導きの青い星と蒼い絆の物語   作:MAMYU9

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吠える獣と陸珊瑚の幻想世界

 きっとこれは天国へ進む為の道のりなのだろう。

 目の前には薄い一筋の光が幾つも幾つも束となって奥へと進んでいく。

 きっとこの光の束は私の精神なのだろう。

 肉体としての個は保ってなく、精神としての念となり進む。

 何処へ進むんだいるのか、そもそも進んでいるのかすら分からない長いような短いような念だけの旅路。

 思念体だけを暗くて明るい穴へと落としている。

 奥へと奥へと速度をつけて堕ちていく。

 もう眠ってしまいそうだ。

 けれど、まだ念は個を呼ぶ。

 ───まだ闘いたいと。

 だから私の奥底の存在に声を掛ける。

 驚くことに念としての私も個としての私もまだ死にたくなかったようだ。

 

 

 

 

 

 ~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 空飛ぶ海月、泳ぐ生物、生きるモンスター達。

 生命が溢れ、輝くことを忘れない陸珊瑚の台地。

 下は地獄のような谷は死を意味し、此処は生を意味する。そしてそれらは循環を意味する。途切れる事のない世界の理、摂理、作用と色んな呼び方がある。

 ただ私には興味の無い話だった。

 生とか死とかそんなのは必ず来る。そうただそれだけの事。

 死ぬのが怖いとかそんなの考えてたらハンター何てやっていけない。

 だから死にたくないとか言ってる奴らは嫌いだ。死ぬような思いをしてから言ってくれと願うばかりだ。

 それでも陸珊瑚の大地は天国のように美しく、地獄のように静かだった。

 まだ瘴気の谷の方が活力がある。

 ベースキャンプを出るとそこにはケルビ達が呑気にあくびをしていた。

 今の私にどうやったってあくびは出来ないだろう。眠気は無いしこれから狩りだというのにあくびをするほど緊張感を持ち合わせてない訳じゃない。

 オドガロンとその亜種の二頭同時狩猟。一筋縄ではいかないだろう。

 気を抜けば…ポックリとではないが、苦痛を味わいながら死ぬことになるだろう。

 それだけは勘弁だった。死ぬなら痛みを伴わず楽に死にたいと思ってる。多分、不可能だけれど。

 

 「フゥ~」

 

 声を出して呼吸を整える。

 こんな簡単な動作も死んでしまえば出来なくなってしまう。悲しいことだ。

 当たり前が当たり前じゃなくなるということは相当恐いのだろう。

 話せなくなる、聞こえなくなる、見れなくなる。たとえ私が生きて帰ったとしても何も見えなくなってるかもしれない。

 生きて帰れれば良いなんて思っちゃ駄目なんだ。

 本当の無事は帰って当たり前に過ごせる事なんだろう。

 

 「………フゥ」

 

 また息を整える。

 なんだか調子が悪い。目の前が霞んだり、クラクラしたり頭痛、吐き気と様々な症状が私を襲った。

 

 「う…うぅ……」

 

 目の奥が焼けるように熱くなり、喉の奥は煮えたぎっていた。

 もう駄目だ。

 

 「うっ……おえぇえぇ……」

 

 此処に来る前に食べて胃の中にしまっていた物を吐き出してしまう。

 酸っぱい臭いと味が口の中に広がる。

 

 「何で…う、おぇぇえ…」

 

 また吐いてしまう。

 そして悲しくもないのに泣いてしまう。

 

 「うぅぅ…あぁ…何でッ…」

 

 何なんだろう?昨日も今日も何だか私、様子がおかしい。

 頭痛の痛みが激しくなり様々な光景や声が情報として脳に直接叩き込まれてるみたいにフラッシュバックする。

 ──静かな河川の光景。──木の匂いがする家。──南京錠とテーブルに置かれてる金色の鍵。──そして奥の部屋。暗くてよく見えない。

 

