<Infinite Dendrogram>~魔弾の射手~   作:夜神 鯨

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少し文字数が少なくてすいません。

あと質問でも頂いたんですが主人公の名前はフェアリーテイルとは関係ありません。クロスオーバーとかではないです。名前が一緒だってことに気づいてませんでした。

なんか語呂がいいなー。しっくりくるなーとか思ってたんですけど、既出でしたね。すいません。今のところ名前を変える予定はないです


ゴゥズメイズ山賊団

 加奈とヴァルキリアはギデオンから続く山道を<クルエラ山岳地帯>方面へと小走りで走っている。小走りと言っても、優に音速を超える速度で進んでおり、周囲を行き交う人々や景色を置きざりにしている。

 

「そういえば、マスター、今回は<超級殺し>を追わないんですか」

 

<クルエラ山岳地帯>への道のりも半分ほど過ぎた頃、ヴァルキリアが加奈に質問をした。

 

「なんでかしら」

 

 加奈としてはなぜ<超級殺し>を追わなければならないのかが分からなかった。質問に質問で返すのは少し気持ちが悪かったが、ヴァルキリアが何故、そんなことを質問するのか、意図が分からなければ答えようもない。

 

「いえ、前回<CCC>を壊滅させた時は問答無用で襲われたではないですか、今回はレイ少年を初めとした初心者の方々が被害にあわれているので報復でもするかと思ったのですが....」

 

 ヴァルキリアの答えを聞いて、加奈は納得する。

 

「なるほど、確かにヴァルが疑問視するのも納得できるわね。」

 

 しかし、と言葉を切って加奈は続ける。

 

「確かにレイ少年を初めとした初心者を殺したのは<超級殺し>よ、初心者を狙ったのは許せないことだけれども、今回責められるのは彼らを救えなかった私でしょう。まあ、殺された者の中に身内が入っていたら話は変わってくるけれど、今回はそう言ったわけでは無いし<超級殺し>が一概に悪いわけではないわ、裏で糸を引いてた人物もいるみたいだしね」

 

「そういうものですか」

 

 ヴァルキリアは戻ってきて早々、加奈による狩りが始まるのかと心配していたが、どうやらその心配は杞憂で終わりそうだ。

 

「それに、殺人もとい、殺しね。命を奪う行為を非難するのであれば、私こそが非難されるべきだわ、<Infinite Dendrogram>(こっち)でも現実(あっち)でもね」

 

「ではなぜ<CCC>の時は報復したのです?」

 

 となれば、ヴァルキリアが気になるのは何故あの時報復をしたのかだ、あの6ヶ月がなければ、レベルをさらに上げる事も、<UBM>をもっと狩ることもできたはずだった。一応、報復は世界中を調査しながらその合間に行われていたが、それでも、無駄な時間だったことに間違いない。

 

「あぁ、彼らは、何の目的もなくただ楽しむ為だけに、女や子供、果ては老人といった非戦闘員を虐殺したのよ、なんの躊躇もなくね。」

 

「それは....」

 

 おそらく、彼らはゲームだと思って現実では決してできないことを楽しんでいたのだろう。しかしヴァルキリアはそれを加奈に言うことは出来なかった。

 

「言いたいことは分かるわ、彼らにとってはただのゲームなのでしょうねこの世界は。でもね、私はこの世界に本物を見てしまったのよ。だから守りたいのよ。この世界でこそね」

 

 加奈は多くを語らない。ヴァルキリアの前では特にだ。ここまで自分のことを言う加奈はヴァルキリアにとっても初めてだった。この世界にいなかった間に何かがあったのか、現実(あちら)に行けなかったヴァルキリアには分からない。しかし、彼女も加奈の<エンブリオ>として、パートナーとして多くを見てきた。だからこそ、これからも...

 

「着いたわね」

 

「はい、しかしすでに先約がいるようですね」

 

 孤児院で渡された情報通りにゴゥズメイズ山賊団の拠点に到着する2人。しかし既に拠点付近では既に戦闘が始まっているようで、銃声や金属音に機械音などが入り混じった戦闘音が聞こえている。

 

「この機械音はドライフ皇国の<マジンギア>ね、何でこんなところにドライフの主力戦闘兵器があるのかしら」

 

 加奈の頭には一瞬ドライフ皇国の再侵攻というワードが浮かんだが、すぐに消し去る。もしこれがドライフ皇国の再侵攻であるならばゴゥズメイズ山賊団の拠点で戦闘をしていることが先ずおかしい、それに加え、音から推察して<マジンギア>の数は1機だ。分散進撃をするにしても戦力が少ない。

 

 そもそも、<マジンギア>は人の手で量産が可能な亜竜級ほどの戦闘力を持つマシンだ。その為少数で戦闘するより数にものを言わせた波状攻撃をしたほうがいい。その観点からドライフ皇国の侵攻部隊の可能性は排除できる。

