【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
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フウタはミユのレギンレイズ同様の、大口径ライフルを構える。
――あの相手は、恐らく近距離、中距離に強そう。だけど――
先手を打ったのは、相手の方からだった。
ガンダムヴァサーゴは両腕のクロー、アシュタロンは背部の巨大鋏からビームを斉射する。
フウタ、ジンの、レギンレイズとF91は左右に分かれて、攻撃を回避する。
――遠距離用の武装も、向こうにはあるわけだしね。とりわけヴァサーゴに関しては――
一応、これらの機体に関しては知識があるフウタ。ただ遊んでいるだけなら、GBNをしていた期間も短いわけではない。自然と、ある程度どんな機体か、分かるようにはなっていた。
「ジンさん! 一緒にまとまるのは危ないはず、だから、各個撃破に努めることにしよう。もし余裕があったら、援護射撃をお願い!」
フウタの指示に、ジンは頷く。
「了解、なら引き続き俺はアシュタロンを、フウタはそっちのヴァサーゴの方を頼む」
「ああ!」
丁度二機の近くには、相手となるガンダムがそれぞれ存在する。
フウタの目の前には、ガンダムヴァサーゴの姿が……。
敵機はクローからビームを放つも、彼のレギンレイズは密林を盾にしながら回避を続ける。
――やっぱり、射撃の腕くらいは僕とどっこいどっこいだ。差はそこまでないはず、だけど――
ヴァサーゴには自由に腕を伸ばす事を可能にする、両腕がある。通常のMSとはあり得ない方向からの攻撃……、これはかなり手ごわいはずだ。
――あのリーチ内に入ることは、避けたい所だ。ここは――
先ほどのミユ同様、ライフルによる遠距離攻撃を考えるフウタ。
相手がこちらの姿を再確認し、ビーム攻撃をしようとするその隙を狙い、ライフルを構え狙い撃った。
だが、その一撃はガンダムヴァサーゴに避けられ、不発に終わる。
――くっ、やっぱりこっちも上手く行かないか。……っと!――
するとライフル射撃直後の、僅かな不意を突かれ、ヴァサーゴはクローを伸ばし、こちらに迫った。
「――っ!」
一撃目は、何とか避けて回避した。だが続けて二撃目が、すぐさま襲う。
避ける余裕もなく、とっさに片腕のガントレットで防ごうとするも、甘かった。
反射的にフウタが防御しようとする動作は、若干早すぎた。相手はそれを察知し、アームの方向を僅かに反らした。そして……。
ガントレットを装備した片腕は、クローに裂かれて宙を舞う。丁度機体のフレーム関節を狙っての、斬撃。一撃で関節が砕け、機体の左腕は持って行かれた。
――僕のガンプラの、左腕が――
腕を失い、後ろによろめくレギンレイズ。
するとさっきのお返しと言わんばかりに、ヴァサーゴはその胴体に激しい蹴りを、お見舞いした。
「うわあぁっ!」
機体の胴体に直接一撃を食らい、激しい衝撃と揺れが襲った。
そして――。
〈……だっ!〉
レギンレイズ背後に、何か固い物体が衝突する感覚がした。
それは……さっき分散したはずの、ジンのガンダムF91であった。
「何でジンさんが!? ――まさか!」
もしかすると、さっきのヴァサーゴによるビーム攻撃、あれは敢えて二機が合流するように、誘導するものだったのではないのか? フウタはそう考えた。
そして合流させた狙いは――。
二機の正面に立ち塞がる、ガンダムヴァサーゴ。
両腕のストライククローをアンカー代わりに設置し、胸部を開き、展開した。
中から現れたのは、胸部内部に内蔵された大口径メガ粒子砲であるヴァサーゴの専用武装――メガソニック砲だ。
――これで、同時に仕留めようって訳かよ――
レギンレイズ、F91は先程の衝突で態勢を崩していた。
エネルギーの充填は既に始まっている。今から回避しようにも、間に合いそうにない。
ガンダムヴァサーゴはエネルギーを貯め、そして、フウタ達に向けて大出力のビームを放った!
エネルギーの奔流に巻き込まれる二機。
ヴァサーゴから放たれる太いビームに巻き込まれ、その姿はかき消えた。
まさか、これでやられたのだろうか。
ビームが収束し、ようやく姿が確認出来るようになると、そこには――
〈フウタ……まさか……〉
通信画面には、驚くジンの様子。どうやら無事のようらしい。
「当然だろ。……予想通り、どうにか耐えたわけだしさ」
ビームの範囲にあった木々はなぎ倒され、地面は抉れ、焼け焦げていた。
だが、その中央にいながらも、ジンのガンダムF91は殆ど無傷であった。しかし……