導きの青い星と蒼い絆の物語   作:MAMYU9

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大うねり

 

 【さぁ──ここに名前を書くんだ。そしたら君は衣食住を保証され見事、生物兵器のご誕生だ】

 【──────ん。OK、おめでとう君は今日から立派なギルドのアイルーだ】

 

 そうして、瞳に虹を隠した魔女は静かに微笑みながら手を差し伸べた。白く艶のある品高い、触れることにおこがましさを感じさせる色欲の血塗れた手であった。

 

 「おわっ!?」

 

 メイリンは魘されていた。夢から醒めれば声を荒げて上半身を起こす。相当魘されていたのか頬を汗が伝っていた。生ぬるい感触がとても気持ち悪かった。

 青ざめたメイリンを見て心配したのか隣で椅子に座って全身を写せる程の大鏡で確認しながら髪をセットしていたフーカが声を掛けてきた。

 

 「ちょ、メイリンさん大丈夫ですか?どうしたんです?はっ!まさか遂にメイリンさんもあのファンゴに無限回突進され続ける悪夢を見たんですか……?」

 「いや見てねーし。つーか何スかその夢。ぜってぇー見たくねー」

 

 そうすか、とフーカは何処か残念そうな顔をしながら鏡に視線を戻すとふんふん鼻歌を混じらせながら櫛で髪をとかした。

 メイリンはそんなフーカを横目に掛けていた毛布を退けて立ち上がった。

 くしゃくしゃの髪を気に掛け直しながら幕を潜り抜け朝日が突き刺す外へ出た。インナー姿だったメイリンにはこの荒地の暑さも早朝の影響もあるのか幾分涼しく感じさせた。

 奥の方で太陽がぎらぎらと揺れている。ベースキャンプ入り口から射される光が此処を幻想的な入り江にさせる。狭い入り口の先に広がるには深い海ではなく浅い水溜まり。川とも言えない程の浅さ。ブーツの底が浸かる程度のもので、かといってお気に入りのブーツを汚す訳にもいかず、メイリンは仮想入り江を後にしキャンプに戻る。

 すると何処から現れたのかメイリンの本来の捜していた目的であったミーナがEXデスガロンβ装備を着込んで太刀を見つめながら立ち尽くしているではないか。メイリンは呆気とられてしまう。何処に居たんだよまったく。

 

 「何処に居たんだよまったく~」

 「ずっと此処ですけど…」

 「ン~マジ?見落としてたなァ」

 

 冗談だろっと思っているメイリンに冗談でしょ…と呆れるミーナ。どうも合うようで合わない、ぎこちない二人の間に白い毛玉が割って入った。

 「何してるルル!お前はさっさとリオレイアを狩りに行くルル!ほれしっし!」

 

 素早い手慣れた動きでメイリンの肩に登りルルネは小さい手でミーナをあしらうように追いやった。が、ミーナも野良アイルーではない。そもそもアイルーじゃない。

 ミーナは黙って手をゆっくりとルルネの顔に近づけて、ぎゅっと握る。

 

 「~~~~!!ぅ~!?」

 「あァ~らら。俺しーらね」

 

 みしみし聞えだ出した辺りからミーナの手で覆い被さったルルネの顔が青ざめる。汗も垂れて口を動かして助けを求めた。

 

 「んぅ~!!ん!!ん!!」

 「そこまでにしてあげたら~?」

 

 ミーナの手を必死に離そうとするルルネに救いの手。パッと直ぐに素っ気なく離される。少し頭が痛み、混乱する。掴んでいた彼女はというと手を握ったり開けたりしてじっと見つめていた。特に異変のない普通の手だった。ただいつもより力が強い(・・・・)という違和感を覚えさせた。

 

 「………」

 「どうした?手なんかじっと見つめて…あ、血豆潰れた?包帯を持ってくるよ」

 「あ、いや血豆はずっと前に全部潰れてるんで…その、こんな力強かったけって…」

 

 するとメイリン。指を顎に当てて成る程ね、と自己解決を済ます。──どうせ私には教えてくれないんだろう。

 ミーナは自分で考えるも強くなった原因となる節が一つとして思い浮かばない。斧の件は握力とは別の……話か?ミーナは察した。あぁ──あのせいか。

 

