1、
「タウラス、
そういえば、オールマイトは彼に会っていなかったな。
タウラスはそう思いついた。
「かなり強い。ちなみに、素直でいい子だぞ。まあ、時々みんなにドン引きされるような行動を取るが」
話している間、二人とヒーローたちは地下に降りていく。
亡者たちに先導されたから、攻略速度は凄まじく速い。
「しかし、ここの脳無はUSJに戦ったものより弱いな」
「それはたぶん私対策に特別に製造されただろう」
「あのトカゲの兵士たちはそれなりに強いが、あれを相手には力不足だ。特別製は相手の実験室にいるだろ……避けろ!」
タウラスは
お陰で、負傷者はない。
そして、崩落の原因は………
「これは、ロボットの手?」
巨大なロボットアームが上から地底に向かって突き刺して、崩壊を引き起こした。
地面上の建物は悲惨な状況になっただろう。
「…………タウラス、これはフルアーマーだろう」
「…………………ああ、
フルアーマーはキャラバンの上級傭兵の兵装の通称だ。
最先端の技術と超弩級の個性の合わせ技はもうオーパーツの領域に至った。
ちなみに、設計者によると、フルアーマーは
最近は
もう傭兵の仕事から離れたとツッコミしたいが、本人たちはやる気が十分にある。
「で、最近作り出したのはこのテラフォーミング
「スケールが大きすぎて、とにかくやばいものだとわかっている」
フルアーマーについて、援軍の武器だと他のヒーローと役人に説明した。
オールマイトだけが詳しく話している。
「テストした時、一時間足らずにうちの
「十分にやばい状況じゃないか!」
「だから、地球上で出力を制限をかけた。テラフォーミング機能の中で、使えるのは
「…………もういい、頭が痛くなる」
言いたいことが分かる。オレもツッコミしたいのだ。
思考は完全に飛躍している。
直行道を作りたいのが分かるが、なんでフルアーマーを使った。
完全にオーバーキルだろ。
だが、もうやってしまったことに文句を言っても無駄だと、全員は足場を探してロボットが作った道を飛び下した。
そして、オールマイトはタウラスと共に、研究室に着いた。
2、
《
生者と死者、どちらが大事なのか?と聞かれたら、オルフェは間違いなく生者と答えるだろ。
生きていることはそれだけ素晴らしいことだ。
たとえ死者たちと話し合える個性を持っているが、彼の価値観では死は悲しむべきことだ。
だけど、死者の尊厳は生者に汚されていいものではない。
《悔しいだろう》
……僕はヒーローなのに、人を守るために鍛え上げた個性が悪事のために利用されたなんて。
……我が子を守れぬ。さらに仇に利用されて、息子と同じ年の子供を殺させた。
悔しい悔しい悔しい悔しい、周囲の怨嗟、怒り、懺悔を聞き及んだオルフェは咆哮した。
《なら、もう一度立ち上がれ、今度こそそいつらに正しい裁きを下せ!》
まさに、亡者を地上に連れていくオルフェウスの如く、《魔狼王》の周りは死者の影が蠢いている。
次の瞬間、影は異形となり、実験室の脳無と科学者に襲い掛かった。
「わしのかわいい
《やれるならやってみろ!》
ドクターというマッドサイエンティストは死者を呼び出す《
死者の兵士は数名、個性を発動し、それを止めた。
白い雲は出現し、脳無の視覚を遮りながら、味方の足場にもなった。
二人の兵士はそれに飛び上って、炎と氷で脳無を攻撃した。
雲の個性によって、亡者たちの動きは
生前より強化された身体能力と地利によって、ハイエンドの脳無でさえ簡単に彼らを捕らえられない。
しかし、ハイエンドの脳無は高い身体能力と優れている個性を持っている。
亡者の軍勢でも殺しきれないのは
両者の戦いは膠着状態となった。
《いや、
オルフェは自分が持っている
日本政府には許可されたと聞いていたから、躊躇いはない
大気圏外に待機している宇宙船は高速に地表へと落ちながら、変形を始める。
神話の
一瞬で、脳無の半数はぺしゃりと潰された。
一部の脳無は再生して元の姿に戻ろうとしたが、怒る狼はそれを許さない。
脳無が再生し始めた筋肉は灰色に変えて、その色はだんだんと広がり、やがて石像となった。
「なんじゃ!わしのかわいい脳無になにをした!!」
《死体は土に還るべきだから、そうしただけだ。まだ終わらないぞ》
フルアーマーはの手が触れた場所から研究室の地面は土に侵食し始めた。
その土に触れた脳無は触れた場所から崩れ始め、土になっていく。
拡散し続ける
勝ち目がないと理解したドクターはすぐに逃げようとするが……
《逃がすと思うのか!》
研究室の中心に
ドクターを守る脳無たちは一体、また一体吸い込まれて、粉砕されたかあるいは土になった。
「
あまりの
────やべーな、この狼。
死者でさえその無慈悲なコンボに引いた。
★
タウラスは実験室に入って、ドクターが投降して脳無が動きを停止したのを見てから、《
《痛い!父ちゃん、何やっているんだ!》
涙目をしていてもかわいいな、オルフェ。
どうでもいいことを考えているタウラスは顔が思わず緩んだ。
だが、すぐに顔を引き締めて叱り続ける。
「バカ息子!なんで《フィンブル》を起動した!!」
《ええ─、フルアーマーが使えるじゃないのか?》
「あれは
《無茶を言わないで!兄さんたちが
「……
《あ》
その時、オールマイトは耐えずに聞いてきた。
「タウラス、キミたちの関係は……」
《「親子だ」よ》
「はあ?」
「まあ、色々
とにかく、これで一件落着だ。
タウラスはそう言って、ドクターを
《父ちゃん、あいつはオールフォーワンが助けに来るんだって》
いつも思うが、オルフェは戦闘中と素の性格が違いすぎる。
「警戒は必要だが、彼はたぶん来ないだろ。ここに来るのは
「オールフォーワンは
全盛期の私でもやらないよ。とオールマイトは言った。
《そっか、それじゃオイラは手紙の準備を始めてもいいのか?》
「手紙って?」
「いいよ、オルフェ。それが
「タウラス、それは?」
「死者から生者の手紙だ。オルフェは一部の死者たちとそういう
死者の兵士たちは紙とペンを持って、思考しながら手紙を書いている。
これは二度とないチャンスだと、亡者たちはよく理解している。
だから、言いたいことのすべてを手紙にしたためた。
★
「全員、
そして、異形たちは光の粒子に変えて、空に昇っていく。
その
《
オルフェウスにちなんだこの名前は、父タウラスが与えたものだ。
個性《レギオン》。
死者たちと交流し、その力を借りることができる個性だ。
異形の肉体と戦闘技術を与えて、死者たちを一時的に戦場に立つことが許される。
オルフェと相性がよい死者なら、生前の個性は使える。
最高の相性を持つ死者なら、オルフェは相手の個性が使えるようになる。
『オルフェの戦いはたぶん、オレが真似ることはできない。あれは誠と絆の強さだ』というのはタウラスの評論だ。