが。

 

「昨日、ミストガンの所から帰ってきたんです」

 

 アキレアはミストガンに一週間付き纏って無理やり弟子入りしたんだ。弟子になるまでは物凄く嫌がられていたが弟子になった後は優秀で教え甲斐があるって喜んでたな。

 

「だから、久しぶりに一緒に仕事に行きたくて」

「S級クエストじゃなくても良くない?」

「でもせっかくなら大きな仕事したいじゃないですか?」

「う〜ん……」

「俺とお前が組んで失敗した事ねぇだろ?」

 

 確かにそうだが……。S級クエストにおいては話が違いすぎるんじゃないのか? 

 

「そっかぁ。じゃあ仕方ねぇな。行くぞ。ルーシィ、アキレア」

「えっ、いいの」

「いいんだ」

 

 そう言うとナツはゆっくりと港に向けて歩いていく。とてもゆっくり。俺を待ってるのか? でも、俺は行かんからな。

 

「ねぇ、ソル」

 

 ハッピーを残して俺の事を説得させるつもりか。何か俺を行かせるためのいい策があるのだろう。ハッピーは笑顔で話しかけて来る。どんな策だろうと俺は行かんぞ。

 

「なんだ。いかねぇぞ」

「このクエストに行った話ってさ。妹さんにいいお土産になるんじゃない」

 

 な、何?! コイツ、一体どこで義妹がいるのを知りやがった?! それは置いておいて、S級クエストの話がいい土産になるだと? 

 

「S級クエストってきっと大冒険になるよ。その話をしたら妹さん絶対喜ぶよ」

 

 た、確かに。ウェンディは冒険の話が大好きだ。S級クエストはこれまでとは比較にならんくらい難しい。そんな依頼なら今まで以上の大冒険になること間違いなしだ。

 

「待て! ナツ! 今行く!」

 

 手早く準備を済ませてナツの元まで走る。ナツとハッピーは顔を見合わせて笑っている。作戦成功と言ったところだろう。

 

「ハッピー、何を言ったらこんなにやる気になったの?」

「ルーシィには教えてあげないよ」

「ケチ〜。いいじゃない! ちょっとくらい!」

 

 やいやいとハッピーとルーシィが揉める。それにナツも加わり大惨事。騒がしいが楽しくなりそうだ。きっと、いい冒険になるぞ! 

 それにしても……

 

「アキレア、その布なんでまた巻いたんだ」

「かっこよくないですか? ミステリアスな魔導士…………いいですよねぇ……」

 

 不気味なだけだろ!

 

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