『花咲川の異空間』と呼ばれている、姉の弟です。 作:龍宮院奏
ショッピングモール、様々な種類のお店が一度の場所に集結し、そこに居るだけでまる一日は過ごせる場所。休日なんかは『親子連れ』や『友人との買い物』などがあるが、意外と『カップル』と呼ばれる『リア充』共が闊歩しているわけだが……。
『フルコンボ〜!二人は運命の出会いで結ばれた恋人だどん』
「何故だ…、何でこうも機械まで俺と姉ちゃんを
ショッピングモールなら割とどの店でも有るようなゲームセンターで、好きな曲に合わせて太鼓を叩くゲームを演ってみた。
『ねぇ夏樹、あれを演りたいわ』
『良いよ、姉ちゃんとやるの久ぶりだけど。楽しみ』
最初は本当に『姉ちゃんとの二人プレイ』で楽しみを持ってやっていたのだけれど……。何か普段あまり来ない所で、姉ちゃんと一緒に遊ぶってなって変な本気を出した結果……。
「……やっぱり私と夏樹は恋人」
全三曲プレイ可能、けど演っていた筐体が『二人の仲を測定可能!どれだけ息を合わせられるかな?』という、あからさまなカップルが喜ぶような仕様の筐体だったのだ。でも一つ言うなら、息ぴったりで当たり前。16年間姉ちゃんの側に居続けてるんだから、姉ちゃんの呼吸くらいは簡単に再現できるから。
「姉ちゃん?」
さっきから一人で悶々としていたが、姉ちゃんは姉ちゃんで顔真っ赤なんだけど。さっきもそうだけど、姉ちゃんもしかして熱でもあるのかな。
「お〜い、姉ちゃん?」
「っ!何かしら、夏樹!」
ちょっと肩叩いたくらいでそんなびっくりしないでよ、泣くよ……。
「いや、ぼ〜っとしてるからさ。疲れたのかなって」
「そんな事は無いわ!ただ、久しぶりに夏樹とこうして遊んでるから嬉しくて」
「そう言われてみれば、そうだね」
実際俺は少し前までは受験生、姉ちゃんはバンド結成で色々と急がったし。中々、姉弟して遊ぶ時間は取れなかったからな。
「姉ちゃん、今度は別のゲームでもやる?」
「そうね…、じゃあ次はあれが良いわ!」
提案を聞いて辺りを見渡してから、ある筐体を指差す姉ちゃん。指した筐体は某配管工のおっさんや、桃のお姫様が出てくるゲームの派生作品のレーシングゲームのゲームセンター版だった。
「姉ちゃん、俺に勝てる?」
一時期は多少なれど来ていたので、少なくとも姉ちゃんよりは経験は有る。だからわざとではないが、少し挑発気味に尋ねてみる。
「ふふ、夏樹は私を甘く見ているようね」
おっと、姉ちゃんが俺の挑発に乗らずに挑発仕返してくるとは……。
「よし、姉ちゃん。もしも俺に勝ったら、願い事を一つ叶える」
「勝負かしら?良いわ、じゃあ夏樹が勝ったらどうする?」
「そうだな……」
今回は本当に負ける気がしないんだよな、だけど願い事で叶えて貰える内容が普通だとつまらないし……。だけど姉ちゃんに何か買ってもらうってのも思いつかない、というか俺が買う。となると……、俺何も無くない?普段の日常があまりにも満ち足りているから、普通に姉ちゃんに甘えて、甘えさせてを互いにしてるから本当に思いつかない!
