導きの青い星と蒼い絆の物語   作:MAMYU9

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遅くなって申し訳ない……
次回あたりに貰ったイラスト紹介したいなと





英雄斬り

 竜は恐怖を身に纏う。如何なる者にも絶望を与え、残忍に殺した。竜は手にいれた。この世の考えうる物、全てを斬り裂く刃を。そして竜は────

 

              ───英雄を斬った。

 

 その竜の種を人々はディノバルド亜種と呼んだ。

 また、ある者は英雄を斬った竜をこう呼んだ。

 

 ───”英雄斬り”───

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 冷たく、鋭い視線を放ち、音も無く、ただ異常な気配を感じさせながらディノバルド亜種は僕達の目の前に現れた。

 冷たい空気は辺りを凍てつかせた。小型モンスターのギルオス達は巣を離れ逃げ出し、その群れの親玉であるドスギルオスもせっせと尻尾を撒いて逃げ出していた。

 こんなにも恐ろしいなんて思わなかった。このディノバルド亜種は”恐怖と絶望の化身”だ。

 

 「……はぁ…はぁ……」

 

 自然に息が荒くなる。疲れてる訳じゃない。身体全身が怯えているんだ。自分よりも遥かに強い生物と出逢った時に理解するのではなく感じる。恐怖を絶望を。

 そして弱い生物は逃げ出す。恐怖と絶望を前に。

 しかし僕達はそうはいかなかった。狩らなければいけない。どんなに恐ろしくても。だから不様に尻尾を撒いて逃げる訳にはいかない。そして生きて帰る。

 

 「やっと…やっとお前を殺せる時が来た…」

 

 ミーナは静かに怒りのこもった声で話す。自分のパートナーを殺され、絶望を植え付けられた相手に。

 ディノバルド亜種は特に反応を示さなかったがミーナを見る目はさっきよりも鋭くなってる気がする。

 

 「くるっ!!」

 

 ミーナがそう叫ぶと同時にディノバルド亜種は尻尾を僕達目掛けて叩きつけてきた。

 急いで回避する。危なかった。回避に失敗していたら真っ二つになるところだった。身体が真っ二つ……考えるだけでも恐ろしい。

 

 「クソ野郎め……いきなりかよ……ミコト大丈夫か!?」

 

 「えぇ……なんとか…」

 

 サシャさんは大丈夫みたいだが、ミーナの姿が見えない。この土埃の中にいるのだろうが……まさかさっきの攻撃を喰らって…いやいや、そんな訳ない。彼女は凄腕だ。あれしきの攻撃容易く避けたことだろう。

 

 「クソッ!!ミコトそこから離れな!そこは私の”射線”に入ってるわ…まだ腕とはさよならしたくないでしょ?」

 

 そう言うとサシャさんは後ろから双剣”灼炎のロガー”を取り出した。

 ディノバルドの素材で作られたその双剣は強靭な切れ味を誇る武器だ。

 しかしサシャさんの言った”射線”が気になる。

 

 ジャラッ

 

 金属のような音。サシャさんの方から聞こえる。

 一体何の音────

 

 振り向いた瞬間だった。僕の目の前をジャラジャラと音を立て通過した、いやしている。

 そしてそれは真っ直ぐに進み、ディノバルド亜種の頭部に命中した。そしてサシャさんの元に戻っていった。

 

 「双剣に…鎖…?」

 

 ジャラジャラと音を立ていた正体は双剣と繋がっている鎖だった。

 鎖は双剣の持ち手に繋がれていて、それを器用に鞭のようにしてサシャさんは扱っていたのだ。

 

 「もう…一発!!」

 

 サシャさんはもう片方の剣に繋がっている鎖を大きく振るった。剣は大きくおうぎを描きディノバルド亜種の頭上から勢いよく落下し命中する。

 

 「凄い……圧倒してる…」

 

 ディノバルド亜種に攻撃をさせる隙も与えず、連続で攻撃をする。

 双剣はモンスターの死体の周りを彷徨く虫のようにディノバルド亜種の周りを飛んでいた。

 状況は優勢に見える。だが…

 

 「クッソ!腹立つな!コイツ弾きやがる!」

 

 ディノバルド亜種に近づいてきた剣を避けたり、尻尾を器用に使い、弾いたりしてくる。

 つまり一方的に攻撃をしている割にはダメージにはあまり期待出来ないということだ。

 

 「ミーナは何処にいるわけ…?アイツ野垂れ死んでるわけじゃないでしょうね?」

 

 「彼女が死ぬなんて考えれませんが…彼女はとにかく運が悪いですからね…」

 

 「アイツ運は悪いが腕は立つからな…まぁ今は目の前のことに集中しようや。」

 

 サシャさんの手元に双剣が戻って来る。

 

 「第二ラウンドってか…」

 