 「教えてほし──「結構です」

 「……あっそう。まーともあれ今からミーナちゃんにはリオレイア狩りをしてもらう。覚悟ってのは出来てるよね?」

 「えぇ…勿論」

 

 ミーナはくるっと鉄刀を回して背の鞘に納めると深呼吸をする。覚悟は既に……

 

 「してきましたから」

 「ホント───最高だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▽▽▽▽▽

 

 

 

 エリア二番にてリオレイアとハンター一名が交戦──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 導蟲が明かりの少ないエリア二番の宙を駆けて標的を追っていた。体を蛍光色に光らせて自らが明かりとなりミーナ達を先導する。ここまで一種の狩猟道具として活躍をしたものは数少なく、導蟲はその中でも現大陸に持ち込もうと計画までされている。

 その優秀さのお陰で特定のリオレイアの痕跡を発見し、居場所を突き止めたれた。そして今は明かりにもなっている。

 有象無象の静寂が蔓延るエリア二番に耳を凝らしながら恐る恐る侵入していく四人。すると目の前の導蟲が赤く警戒色に移り変わった。

 途端その場の全員が目を見開き各々別々の方向へ回避をする。その次の瞬間に彼らが元居た位置には火球が落ちて爆発し辺りが燃え盛る。

 ミーナは直ぐに木陰に隠れて相手の居所を捜索するが彼女の視線の高さでは見つからなかった。詰まる所それは──

 

 「空かっ!!」

 

 見上げれば品高き女王が優雅に空を飛んでいる。なぜなら気付かなかったんだ!これ程の風圧をモンスターが器用に隠させる訳もなかった。音だって勿論出るし下手をすれば遠くにいてもリオレイアの位置は掴めた筈。

 ならばどうしてか。その答えは次の瞬間に現れた。

 リオレイアはミーナの目の前に着地をすると弧を描くように巻き込んだ【サマーソルト】を素早く繰り出した。彼女は間一髪、持ち前の危機察知能力により回避をすることに成功したがリオレイアの行動に驚かされる。

 何と今【サマーソルト】を終えて飛んでいるリオレイアは音を風を一切立てずにいるのだった。まるで空飛ぶ遊覧船のようだ。

 ミーナは顔を険しくさせながら必死に思考を廻らせた。あれほどの巨体ならば閃光弾で撃墜することはきっと容易い筈、しかしこの場面で貴重ななけなしの閃光弾を消費するのは違うように思えた。──それにあれほどの巨体ならば想像以上に小回りが利かないのではないか?

 彼女の知る大抵の巨体を担うモンスター達は大きく範囲を巻き込むような隙のデカイ攻撃を主軸にしている。大きいとはそういうことだ。ドボルベルクしかりラオ・シャンロンしかり彼らは当てるではなく巻き込むような形の攻撃。自分が大き過ぎて相手のサイズ感と距離感が掴めずそういった形をとる。ならばこのリオレイアも──

 ミーナの予想が当たればこの狩りは彼女の独壇場にだってなれる程の巨体故の弱点。彼女は嫌らしく人間らしく其処を突く。

 彼女は木の後ろに隠れて一旦はリオレイアの視界から消えると素早い動きで木を登り、獲物と同じくらいの高さの枝に位置とると其処から跳躍を付けてリオレイアの背中に飛び乗った。木の葉が彼女を隠していたのか飛び移るまでは警戒網を容易く潜り抜けることが出来た。そして直ぐさま落ちないようにクローを背中に固定させる。支えがワイヤーだけになるとこうも動き続けるリオレイアの背中に立ち続ける事は難しく中々立ってはいられなかった。

 するとリオレイアは大きく体を揺さぶりミーナを振り落とそうとする。地震のようだ。足から震動が伝わって体全体を揺さぶり始める。そうなれば立ち続けるどころの話ではなくなり、ミーナはワイヤーは腕に絡めて落とされないように掴まる。三秒間くらい続いた。やけに長く感じ絡めた腕が痛んで止まず直ぐにでもクローを外したいものだった。

 しかし、突如ミーナは重力に従って宙に吊るされた。腕をワイヤーで縛られたまま木の葉の屋根を抜けて青空に出た。

 何が起こったのか分からなかったが今なら理解出来た。───コイツ上に飛んでる!