「ごめん……思いつかないから後で言うね……」
「そうなの…?じゃあ、勝負の結果をみて決めて頂戴」
一瞬だけ姉ちゃんがしゅんっと、しょぼくれた子犬みたいな感じに成ったけど、すぐに勝負をする気合モードに成って席に着いていた。願い事を思いつかない状態でまさかの勝負とは、でも負けたくはないな。
「あ、そうだ姉ちゃん。さっきの条件で一つ良い忘れてた」
お金を二人分投入し、キャラを選択する最中に画面を見ながら条件に付け加えをする。
「姉ちゃんが勝った時の願い事、前みたいに俺からの制約は無いから。姉ちゃんの好きに決めてね」
「・・・・・・ほんと!!!」
おぉ……、凄い食いつき。シートからずり落ちそうだし……。
「本当だよ。でもまぁ、負ける気はしないから。俺、本気で行くから……」
姉ちゃんの方に身体を向けて、握りこぶしを作って突き出して宣言する。
「夏樹、私は夏樹ほどこのゲームをしてないけど……勝つのは私よ!」
姉ちゃんも同じ様に握りこぶしを作って、あいも変わらずの眩しい笑顔で宣言する。
「そうだと良いね……。だけど、今回は俺が勝つからね」
「望むところよ!」
この後キャラ選択を終えた両者は、筐体のランダムに選択されたコース内で白熱したレースをしたとのこと。普段ならこのゲームで観客は見えないのだけれど、抜かせば抜き返し、アイテムを駆使すれば互いに100パーセントの確率で命中し、CPUを寄せ付けない圧巻のレースを繰り広げたので……無数の観客が集まるような試合になったとさ。ちなみに、夏樹のキャラは配管工のおっさんで紫の帽子の人、こころは王道のお花の名前のお姫様を使用しました。
「何故だ……、何故負けんたんだ……」
「ふっ、ふっふ〜。夏樹、お姉ちゃんを超えようだなんて、まだ早かったのよ!」
レースが終わり、画面に表示された結果を見て見るとほんの僅差でこころが勝利、夏樹は敗北していた。こころは勝利に歓喜して笑顔できゃっきゃっしながら、夏樹は悔しさと目の前の現実に驚いてその場で崩れ落ちていた……。
が、数分後。夏樹は自分で大口きって宣言しておいて負けたことに赤面しながら『今すぐにでも灰になってこの場から消えたい』と心の中で叫んでいながらも。二人でやるゲームがとても楽しくて、またやりたいと思ってしまうのだった。
「姉ちゃん、あんなにゲーム得意だったけ?」
もう一回とせがんだ勝負は、また姉ちゃんの勝ち。悔しくて三度目の正直で挑戦しても姉ちゃんの勝ちだった。経験的には俺の方が有るはずなのに……。
「う〜ん?得意なのかはわからないけど、夏樹とやるゲームが楽しかったから」
「むぅ〜……、次やる時は絶対に勝つ……」
「そうね、次は夏樹が勝つかもしれないわね」
でも今日は姉ちゃんとこうしてゲームが出来たということで、次は何処に行くのかな。
「あ、そうだ夏樹?」
「ん?何姉ちゃん?」
「約束憶えてる?」
「約束?」
姉ちゃんの言葉に首を傾げると、
「ゲームをやる前に約束したじゃない、
『姉ちゃんが勝った時の願い事、前みたいに俺からの制約は無いから。姉ちゃんの好きに決めてね』って」
一体何時の間にそんなスキルを身に着けて、駆使していたのか、鞄から取り出したスマホから勝負前の時刻が示された録音データが音声と共に示されたのだ。
「・・・・・・、ちょっと待って」
「いやよ、さ〜て何を叶えて貰おうかしら」
俺の呼びかけをまさかの一刀両断で断るだなんて。普段の3倍もの輝きを持った姉ちゃんは、嬉しそうにスマホを両手に持ちながら笑顔で見つめてくる。
約束をしてしまったのだから約束は果たすべきなのだろうが、もしもだ……姉ちゃんのお願いが俺と姉ちゃんの境界を越えそうな物ならばそれは何とかして回避するが……。さっきの表情からはそんな考えは持っていなさそうだし、今回は無事に終わるかn……?
その時、夏樹の腕に不思議な事が起こった!
「それじゃあ今日はこれで移動しましょ!」
夏樹の右腕を愛しの姉であるこころの胸ががっちりとホールドした状態になり、手を小さくほんのりとした温かさを持ったこころの両手で包み込んだのだ。夏樹とこころはあくまでも『姉』と『弟』、つまりは『
(は、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ちょ、え、ま、えぇぇぇぇぇぇ!)
それがダイレクトに自分自身に関係することとなると、脳内でその情報を処理できなくなるのだ!
