【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
――ううっ、あのガンダム、何だか手ごわい――
ミユは一人、敵MSと戦闘を繰り広げており、その最中にフウタ達とも離れてしまった。
襲い来るのは、先ほど見えたガンダムヴァサーゴ。
伸縮自在なアームを伸ばし、前腕のストライククローで切り裂こうとするも、レギンレイズは何とか避ける。
彼女の機体には、腰部のホバーユニットにより、陸上での機動性は高い。
――でも向こうだって、レベルは私たちと同じくらいなんだから――
そう、いくら機体が強く見えたとしても、このイベントはアマチュア限定のイベント。ダイバーの腕、そしてガンプラの性能も、決して大きい差があるわけでない。
何度も襲い来るクローの攻撃を避け、その高機動でヴァサーゴ後方へと回り込む。
――ここなら!――
隙を見せた敵機に向け、レギンレイズはライフルを向けた。
……だが。
――えっ!?――
ガンダムヴァサーゴのクロー先端から、突如ビームが放たれた。
クロー自体の攻撃に気を取られ、そこからビーム攻撃が繰り出されるとは、考えもしなかった。
ライフルはビームに貫かれ、爆散する。
遠距離武器であるライフルを失ったミユ。
残る武装と言えばガントレットのみだが、あのガンダム相手に近接戦闘は、かなり不利と言えた。
――ちょっと、これはまずい……かな――
両腕を伸ばしじりじりと、彼女のレギンレイズ追い詰める、ガンダムヴァサーゴ。
そして左右のクローで、一気に相手を切り裂こうとした、その時――
〈僕のミユに……何するんだよっ!〉
途端、フウタのガンプラであるレギンレイズ・フライヤーが現れ、すぐ後ろから飛び蹴りを一撃、ヴァサーゴに繰り出した。
敵機は前へと蹴り飛ばれ、木々の中に突っ込んで倒れた。
「……フウタ、来てくれたんだ」
〈良かった、無事でいてくれて。――僕が守るって言ったのに、危ない目に遭わせる事になるなんてさ、情けないよね〉
「ううん、そんな事ないわ。フウタが来てくれて、私……本当に嬉しいの」
ミユは通信画面越しに、嬉しそうな笑顔を見せた。
〈こっちも苦戦してたけど、何とかこうして駆け付けたんだ。
それに、僕と一緒にいた、ジンさんは――〉
フウタがそうミユに話そうとした、ほぼ同じタイミング――、レギンレイズ・フライヤーのすぐ後ろの森林から、ジンのガンダムF91が現れた。
「ジンさん!」
〈悪いフウタ、それにミユちゃんも! ……倒し切れなくて連れて来てしまった!〉
F91を追って出現したのは、巨大な鋏を持った濃紺色のMA。
モノアイを持つ、まるで甲殻類のような姿であるが、その姿は三人の目の前で可変し、ヒト型のMSへと姿を変える。
その姿は……。
〈こっちも、ガンダム。……Xガンダムの、ガンダムアシュタロンかよ〉
姿を見せたのはガンダムアシュタロン、ミユを探そうと動いたフウタとジンの行く手を阻んだのも、この機体であった。
後ろを振り返ると、先ほど蹴り倒されたガンダムヴァサーゴが、起き上がろうとしている所。アシュタロンは上空を跳躍し、その隣へと並ぶ。
三機の前に立ち塞がる、ヴァサーゴ、そしてアシュタロンの二機。
登場作品である機動新世紀Ⅹガンダムでは、この二機はニュータイプのフロスト兄弟が乗る機体と言う設定である。
二人のニュータイプ能力である互いへの感応能力と卓越した操縦技術、そしてガンダムタイプである機体の高性能により、作中では主人公とその乗機、ガンダムⅩを苦しめた……そんな機体だ。
ジャブロー戦イベントは佳境に入り、敵味方ともに多く犠牲が出ていた。
最初の地点から幾らか離れたせいでもあるが、この辺りは自分たち三機と、そしてあのガンダム二機しか存在しなかった。
ここなら味方や、敵に邪魔されることなく戦える。そう思ったのかフウタ、そしてジンは……。
〈さて、と、後は僕たちに任せてよ。ミユは下がってて、ここは二体二で戦ってみたい〉
〈まさかこの二機と戦うなんて、こっちは役不足かもしれないかもだが……タッグバトルには相応しい相手だ!〉
作中のイメージもあり、恐らくタッグバトルの練習相手としては、かなり相応しい敵だろう。
――ここは、フウタ達に任せようかな。二人のタッグバトル、私は草葉の陰で応援しているね――
ここは二人を信じて、ミユは後ろに下がった。
相手にとって十二分に不足ない。目の前のフウタ、ジンのガンプラは、二機の敵ガンダムと向かい合い――武器を構える。