1、
オールマイトは
「見事な
攫った犯人であるタウラスは平然と嘘をつき始めた。
「当時の状況も
「……まず考えられるのは空間転移個性。黒霧というヴィランと同じような個性かもしれない」
「しかし、それなら監視カメラの映像を消す理由が見当たらない……もしかすると、マインドコントロールの個性かもしれない」
オールマイトは即座に正解を答えた。
流石だ。
「精神操作の個性なのかよ!」
「待て、仮定するのはまだ早い」
「いや、オールマイトの考えは正しいようだ」
「二人の傭兵は今朝、日本からアメリカに行った……名前はレッドとブルーだ。精神干渉の個性持ちだ。アメリカの国際ヒーローからの情報だから、
レッドとブルーが
「……あの二人なら確実に死柄木を連れ出せるだろ。オールフォーワンはまだこれほどの財産を持っていることは想定外だ。軽々と上位の傭兵を用意できるとは」
オールマイトは重々しく口を開いた。
「それについて、犯人はオールフォーワンじゃないようだ。
そういう
レッドとブルーに
さらに、レッドとブルーの口座に振り込んだときは異能解放軍のダミー会社を使った。
彼らのリーダー・デストロは今ころ慌てているであろう。
「死柄木からオールフォーワンの情報を得ようとしたか……」
「
「私はこの件をすぐに上に報告する。タウラス先生、情報提供ありがとうございます」
2、
「ほう、オールマイトに言われた通り、雄英体育祭で一位を取るのか」
「はい、そうです」
午後、緑谷が訪ねてきた。
先日オールマイトが言っていた未来予想をできるだけ叶えたいという。
「二週間しかないが、実力を高める方法があるぞ。ついてこい」
タウラスは緑谷を
「これから二週間、ここで生活してもらおう。保護者の同意を取ってこい」
「はい!」
「ちなみに、やることはワンフォーオールの
そう言いながら、犯罪者用の
「え…これは一体」
「これを着て、体育祭までワンフォーオールを使いながら行動しろ。いいか、ワンフォーオールは解除してはならないし、
「はい、わかりました!」
「あと、
「はい!」
★
「なるほど、そういうことがあるのか。だが、なんで私に頼ってくれなかったのか」
緑谷はオールマイトの弟子だから、一応彼に話した。
「
部屋中に散乱している資料を見ながら、オールマイトに言った。
すべては先日の襲撃に関する調査報告だ。
死柄木がオールフォーワンと繋がっていると判明した以来、オールマイトはヒーローの仕事に追われている。
彼と十年以上戦ってきたオールマイトの意見は必要だから、
そのため、教師の仕事との両立はかなり難しい。
クラスの授業はまだ辛うじてできるが、
「……オールフォーワンに関する情報はないし、彼の協力者も判明できない。完全に行き詰っている」
「そんなあんたに朗報だ。三日後、
「なんだと!」
オールマイトは目を剥いた。
そんな姿はおかしくて、思わず笑いだした。
それから、ドクターに関する情報を見せた。
「何という
オールマイトは食いつくように資料を読んでから、怒りを表した。
「逮捕を参加してもらうぞ。根津校長にも話を通しておいた。オールフォーワンの出現に備えて、キャラバンにも援軍を要請した」
「しかし、どうやって逮捕するのか?こいつはそれなりの
「ええ、だから今回はヒーローたちもヴィランたちも恐れるあいつらを頼んだ」
「だれだ?」
「これは三日後のお楽しみだぜ」
3、
百人以上の黒服と十数人のヒーローが病院に突入する光景を見て、オールマイトは呆れた。
彼らは
「よくよく考えたら、研究を続けるのは資金が必要だから、経済警察に任せるのが一番だ」
「そうだ。あいつはマネーロンダリングで、資金を稼いでいる。今まで発見できないのは国税庁のスパイがそれをもみ消したから。オレはそのスパイを排除して、マネーロンダリングに関する
「
「姿を隠して潜入している。今はもう相手の
「私たちも行くぞ」
★
「なんで、ここはなんで知られた!ここにはワシとオールフォーワンの夢が詰まっておるじゃ。決して忌まわしいヒーローなどに好きはさせぬぞ。少し時間を稼げれば、オールフォーワンは助けてくるはずだ」
《そうか。なら早く彼を呼ぶがいい。こちらはあいつを
ドクターは振り返ると、そこには一匹の
銀色の毛と金色の目を持つ獣は
《ちっ、怨念が多すぎる。ここで弄ばれたものは何人いるんだ》
「き、貴様!どうやってここに入ったんだ」
《そんなことはどうでもいい。さっさと投降しろ。オイラたちはそろそろ耐えられない》
「バカか。ワシのかわいい脳無たちに殺されるがいい、この畜生め!」
周りの
「貴様が投降など血迷った話をしているとき、ワシはもう脳無の起動準備が終わった!ここで死ね!」
《レギオン
★
オールマイトとタウラスは眼前の光景を見て絶句した。
黒服もヒーローも唖然とした。
大量の
ここまではいい。脳無の
抵抗するため、犯人はそれを解き放つということは予想された。
だから、突入した者たちは即座に病院内の患者、医者と職員を外に搬送した。
オールマイトとタウラスの協力があるから、わずか5分で一般市民の退避を完成した。
だから、脳無の出現を見て、全員は戦闘態勢に移行した。
次の瞬間、トカゲ人間の姿をして全身が黒い鎧を着ている者は五人、大剣を持ってそれを
通路から突進してきた脳無たちも十数人のトカゲ人間に切り捨てられた。
謎の軍勢の強さを見て、黒服とヒーローたちは警戒を表した。
「こいつらは味方だ!交戦するな!」
「タウラス、これはキャラバンの援軍なのか?」
「……
一回り小さいトカゲ人間はオールマイトを見つめている。
タウラスは彼に話しかけた。
「君、名前は?喋れないなら地面に書いて」
彼は手持ちの大剣で地面を刻み始めた。
ツバサ。と書いた。
「いくつ?」
10と書いた。
「……そうか、辛かっただろ」
タウラスはその子の頭を軽く撫でる。
「タウラス……まさか……」
オールマイトはもう思いついたようだ。
「これは死者たちと交流しその力を借りる個性だ。レギオンと呼ばれている。見ての通り、捜査などにも使える。外見と戦闘能力は
タウラスの説明を聞いたヒーローたちはようやく状況を理解した。
「10歳の子供に手を出したなど、許せぬ」
「まて、この数から見れば、ここにはすでに百人以上の
「いや、もっと多いかもしれません。外の
目の前の
「これ以上死者たちの手を煩わせるわけにはいかない!彼らの安寧のために、我らは絶対に