日が出始めて1時間は経つ、ちょうど午前6時といったところか。
私達は現在、古代樹の森でバゼルギウスの捜査及び交易船の進路の安全確認中。
今の所バゼルギウスの姿も見なければ他の大型モンスターも見当たらない。いや、確かに安全なのだが…
「妙だな…ここまでの静けさは…一度散開して、くまなく探してみるか…」
そう言い出したのはリーダーだった。
「しかし、それはバゼルギウス相手に有効な手ではないでしょう、せめて二人一組で動くのはどうでしょう?」
私がリーダーに反論する。バゼルギウスは普通の飛竜とは一線を越える存在だ。1人で動くには危険すぎる。
それに…
貴方の探しているバゼルギウスは’’特別な存在’’なんでしょう?
「ミーナ、どう?私と一緒に行動しない?」
そう言いながら近寄って来た女性がいた。
その女性は顔以外を陸の女王と名高いリオレイアの防具を纏っており、赤いショートヘアーが似合っている女性だった。
名前はサシャ・ ナリシア、私の友人で凄腕のハンターだ。
「私は構わないけど、リーダーが決めることでしょう?私達が決める権利はないわ。」
「まぁ、それもそうね…お互い頑張りましょう。」
結局、私とリーダー、サシャはもう1人のハンターと行動することになった。
サシャ達は森の深層を、私達はアステラ付近を捜索していた。
ふと、異変に気付く。
「ジャグラスもアプトノスも居ない…昨日とはまるで違う…何があったの…?」
昨日はアプトノスも群れで生活していて、ジャグラス達はそのアプトノス達を狙ったりしていた筈なのに…まるで別の場所に居るみたいに此処は変わってしまった。
一体、何があったの?
気づけば太陽は既に昇っていて私達を照らし続けていた。
もうお昼なのだろう。
「…これだけ探して見つからないとはな…バゼルギウスはもう移動したと考えるしかないだろう…」
もう長いこと探した。それなのにバゼルギウスの姿どころか痕跡すら見当たらない。
本当に何処かへ去ってしまったのだろうか?
「ん?あれは…交易船か?いつの間にかそんな時間になっていたのか…」
リーダーが海の方を向いて私に語りかけてくる。
目線の先には大きな交易船がアステラの方へと進んでいるのが確認できる。
「そういえば…お前らに伝えておく事が──
リーダーが何かを言いかけたときだった。
『ウ”オ”オ”ォ”ォ”ォ”ァ”ァ”ァ”ァァ!!』
そんな音とも捉え難い騒音を発しながら、木々をへし折り飛び出してくる、生物としては余りにも規格外な大きさをした翼を生やした生物。
”バゼルギウス”が。
「そんなっ!?バゼルギウス!?一体何処に居たっていうの!?
それに…その姿は特殊個体のっ!?」
モンスターには特殊個体というのが存在する。
通常の個体とは少し異なる姿をしており、生態系の中で強くなる為に進化していった姿と捉えられている。
そんな特殊個体のバゼルギウス。
名を”紅蓮滾るバゼルギウス”という。
「私達に目もくれない…!?あの方角…目的はまさか交易船!?」
不味い事態になった。まさかバゼルギウスの目的があの交易船だったなんて。
「俺が閃光玉でアイツを墜とす!お前はアイツの迎撃にかかれ!」
リーダーが私にそう指示する。
それと同時に閃光玉が発射される。
よし!あのバゼルギウスが墜ちたら私が攻撃すればいい。
私は背負っている太刀を抜きながら近寄り──
「墜ちない!?いや、閃光玉が効いていない!?」
閃光玉はちゃんとあのバゼルギウスに命中した筈なのにアイツは怯みもせず進んで行く。
「クソッ!!もう海に出て行きやがった!!」
リーダーがそう怒鳴る。
嘘でしょ…?もうアイツには手出しが出来ないっていうの…?諦めるしかないっていうの…?
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、それだけは絶対に嫌だ。
もう何でもいいからあのバゼルギウスと止めてくれ…!
藁にもすがる思いでただ祈ることしか出来なかった。
『ア”ア”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァァァァ!!』
突如として謎の咆哮がバゼルギウスの飛ぶ空に響く。
一体何処から現れたのだろうか?その身体を赤い甲殻で身を覆い、バゼルギウスのような強靭な翼を持ち、2回り程大きい相手に臆することなく、威嚇した生物がいた。
空の王者’’リオレウス’’
飛竜の代表的なモンスターだった。
「リオレウス!?何処から…?まさか海の方から飛んできたの…?」
信じ難い光景だった。そのリオレウスは船のある方角、海の方から飛んできたということになる。
しかも、あのリオレウスは身体が少し小さい。まだ幼体なのかもしれない。
何故リオレウスはバゼルギウスに立ち向かうのだろう?
私にはもモンスターの気持ちが分からない。けれど…
あのリオレウスを信じるしかない。
『ア”ア”ア”ア”ァ”ァァ!!』
リオレウスが咆哮する。
それと同時に火球をバゼルギウスに向けて放つ。
火球はバゼルギウスに見事命中。
バゼルギウスはそれに怯み、その場で止まる。
効いている。このまま押せばバゼルギウスを討伐できる…!
「えっ…」
バゼルギウスが船とは真逆の方向へ向いて進み出した。
逃げてるの?あのバゼルギウスが?
「追わなきゃ…!」
追いかけなきゃ。あのバゼルギウスを逃がしてはいけない。
「おい!?待て!」
リーダーが私に言ってくる。構っている時間は無い。
あのバゼルギウスを追わなければ!
「っ!?伏せろ!!」
リーダーが怒鳴る。伏せる?何を言って──
上を見上げた、上から何かが落ちてきた。
蒼い何かがパチパチと音を鳴らしながら落ちてくる。
それは多分、バゼルギウスの爆鱗なのだろう。
バゼルギウスの爆鱗は空中で爆発した。
私は──
その爆発に巻き込まれ──
意識が途切れてしまった──
読了ありがとうございました!!
リーダーの言っていたバゼルギウスは特殊個体だったみたいですね!これからどのようにこの物語は進んでいくのでしょうか?これからも投稿していくので、読んでいただければ良いなと思います❗
ではまた!!
導きの青い星が輝かんことを…
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