「あ、あのね、姉ちゃん……?」
「どうかしたの夏樹?そんなに顔を真っ赤にして?」
右腕から身体を離さないようにとしているのか、物凄い身体を密着させてくる姉ちゃん。もう顔近いし……。
「いや……だってこれ……恥ずか……しい……」
「そうなの?でも、離れてあげないんだからね」
極限まで密着したうえで耳元で囁く姉ちゃん、本当に周りの人の視線が痛いから。って、息吹きかけないで……。
耳に当たる生温かな吐息、指を絡めるようにして手を繋ぎ、腕を包むように姉ちゃんの胸があたってくる。抵抗をしようと試みて、見て回るお店で姉ちゃんの興味の引きそうな物を見せたり。
俺個人が犬とか見たくてペットショップに行ってみたら、子犬のふれあいのイベントが行われていた。『姉ちゃん、ほら子犬だよ。抱っこしてみたら?』と提案をするも……。
「どうしてなの?さっきから私の気を逸らすような事ばかりして?」
「もしかして、お姉ちゃんを試しているのかしら?」
「なら安心して……私はゼッタイニ貴方のソバヲ離れないから……。貴方の隣にはワタシだけだから……」
逆にここ最近併発してくる目のハイライトオフモードで、更に密着されました……。若干だけど、姉ちゃんが僅かに震えているような感じと、本気で指が潰れるような感覚がした……。
「姉ちゃんは何食べる?」
「そうね?どれも美味しそうだから迷っちゃうわ!」
先程とは所変わって、今現在俺と姉ちゃんはモール内のファミレスに来ています。普段の外出時は大抵俺が弁当を作り、外食はライブの打ち上げや香澄先輩達と遊びに行く時にしか使っていない。
主な理由としては、お金を無駄遣いしたくない、って言うのがメインな理由。
それでもう一つの理由は……何か俺や先輩達が作った料理以外で姉ちゃんが『美味しい』って言うのがね……何か嫌なんだよね……。だって……、大好きな姉ちゃんが普段俺の作った料理を食べて『美味しい』って笑顔に成ってくれてるのを見てるのに、顔も知らない奴が作った料理を食べて『美味しい』って同じ様に言うんだよ……。アハハハ……、勿論嫌に決まってるじゃん……だから来たくないんだけど……今回は仕方ないか。
胸の内に秘めたモヤモヤとした思いを抑えながら、大好きな姉ちゃんとの会食を楽しむ夏樹。夏樹は顔に出てない、ましてや周りにオーラを出してないと自負して居るつもりだが……。
『やっぱり…ファミレスの時の夏樹って何処か違うのよね』
やはり相思相愛だからなのか、必死に隠している思いをこころの少し悟られ気味であった。けれどこころは敢えてそこには触れずに、今こうして夏樹と二人で過ごせることを楽しんでいた。
その理由もまた簡単で、『夏樹が蘭ちゃん達と遊びに行った』というのに嫉妬していたのだ。いや、嫉妬というのは生易しい位で、本当はもっとドロドロとした何かだった。こころとしても夏樹がこころ自身の友達である蘭達と仲良くすることは本当に嬉しい。心のそこから嬉しくて、笑顔に成るのだが……同時また別の感情が相まってしまうのだ。だからあの日夏樹にあたってしまったのだ……。
でもそんな自分を我が儘だと理解っていても、夏樹は笑顔で受け止めてくれる。それが嬉しくて、でも駄目だと理解っているのに……どうしても……。
「俺、決めたけど姉ちゃんは?」
「私も決まったわ」
互いにメニューを見ならが全く別のことを考えていたけれど、それも終わり料理を選んでいた。時間はそれ程掛からずに、すぐに注文のベルを鳴らした。
接客に来た
「あの店員さん、どうかしたのか……な……」
あれ?また?またなの?また目のハイライトさん仕事を投げたの?だからまた、姉ちゃんは琥珀色の瞳に光が無い状態でじっと見つめてきているの?
