【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
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数日前――
あの時GBN内で、深紅色のガンダムバエルに助けられた、フウタとジン、そしてロッキー。
「ほう? ……なかなか、良いガンプラじゃあないか」
ロッキーは自身のハイゴックから降り、目の前に膝立ちして佇む、バエルを見上げる。
そしれフウタと、ジンも、自分たちの機体から降りていた。さっきの戦いでボロボロになった、レギンレイズとF91はコックピットハッチを開き地面に倒れたままだ。
フウタもまた、機体に見とれていた。
「確かにカッコイイな。それに――」
そして……あちこちには襲撃して来た悪質ダイバーの、ガンプラの残骸が、散らばっている。
「何機ものガンプラを、あんな一瞬で……。一体、どんなダイバーなんだろ? ねぇ、ジンはどう思う? 何だか知り合いみたいだけど」
フウタは横のジンに問いかけた。すると、ジンは――。
「ん、ああ……。あのバエルのダイバーは、その」
しどろもどろになりながら、ジンが説明に困っていた。
まさに、そんな時だった。バエルのコックピットハッチが開き、人影が現れたのは。
「……ふぅ。三体一だったけど、あんまり大したことはなかったわね」
バエルのコックピットから現れたのは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』における、主人公側に対する敵組織――ギャラルホルンのパイロットスーツを着込んだ人物だ。
赤いパイロットスーツを着込み、頭にはヘルメットもかぶり、顔は見えない。しかし、スーツから浮かぶ、曲線的な体つきと、出る所はちゃんと出ているスタイルの良さ。
恐らく、パイロットは……
――女性、なのかな? あれは――
フウタがそう考えている一方、ジンはただ、パイロットの姿を見つめていた。
パイロットもまた、ジンの方に顔を向け……そして、両手でそのヘルメットを、外した。
すると炎のように紅い長髪がふわっとたなびき、強気な雰囲気を感じさせる瞳の、美人の顔が覗く。
「さて、と……大丈夫だった、ジン? GBNにログインしていたみたいだったから、ちょっと顔を見たいと思って来てみたら……こんな事になっていたんですもの」
やはり彼女は、ジンと面識があったようだ。
ジンもまた、照れ笑いをしながら、彼女に言葉を返した。
「ははは、かっこ悪い所、見せてしまったな。でも――おかげで助かった。有難う、マリア」
これに、マリアと呼ばれた女性は、にこっと微笑む。
「どういたしまして。――それに」
と、彼女は今度は、フウタとロッキーに、視線を向ける。
「二人とは、初めましてかな。……ジンのお友達?」
二人とは面識が全くないマリアは、好奇心に満ちた様子で、たずねた。
これにロッキーは、その問いに答える。
「つい今日、俺は二人と会ったばかりさ。名前はロッキー、一緒にガンプラバトルしていた……対戦相手ってわけだ」
さすがに、悪質ダイバーだった因縁については、言えない。
その一方でフウタは……。
「僕はフウタ――ジンの相棒さ」
「へぇ?」
フウマの一言、彼女はそれに、興味津々。
「ジンはガンプラバトルに、勝ちたい相手がいるんだ。僕はそれに協力するために、一緒に強くなろうとしてるのさ。
……いわゆる。『バディ』ってやつさ」
するとそれを聞き、彼女は――
「……ふーん、成程。君が……ね」
小声で、そうつぶやいたマリア。
またフウタも、そんな彼女の様子に、気にかかるようだった。
そして彼はある事を、悟った。
「まさか――あの人は」
「とにかく、リッキーにフウタ、宜しくね。……さてと」
と、マリアは再び、ジンに向き合う。
「ジン、ごめんね。せっかく約束してたんだけど、お兄ちゃんが見張っていて……会いに行けなかったの。
……こうしてGBNならと思ったんだけど、今も時間がないんだ。会ったばかりだけど、私はもう行かないと」
そう言う彼女は、寂しそうに、シュンとする。
……そして、最後にある事を、伝えた。
フウタも横で聞いていた内容。それは――次の通りだ。
「だけど二週間後の、土曜日の昼、その日だったらお兄ちゃんも仕事が入っているみたいで、今度こそ……会えそうなの!
それで、場所だけど――」
――――
あの時、マリアが話していた場所、それがこのファミレスと言うことだ。見るとジンとマリアは、相変わらず和気あいあいと、
「……と言うことが、ここに寄った理由の、一つってわけ」
一通りフウタから話を聞いた、ミユはふむふむと頷く。
「成程ね。ジンさんと一緒にいる、あの人が――リアルでのマリアさん、かしら。
……とっても、綺麗な人。私も大人になったら、あんな感じに、なりたいな」
いわゆる、大人の魅力……と言うものだろうか。
ミユはそんな、あこがれの眼差しで、女性の姿を眺めていた。
「そして、ジンの好きな相手って事。つまり――僕とジンが、ガンプラバトルで勝つべき、強敵さ。
彼女のガンプラも、それはもう強かったし、恰好良かったんだからさ」
「私はどんなガンプラか見ていないから、そう言われると、気になっちゃうかも」
二人もまた、自分たちで話に盛り上がる。
「さっきの話通り、鉄血のガンダム機体――ガンダムバエルの改造機なんだけど、僕にはあんなの、作れないな」
「ねぇねぇ、もしかすると……お願いしたら、ガンプラ見せてくれるかしら?」
「あはは! 二人の邪魔をしたら、悪いよ! 何しろ二人は――」
「二人は――何かしら?」
すると突然、横から女の人の声がした。
見るとそこには――さっきまでジンと一緒にいたはずの、女性の姿があった。
「「えっ!」」
フウタ、ミユはともに、いきなり彼女が横にいた事に、思いっきり驚いた様子。
そしてその反応に、クスクスと可笑しそうに笑う女性と……同じく
フウタ達に気づいた、ジン。
「はぁ……。わざわざ来ることは、なかっただろうに」
彼はやや呆れたように、ため息交じりでそう、呟いた。