日光と申します。
処女作です。
書きたい欲求にかられて書いちゃいました。
反省も後悔もしていません!!
メンタルかなり弱いです。
prologue
夕暮れの街――その島は絃神島と呼ばれていた。太平洋所、本州より離れた人工島。魔術と金属で作られた小さな島。
夜の街に木霊するのは、とりとめもない噂、都市伝説だ。
男は言う。
「第四真祖って知ってるか?」
第四真祖?
この街にいるという吸血鬼。
夜も眠れぬこの街に広がった吸血鬼の噂。
問いかける女に男は真面目な声音で答える。
第四真祖は不死にして不滅。一切の同胞血族を持たず、支配を望まず、ただ災厄の化身たる十二の眷獣を従え、人の血を啜り、殺戮し、破壊する。世界の――人の――自然の理から外れた冷酷非情の吸血鬼。
数多の都市を滅ぼした吸血鬼。
「ふ~んそれで?」
女は退屈そうに呟く。
すでに第四真祖の噂など誰でも知っている噂だ。勿論、その噂を鵜呑みにするものなどいやしないが・・・
男は慎重に指を四本掲げて、呟いた。
「第五、第六、第七真祖がいるんだ」
「そんなに真祖っているんだ~~」
真面目に語る男とは対照的に女は不真面目に言う。
女にとって真祖が何体いようが関係ないのだ。問題はその話が面白いかどうか。その一点に限る。
男は女の反応を気にしつつ、話を続ける。
彼らは第四真祖と同じ。血族同胞を持たず、ただこの世界で狂ったように暴れまわる。眷獣を従えて、ただ破壊するのみ。
けれど・・・そう言って男は口をつぐんだ。
わざとらしい沈黙のあと男は言う。
「彼らは世界を終わらせるために生まれたんだ」
まるでドラマかプロポーズのセリフかのように喋る男に女は笑う。
「何それ? 世界を終わらせる? 吸血鬼なんてみんなそんなもんじゃないの?」
過去吸血鬼どうし互いに争った時代を『歴史』として知る女にとって吸血鬼というのはそういう存在だ。
世界を壊すために存在する。あるいは自身の利益のために全てを奪い尽くす。そんなこと今更だったのだ。
誰も吸血鬼が世界救済のために存在するなど思わないのと同じである。
女が笑うのを男は諭すように否定する。
「いやいやそうじゃないよ。俺が言ってるのはそうことじゃないんだ」
じゃあどういうことよ?
女は嘲笑うように男に言う。
正直、この手の話は飽き飽きしていた。話すことは同じことの繰り返し。だから女はそう言った話を全て嘲笑って否定してきた。
そっちのほうが面白いし、飽き飽きしない。
今日も女はそんな気分で話を聞いていた。
けれど、男は違う、と言った。果たして男は次にどんな下手な噂話をするのか、女は興味が湧き始めていた。
「彼らの存在理由は世界を終わらせる、世界の終焉を見る準備をすることしかないんだ」
男ははぁ? と口を開ける女に言葉を紡ぐ。
彼らは世界終末の儀式をする者たち。
世界を破壊したい、こんな世界は嫌だ、と思う欲求。世界の秩序、支配体制のリセットを望むものたちの思念。そういったものが集まって生まれた『人工』の吸血鬼だと。
彼らに繁栄の欲求はない。彼らに子孫を残したいと思う意志もない。
ゆえに最強。ゆえに最悪。ゆえに災厄。
彼らは世界に散らばって世界を壊す準備をしている。
三体の滅亡思念体。
それが吸血鬼の正体だ。
「ちょっと待ってよ」
女は男の言葉を遮る。
「どうかした?」
「あんた、三体って言った?」
「ああ」
男が頷くが、女はそれを見ていない。
指の数は4。言った数は3。
面倒だ。
おそらく男は『あと一人は?』と聞かせたいのだ。
まったく面倒くさい。けどこのままでは話が進まない。
女は仕方なしに男に尋ねた。
「三体ってあんた指四本あげてんじゃん。それどういうことよ。あと一体は?」
男はわざとらしく相槌を打ちながら、女に言った。
「ああ、四体目。四体目ね。四体目。確かに四体目――第八真祖も存在するよ」
満足げに頷きながら、男が続ける。
女が呆れて帰りたがっていることも気づかずに。
「第八真祖は第四真祖と同じ。けれど、彼の存在理由は救済だ」
「!!」
女に緊張が走った。誰が見て先程と態度が違う。呆れてなどおらず、ただ驚いていた。
男はその反応をうけ、嬉しそうに語りだす。
「吸血鬼にもかかわらず、同胞血族を持たず、眷獣を従える。けれど、夜の支配も『帝国』もつくらず、人々を恐怖に陥れることすら良しとしない吸血鬼――第八真祖」
光あるところに影がある。影があるところには光あり。
男はどこかの漫画のセリフを言いながら、笑みを浮かべる。
「三体の真祖たちに相反する存在。第八真祖。世界の破壊を防ぐ吸血鬼。どっかのヒーローみたいだと思わないかい?」
その答えを女――藍色の髪の女は答えない。
否、答えられない。
緊張したように虚空を見据え、目線をたどれば、男の真上の蛍光灯を見ているように見えるが、見ていない。
どういうこと? 何故、『彼』が生きているのだ!?
「ん? どうかした? 大丈夫? 汗びっしょりだよ?」
見ず知らずの噂話を話す男に触れられそうになり、女はとっさに頷いた。
「ええ、大丈夫。大丈夫よ!!」
「そ、そう・・・」
強くそう言われて、男が動揺しながら、席に戻る。
そうなのだ。何を動揺する必要があるのか。ここはただのバー。噂も都市伝説もはびこるただの酒屋。
昔の話に尾ひれがついて都市伝説になったに過ぎないはずだ。
女は自身にそう言い聞かせてありきたりのセリフを吐く?
「それで?」
退屈そうに――退屈そうに見えるようにわざとらしく女は言った。
ここは『魔族特区』。吸血鬼の真祖の一人や二人。いてもおかしくないでしょ?
そう言わんばかりに女は笑う。
でももし、それが本当なら・・・・・・
震える指を机の下で握り締めながら、彼女は笑い続けた。
まだ主人公出てまへん!!
多分次も出ますん!!
感想お願いします。
あ、でもメンタル弱いのでほどほどに・・・・・・・
追記 誤字脱字報告ありがとうございます。おそらくprologueに関しては、誤字はない・・・・・・かと。