「夏樹は何を飲むのかしら?」
怖い…すごい笑顔だけど…目が笑ってない…。
「え、とと、取り敢えず見に行ってから考えるかな」
やっぱり普段明るい姉ちゃんがこうもハイライトを消した目で見てくると、本当に怖いというか何というか……。
「ん?」
席を立ち上がりドリンクバーに向かおうとすると、今度も俺の腕にしがみついて来ました。『私何か間違えましたか?』みたいな、もうお手上げですよ。
「ネェ……夏樹は……私と居るのがイヤなの……?だから…ワタシを見てくれないの?」
「お願いごと叶えてくれるって言ったわよね?なのにドウしてなのかしら?ネェ、ネェネェ?どうして?ドウシテナノ?」
「コタエテ……夏樹……」
姉ちゃんが俺の手を掴んで強く……ただ強く握りしめてきた……。光の消えた目で俺の瞳を見つめながら、ギュッと、痕がつくんじゃないという程に。
姉ちゃんの真っ黒に染まりかけた琥珀色の瞳が俺の瞳を見つめてきて、目を逸らすことが出来なかった。普段とはかけ離れた姉の姿に少しだけ恐怖を覚えたのと、姉ちゃんに不安な思いをさせたという後悔が理由だ。散々『姉ちゃんが好き』と言ってるのにこのザマとは……、我ながらに頭が痛い……。
「嫌じゃないよ、むしろ楽しい。幸せ、すっごい幸せ。今日は久しぶりに一緒に遊んだり出来て」
別に怒った姉ちゃんを止めるわけじゃなくて、本当に素直な気持ちを伝える。俺と姉ちゃん、割と寂しがり屋だから。近くに居るのに構って貰えないのは、辛いって知ってるし……。
「不安にさせてごめんね、姉ちゃん」
少し大袈裟に姉ちゃんの頭をわしゃわしゃっと撫でる、ハイライトの消えた目が次第に色を取り戻してまた綺麗な琥珀色の瞳に戻った。
「……本当はもっとお仕置きとかしたいけど、今ので無しにしてあげるわ」
「え〜、俺お仕置きされる予定だったの」
「そうよ、折角
拗ねた表情でぷっくりと、柔らかそうなお餅みたいな頬を膨らませる。思わず指で触ると、案の定……めっちゃ柔らかかった。その感触が癖になって、「えい、えい」と何度か突きながら、「ちょっと夏樹」と笑う俺と姉ちゃんの姿はまさしく俺が朝面倒な存在だと思っていた『バカップル』のようであった……。
「「ご馳走様でした」」
ドリンクを自分達の机に運び、少しずつ飲みながら他愛のない話をしていると注文した料理が運ばれてきた。姉ちゃんも自分で選んだ料理を食べながら『美味しい』って言っていたけど、『やっぱり…夏樹の作る料理の方が美味しいわね』と随分とまぁ嬉しいことを言ってくれた。お店の人に聞かれたらどうしようと思ったけれど、不幸中の幸いか店員さんはちょうど誰もフロアには居なかった。
「この後どうする?アイスか何か頼む?」
「どうしようかしらね?」
「一応、ここのショッピングモール、アイスの専門のお店も有るしそっちに行ってもいいよ?」
「そうなの?でも、もう少し見てから考えるわ」
季節限定のメニューから定番の物まで載っているデザート一覧を見て悩む姉ちゃん、
「分かった。じゃあ俺飲み物補充に行ってくる」
それをよそに俺は俺で、空に成った自分のコップを持って再びドリンクバーに向かった。
「完成、ドク○ーペッパー×微炭酸オレンジジュースのミックス」
最近のドリンクバーは何かとジュースの掛け合せが出来る機能があるから、こうしてオリジナルの物が作れて楽しい。偶にだが、『これ当たりじゃね?』と意気込んで作った試作品(コーラ×メロンソーダ)は味が消えてしまったり、別の試作品(ド○ターペッパー×メロンソーダ)は何かこう……感覚的に違ったので止めた。だから行き着いたのがこれなのだが。
「姉ちゃん、ただいま〜。アイスか何か頼む?」
「おかえりなさい、夏樹。それがまだ決まってないのよ」
ドリンクを持って席に戻ってきたが、今日は珍しくまだ決め途中だった。何時も、いや何時もと言うほど来ていないが、出掛けた先で何か食べる時は数秒で決めるのに。数秒?何かもう直感だけで決めてる気がするけど、まぁ選んだのは全部美味しかった。
「へぇ〜、姉ちゃんが迷う日が来るだなんてな」
「ちょっと、何よその言い方」
「はいはい、ごめんて」
でもこうしてからかった時に、ぷく〜ってほっぺを膨らませるの本当に可愛い……。食べ物の詰めたリスのほっぺというか、ハムスター見たいと言うか……とにかく可愛いんだよ!