 理解出来ても対応のしようがないまま、ワイヤーを絡めた腕はみしみしと悲鳴をあげる。

 

 「イっ───!?あぁっ!?」

 

 すれば登れば登るほど痛みは加速し防具の隙間からヒタヒタと血が垂れて顔に落ちる。キツくなり過ぎたかワイヤーが肌に食い込んで肉を抉り始めた。

 

 「うぇあっぁ!?あっ───!?マッズゥ!?」

 

 垂れる血が喉の奥に入り飲み込まされる。そのあまりの不味さに泣き言を吐いているががこのままいけば確実にワイヤーはミーナを支えることにより締め付けを強くてして彼女の腕が千切れてしまう。

 どんどん上がっていく高度に余裕が無くなっていく。険しくなる顔に涙が零れる。乾燥と痛覚のせいだ。

 もう限界だ──。パッとミーナはクローを外して落下する。しかし直ぐにクローをリオレイアに飛ばして尻尾を掴ませるとそのままゆっくりと引き上げられる。この高度から落ちれば即お陀仏、あのまま居続けてもワイヤーで腕を切られて同じルートを辿っていた。何とも危険な橋の起死回生の一手を打つ事に成功した。

 魚のように引き上げられたミーナは尻尾に何とかしがみつくと一旦はクローを外して今度は背中に向けて飛ばす。ギギッとしっかり固定されている事を確認したら背の鞘から鉄刀を抜いて力強く踏ん張ってなぞるように一太刀、尻尾に浴びさせた。

 その刃は弾かれることなく纏う甲殻を粉砕し傷をつける。刃は確かに光っていた。心眼は成っていた。

 そのまま次の刃を振るうった───

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻、メイリン達は視界から消えていたミーナ達を見上げていた。遠さ的には雲と変わらないように見えてまるで豆粒が空を飛んでいるようだった。

 その様子にフーカが呆けた表情で呟いた。

 

 「何処まで行っちゃうんでしょーかね?」

 「さぁ……リオレイアもリオレイアでよく飛ぶね…」

 

 メイリンも同じく呆けたように返す。その時だった。一人だけ異変に気付いた。

 

 「…………?」

 

 メイリンは今確かに小さな揺れを感じた。何だ?地震か?周りを見渡すも此処には彼らは三人しか居らず奇妙に感じた。どうやら周りもその時揺れには毛ほどにも感じておらずキョロキョロ見渡すメイリンを疑問に思ったのか声を掛けた。

 

 「ちょっとメイリンさん?どーしたちゃったんですか?」

 「旦那さま何か落としたルルか?」

 

 フーカに続きルルネまでもメイリンの事を気に掛けた。彼にとっては揺れに気付かなかった彼女達の方が不思議に思えたのだった。

 

 「いや…今、揺れたよね?」

 「ハァ?どうしちゃったんですか?揺れてないですよ。ねぇルルちゃん?」

 「そうルル。この女の言う通りルルよ」

 「───そうか。気のせいかな……疲れてるんだきっ──」

 

 その刹那。メイリン達は言葉を失ってそのあまりにも大きすぎる、地中で何かがうねって地盤を打っているような大震動を前に倒れてしまう。

 そして直ぐ背後で地面が抉れて巨大な爆発が起こった。竜巻のような砂埃の柱が立ち上って暴風が襲い掛かり視界を隠す、耳鳴りが止まない。

 

 「───っ!?何がっ!?」

 

 その暴風圧に煽られながらもメイリンは何とか立ち上がり例の砂柱を視認した──その直後に自分達を覆っていた砂埃が突如として向かい風が吹いたかのようにメイリンの前を過ぎっていった。

 そして隣に現れた巨大な影。

 

 「あっ────」

 

 巨大な二本の捻れ角、その先端に付着している透明な水晶体。全身はベージュ色の重厚な外殻に覆われて悪魔のような鋭い蒼の瞳がメイリンを確かに捉えて離さなかった。

 このモンスターは───

 

 「ディアブロス!?」

 

