【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
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ガンダムベースにて。
フウタとジンはGBNにログインし、ロビーにいた。
ネコミミ、パイロットスーツのフウタに、そして旅人風のジン。
GBNのロビーに立つ、二人。
「さてと、探すのはいいけど……手間取りそうだね」
ロビーには他にも大勢の、ダイバーがごった返している。
フウタは、隣にいるジンに、こう聞いた。
「そう言えば、ドクロマークのハイゴックの悪質ダイバーって、どんな奴なんだい?」
「ああ、そうか。フウタはダイバーの姿を見る前に、やられたんだっけな」
「……ほっとけやい」
あの時、不意討ちをされた事には、多少ショックでもあったらしい。
フウタは少し、拗ねたようにぷいとそっぽを向いた。
「悪い悪い。確か……夫服を来た大男で 右目に眼帯、頭には赤いバンダナキャップ、海賊みたいな厳つい奴だ」
あの時、短い間ながらもジンが通信で見たのは、そんな男の姿だった。
まずはその男を、見つけることから始めなければいけない。
「OK、ジンさん。
でも――探すのは、結構手間だろうね」
「それは、まあな」
ジンもそれには同意を示し、頷く。
何しろGBNの仮想空間はかなり広大だ、ロビーにいるかどうかすら怪しい上に、そもそも今ログインしているかどうかしているかも分からない。
「まずは聞き込みから、始めないと。
とりあえずは一時間、聞き込みや調べたりして、探してみよう。少しくらいは、手掛かりは掴めるかもだし。
ま……それでも何一つ分からなければ、また考え直すか」
「そうだな。
んじゃ、あちこち調べて回りますか。一時間後に、またこここで会って情報交換しようぜ、フウタ」
「了解! なら一時間後、ロビーで!」
ジンとフウタは、二手に分かれ、目的の男を探すことにした。
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それから一時間の間、二人は聞き込みや情報端末を使用しながら、悪質ダイバーの事を調べてまわった。
ジンは今、構想建造物の渡り廊下へといた。
大きな窓からは、周囲の白銀の摩天楼が見渡せ、空にはSEEDの主役機、フリーダムガンダムなどと、飛行可能なガンプラもちらほら見えた。
「それで、眼帯とバンダナが特徴的な、大男の事なんだが……」
今はちょうど、機動戦士ガンダムООの地球連邦用である緑色のパイロットスーツを着用する、赤毛っぽい茶髪かつロン毛の……いかにも自信過剰そうな感じのダイバーに話を聞いていた、ジン。
「そんなダイバー、オレは見たことないな。悪いな……力になれなくて」
「いやいや、こっちこそいきなり聞いて、悪かった。
時間を取ってくれて、感謝するよ。えっと……コーラサワーさん」
どうやら、このダイバーも知らないらしい。
ジンはガンダムООの登場人物である、パトリック・コーラサワーそっくりのダイバーに礼を言って別れたのち、困った様子を見せる。
――参ったな。それなりに聞きまわったと思うけど、手掛かりすらつかめないとは。それに――
人に聞きまわったのみならず、情報端末も使ってダイバーの検索もかけてみた、ジン。
……しかし、あの時見た海賊風の大男、それは見当たらなかった。
もうすぐ約束の、一時間が経つころだ。
――ま、仕方ない。一度戻るとしますか。フウタの方では何か、情報を得ているかもだし――
とりあえず約束通り、ロビーへと戻ることにした、ジンであった。
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ジンはロビーに戻り、フウタの姿を探す。
――さてと、フウタはどこに、いるのかな――
ロビーを歩きながら、周囲を見て回る。
……すると、いくらか離れた場所から、こんな話声が聞こえる。
「へぇ! ロッキーさんも、航空機を作っているんだ!」
「まあな。俺の場合はドイツ空軍の機体が好きでな。中でも主力戦闘機でもある『メッサーシュミット Bf 109』は特にいいな、あのスラっと機体と、イカすエンジン、まさに名機だな!
単座戦闘機の先駆けでもあり、一撃離脱戦法を得意とするメッサーシュミット、エースパイロットも多く輩出もしたんだぜ。
良かったらフウタも、作ってみるといいさ!」
会話の先に視線を向けると、そこにはフウタがいた。
そしてもう一人……金色の短髪をした、タンクトップ姿の大男が彼と、和やかに話している所だ。
「メッサーシュミット――何だかよさそうだね!
……ところで、戦闘機の塗装の時に、どうしてもパーツの合わせ目が気になるんだけど、どうすれば良いんだろ?
やっぱりパーツごとに塗装して、その後で組み立てるのが……不味かったりするのかな」
「ハハハ! 確かにそれはやりにくいかもな。
ガンプラと違い、スケールモデル全般は接着剤による接着が必須なんだが……フウタのやり方だと接着の跡が目立ったり、塗料が剥げたりもするからな。かと言って合わせ目消しで削るのも、これもまた塗装後だと剥げてしまう。
塗装するなら一通り組んで、前もって合わせ目を消した後で行うのが、理想的だな。色の塗分けが面倒なら、先にある程度くらい、同色の部分ごとに組んだ後で、塗装するのも良いかもな!」
「ふむふむ、確かに参考になるね。……助かったよ、ありがとう!」
「どういたしましてだ! 参考になって、何よりだとも。
ところで話は戻るが、ドイツ空軍だとメッサーシュミットが有名どころだが、他にもフォッケウルフにユンカースなんかもあってだな。あっちの機体は……」
「おいおい、ここで何やっているんだ、フウタ」
このままだと、話が長くなりそうだと考えたジンは、たまらずフウタに声をかけた。
「……あっ、ジンさんも戻って来たんだ」
「だってそう言う、約束だったからな。
フウタこそ、一体どうしていたんだ? GBNでスケールモデルの話なんてしてさ、いくら俺でも、そんな事はしないぞ」
ここはガンプラを楽しむ場であるGBN。なのに別の模型の話をここでしているのは、やや場違いであるのかもしれない。
「ごめんごめん、最初はガンプラの話だったんだけど、つい話がそれてさ。
でも、このロッキーさんは模型全般に詳しいんだ。ガンプラはもちろん、他のロボットプラモや、戦車や航空機なんかのスケールモデルまで……尊敬するよ」
大男――ロッキーも、これには人の良さそうな、照れ笑いを浮かべる。
「お褒めに預かり、光栄だな。ちなみに今は、二ホンの城の模型を作っているんだ。確か……姫路城って言う城の、模型だったかな」
ジンはロッキーにも、視線を向けた。
「どうやら、うちのフウタがお世話になったみたいだ。
だけど今俺たちは、人を探している途中で……」
するとその話に、フウタは割り込む。
「あのさ、その事なんだけど」
「どうしたんだ?」
「僕たちが探している悪質ダイバー、実は…………このロッキーさんなんだ」