<Infinite Dendrogram>~魔弾の射手~   作:夜神 鯨

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ごめんなさい、連続投稿しようと思ったのですが、できませんでした


ゴゥズ

「さてと、いつまで隠れてるつもりかしら?」

 

山賊をあっけなく全滅させた加奈は,広場の奥にある頑丈な扉へ向けて話しかける。

 

「.....」

 

返事がないか少し待つがいつまで経っても、何の返答も帰ってこない。辺りは急に静かになり、風の吹く音だけが周囲に響く

 

「...まあいいわ」

 

いつまで経っても現れない敵に痺れを切らした加奈は、扉に向かって【月光】を発砲する。扉に当たった魔弾は大きな爆発を起こし、扉は爆煙に包まれる。

 

「いてえいてエ。おまけにアツい」

 

破壊された扉の先から現れたのは牛の頭をした巨大な鬼であった。口には猛獣のごとく鋭い犬歯だけの牙が並び。その巨大な背丈は先程の<マシンギア>ほどはある。鍛え抜かれた屈強な体からは先程の山賊よりも高い戦闘能力を持っているだろうことが分かる

 

「あら、意外と頑丈みたいね」

 

「なンだ、ヤッぱりバれてたか」

 

現れた巨漢の牛頭は愉快に笑いながら広場の中央、加奈のいる方へとゆっくりと近づいてくる。

 

「あなたがゴゥズね、牛頭のゴゥズ」

 

「オお。俺様はゴゥズメイズ山賊団の二大頭目、【剛闘士】のゴゥズだぁ」

 

【剛闘士】、【闘士】系の上位職の一つ。肉弾戦に特化したジョブの1つ。この巨体から繰り出される攻撃を食らえばこの砦の城壁すら簡単に破壊できるだろう。

 

「おうおう、やってくれたなぁ、おめえ。かわいいかわいい子分共が全滅しているじゃあねえか」

 

そう言うゴゥズは嬉しそうに笑っている。その表情は子分の死を悲しむ親分の顔でない。どちらかといえば、獲物が死んだことを喜ぶ狩人の顔だ。

 

「その割には悲しそうにしないのね」

 

「だってよぉ、これで子分共の死肉が食い放題じゃあねェか」

 

そうでしょうね、と加奈は納得する。彼が亜人だから、という理由ではなく。恐らくそういう人物なのだろう。彼にとって山賊たちは、餌を運んでくる便利な道具であり、同時に美味しそうな餌でもあったのだろう。

 

「あまぁい子供の肉もうめぇがよぉ。ビターな大人の肉もたまには食いたくてなァ。知ってるかぁ? 大人は悪人の方が味に苦味が増してうめぇんだぜぇ?」

 

「あいにくだけど、私に食人の趣味は無いわ」

 

「おイおい、好き嫌いハ健康に良クないゼ」

 

ガハハと愉快に笑いながらゴゥズは言葉を続ける。

 

「まア、それとモ<マスター>ってぇのは不死身なだけあって体が丈夫なのカァ?」

 

「まあ、そうね、間違っては無いわ。食事にこだわる必要もないもの」

 

ゴゥズはどうやら加奈が<マスター>だということに気付いるようだ。しかし、ゴゥズでなくとも、山賊を瞬殺した加奈を見ればティアンの冒険者でないことくらいは分かるだろう。

 

「さてと、おしゃべりはこれくらいにしましょうか、奥にもまだ、敵がいそうだしね」

 

加奈は話を切り上げ戦闘態勢に入る。しかしそれを見たゴゥズが、大きく手を挙げながら首を横に振る。

 

「なンだよ、気にならねェのか、俺がなかなカ出て来なかった理由トかよォ」

 

「大体理由なんて分かるわ」

 

「ほう」

 

「貴方たちこの拠点を捨てるつもりだったでしょう?道具は処分して、そうね....貴方ともう一人メイズって奴と2人で何処かに移動する予定だった。違う?」

 

それを聞いたゴゥズは目を大きく開き驚く。

 

「ほう、良ク分かっタなァ」

 

「よく考えれば子供でも分かるわ」

 

