1、
今日は
……もし自分が朝早く、オールマイトと共に行動しなければ、彼は人助けに活動時間を使い果たし、まともに授業を出られなかっただろ。
タウラスはバスで密かにため息を吐いた。
これは
しかし、オールマイトには教師としての心構えが足りないと思う。
タウラスの
それからオールマイトは一人で頑張らなければならない。
でないと、クビされるかもしれない。
まあ、彼は普通に一生遊んで暮らせるほどの
「……珍しいな、タウラス。あなたがコスチュームを着るなんて」
傍に座っているオールマイトは話しかけた。
普段のタウラスは
「仕事のためだ。雄英の教師がコスチュームを着用しないと変だろう。先日、サポート科の設備と手持ちの装備を使って作ったんだ。
「なるほど、昨日、サポート科の教師がここに来たのはそういうことか」
「サポート科の
「なればいいのに……サポートアイテム企業にスカウトされることがあっただろ」
「冗談を言うな。
「
「ああ、ヒーローのコスチュームは個性に合わせて製作したものだから、基本的にオーダーメイドだ。オレが設計したものは拡張性、汎用性とメンテナンス性を重視して、使用者がある程度の知識があれば簡単に改造と修復をできる」
戦場で武装が壊れたら
優れている技術者が少ないということも原因の一つだ。
オレが作った装備は使用者を要求する分、機械に詳しい者にとって使い勝手がいいのだ。
「まあ、使えないオールマイトには無縁な話だが」
ワンフォーオールは出力が高すぎるから、サポートアイテムはすぐに壊されてしまう。
「………キャラバンの技術者たちが作ってくれたサポートアイテムは使い勝手がすごくいいだが、自分で作る必要があるから、わたしには無理だ」
「まったく、あんたが工学を学んでいれば、サポートアイテムの作成も簡単になるだろ」
壊されやすいなら、いっそ使い捨てタイプにするがいい。
だから、市販のものを組み合わして、オールマイト用のサポートアイテムを作った。
そのため、コストバランスもいい。
テストした後、価格を見たオールマイトは興奮したのを覚えている。
その時、
「そろそろ到着だ。ノートをもう一度見て、授業が始まったら見れないぞ」
「ああ」
2、
USJに入り、13号先生と合流した一行は授業をはじめようとしたが、できながった。
≪
「オールマイト、
鎧の中に備えてあった
警告を受け取って、目を閉じて五感を研ぎ澄ましたオールマイト。
即座に周辺を警戒して、
生徒たちはあっけにとられたが、すぐに指示に従って後ろに下がった。
≪…一…空間転移完了≫
機械音声と同時に、USJの中央部から黒い穴が出現し、それがどんどん広がっていき、中から人が出てきた。
「外に連絡できない!」
「ジャミングされたか。だが、オレの鎧は
「「ファントム!?」」
「オールマイト、タウラス、知っているのか!」
タウラスとオールマイトは答えない。
「……それほど手ごわい敵なのか?」
相沢先生は声を潜めて、聞いてきた。
パニックにならないように、タウラスとオールマイトも小さな声で答えた。
「今のオールマイトじゃ、絶対に勝てない相手だ。
「彼女との戦いは
自分とそっくりの分身を作り出し、それを操ることができる。
それだけなら、普通な個性でしかないが、彼女の
あらゆる
個性の制御もきわめて巧みで、すべての分身の強さがトップヒーロー並み。
さらに、分身も個性が使えるから、一人残したら一瞬で元の数に戻る。
広域攻撃はある程度有効なのだが、生徒がいる状況では無理だ。
「……
簡単に説明した後、相沢先生は一言絞り出した。
「同感です」
13号も頷いた。
「ファントムがいる限り、
そうしたら、教師たちは彼女の対処に手一杯だ。
話している間、ヴィランの集団はすべてUSJに
……ファントム以外、大したヤツはいないようだ。
その脳を剥きだした
「先日頂いた教師側のカリギュラム通り、13号、イレーザーヘッドとオールマイトがいますね」
黒いモヤのような空間転移個性のヴィランが言った。
「一人増えてるが、まあどうでもいい」
全身に手で飾っているヴィランはリーダー格のようだ。
「
ファントムはこちらに警戒している。
「
「そもそも雄英のかく乱とあなたの護衛だけが仕事の
そのやりとりを見て、タウラスは勝ったと確信した。
オールマイトも同じだった。
「これから、オレの名前を言わないでくれ。相手はオレの情報を知らなかった。この
タウラスという名前を聞いたら、ファントムはなりふり構わず、生徒を狙ってくるだろ。
そうしないと、死柄木というヴィランが脱出できないから。
「私、相沢先生と13号先生三人で、生徒の守りに入る。ヴィランの対処は彼に任せる」
「わかった」
「分かりました」
その時、黒い
「はじめまして、我々は敵連合。
「……私を狙って、このような事件を起こしたのか!」
「ああ、
明らかに怒っているオールマイトに、死柄木というヴィランは後ろにある改造人間に命令し、オールマイトに襲わせた。
その進路を阻むのはタウラス。
大振りの殴りを躱して、相手のボディに蹴りを入れた。
だが、全然効かなかった。
……なるほど、ショック
タウラスの鎧の一部が変形し、長い刀になった。
そして、刃を一閃した。
血しぶきを上げて、脳無の両腕が地に落ちた。
「無駄だ。脳無はショック吸収、超再生と怪力……」
「死柄木、脳無を呼び戻しなさい!このままじゃ
……さすが、ファントム。よく見ている。
タウラスは
再生したばかりの腕を返り刃で落とした。
もちろん手足はすぐに再生しているが、タウラスの斬撃は脳無の再生速度より早い。
たとえ怪力の個性を持っても。手足がない状態では使えない。
次に、タウラスは雷光のようなスビードで
「……ここか」
最後はむき出しの
★
「……あいつは一体何なのだ!!!」
「う……吐きそう」
「
もし、彼の狙いは自分であれば………
もし、脳無のように生きたまま、内臓をもぎ取られたら……
そう考えて、動揺は瞬く間に広げていった。
それは、ヒーローの卵も同じだ。
気が弱い
他の生徒たちも顔を青ざめた。
「……オールマイト、彼は一体何者だ!あれは完全に人殺しの技術だぞ」
「今は言えない。ここで彼の名前をいうと、生徒たちはファントムの脅威に晒される」
その時、タウラスは広場の真ん中で、ファントムと激突した。