 ディノバルド亜種は僕達を鋭い目で見る。あの目は…やっとか、やっと僕達を敵として見始めたらしい。

 勝手に縄張りに入ってきた不届き者ではなく、命を奪いに来た敵として。

 

 『グルガァァ!?』

 

 ディノバルド亜種が突然、悲鳴を上げる。

 ディノバルド亜種の足元で何かが動いてる。

 もしかして何かがディノバルド亜種の足元で攻撃をしているのか?目を凝らしてもよく見えない。動いてるのが分かるが肝心の何が動いてるのか分からない。

 

 「……!ミコト、ボサっとすんな。アイツに続くぞ。ありゃミーナだ。やっぱ変なとこで野垂れ死ぬヤツじゃねーんだよアイツは。」

 

 サシャさんはあれをミーナと言った。近づいてみれば確かにそれミーナだった。しかし、あれがか?とてもミーナには、人には見えない。

 動きが人の域を超えていた。どんなことをすればあんな風に攻撃をかわせるのだろうか。

 ディノバルド亜種の尻尾を使った薙ぎ払いを寸のところで跳んでかわし、尻尾の上に立つ。

 ディノバルド亜種はすぐにミーナを振り落とした。

 そして──

 

 「っ!?」

 

 ディノバルド亜種の止まることなくミーナに降り注いだ。なんとミーナの着地と同時にディノバルドは尻尾をミーナ目掛けて突き刺したのだった。

 

 「っ!!ぅらぁっ!!」

 

 なんとミーナはその攻撃を避けようとせず、真っ正面から受けってたった。

 太刀を構え、ディノバルド亜種の攻撃のタイミングで振りかざす。

 ガキンっと金属と金属がぶつかり合うような音が鳴るミーナの太刀とディノバルド亜種の尻尾がぶつかった。それはジリジリと音を立てている。

 

 「オラァァァ!!」

 

 ミーナは太刀を滑らしながら大きく振るう。後退りをしたのはディノバルド亜種だった。なんとミーナはディノバルド亜種に力勝負で勝ったのだ。

 ミーナは攻撃の手を緩めることは無かった。左腕に付いている装置、スリンガーをディノバルド亜種に向ける。ディノバルド亜種は尻尾を構える。しかし──

 スリンガーから放たれたのは金属で出来た手、クラッチクロー、そしてその狙いはディノバルド亜種の頭部。

 クラッチクローは頭部に命中。しっかりと固定され伸びたワイヤーが巻かれていく。

 ミーナはどんどん巻かれていくワイヤーに身を任せ、ディノバルド亜種へと一気に近づく。途中でクラッチクローを外し、勢いよくディノバルド亜種の頭部の上に乗る。

 

 「くたばれ。」

 

 ミーナは太刀をディノバルド亜種に刺すとそのまま、枝を持って地面に線を引く子供のようにディノバルド亜種の背中を刺したまま走っていく。それは凄い勢いであっという間に尻尾までたどり着いた。

 ミーナは返り血を浴びて蒼かったリオレウス亜種の防具は真っ赤に染まり、顔も汚れたいた。

 なんだかミーナが怖く感じる。

 あの時の優しい瞳は消え、ただ恐ろしい目でディノバルド亜種を睨む。

 このままではミーナが壊れてしまう。あの時の優しいミーナが居なくなってしまう。嫌だ。それだけは絶対に嫌だ。

 居なくなって欲しくない。優しいミーナに。

 

 『グルガァ!!』

 

 突然、ディノバルド亜種が駄々をこねる子供のように身体を激しく動かす。

 ミーナに斬られた傷口から血が飛び散る。

 

 「いきなり何を…っう!?」

 

 ミーナが急に顔に手を当てる。何かを拭き取っているいように手を動かす。ミーナの手が赤くなっていてその場から動かない。まさか──

 

   ”目潰し”

 

 あの動作はミーナの目を使えさえなくするため?頭の中に嫌な事が思い浮かぶ。もし狙ってやったのならディノバルド亜種は──

 急いでミーナの元へ向かう。

 ギイィィィと音を立てて尻尾をミーナへと勢いよく突き出す。攻撃をするチャンスを作ったんだ。避けられない為に絶好のチャンスを。

 

 「クッソ!目に血が……っ!?しまっ!?」

 

 ミーナの目が回復し見れる状態になったがもう遅かった。ディノバルド亜種の英雄を斬り裂いた刃はミーナの目の前だった。

 

  ────────────────────── 

 

 

 空中に大量の血が飛び散ってディノバルド亜種の”刃”は人の血で紅く染まった───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読了ありがとございました‼️
ディノバルド亜種との戦闘回です❗
戦闘シーンって書くの本当に難しい……
もう一話戦闘回は続きますので読んで貰えると幸いです。
お気に入り登録などよかったらお願いします❗
ではまた❗
導きの青い星が輝かんことを…

第二回 人気投票

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