 

「となればカルディナに横流しされた機体かな?、それにしては機体の状態が良すぎる気もするけど...まあ兎にも角にも、視認しましょう」

 

「はい」

 

 2人は森の茂みに隠れつつ戦闘が目視できる所まで近づく。森を抜けた先の景色には、石造りの頑丈そうで巨大な建造物があった。森の中に拓けた数百メートル四方の空間、その真ん中に建てられている。外壁にはびっしりと蔦が張っている。どうやら昔に作られ放棄された古い砦のようだ。その入り口で5メートル程はある<マジンギア>が山賊団相手に大立ち回りをしている。

 

 しかし、多勢に無勢。いくら優れた機体であっても、どれだけ優れた【操縦士】であっても数の力には勝てない。その証拠に戦闘中の<マジンギア>は既に大破寸前でいつ停止してもおかしくは無い。

 

「おそらく【高位操縦士】ね【超級職】の動きではない」

 

<マジンギア>とその【操縦士】の分析をしている間に、<マジンギア>は山賊たちに囲まれてしまう。

 

「ずいぶんと規模が大きな山賊団ですね、まだ30名ほど動ける輩がいますね」

 

 砦の周りにはかなりの量の死体が転がっている。その数は100以上。かなり奮戦したようだが、このままでは負けてしまうだろう。

 

「しょうがない助けに入りましょう。まだ砦の中に強いやつも控えてそうだしね」

 

「分かりました。どれで行きますか?」

 

「そうね.....二手に分かれましょう。私が敵を殲滅するからその間に<マジンギア>の【操縦士】と外にいる子供たちを避難させて頂戴」

 

 加奈の視線の先には馬車に乗せられた子供たちの姿が映る。どうやら<マジンギア>の損害も子供たちを庇って受けたものだろう。

 

「今回は私が【月光】と【陽光】を使うわ。ヴァルは...そうね【橘花】でも使って頂戴」

 

【月光】と【陽光】を両足のホルスターに装備した加奈は、ヴァルキリアに向かって木製ストックのライフルを渡す。単発魔法式小銃【橘花】取り回しの良さと速射性を求めた魔法式銃でMPの消費も少ない

 

「わかりました。できる限り援護はします」

 

「ええ、頼んだわ。ただ、子供たちの避難を最優先に考えなさい」

 

「はい」

 

 ヴァルキリアの返事を聞いて頷いた加奈は砦の方へと全力疾走する。それをみたヴァルキリアも馬車の方へと走り出した。

 

「ガ、ハ.....しかしこんなところでやられる訳には」

 

「そこの<マシンギア>まだ動けるのなら下がりなさい」

 

 即座に戦場へと駆け付けた加奈は生きている山賊たちに弾丸を撃ち込みながら<マシンギア>に下がるよう勧告する。

 

「あなたは...一体....」

 

 いつの間にか現れた女性に<マシンギア>のパイロットユーゴー・レセップスは驚きを隠せない。

 

「私の正体なんかは後でいいでしょ?とにかく下がりなさい。何かしたいと思うのなら撤退している馬車を守りなさい」

 

 女性の言う通り守っていたはずの馬車を見ればこの砦から離脱しようとしている。

 

「誰だかわからないが、一時ここを任せる」

 

 そう言い残してユーゴーはヴァルキリアの操作する馬車と共に砦から離脱していく。子供たちも含め街にまで行かなくても、ある程度離れた場所で護衛させればまず安全だろう。

 

「さてと、はぁ本当に胸糞が悪いわ」

 

 加奈の視界には山賊の死体の他に子供たちの死体も映っていた。

 

「なんだぁ?」

 

「また、新しい敵かよ、やっちまうぞ!野郎ども!!」

 

<マシンギア>を後退させたのが原因か、山賊たちの士気は高い。

 

「うぉぉぉ!!」

 

 雄たけびを上げて向かってくる山賊たち。その刃先が加奈に届く瞬間に全員が息絶える。

 

「ぁ......」

 

 なのが起こったのかわからない様な顔をして山賊たちは息絶える。

 

「ひぃ....」

 

 突如目の前で起こった仲間の死。何をされたのか分からない。一瞬で仲間の胴体に大きな穴が開き、絶命していった。

 

「たすけ...」

 

 助けを乞おうと1人の仲間が武器を捨てるが、武器が地面につく前にその首が飛んだ。

 

「安心して。助けを請う必要も、許しを請う必要はないわ。元から皆殺しのつもりだもの」

 

 1人また1人と何をされたかわからないまま山賊たちは死んでいく。いつの間にか加奈の手に【月光】と【陽光】が握られていたことすら気づかぬまま山賊たちは全滅した。

 

 

 

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