ダーウィンズゲーム ~夜霧の王~   作:nani

1 / 3
身体変化系に自然(ロギア)系っていないのでしょうか……
頭を打ち抜かれても死なない人も、死んでからシギルで自己蘇生した人もいるので、多分いると思うんですけど。


プロローグ

「ダーウィンズゲーム?」

 

 放課後。

 俺はオタク友達から送られてきたメールを見てそう呟いた。

 

「悠斗ー! このゲーム凄いんだぜ! 危なかったら俺が守ってやるから一緒にやろうぜ!」

「唐突にどうした? というか危ないってどういうことだ?」

「まぁそれはダウンロードしてからのお楽しみで、はやくダウンロードしてくれよ」

 

 俺がURLをクリックすると、一瞬でヘビのキャラクターがいるゲームのスタート画面が表示された。

 危ないって悪質な違法ゲームじゃないよな……? いや、佐藤が言うなら大丈夫だろう。

 

 そして俺はゲームのスタートボタンを押した。

 

 

 ◆

 

 

「……あれ、ここは? 俺、さっきゲームの中のヘビに嚙まれた気がするんだが……」

「おーやっと起きたか。これで悠斗もシギル……超能力に目覚めたはずだ。こんなこと一人で独占してちゃ悪いからな。幸せのおすそ分けだ。もちろん、ちゃんと説明するぜ」

 

 超能力?

 

「ダーウィンズゲームは目覚めた超能力を使って、現実で戦うゲームだ。目覚めた超能力は当たり外れが激しいが、俺は強いシギルだからな。まずゲームにログインして悠斗のシギルを調べてみてくれ」

「……にわかには信じられないが、ゲームから出てきたヘビに嚙まれたのは事実。とりあえずステータスでいいのか……?」

 

 

 ******

 所属クラン:ナシ

 名前: キリシマ ユウト

 戦績: 0戦0勝

 クラス:D4

 保有ポイント: 30pt

 累計ポイント: 30pt

 

 

 所持シギル:『夜霧の王(ヴァンパイア)』

 ******

 

 名前、いつの間に入力されたんだ? 佐藤が入れるにしてもフルネームはおかしいし……

 

 そしてシギルって超能力のことだよな?

 夜霧の王、ヴァンパイア。凄く強そうな能力だ。

 

「おぉ! 強そうなシギルじゃん!」

 

 佐藤に褒められて少し良い気分だが、俺自身は使い方も分からない。強力と言っていた佐藤の所持シギルも気になる。比較対象もなく得意げになるのは早い。

 

「それで? シギルってどうやって使うんだ?」

「息をするように自然に使えるぞ。夜霧って書いてあるし、霧化ぐらいはできるんじゃないか?」

 

 ちょっと自分の手が霧になるところを想像してみる。

 すると、肘から先が白い霧となり、周囲に広がり始めた。

 

「も、戻れ!」

 

 慌てて霧を元の手に戻す。

 手はさっきまで霧だったのが嘘のように元に戻っている。

 

「これがシギル……そしてこれを使った異能バトルか。確かに、凄く面白そうだ」

「だろ!? ちなみに俺のシギルは『超蓄力(バーストチャージ)』、溜めた分だけ次の行動を強化できるんだ。大体一秒で2倍、溜めれば余裕で10mもジャンプできるし、時間さえ稼げればどんな相手でも一撃必殺……ちょっとお前とは相性が悪いみたいだが、悠斗が時間を稼いでくれれば向かうとこ敵なしだぜ!」

 

 そう言って構え、少し静止したと思えば、離れているのに衝撃が伝わってくる正拳突きを放った。

 確かに強い。反動もないみたいだし限界までチャージして遠距離から踏み込めば一発KO余裕だろう。むしろ殺さないか心配になる程だ。

 

「それで他の人たちのシギルってどんなのがあるんだ?」

「強い人のだと、鎖を自由自在に操ったり空間を転移したり全身をタングステンより硬くできるらしい……ただ俺が会ったのだと、包丁や火を操ったりする奴がいた程度で、他は直接戦闘に使えるようなシギルじゃなかったな。8割がたは五感強化とか便利シギルで、1体1じゃ普通の人間だ」

 

 ふむ。上位層でも物理系なら敵じゃなさそうだが火はほぼ確実にダメだな。

 その仮説を確かめるため、もう一回霧化して霧の一部を太陽光に晒す。すると喪失感と共に少しずつ霧が蒸発していく。

 戻すと何事もなかったように元に戻ったが、大量の霧を蒸発させてしまった日にはこの程度ではすまないだろう。恐らくヴァンパイアというからには血で回復できるはずだが。

 

 しかし、強いが日中の戦闘に制限がある異能か。

 明るい場所が苦手な俺に相応しい力だ。使いこなし甲斐がある……いや、ちょっと待て。

 

「何でそいつらはこのゲームをやっている? シギルも弱いんだろう?」

「それは、このゲームで勝てば大金を稼げるからだ。1ポイント10万で換金できる。始めたばかりのDクラスでも倒せば100万、Cなら300万、Bなら1200万、Aなら6000万だ。そして、このゲームを辞めることはできない。負けた方はその分のポイントを失い、ゼロになれば死だ」

 

 は?

 

「でも、戦わなければポイントは減らない。対戦を挑まれても、挑まれた方は逃げ続ければ技術点が入り、逃げ切れば勝利だ。さらに一ヶ月毎に生存報酬もあって、Dクラスでも月10万だ。そして何より、シギルがある」

「……まぁ確かにやりたくなるのは分かる。俺だって異能が手に入るなら多少の危険ぐらい許容するしな」

「そういうと思ったぜ!」

「ただ、できれば始める前に言って欲しかった。俺だから良かったものの普通にやりたくない奴もいるだろ」

 

 俺はジト目で相手を睨む。 

 

「それだがな、マニュアルを読んでみろよ。このゲームのことを公にしようとするとアカウント削除、つまり殺される。そして死体は運営のシギルで抹消され、対戦中は民間人に認識されない」

「……リアルでやるってマジなやつか」

「とりあえず軽く一戦やろうぜ。お前今一敗すると即死だからな。誘ったよしみでポイントやるよ。近くにいい場所があるんだ」




この子は手榴弾でダメージを受け、太陽の下で霧化していると蒸発します。発火能力者は無謀、物理干渉力も低い。

まさに、劣化モクモクの実……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。