この砦は古びているとは言え、拠点にするには最適だろう。先程の<マシンギア>が壊したであろう部分以外はいまだ頑丈な城壁が健在であり、防衛がしやすいよう中庭も設けてある。しかも、カルディナとも近く、金銭さえ用意できればカルディナの軍隊を自分たちを討伐しに来るアルター王国正規軍への牽制に使うこともできる。

 

お尋ね者として暮らしていくには最上級の物件だ、しかし、ゴゥズは<マシンギア>に拠点が破壊され、駒である山賊が山のように殺されても、加勢しなかった。それは何故か、答えは簡単もういらないからである。ここで果たすべき目的はすでに果たされたのだろう。捨てるものに、未練はない。むしろ要らないものを処分した<マシンギア>に感謝すらしているのではないだろうか。

 

「理由は聞く必要ないの、私も仕事で来ているだけだから、貴方たちの事情に興味もないわ」

 

「だから」と言うと同時に加奈の姿が消える。そして同時にゴゥズの背中に強い衝撃が走った。

 

「ッッ!!」

 

「消えなさい!」

 

背中に強い衝撃を受けて、前のめりになるゴゥズ、地面に倒れそうになり、慌てて手を着こうとするが、目の前に一瞬で目の前に現れた加奈が、ゴゥズの顔面に横から【陽光】を撃ったことで、吹き飛ばされたゴゥズは地面を転がり、城壁にぶつかって止まる。

 

「BUMOOOOOOOOO!!」

 

立ち上がったゴゥズは雄たけびを上げながら加奈へと突進をしてくる。加奈は突進を難なく躱し、再び今度は胴体へと攻撃を加える。再び吹き飛ばされたゴゥズは、城壁へとぶつかり城壁の一部を倒壊させる。

 

「案外、丈夫なのね」

 

服に着いた土埃を払いながら、加奈はゴゥズへ話しかける。

 

「BUMOOOOOOOOO!!」

 

既に理性は無いのか、加奈の言葉を無視したゴゥズは、腰に下げた袋から何かを取り出し、加奈へと投擲する。ゴゥズの持つSTRで投擲された物体は音速の速度で、加奈へと飛来するが、その上の速度で動ける加奈には当たらない。しかし、超音速を超える速度で動ける加奈はゆっくりと動く視界の中で自身へと飛んでくる物体をハッキリと見てしまう。

 

ゴゥズはが投げた、ボール大の物体は、目を見開き恐怖の表情で、血に塗れた髪を揺らす、少女の生首だった。もう死んでいる。それがハッキリと分かる死体に対し加奈は咄嗟に手を出してしまう。

 

瞬間、少女の首は大量の血しぶきをまき散らしながら、大きな音と共に、少女の生首が加奈の腕へと当たり、爆ぜる。

 

加奈はその衝撃で吹き飛ばされ、砦奥の壁に大きなクレーターを作る。

 

「ク、ハ.......」

 

凄まじい衝撃は加奈の肺に入っていた空気を全て体外へと排出する。加奈のHPは2割を切り、右腕は折れるまでいかないが、痺れて動かすことができない。

 

「なんダァ、当たらねェと思ったの二案外当たるんだなァ」

 

ゴゥズは、腰に下げた袋から取り出した別の生首を美味しそうに食べながらゆっくりと歩いてくる。先程までの攻撃で、ある程度ダメージを受けてはいるようだが、瀕死という訳ではないようだ。

 

「さて、終わりダァ」

 

ゴゥズが、振るう拳を紙一重で避けた加奈は中庭の中央へと移動する。血まみれで、頭から血を流し、右腕をだらーんとたらしながら、加奈は構えを取る。攻撃を受けた際に【月光】と【陽光】は手から離れ遠くの方へ転がっている。

 

『マスター大丈夫ですか?』

 

どうしようかと考えているとヴァルキュリアから念話が入る。

 

『.....大丈夫よ、そっちは....どう?』

 

『はい、孤児院から冒険者になった子たちが、増援にきてまして、彼らに<マシンギア>と馬車を任せてそちらへ向かっています』

 

『.....そう』

 