「別に、さっきも言ったけど。ここだけじゃないんだから、正直な話し……絶対他の所の方が美味しい……」
この店のパフェが不味いと言ってる訳じゃないから、ただ単純に別の所の方が種類が多いよって言いたいだけだから。
「はっは〜ん……、夏樹…そういう事ね」
「いや……、何を理解したの急に。姉ちゃん、流石の俺も理解んないよ?」
突如としてほっぺを膨らませるのをやめて、今度は『私判っちゃいましたよ〜、むふぅ〜』みたいなニヤケ顔をしてきた。凄いニヤニヤしながら顎触ってるんだけど、え本当に俺理解んないだけど……。
「大丈夫よ、夏樹。私はちゃんと全てお見通しなんだからね!」
いやだからさ……何を?俺が想像していることを言えば『アイスの種類の多さ』しか無いけど、でもあの顔を見る限り絶対別の事考えてるよ……。
「わ〜、やっぱりお姉ちゃん凄〜い〜(棒読み)」
「夏樹……、流石に私だって今のが本心じゃないのは判るわよ……」
ちょっと冗談半分でやったのに……、そんな真顔で論破しなくてもいいじゃんか!本当に泣くよ、まじで泣くよ!
「まぁそれはそうと……、夏樹」
本当に今日は顔の表情がころころ変わるな、姉ちゃん。
「何?姉ちゃん」
何やら急に立ち上がり始めたので、俺も察して荷物をまとめて席から立ち上がると、
「アイス、食べに行きましょ!」
「はいはい、それじゃあ行こうか」
俺の手を取り動き出した。この時、改めて自分が『弦巻こころ』の『弟』であることに幸せを覚えた。それと同時にほんの少しだけ……、ほんの少しだけ……世界線が違って『
「それで……さっきの『私はちゃんと全てお見通しなんだからね!』って言うのがこれ?」
姉ちゃんに手を引かれて店を出た後、例にもよって腕にしがみついてきた姉ちゃん。先程よりも何故か笑顔を増して見せる姉ちゃんと、対局的に俺に刺さる嫉妬の視線に挟まれて潰されそうだった。
やっぱり姉ちゃんと密着?って言うのは家で二人の時が良いな〜的な事を言ってみたけど、どうにも最近姉ちゃんの瞳のハイライトが不調気味なのか真っ黒に染まった瞳で見つめて来るので……黙って頭を撫でながら移動しました。本当に姉ちゃんの心は難しい……。
「そうよ、実はさっき夏樹が話している時に奥の席で男の人と女の人が笑顔でやっていたの」
「ほう……
「どうしたの?夏樹、また怖い顔して?」
「何でも無いよ、別に……」
「そう?ならほら、あ〜ん」
「あ〜む……、うん美味しい。やっぱり、こっちのアイスの方が良かったかもね」
「あ〜ん……、美味しい〜!そうね、こっちのお店なら色んなアイスが食べられるものね!」
「でしょ、でしょ。はい、姉ちゃんも俺のアイスあげる」
「あ〜……」
「え、俺もやらなきゃ駄目なの……?」
今現在、いやさっきからやっていたのは『食べさせ合い』ですね。あっはっは〜、
その後も三段重ねのそれぞれ違ったアイスを二人で交換しながら堪能し、姉ちゃんもそれによってこの前の件についてはもう言わなくなった。
『私だって、遊びたいんだから!』と帰り道、今度は腕ではなく、背中におんぶでくっついてくる姉ちゃん。
『あ〜、はいはい。そうだね〜』と笑いながら受け流そうと俺を、その長く綺麗な手で巻き付いて……『何でそう返事が雑なのかしらね…』若干締められました。苦しくなって腕を『離して』の意を込めて叩くも、『今日は離さないわよ!』と嬉々として抱きつく力と占める力が増しました。
息が出来ないことが原因だったのか、後ろから感じる姉ちゃんの……の感じに気を吸い取られたのか……何回か倒れそうになりながら家路についた。
今回は何回か書き直しに、書き直して仕上げました。
ナンパの遭遇とか入れようかなとも思ったんですけど、何かこころには合わないかなって。
それで結局姉弟のイチャラブ?と呼べるのかな?を書き上げました。
今回はこころ×夏樹でしたけど、一応他のキャラとの掛け合わせも検討しています。
何かこのキャラとの掛け合わせが見たいとか、こういうシチュエーションが良いなど、
そういう意見があったら感想の方でお願いしたいです。
今回もご閲覧頂きありがとうございました。
感想などお待ちしております。