毎回 誤字脱字があるきがする日光です!!
ついに魔王が登場!!
はたして姫は救えるのか!!!
嘘です。
魔王は出ません。
そのかわりあのお方が出ます。
では本編へどうぞ!!
誰かに後をつけられている。如月は、どこからか感じる視線に尾行されている、ことを感じていた。
あからさまに電柱からこちらを見ている視線が2つ。どう見たって怪しい。
しかし、その視線はすべて背後からの視線。それに気づけたのは、彼の人間としての勘と吸血鬼としての本能の賜物であった。
吸血鬼として《覚醒》して早半年を経た如月は吸血鬼としての動物的本能というべき直感を使いこなしていたのである。
今回、このストーカーモドキかそれともただの変態かはたまた知り合いか分からない者たちに気づけたのもそのお陰。
彼らは電信柱に隠れながらも、ほかの人たちにはまったく不自然がられていない。さらにいうならば、彼らがいることすら気づいていないかもしれない。
――奴らは人でない何かだ。気をつけろ――
彼の第六感とも言うべき吸血鬼の勘が再びそう警告した。
もし如月自身のことを吸血鬼と知って尾行しているなら、それは厄介な話である。
彼が吸血鬼すなわち世界《最新》の吸血鬼――第八真祖であることを知っているのとほぼ同義に近いからだ。
もしも、知っているなら、それなりの実力を持っているか、あるいは真祖という存在に対して対抗しうる何かを彼らは持っているはずだ。
けれど、如月自身覚醒してなり立て、言ってしまえば《新米》である。そんな《新米》真祖に対処できるはずがないのだ。
「かったるい・・・・」
如月は誰に届かぬ愚痴を呟いた。
ファミレスでは同族の真祖に出会うは、友人たちに補修のためとはいえ、お金をぶんどられるは、で今日一日散々である。
「まあ、しょうがないか」
この体を《受け継いだ》時から、こうなることは分かっていたことだと思う。分かって自分自身は《受け継いだ》はずだ。
そう自分に言い聞かせ、対応策練ることにした。
そこで如月は、突然、走り出した、当然、背後の尾行者もあとに続く。けれど、電柱から電柱へまるで影のごとく動く気配にその姿を確認できていない。
それでもなんとかその影の気配だけを頼りにちゃんと自分の背後を尾行しているか確認する。
もし、この場で戦闘でも起こされたら、たまったものではない。単純明快。人気のいないところで話をすることん決めたのだった。
しばらくして、人気のいない場所。工場エリアに入った。ここは魔族特区としての特権を活かした魔族や吸血鬼・魔術・錬金術などの製品を製造する工場エリアだ。
工場内では働き蟻のごとく人が大勢いるが、その外はあまり人が少ない。さらに扱うものの秘匿性や危険性から工場の壁は、戦車の砲台を受けてもビクともしない頑丈な作りになっていることが多い。
まさに危険なことを行うには絶好のポイントである。
まあ、《人間で作れる》程度の威力しかだせない攻撃だったらの話だが。
「おい、姿を見せろ!! 突いて来てるのはわかってる!!」
ちょうど鉄あみに三方を囲まれた場所で壁を背に止まって叫ぶ。
「なるほど、《影尾行》に気づくか・・・確かに《術視》の力があるかもしれんな・・・・」
怪しく小さく低い老人の声が確かにそう声を発した。
けれど正体が見えない。如月は声が聞こえる方に叫ぶ。
「おい!! 何が目的だ!! 何が目的でこんな――」
あとの言葉は続かなかった。矢のようなまるでミサイルのような突起物が彼の居る場所――彼のいた場所に突き刺さっていたからだ。
「!!!」
瞬時に前方左に飛んでそれを回避する。吸血鬼になって良かったと初めて思えた瞬間かもしれない。
「待ったなしなのか!!」
叫びながら、振り向くと、そこには鉄あみに風穴をあけた何かの尻尾があった。先端が尖っていて凸凹した肌。紫色の肌には、鱗のようなものも浮かんでいる。
「吸血鬼の眷獣か!?」
前方には先程までいなかったはずの場所に体長1mをゆうに超える巨大な蠍が鎮座していた。
眷獣。それは吸血鬼を魔族の王たらしめる理由の一つである。その存在は下級の吸血鬼ですら一体の戦車とと同格いやそれ以上のものとする。魔力の塊である。
これを相手にできるのは、特区警備隊か、攻魔師あるいは、《獅子王機関》の者たちか眷獣をもった吸血鬼のみ。
尻尾が蠍のところまで伸縮する。どうやらあの尻尾は伸縮自在なようだ。
どうする? ここで戦うにはどうしたらいい!?
如月は自問するも答えがでない。
「ナゼ、ケンジュウヲツカワヌ?」
老人の声と共に老人自身が姿を現した。けれど声がなぜか聞き取りづらい。
「オヌシニハアルノデアロウ? 《シホウ》ノチカラガ。ナゼツカワヌ?」
男が何を言っとている変わらないが、どうやら如月が眷獣を出すのを待っているらしい。
老人はどうやら如月が吸血鬼でしかも第八真祖という馬鹿げた真祖であることも知っていいらしい。
それなら、なんとしても逃げる必要があった。
このまま捕まれば、何をされるかわからない。殺される以上のことをされる可能性もある。
如月は覚悟を決めた。やるしかないのだ。やらなければ、自身がやられるのだ。
蠍の尻尾が地面をえぐる瞬間、如月は前方に跳んでいた。蠍の尻尾が地面に突き刺さり、その隙をついて、如月は老人に迫る。
吸血鬼になった結果でいいところは肉体強化もある。通常、人ではできない速度でも移動可能である。
そのスピードを持って老人に肉迫する。距離を詰めれば、こちらの勝ち。彼には確証があったのだった。
スピードと隠遁。つまり老人は、自身の肉体では戦うことは不可能だ。吸血鬼の眷獣である蠍のみが唯一の攻撃方法。それならば、本体を攻撃すればいい。
「ホウ・・・・ワガジャクテンヲツカムカ・・・・オモシロイ・・・・ダガアマイ」
「!!!」
吸血鬼の老人に肉迫した瞬間、老人は霧のように霧散した。すなわち幻影。幻であった。
見事に空振りした如月の拳は、空を切り、反動を消してなんと後ろに振り返る。
そこにあったのは、蠍の尻尾だった。巨大な槍のような穂先を如月の心臓部分に当てようとしている。あのスピードと速さではいくら吸血鬼の再生能力を駆使しても、かなりの時間を食うだろう。
もしくは死ぬだろう。
防げない!!!
