導きの青い星と蒼い絆の物語   作:MAMYU9

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貴方の心は本物?
この問に答えられますか?


贋作の私

 「……此処は?」

 

 気づけば私は不思議な空間に居た。辺り一面真っ白な空間だ。

 

 『ミーナ、君は強くなくちゃいけない。』

 

 突然声が聞こえる。いやまるで脳に直接語りかけてくるみたいな気持ちの悪い感覚。

 

 「誰…?」

 

 『君は戦う為にモンスターを殺す為だけに此処に生きてるんだ。』

 

 誰なんだ。一体何なんだ。

 

 『君は何が何でもモンスターを殺し続けなくちゃいけない。仲間が傷付こうが死のうが関係無いだろう?君は偽物だ。本物にはなれない。』

 

 一体何を言ってるんだ。偽物?私が?

 

 『君は偽物らしく使命を果たせばいいだけ。叶うことの無い愚かな夢なんて捨てろ。それは最も自分を傷付けやすい残酷な凶器に変わる。』

 

 『もう少しの間、私はこうやって見させてもらうよ。君がどんな絶望を見るか楽しみだ。』

 

 「貴方は!?貴方は誰なの!?」分からない。貴方は一体。

 

 『私かい?私は本当の────』

 

 

 

 

 

 

 

 

 「───おい!ミーナ!起きろ!」

 

 私はサシャに揺すぶられながら目を覚ました。

 

 「…?此処は…」

 

 「此処はってまだリオレウスの背中だ。てめぇ変な夢でも見てたのか?相当魘されてたぞ。」

 

 どうやら悪い夢を見ていたようだ。けど気持ち悪いのは飛んでるせいか?

 …いや違う。まるで背中を得体の知れない気色の悪いものに触られた感覚のような気持ち悪さは夢のせいだろう。

 もう永遠に見たくない。

 

 「ん?…やっと見えてきたぞ…アステラだ…」

 

 真下が緑に染まりきった先に見えるのは私達の拠点、アステラだ。

 

 「ミコト持つの替わるか?随分長い間持ってたし疲れただろう?」

 

 「ミコト…あぁ!そうだった!」

 

 サシャのお陰で思い出した。私が寝てたせいで変な態勢になって辛くなかっただろうか。

 

 「ハハッどうやらアンタの背中は安心するみたいだ。子供が母親と一緒にふかふかのベッドで寝るみたいに安心して熟睡してやがる。」

 

 ミコトは私の背中でスヤスヤと眠っていた。

 

 「…このまま寝かしておいてあげましょう。」

 

 「なんだ?このままの方がお前は幸せなのか?」

 

 サシャが笑いながら言ってくる。

 

 「冗談じゃない。…もうすぐアステラに着くわ。」

 

 「そうだな…少し離れた所に降りるか。」

 

 

 ~~それから私達はアステラの近くに降り、ソラと別れた後、ミコトを部屋へ運び総司令達に事情を話した。あの時の総司令の顔は忘れられなかった。どこか悲しそうな顔を。

 時間は経って夜になり辺りは暗闇に包まれた。

 私は今、ミコトが寝ている部屋でずっと考え事をしている。

 部屋は一本の蝋燭だけで薄く照らされていて外より少し明るいくらいだ。

 私のせいでミコトは怪我をしディノバルド亜種の討伐を断念した。

 

 「…ぁあ?ミーナ?」

 

 ベッドの方から音がしたので目をやるとそこには身体を起こしているミコトがいた。

 

 「ミコト…アンタこんな夜中に起きて…それに傷の方は…」

 

 「心配かけてごめんなさい。傷の方は大丈夫ですから。」

 

 ミコトは笑顔で答えてくれる。謝るのは私の方だ。

 

 「ミーナ?大丈夫ですか?どこか顔色が悪いですよ。」

 

 私が悪い。私のせいでカムイが死にミコトが傷つき彼女が犠牲になった。

 私は…私はなんの為に生きてるんだ?

 

 それからミコトは私に語りかけて来たがよく覚えていない。

 私はマイハウスに戻り寝ることにした。ふかふかのベッド腰を掛けると眠気が私を誘う。その後すぐに眠ってしまった。

 

 

 

 ~~~~~~~~~

 

 

 

 

 気づけばまた私はあの白い空間に居た。そして声が聞こえる。

 

 

 

 『君は生かされているんだよ?感謝しなきゃ。アイツらに、そして私ね。アイツら君の道具と化し君は私の道具と化す。面白いじゃないか。』

 

 何を言っているか分からない。

 

 『お前が生かされている意味は分からななくていいんだよ。ただモンスターを殺せ。その身が使い物にならなくなるぐらい壊れるまで。」

 

 嫌だ。早く覚めてくれ。

 

 『お前の身体は私の物だ。今は好き勝手やらせてるがその内本当に私の物になる。偽物の心が住み着くには豪華過ぎる恵まれた身体だからな。』

 

 もう嫌!

 

 『拒むな、恐れるな。醜い人間の弱さを見せるな!心が弱い人間はすぐ恐れる。だから私はお前が嫌いだ!何故!何故!恐れる!?力が手に入るのに恐れる!?』

 

 『人は自分が使いきれない力が手に入る事を拒む!それは何故かっ!?それは責任を背負いたくないからだ!人々に英雄として責任を背負わされたくないからだ!お前は違っただろう?英雄になりたがってただろう?』

 

 『私は本物だ。英雄になりたがっていたお前自身だ。力が欲しくないと言い切れるか?お前には護れなかった物は私には護れる物になる。』

 

 あぁ……貴方が…私…?

 

 『この世界では力こそ全てだ。金だって手に入る!護りたい物も護れる!欲しい物も手に入って夢だって叶んだ!

この世の中に存在する全ての物は他の存在から何かを奪わなければ存在する事の出来ない物だ!万物なんて、何も奪わず存在する事なんて出来ない!力だ!力がその理不尽から身を守る為の武器となる!』

 

 もう…もう…私を壊さないで…!

 

 『さぁミーナ!私を!本物を受け入れろ!力が!本物の力を受け入れろ!』

 

 もう嫌ぁッ!!

 

 

 

 

 ──────私は目を覚ました。

 

 何故かは分からないが自分の顔を触れる。ベタベタと確認するように触る。

 涙が出てくる。私は…私は

 

 ”世界の理不尽から身を守れないニセモノなのか?”

 これは私に問われた最悪の問だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読了ありがとうございました‼️
今回は少し暗いお話でした。
ミーナの心は偽物なのか、英雄とは夢とは何なのか。
次回をお楽しみに
ではまた❗
導きの青い星が輝かんことを…

第二回 人気投票

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