【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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紅色のガンダム(Side ジン)★

 ――――

 ようやく、戦いを終えた三人。

 

〈ふぅ。結構大変な戦いだったけど、これでジンは満足?〉

 

 フウタの問に、ようやく戦いを終えた、ジンは落ち着いた表情を浮かべる。

 

「もちろんだぜ。はぁ、二対一なのに、ここまで苦戦するなんて……な」

 

〈やっぱりロッキーさん、強かったもんね。さすが僕たちよりも、腕が良いダイバーだね〉

 

 するとロッキーは、照れくさそうに笑う。

 

〈あははは、そりゃ、GBNはそれなりにやっているからな。

 ……けど、お前たちだって意外にやるじゃないか。確かにまだまだだとは思うが、それでもアマチュアにしては上出来だと思うぜ〉

 

 彼は彼で、この戦いで二人のことを認めていた。

 これにはジンも、少し打ち解けたような様子である。

 

「そう言ってくれると、嬉しいさ。悪質ダイバーではあったのかもしれないが、本当は良い奴なのかもな」

 

〈ま、とにかくこれで戦いも終わったんだ。あとは大人しく――〉

Eの姿。

 三機ともその頭部にはドクロマークのペイントが。フウタ、ジンもこれを見て、ある事を思い出した。

 

〈あれは、あの動画に出てきた……〉

 

「もしかして、ロッキーさんの仲間って事、なのか?」

 

 ロッキーは、これに申し訳がなさそうにしていた。

 

〈お察しの通り、あれは……俺の元仲間さ。

 最もあっちは、いまだに悪質ダイバーを続けているみたいだが〉

 

 通信の主は、三機の内ズゴックEからであった。

 

〈おいおいロッキー、それは冷たいなぁ。いきなりいなくなって、随分と探したんだぜ。それなのに、お前と来たら、勝手に足を洗っているんだからさ!〉

 

〈はんっ! そっちこそ、あんなに痛めつけられてよくまだ、こんな馬鹿馬鹿しい真似を、続けようと思えるなんてな!〉

 

 売り言葉に買い言葉、ロッキーはそう相手に返すも。

 

〈あれしきの事で、そう辞めてたまるかよ。まぁロッキーは、ああも情けないやられ方をしたんだ。……辞めたくなる気持ちは分かるがな〉

 

〈くっ!〉

 

〈悪いことは言わない。おとなしく、俺たちの仲間に戻って来いよ。また一緒に、大暴れしようじゃないか。

 

「……ロッキー」

 

 ジンはその様子を、伺う。

 対してロッキーは、思い悩むように沈黙していた。……が。

 

〈――断る! こいつらにも、改心したって、言い切っちまったからな。今更撤回できるかよ!〉

 

 きっぱりと、彼はそう言い切った。

 

〈さすが、ロッキーさん! ……と言うわけだから、元は仲間だったか何だか知らないけど、さっさと帰ってよね〉

 

 

 

 フウタも加わって、悪質ダイバー連中に言い放つ。

 ……だが、相手が悪かった。

 

〈俺たち相手に、気に入らんな。――やれ〉

 

〈……えっ!?〉

 

 それは突然の出来事。

 リーダーの指令を受けた、ハイゴックがいきなり海面から飛び出して、フウタが乗るレギンレイズに掴みかかった。

 こんな不意打ちで来るなんて、フウタも、そしてジンも予想外だった。

 

「フウタっ!」

 

〈野郎……やってくれるじゃないか〉

 

 一方、ロッキーはこれに驚く様子もなく、ある意味当然のことのように受け止める。

 

〈はっはっはっ! 俺らが悪質ダイバーだと、忘れて貰っては困る〉

 

〈離せっ! 離せよ!〉

 

 レギンレイズは抵抗しようともがく。

 が、ハイゴックは意に介す様子もなく、上半身と下半身を掴むと、いとも簡単に引きちぎった。

 

「よくもやってくれたな! このっ――」

 

 こんな事をされて、ジンも黙っていられなかった。

 

 片腕しか残っておらず、戦いでボロボロだが、それでも彼のF91はビームサーベルで、フウタをやったハイゴックに迫る。

 

 

 

 しかし、その背後は全くのがら空き。

 そんながら空きの背中目掛けて、もう一機のハイゴックが、ミサイルを放った。

 

「うわぁぁぁっ!」

 

 爆発に巻き込まれ、F91も大破。辛うじて残ったパーツも、吹き飛ばされる。

 そしてそのまま、地面へと叩きつけられた。

 

 ――くっ! ……動けよ!――

 

 もはや機体も殆ど動かず、立ち上がることも、出来ない。

 

 

 レギンレイズに、ガンダムF91、どちらもこれ以上、戦えはしない。

 そして、ロッキーのハイゴックも。

 同じく動けない彼の機体に、ゆっくりと海面から上がり、ズゴックEが接近する。

 