もう駄目だ・・・・。
如月は目を閉じた。本能的に咄嗟に出来た行動は人間でもできるような防御姿勢――手を前にあげた防御姿勢のみだった。
走馬灯のように思い出されるのは彼らとの学園生活だ。
朱鳥、紅夜ゴメンな。わけわかんねぇけど、俺死ぬわ。
死の恐怖よりも後悔の方が大きい。もっと・・・もっと・・・
けれどいくら待っても穂先は届かない。不審に思って、目を開くと・・・・・
「え?」
彼の目に飛び込んできたのは驚きとしか形容できないありえない光景だった。
蠍の尻尾が止まっているのだ。いや止められているのだ。
止めているのは日本刀を持った茶髪の少女。短い髪の毛が自由に空に舞い、真剣な目つきで剣を握っている。
「ック!! アラテカ!! 《スコーピオン》!! 」
命令を受けた蠍――《スコーピオン》が前足であるハサミを彼女にぶつけようとする。少女は、刀を尻尾で封じられ、身動きが取れていない。
「危ない!!」
咄嗟に如月がそう叫ぶが、叫ぶことしかでいない。結局、真祖であろうが、なんだろうが、力がないと関係ないのだ。
「大丈夫!!!」
そんななか、彼女は余裕でハサミを避ける。尻尾から見事に刀を引き抜いて、そして呪文を述べる。
「我、雷の断りを述べるもの、汝が力、己が力として解放せん!! 天の雷鳴 地の粉塵 我に魑魅魍魎を撃たせ給え!!」
その瞬間、刀が黄金色に輝いた。稲妻を放つようにまるでそれ自身が発光しているかのように光り輝いた。
「アレハ・・・・マサカ・・・・《スコーピオン》!!」
その武器の正体、あるいは特性に気づいて、老人が叫ぶ。けれどもう遅い。
彼女の《勝利の祝詞》は完成し、あとはその威力を試すのみなのだ。
「穿て百鬼!! 滅せよ悪行!! 《神成》!!!」
刀を振るう。彼女がやった行動はまさしくそれだけであった。《スコーピオン》は振るわれた刀――刀から放たれた雷光を受け、砕け散る。
まさに《粉砕》。その一言に尽きる奥義である。
《英雄剣》が恐れられているのは、その魔力の高さのためだけではない。その剣に宿した《神を畏れさせる》能力である。
すなわち《粉砕》――魔力あるものはすべて粉砕する。それがこの《神成》の能力なのだ。魔力の塊である眷獣にとっては一撃喰らうだけで大変なことになるだろう。
「オノレ・・・・《熾天使》メ・・・・ハカッタナ・・・・・」
老人の恨めしそうな声が響く。
「どうしますか? 戦闘を続けますか?」
油断なく、刀を老人に向け、少女は睨みつける。
一方、如月は混乱していた。突然現れた少女がなんと吸血鬼の眷獣を倒し、自身を助けてくれたのだ。
一体何者なのか? なぜ助けたのか? 聞きたいことは山ほどあったが、それは今は聞けない。
この場でそんなことを聞いて緊張を乱せば、こちら側が不利になる。まだ戦闘は終わっていない。そんな雰囲気がまだ現場に立ち込めていたからだ。
しかし、その均衡を破ったのは老人の方だった。
「オノレ・・・ココハヒコウ・・・・ワガ《第三の眷属》ヲヤブリシコト・・・ホコリニオモエ・・・・」
そう言うと、先ほど同様、霧となって姿を消した。あたりにまだ緊張の余韻が残る。
「終わったのか?」
確認するように少女に聞くと、少女がその場にへたりこんでしまった。
「あぅ~き、緊張したよ~~」
は? と思わず、思ってしまった。先程まで勇ましく戦っていた少女とは思えない言動・行動である。
「あ、あの・・・・」
取り敢えず話しかけてみる。最初はそこからだ。
「ふぁ、ふぁい!!」
緊張したように飛び跳ねて、驚く少女に思わず苦笑してしまう。こんな幼い可愛い少女に助けられたのか、と今だに信じられなかった。
「え、っと君は誰・・・・なんだ?」
そう言うと、その質問を待ってましたかの如く、立ち上がって、宣言した。
「はい!! 私《神祇省》より派遣されました新人《英雄獅子部隊》エーシャ・フロイス!! 第八真祖、神無如月様を護衛しに参りました!!」
「・・・・」
少女――エーシャの言葉に唖然とする如月。
また紅に染まる空に月が登っていく。
ここに《護天の遣士》と《巫女》が出会った。
物語はまだ始まったばかりである。
はいどもども。 日光です。
セカンド連続投稿です。
いや~prologue2が長すぎましたね。うん。
基本は平均次数はこのくらいを目処に頑張っていきたいと思います。
何か感想等ありましたら、お書きください。
よろしくお願いします!!
ではでは!!