 『ミーナァ!!助けてッ!!嫌だッ嫌だッ!!お願い…!!』

 

 『ミーナ…?待ってくれ!何処へ行くんだ!?おいていかないでくれ!!』

 

 誰かが私の脳内に直接語りかけてくる。

 あの時とは違う女性の声と男性の声。

 私を、私を呼んでいる。激しく、悲しそうに。

 

 

 「うぁあ…うぁ…やめて……」

 

 苦しい。痛い。

 ──死んでしまいそう。

 ──助けて。

 誰に助けを求めたのだろう?サシャ?カムイ?ミルシナさん?師匠?誰も此処にはいない。

 本当に私は弱い。

 

 「駄目ね……私は」

 

 泣いて誰かに優しくされたい。慰めてもらいたい、『頑張ったね』と誉めてもらいたい。

 けど駄目。私は無理してでも強く見せなくちゃいけない。誰かに優しくされたいとか思っちゃ駄目。

 ───何で頑張らなくちゃいけないんだっけ?

 

 「あれ………?何で私……」

 ──頑張ってるんだろう?

 どうせ私が死んでも悲しむ人なんていないだろう、そう考えるとだいぶスッキリした。

 私は何時でも何処でも死ねる。もう頑張らなくていいんだ。

 救いかどうかは分からないけれど気持ちはスッキリした気分だ。

 ───辛かったよお姉ちゃん。もうすぐ会えるか─。

 

 その時だった。

 赤い何かが私の前を空を飛び回る虫のように宙を舞いながらこちらへと向かってくる。

 急いで私は回避するが呑気に昼寝をしていたケルビ達の首ははねられ空を仰いだ。

 ゾッとする。もし避けてなかった葬式すらロクなものにならたかっただろう。

 鮮血を浴びて狂気染みた爪は空気を震わせる。

 宝石のような目で人をその美しさで魅了させ、全身の筋肉を露にしたような体を見せつけ殺す。

 惨爪竜オドガロンの姿は確かにそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 ~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 オドガロンは鋭い視線を私に向けさせ襲わせる。その威圧感だけで殺されてしまいそうだ。

 筋肉だけで構成されていそうな前足をジリジリと私に近づけさせ、飢えているようによだれを垂らしながら襲い掛かる構えをとっていた。

 今まで見てきたモンスターの中でももっとも化け物というあだ名が似合いそうだ。見た目だけなら。

 オドガロンの鋭すぎる危ない視線は私の骨の髄まで震わせた。

 こいつは利口のりの文字もないほど暴れまわることが取り柄のモンスター。だからこそ、その尽きることの無い獰猛さはとても恐ろしいものだった。

 私は太刀に手を掛け、いつ攻撃が来てもいいように反撃の構えをとる。

 オドガロンは私がまだ太刀を抜いてからか油断し、ケルビの頭部をはねた時のように飛びかかってくる。

 これをもう一度誘発させるのが狙いだった。

 確かに危ないが空中に跳んだオドガロンには避けるすべなどなく、地に足をつけっぱなしの私は回避をして一発ぶちこむことも出来る。

 

 『───────!!』

 

 

 オドガロンは悪魔のような声を発しながら命を刈り取る形をした爪を震わせた。

 付着していた土は宙を舞い、閃光の如くその場から消えて突然と霧のように目の前に現れる。

 駄目だ。まだここで太刀を振るってはいけない。

 私は背中から太刀を一瞬にして抜き、オドガロンの攻撃を太刀の柄で受け、しなやかいなす。金属と金属が激しくぶつかり合った後に聞こえる耳鳴りがするが今、手で耳を抑えては次の攻撃に備えられない。

 私は顔をしかめてグッと堪える。

 オドガロンはいなされたからといって、驚く素振りもせずに私から一旦距離を取った。

 まだ宝石のような目で私を睨み続けている。

 オドガロンはまだ一発も攻撃を喰らっていないからきっと油断している筈だ。

 ───だからドでかいのを一発ぶちこめる。

 私は太刀を器用にくるっと回して腕に沿うように刃は装備と接触し、当たる日光をオドガロンに向けて反射させる。

 