息も途絶え途絶えになりながら、加奈はヴァルキュリアへ言葉を返す。そして一先ずは子供たちの安全が確保できたことを喜ぶ。

 

『私もすぐにそちらへ合流します』

 

ヴァルキュリアの速度ならば、5分しない間に到着をするだろう。加奈は少し考えてから、ヴァルキュリアの合流を断った。

 

『いいえ、ヴァルはそのまま、砦の奥を攻略しなさい』

 

『....しかし....いえ、わかりました』

 

『よろしくね』

 

何かを察したのか、ヴァルキュリアは特に何も言わず、了承する。

 

「なんだァ、まだ元気そうダなァ」

 

念話を終了させた加奈。の目の前にはゴゥズは勝ちを確信し、地面に落ちた部下の遺体を食らいながら歩いてくるゴゥズの姿があった。

 

「....貴方も...元気そうね」

 

口の中が切れたのか、喋るのが辛いが、加奈は言葉を続ける。

 

「これくらいが、いいハンデじゃないかしらね」

 

ゴゥズはガハハと愉快そうに笑う。それにつられて、加奈も笑った。

 

「ガハハ、ハハ」

 

「アハハ」

 

「ほざいてロ!!」

 

加奈はゴゥズの放った蹴りを避け、蹴り上げられた足を取りもう一方の足を払う。そしてバランスを崩し倒れたゴゥズの顔に乗り、右目を蹴り抜いた。

 

「BUMOOOOOOOOO!!」

 

ゴゥズが、痛みでのたうち回っている間に端へと転がった【月光】と【陽光】を回収する。痺れていた右腕も自然回復力が上昇しているおかげで、動かせるようになっており、両手に銃が握られる。HPも5割程まで回復しており、戦闘続行には支障がない。

 

「ふう、まさか、少女の首を投げるとは、咄嗟に手が出てしまったじゃない」

 

残った左目で加奈を恨めしそうに見ているゴゥズへ話しかけながらも魔弾を放つ。魔弾をクロスした両腕で受け止め突進してくる。

 

しかし、加奈は突進してくるゴゥズを軽くあしらい、追撃を加える。ゴゥズも攻撃に耐え負けじと反撃を繰り出すもAGIが桁違いの加奈に攻撃は当たらない。

 

「ああ、HPとENDが高いのね、面倒だわ」

 

加奈は撃ちだす魔弾の属性を【魔弾姫】のスキル《悪魔の祝福》で、【月光】と【陽光】が持つ魔法属性から物理属性へと属性を変化させ、銃撃を繰り出す。

 

ゴゥズも反撃をしようと藻掻くが、絶え間ない銃撃のせいで体をうまく動かせない。悪あがきに再び子供の首や山賊の死体を投げつけるが、加奈に到達する前に、全て迎撃されてしまう。

 

加奈は攻撃の出力を下げ、ゴゥズを拘束するように絶え間なく攻撃を続ける。どれぐらいの時間が経ったのか、体を丸め込み耐えるように攻撃を受けていたゴゥズは力尽き、動かなくなる。

 

確認の為に加奈は出力の上げた弾丸でゴゥズの頭を撃ち抜く。何の抵抗もなく頭を撃ち抜かれたゴゥズは完全に死亡しこの世から消え去ったのだった。

 

 




【魔弾姫】の詳細を出すのが遅くなりそうなのでこのタイミングで1部書かせてもらいます。

【魔弾姫】フライクーゲル・プリンセス
魔力式狙撃特化
ステータスはMPとDEXに特化


条件 ①魔力式銃器を用いて敵を3万体以上撃破
   ②弱点部位を狙撃して2万体以上撃破
   ③上記の条件を達成するまで弾丸を外してはならない

《悪魔の祝福》
【魔弾姫】の固有スキル
攻撃属性の変更が可能となる。

《魔弾》
【魔弾姫】の固有スキル
相手の防御力を無視し魔弾のダメージ1割を確実に相手に与える。

《魔弾の射手》
【魔弾姫】奥儀
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《悪魔の魔弾》
【魔弾姫】の最終奥義
《魔弾の射手》で放たれる◻️◻️◻️の弾丸

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