〈どうだ。俺たちに逆らうやつは、こうなるのさ〉

 

〈いい加減……こんな事、やめたらどうだ。今更すぎるかもだが、弱いものイジメは格好悪いぜ。

 やっぱりバトルは、互いに白熱するくらいが、丁度いいってな〉

 

 だが、これに悪質ダイバーは嗤う。

 

〈ロッキーだって散々これまでやっておいて、よく言うぜ。

 ……まぁいい。GBNは弱肉強食だ、お前はそこで、その真実をたっぷりと見ているといい!〉

 

 ズゴックEのモノアイは、ジンのF91へと向けられる。

 

〈まずはそこのガンダムからだ! ――アレン、止めを刺せ、出来るだけ残忍にな!〉

 

 倒れているF91に、手下のハイゴックが迫る。

 機体はクローを開き、そのまま相手を切り刻もうと――。

 

 

 

 ――――

 

 瞬間、閃光が宙を裂いた。

 突如襲来した、大出力のビーム射撃。

 狙いはF91を狙っていた。ハイゴック。あまりにも突然すぎた攻撃に、成すすべなく撃ち抜かれ、ジンの目の前で吹き飛んだ。

 

 ――俺たちを、助けに来たのか――

 

 一方、悪質ダイバーは動揺する。

 

〈機体の姿はない。……と言うことは、遠距離射撃か!〉

 

 と、そんな中、ビームが飛来した方角の大海原から、一機のMSが高速で飛来し、迫る。

 

〈――まさか、あれか〉

 

 太陽の逆光により、シルエットしか分からない。……が、その手元には機体の全長と同等の大きさを持つ、大型ライフルを手にしていた。

 謎の機体は、再びライフルを向ける。今度は、残ったもう一機のハイゴックを、仕留めるつもりだ。

 

〈今度はお前が狙われているぞ! ディック、用心しろ!〉

 

 ハイゴックはすぐさま、左に回避運動を取った。

 ――しかし、避けたその瞬間。ビームが飛来したのは、まさにその場所だった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

〈ディック!!〉

 

 続けて、二機目のハイゴックも、攻撃を受け爆発四散した。

 相手は回避の動きを、読んでいたようだ。

 

〈おのれ……よくも!〉

 

 相手はもはや、すぐ其処まで迫っていた。

 この距離ならこちらの攻撃が届くと、そう踏んだ最後の悪質ダイバーは、ズゴックE両腕のビーム砲で応戦する。

 ビームの弾は次々と、敵機に飛来するも……向こうは高速度のまま、悉く避けて、なおも迫る。

 

〈くそっ、なんで当たらないんだ! ――――なっ!〉

 

 そうしている間に、視界に入ったのは、ライフルの銃口が、ついにこちらへと向けられる様だ。 

 ズゴックEは一瞬、固まったように止まった。

 そして次の瞬間――ゼロ距離射撃による圧倒的なエネルギーで、いとも簡単に上半身は吹き飛ばされた。

 

 

 

 ――――

 

 後に残ったのは、棒立ちのままの……ズゴックEの下半身。

 腰から上は、ものの見事に消し飛んで、跡形もない。

 

〈まさか……あんなに簡単に、やられるなんて〉

 

 これにフウタは、驚いたように目を丸くしていた。

 

〈あいつらは、中級ダイバーと言っても、なかなかの腕なんだぜ。それを、ああも容易く……〉

 

 かつて悪質ダイバーの、仲間であったロッキー。

 その分彼らの実力も、もちろん知っていた。

 なのにこうして蹴散らされ――驚きを隠せない。

 

 

 

 そして――

 

 助けに現れた、何者かのガンプラ……。

 目の前に立つそれは、深紅と黒、そして銀色のカラーリングが施された、改造されたガンダムバエルの姿だ。

 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の登場機である、二本の剣と、背中の翼状のバックパックなどさながら天使のような容姿を持つ、ガンダム。

 

 

 元々は白と青とヒロイックなカラーリングであるが、その色がオリジナルと異なるのはもちろん、バックパックも黒と深紅の禍々しい翼へと変わり、手に持つ武器は大型のライフルであった。

 

 ――あの機体は、まさか――

 

 ジンの驚きは、二人のものとは、また違っていた。

 そう、彼にはあの機体に、見覚えがあった。

 深紅色のガンダムバエル、そのダイバーは――

 

 

〈――ごめんなさいね、ジン。待ち合わせに来られなくて〉

 

 

 

 

 

 ロッキーがそう言葉を続けようとした、まさにその時……だった。

 

〈悪いが、そうは行かない!〉

 

 突如何者かからの通信が、横から割り込んだ。

 それとほぼ同時に、孤島周囲の海の三方向から、それぞれ三体の影が姿を現す。

 

〈――お前たちは!〉

 

 ロッキーには、それに見覚えがあった。

 

 

 出現したのは、彼のガンプラと同じく、二機にハイゴックとそして、一機のズゴック

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