 角竜 ディアブロス。凄まじい巨体故の破壊力と獰猛さから付けられた別名『双角猛る砂漠の暴君』と危険と破壊の象徴、すなわち危ないヤツなのだ。

 何故暴君が襲ったのか、メイリンには理解が出来なかったがそれでも今自分が襲われているとなればハンターとしてやるべき事は一つしかない。

 

 

 

    狩れ。

 

 

 

 

    狩れ

   

 

 

 

 

 

 「フーカさん。降りてきたミーナちゃんの世話頼みますよ。後でゼッテー抱き締めてやる」

 

 そう言うとメイリンは刀袋から一刀の黒い鞘に入った彼の背丈程の太刀を取り出して抜いた。刀身はまるで虹を映し出しているかのように麗しく反射する光が霞んだ。

 

 「狩れ。“麗光(らいこう)”」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 

 メイリンは水晶体を纏わせたディアブロスに一太刀浴びさせていた。それは勢いよく初手をかっさらい飛び乗ったヤツの背に渾身の一振りを浴びさせた。

 しかしそのディアブロスはというとメイリンの渾身の一撃を喰らったにも関わらず怯みもしないどころかなに食わぬ顔でメイリンを振りほどいた。

 更にここで彼の腕が動かなくなる。まさか弾かれてたのか?意図せずとも無意識の内に心眼を放てるメイリンにとっては弾かれた弾かれてないは分からなかったがこの異常な痺れが残したきっかけがメイリンを気付かせる。

 どのモンスターとも違う感触の一太刀がメイリンを本気にさせてしまったのである。

 

 「ちくしょー…ヤケに堅ぇじゃなぇかよ」

 

 覚えのない堅さに怖じけつく訳でもなく、寧ろ本気なったメイリンはあの時のように太刀の先を地面に向けて構えを取る。確実な殺意とその実力の圧だけがディアブロスに伝わる。

 だがそれ以上にメイリンにはディアブロスの奥底が読めなかった。モンスターにだって戦う意味がある。縄張りを守るため、奪うため、喰らうため。ただ目の前の仁王立ちするディアブロスは一体何なんだ。何かに取り付かれているみたいな生気の無い有り様、その破壊衝動のどこに意味があるのだろうかメイリンは考え込んでしまう。

 ────何だ?強さよりもよっぽど恐い

 

 

 『──────────■■■■ッ‼️』

 「あぁっ!?ウルセェっ!!」

 

 衝動波を生じる轟音に怯んでしまうのも仕方はなかった。何とその音は周りの木々を朽ち木だったみたいにに粉砕しては半径数メートルを平野に変えてしまっていた。まさに破壊の象徴に相応しい荒れっぷり。

 メイリンはその範囲から少し離れた場所で唖然としながら呟いた。

 

 「いや……冗談キツいぜ…ティガレッスクスじゃねぇんだからさ…もっと優しく吠えろよ…鼓膜破けちゃうだろ」

 

 しかし唖然は直ぐに消えて怒りの感情が込み上げて理不尽にディアブロスに降りかかった。真っ黒な目がディアブロスの奥底を覗こうとしてモンスターに恐怖心を抱かせる人並み外れたクレイジーさ。メイリンはハンターの中のモンスターであった。

 

 「まずは口からか?」

 

 臭いものには蓋をする、とはよく言ったものだとメイリンは痛感した。五月蝿い物にも蓋をしてやらなければならない。だがそれは人の考え方では決してなかった。そうもっと────悪魔的なイカれまくったド畜生の発想だ。

 メイリンは最高の悪魔的な人間だ。

 

 「お~らっよぉ!!」

 

 束の間に近付いたメイリンは荒波を打った。その比喩は実際に正しく、勢いの衝撃波で地面を抉り追い付かない光の波がディアブロスの口元に直撃し水のように発散した。その途端直撃したディアブロスの頭部は今までに感じたほどのないような震動を受ける。岩にでもぶつかったのか───それほど感じた衝撃は異常である。

 メイリンはそのまま微動にしない獲物の足元に潜り込むと太刀をぐるぐる振り回しながら一瞬で侵入した頭部側から反対の尻尾まで通り、潜り抜けた。

 

 

 そして二度、波は打つ。

 

 