 『───────!!』

 

 オドガロンは威嚇をすると常識はずれの脚力を利用し、陸珊瑚の台地に出来た自然の壁を地を走るように爪をねじ込ませてフックみたいに固定させ走り始めた。

 まるで壁を走ること自体が当たり前かのように受け入れるしかなかったが、オドガロンはそれだけではあきたらず壁に前足をぶるんと振るって、辺りに岩を飛ばす。

 尖ったものから何だか説明も出来ないような不恰好な形をしたものが飛び散り、私の視界を悪くして空から雨みたいに降ってくる。

 小石程度なら当たっても何ともないが、肉を貫通して骨を砕いてきそうな岩は舞台の上で踊るようにステップを刻んで避けた。

 

 「やってることはとことん三流ね」

 

 きっとオドガロンには通じないけど小馬鹿にしてやった。

 けれどオドガロンはそれに反応したように壁を蹴って突っ込んでくる。とても速くて直視するのが怖いくらいだった、弾丸か何かじゃないかと間違えてしまいそうだ。

 怖いけれど私はオドガロンの腹の真下に潜り込み、魚の開きを作る要領で太刀を振るって斬る。

 

 『─────!?』

 

 声かも疑わしい騒音が響き渡り、オドガロンの腹からは大量に出血して倒れるが、すぐに起き上がるとまた私に向かって性懲りもなく飛び掛かってくる。

 私は後ろに退いて回避するとクラッチクローを太刀の柄に掴ませて連続で飛び掛かってくるオドガロンの顔に目掛けて発射する。

 ぶれることなくクラッチクローはオドガロンの顔どころか目に刃が刺さり、これにはおもわず怯んでいた。

 ワイヤーは私をオドガロンの方へと導き、進ませた。

 手で太刀が触れれるくらいまで近付くと力強く握りしめて刃を叩きつける。

 そして痛みにおもわず顔を上げた顔にバットを振るうように太刀をオドガロンの頬に斬りつける。オドガロンに頬なんて可愛い部位があるのかすら怪しいが人間なら頬の肉に該当する部位を斬る。

 最後にもう一振り顎を切り分けるように下から切り上げる。

 

 『────!?─────!?』

 

 オドガロンの体力はもう限界のようで血を垂らしながら私を見つめるが目はもう宝石のようには輝いていなかった。

 

 「もう終わりよ」

 

 私は最後の一太刀を止めと言わんばかりに振るおうとしたその瞬間、私の身体に激痛が走る。

 

 「あぁッ!?」

 

 そして身体はオドガロンとは反対の方向に吹っ飛び、吐血する。

 腹の辺りがジンジンと痛むから触れてみれば血がべったりと手に付いていた。

 視線をオドガロンの方向に戻すとそこには瀕死のオドガロンともう一匹、黒い龍気を纏ったオドガロンに酷似したモンスターが私のことを睨んでいる。

 

 「嘘でしょ…クソッ!」

 

 そのモンスターはオドガロン亜種だった。

 何故かは分からないがこの二体は相容れない存在の筈なのに共存をしているように見える。

 守ってるんだ。オドガロンをその亜種が。

 私は絶望的な状況に追いやられた。数で負け、傷を負い、精神的にもやられそうだ。

 それでも私は太刀をもう一度強く握りしめ抗うことにした。

 死にたくない訳じゃないが、それでも闘うのはきっと大切な人を奪ったモンスターが憎いからだろう。

 今はただ前を見て覚悟を決めた。

 

 「さぁ……来い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 




読了ありがとうございました‼️
ケッコー二作品の両立ってキツくて少し文の質が劣ってる可能性があります。ごめんなさい。
お気に入り登録や感想の方もよろしくお願いします。
ではまた‼️
導きの青い星が輝かんことを…

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