【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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第四話 因縁の決着
訪れない待ち合わせ(Side ジン)


 日曜日の――真昼間。

 ジンは地方都市のとある喫茶店の前で、誰かを待っている様子だった。

 服装もカジュアルな感じの普段着から、何やら立派なジャケットを羽織り、髪も綺麗に整えていた。……どうやら、誰かを待っているようだ。

 

 ――このサンドウイッチなんか、なかなか旨そうだ――

 

 彼は暇つぶしに、入り口近くにある食品サンプルのメニューを、少し眺めていた。

 

 ――へぇ、プリンアラモードまであるのか。そう言えば、この間のミユちゃん手作りのプリンアラモード……あれも最高に美味しかったな――

 

 実は昨日、フウタとミユの二人がジンの暮らすアパートに、この前話していた通りプリンアラモードを渡しに、やって来たのだ。

 

 ――フウタの奴、『ミユの作るデザート、最高に美味しいんだ』って言ってたっけ。

 まぁ、ただの惚気かと最初は思ったけど、フウタの言う通りだったとは。……嬉しい誤算だったな――

 

 昨日食べた、彼女のプリンアラモードの味をつい、思い出していた時……。

 

 

 ――ピロリン!

 

 

 ズボンのポケットから、軽快な音がなった。 

 ジンはポケットに手を突っ込み、タブレッドを起動させると、チャットにメッセージが入ったという、通知があった。

 メッセージの相手を知った彼は、ぱあっと輝いた表情になる。 

 すぐにチャットを開き、その内容を確認する。

 ……しかし。

 

 

 だが内容を見た途端、落胆した様子を彼は見せた。

 

 ――はぁ、会うのが厳しい……か。でもこんな状況だと、仕方ないと言えば仕方ない――

 

 溜息をこぼしながらも、ジンはタブレットをポケットに戻す。

 喫茶店の壁にもたれながら、深呼吸をついて空を見上げた。

 

 ――もっと、強くならないとな。どの道彼女にふさわしい相手になるなら、俺は――

 

 

 

 ――――

 

「……何だ、誰かと思ったら、ジンさんじゃないか」

 

 いきなりそう声をかけ、現れたのはフウタだった。

 長ズボン、薄いシャツにパーカーを羽織った私服姿……。両ポケットに手を突っ込んで、彼はジンの顔を覗く

 

「フウタも、街に来ていたのか」

 

「先日ぶりだね! 僕はと言うと、街の水族館で『日本のクラゲ展』って言う企画があったから、それを見にと写真を撮りに来てたんだ。

 半透明でキラキラゆらめく、綺麗なクラゲ……。良い写真が撮れたよ! 良かったら後で見るかい?」

 

「ははは、だったら……後で見させてもらおうか」

 

 余程満足したのか、目を輝かせているフウタに、ジンは押され気味なようだ。

 

「本当ならミユと行きたかったんだけど、部活の練習が入ったって、事みたいだから。……また今度、一緒に行く時間を作りたいな。

 でもでも、ミユにはちゃんとお土産を買ったんだ。ほらこの『お魚さんクッキー』! なかなか可愛い感じだし、喜んでくれるかな」

 

 フウタは土産袋に入った、クッキーの箱を見せびらかす。

 いつものように、彼女の事を想っている……彼。

 ジンは口元に、軽い笑みを見せた。

 

「いい感じだな。俺も本当に、微笑ましいと思うさ」

 

 だが、その言葉にフウタは――。

 

 

 

「たしかに僕は、幸せ者かな。…………きっと、とても幸運、なんだろうな」

 

 嬉しそうにこう呟いたフウタ、その笑顔は確かに本心ではあった。 

 ――しかしほんの僅か、どこか複雑でそして、寂しいような雰囲気を見せた気も、ジンは感じた。

 

 

 

 

 ――――

 

「……フウタ?」

 

 違和感を持ったジンは、思わずそんな言葉が口に出た。

 対してフウタは、さっきまでの様子は何事もなかったかのように、気を取り直してみせる。

 

「何だよ、ジンさん! ――そんな変な顔してさ」

 

「いや……さっきの言葉、どう言う意味かって、少し気になって……」

 

 この問いを聞いてか聞かずか、フウタはそのまま続ける。

 

「――僕のことなんか、どうでもいいさ。それよりも、ジンさんこそ何やっているんだい? そんなに決めたような恰好をして、こっちの方が、僕は気になるな」

 

 ……すると、今度はジンの方が、他所の方向を向いて不自然な様子を見せる。

 

「それは……その、俺の用事は、もうなくなったさ」

 

「……そう、か。何だか僕も変なことを聞いて、悪い」

 

 こっちもこっちで、不用意な事を聞いてしまったことに、フウタは謝る。

 

 

 

 だが、その後フウタはこんな提案を続けた。

 

「――けどさ、もし用事がないなら、今からGBNに行かない?」

 

「ん?」

 

「ほら? 僕たちだってあれから、腕も上がっただろ? いよいよあのドクロマークのハイゴックに、リベンジでもしようと思ってさ」

 

 確かに、あのジャブロー戦再現イベントでも、実力のいくらかの向上は、二人とも感じていた。

 おそらく強敵ではあるかもしれないが、今なら……どうにかなるかもしれない。

 

「リベンジ……か」

 

 ジンはふと、考えこむ。

 

 ――けど、フウタの言う通りかもな。ちょっと気分転換にもなるし、落ち込みも晴れるかもしれないし――

 

 考えた結果、彼は答えた。

 

「OKだ。俺たちの力、見せてやろうじゃないか」

 

 フウタはうなづく。

 

「よし! じゃあ、ガンダムベースに行こう! ……ここからだと遠くないしね。

 ちなみにガンプラは、持って来ているかな? 僕は一応用意はしているけど……」

 

「心配しなくても、バッグの中にちゃんと入れているとも。念のために、な」

 

 こうして二人は、GBNにログインするためにガンダムベースへと向かう。

 

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