 ディアブロスの足元を大きな一輪の波紋が立てば鋭い金属音を鳴らせば突然の痛みに耐えかねたディアブロスはガクンと膝から崩れ落ちて何とも不様に顎を打ち付けて倒れた。

 この一瞬の出来事に処理が追い付かないのに対してメイリンは澄ましたような堂々の憎たらしい笑みを浮かべると太刀を天高く構えては振り下ろし、ディアブロスの角に猛然一撃、波の線を打つ。

 

 

 『────────■■■⁉️』

 

 角の一部が消し飛ぶ威力のまるで砲弾のような一撃は二度も放たれた。一度目は上から振り下ろし、二度目はその刹那にメイリンが体ごと刃をバク転させて綺麗な円を作った後に角と激しく触れる。

 発想も肉体的にもイカれているメイリンはその獰猛なディアブロスも圧倒し、無類の強さを振る舞い続けるかと思われた次の瞬間だった。

 あまりにも素早い体勢の立て直し、狙い澄まされたタイミング。偶然というには不自然過ぎるディアブロスの突進攻撃が着地寸前のメイリンに直撃した。

 

 「おぇっ!!……があっぁ!?」

 

 腹部辺りに命中し防具と角が激しくぶつかり合いメイリンを木々がまだ生える方向へ吹っ飛ばし一本の大木に衝突させる。生まれた衝撃は大木を朽ち木同然のように変えた。

 頭を強く打ったせいか視界が揺れて気持ち悪くなっていく中、無理矢理にもメイリンが立ち上がろうと手と足を動かそうとしたときだった。不思議なことに両方ともピクリとも動かせないのだ。それに先程から痺れたような痛みが長続きしている。

 まさか────

 

 (麻痺状態……!?) 

 

 口を動かそうとしても声も出なければ唇を動かない事でメイリンは理解する。けれど脳では体ではすっかり理解している筈なのに彼の持ち合わせるディアブロスへの知識がそれを全否定する。

 そう。普通のディアブロスは麻痺にさせるような攻撃なんて持ち合わせない筈だった。近くに状態を悪化させる小型モンスターだって居なかった。

 つまり───

 

 (特殊個体の可能性かっ!!)

 

 声を出して助けを求めようにも舌すらも動かせない状況では求めようがなく、しかも目の前ではディアブロスが足を前後に動かし姿勢を低くして如何にも突っ込んできそうではないか。

 予想は正しくディアブロスは抉れる程強く蹴り込むと高速で風の抵抗を感じさせない荒々しい角竜の突進を見せた。メイリンの脳裏に思い浮かぶは明確な死だった。 

 

 (────やばっ)

 

 メイリンは必死の抵抗を見せて麻痺状態を驚きの早さで麻痺を解くと直ぐに消えるようにその場から飛び去った時だった。

 上から空を切るような音がディアブロスとは別に近づいてきていた。それは赤い液を垂らしながら近づくほどに巨大さが表れ始めて突進の最中のディアブロス目掛けて落下し衝突する。

 それはなんとリオレイアだったのだ。

 

 「はぁ!?降ってきたしリオレイアが!?」

 「私ですよ!」

 

 メイリンが驚いていると倒れたリオレイアの翼を退かして傷だらけのミーナが出てくる。額にも髪にも滴る程の竜の血が付着しており彼女は息が上がっていた。

 

 「大丈夫かよ……」

 「無問題(モーマンタイ)!」

 

 そう言うと彼女は血の付いた鉄刀を構えて前を見据えた。やはり起き上がるは砂漠の暴君である。口からでる吐息は蒸気のように白くはっきり認識出来て二匹増えた小さな虫けらを見下した。

 

 「メイリンさん。どれぐらい攻撃しました?」

 「背中に一回、脚に二回、角にも二回だが……相当堅い。常時心眼の方がいいな。それと角だとは思うが付着してる結晶に麻痺毒がある。気を付けて」

 「了解(ラジャー)!」

 

 情報の共有を手早く済ませるとそれを待っていたのかディアブロスは焦れったそうに脚を動かし姿勢を低くとる。

 

 「さぁ、もう一狩り行こうか!」

 

 二人はディアブロス目掛けて刃を振るいながら果敢にも向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 




読了ありがとうございました‼️
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ではまた❗
導きの青い星が輝かんことを…

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