【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
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地上で繰り広げられる、激しい戦闘。
銃弾やビーム、ミサイルが辺りを飛び交い、あちこちで連邦軍側、ジオン軍側の戦いが繰り広げられる。
フウタたちの防衛エリアにも、敵機の姿が次々に現れる。
ガンダム作品の初代、機動戦士ガンダムの敵機の代名詞でもある、緑色で一つ目のMS、ザクⅡ。
そのザクが真っ先に森林から姿を現し、ヒートアックスを振りかざす。
〈残念!〉
ミユのレギンレイズはライフルを構え、ザクを撃ち抜き、撃破した。
〈ほらね? 私もやれば出来るんだから!〉
〈ミユちゃんも、やるじゃないか。……おっと〉
と、今度は角付きでヒート・ロッドを持つ青色のグフに、太い体格で大型の脚部でホバー走行をするドム、どちらもジオン軍側のMSの特徴とと言える、一つ目のモノアイセンサーを輝かせ、迫る。
〈さてと、こっちも行くぞ――フウタ!〉
「ああ! ジンさん!」
それぞれの機体、ガンダムF91とレギンレイズ・フライヤーはビームサーベル、パイルを握り、グフとドムに迫る。
ビームサーベルはドムの上半身、下半身を真っ二つに、パイルはグフの胸部を貫いた。
同時に二機を、倒したフウタとジン。
――ある程度、息はピッタリになってる感じだね。何度かGBNでジンさんと、練習した甲斐があった――
はじめの頃から一週間近く経ち、二人はある程度タッグでの戦いは上達し、慣れていた。
そして続けざまに表れる何機ものMSも、それなりに息のあったコンビネーションで次々と撃破して行く。
ビームサーベルで切り捨て、ライフルで撃ち、ガントレットで潰したりなど……。
すると、一機のドムが、フウタのレギンレイズに向けてバズーカを構える。
「させるかよ!」
フウタはライフルの銃口をそちらに向けた――その時。
別方向から放たれたビームが、ドムの身体を貫いた。
見るとそこには、ビームライフルを手にしたガンダムMarkⅡの姿。
それは少し離れた場所で戦っていた、別のダイバーの機体
の一つだった。
すぐ近くの範囲にいるのは三人だが、そこまで離れてない場所では、数機ごとのグループに分かれ、敵機と応戦している。
これにより、互いの援護、応戦も容易にしていた。だが……
――これは、手柄を取られたな――
横から手柄をかすめ取られ、フウタは少しがっかりしていた。
だがしかし。
今度は横からドラゴンのような、やたら生物的でさらには、尻尾のようなものを持つ青い異形の機体が、彼に襲い掛かった。
カラーリングといい、外見といいレギンレイズ・フライヤーにやや似ているが、これは機動戦士ガンダムAGEの敵MSガフランである。
手の平からビームサーベルは放って切りかかり、レギンレイズはガントレットで防ぐ。
――と、こっちは、ダイバーの機体か。これは厄介かも――
さっきまではNPDの操作していた機体を相手にしていたが、対人戦になると、話は別だ。
それにビームサーベルを防いだものの、ガフランの腹部には収束型のビーム砲がある。
「くっ!」
片腕のパイルで応戦しようとするも、武器は手ではたき落された。
今度はとっさに、腰のライフルを抜こうとするも、その前に腕を掴まれ、動きを封じられる。
敵機腹部のビーム砲門にはエネルギーが充填され、今まさに発射されようとする所だ。
これは大ピンチ――そうフウタが思った瞬間。
レギンレイズの横をF91が駆け抜け、その砲門にビームソードを突き立てた。
腹部のビーム砲から、エネルギーをまき散らし、倒れるガフラン。
〈大丈夫かい、フウタ〉
助けに入ったジンは、そう通信越しに気にかけた。
「ごめん、ちょっと面倒をかけた」
〈ま、こんな乱戦じゃ仕方ないか。……っと!〉
今度はNPDのザクⅡがマシンガンを構えているのに気づき、つかさずビームライフルで撃ち倒した。
〈……だけど、俺みたいにもっと周りに気を配ってないと、ダメじゃないか〉
ザクを倒したばかりで、ジンがほんの少し、気を緩めていた。
……すると、彼のF91の背後に、ドワーフを思わせる小柄のMS、グリモアが密林に紛れ、こっそりと迫る。
円盤状の頭部に備えた三つのセンサーアイを光らせて、リアスカート内からプラズマナイフを抜いて構えた。
グリモアの存在など、気付きもしないF91の背後から、一撃で仕留めようと――。
「させるか!」
瞬間、レギンレイズのライフルが火を噴き、グリモアの頭を吹き飛ばした。
〈……なっ! フウタ!?〉
いきなりフウタがライフルを撃ち、驚いてその方向である後ろを見て、倒れたグリモアの姿にようやく気付いた。
「ジンさんだって、言ってるそばから」
〈参ったな、本当に気づきもしなかった。今のは俺が悪かったさ〉
「謝らなくても、お互いさまだよ。……でもまだまだ、タッグとして未熟な部分があるな。今度からはもっと、自分の事にも気を配ることが……改善点かも」
こんな感じで、二人は戦う度に反省点を見つけては、バトルの向上に役立てていた。おかげで、アマチュアの二人は一週間程で、それなりの協力プレイが出来るようになった。
〈それはそうだな。……って、おっと!〉
今度は近くの水辺から、両腕にクローを備えた、首のないずんぐりした当時の水陸両用MSズゴックが二機、そして二機の中央にはその後継機となる、ZZガンダムに登場する水陸両用機、丸いボールの身体に長い手を生やしたMSカプールが存在し、同時に奇襲を仕掛けた。
ズゴック二機はNPD、カプールのダイバーはNPDの攻撃タイミングに合わせ、三機がかりで仕留めようと企んだようだ。
……だが、それは少し甘かった。
〈ズゴック二機はこっちに任せてくれ!〉
ジンはF91に備え付けられた左右二基のヴェスバーを展開し、放つ。
二本の強力なビームは同時にズゴックを貫き、宙で爆散した。
カプールはこれに慌て、退避しようとするも、間に合わない。
「ならあっちは、僕が仕留める!」
その隙にフウタのレギンレイズが距離を縮め、跳躍する。 空中で二機は接近し、左腕のガントレットによる一撃で、機体の胸部は成すすべなく、叩き潰された。
――弾を使うのも、勿体ないしね――
機能停止したカプールは、モノアイの光を失い……飛び出した水辺に落下。
水飛沫をまき散らし、水中へと沈んで行った。
良い連携を見せた、フウタとジン。
「ざっと、こんなもんだね」
相手も恐らく同じくらいのレベルではあるものの、上手く決まれば、やはり嬉しいフウタであった。
〈ふむ、確かに。何だかんだ……前の時と比べて、そこは向上しているはずさ。
さっきだって自分の事はともかく、その分互いの事は、気を配れていただろう?〉
「たしかに、上手くカバーはし合えていた感じかも。
――あっ! そう言えば、ミユは!?」
実は、さっきのガフランの奇襲から、彼女のレギンレイズの姿を見失っていた。
慌ててその姿を探すも、近くには姿がない。
だが探しに行こうとした、その瞬間――、一つの影が行く手を遮った。
――ちっ! こっちは急いでいるのに――
苛立っているフウタに、ジンは……。
〈心配しなくても大丈夫さ。こっちは俺に任せて、フウタは先を急いでくれ!〉
現れた影の前に、ガンダムF91が立ちふさがる。
「ありがとう、ジンさん。そっちも無理はしないでよ」
ここはジンに任せ、フウタは先を急ぐことにした。