【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
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今日の特訓を終えた一行は、息抜きでGBNのエリアを散策していた。
場所は、中世風の雰囲気を思わせる、大きな町。
――そう言えば、最近こうGBNでゆっくり過ごすなんて、あんまり無かったな。
たまにはこうしたのも、全然良い――
ジンはぐっと、伸びをして、リラックスして町の情景を眺める。
綺麗な家々が立ち並び、通りには屋台でグッズやアイテム……さらにはガンプラの追加パーツや武器のデータなども、販売していた。
そして同じくGBNにログインしているダイバー達。
ガンダム作品にちなんだ物や、オリジナルの恰好等々、様々な容姿をした彼ら彼女ら。
そんなダイバー達が賑わうこの場は、まるでお祭りのようだ。
……GBNは、まさにそんな場所。ここではお祭り騒ぎはあちこちで、日常茶飯事と言える。
――こうして騒がしいのは少し苦手だけど、まぁ嫌いじゃない。だけど――
ジンはちらと、横に目を移す。
「お祭りみたいな雰囲気、ワクワクだよね、フウタ」
「うんうん、せっかく時間も取れたことだし、ミユと楽しめるのは、やっぱりいい!」
彼の横では、フウタとミユの二人が、仲良く手を繋いで歩いていた。
「どこに行こうかなー。
……あっ! まずはあそこの屋台を見よう! フワフワなハロのぬいぐるみ、気になっちゃって」
ミユが指さす先にあったのは、屋台の一つ。
そこにはいろいろなぬいぐるみが売っており、彼女はそれに目が奪われていた。
ちなみに彼女の言う『ハロ』と言うのは、ガンダム作品に登場する、球体型の小型ロボットである。
「もちろんだよミユ! 僕も何か買おう、っと。やっぱりミユと、お揃いがいいかなー」
ふと何気ないフウタの呟きに、ミユはちょびっと、むっとする。
「んもう、フウタってば。何か買い物するときは、しょっちゅうそれなんだから。
もう少し、自分で選んだ方が、いいと思うんだけどな」
「あはは。だって、一緒がいいんだもん。その方が……思い出だって、もっと共有できる気もするし」
「そんなこと言われたら、私だって……」
恋人らしく、ジンの横でイチャイチャしている二人。
――二人はやっぱり、相変わらずだな。……まぁ、良いことだとは、思うけどさ――
ただ、二人がそんな状況、一人疎外感を覚えるジン。
やはりこれは……少し寂しい。
「ねぇ、ジン!」
「……ん?」
そんな思いにふけっていた時、ふとフウタから声をかけられた。
「ジンもあそこのぬいぐるみ、見てみない?
いつもだったら二人で過ごしたい所だけど、今回はジンとも一緒に、さ。
ねっ、ミユ!」
ミユは彼の提案に、ニコッと笑って同意した。
「もちろんだよ! ジンさんが気に入る、ぬいぐるみも見つけてあげる。
ふふっ……そうしたセンスには、自信あるんだ」
「へぇ! それは、有難いな」
フウタも、ミユも、決してジンを仲間外れにしているわけではなかった。
これにジンははにかみ、そして。
「ははは……そうまで言われたら、こっちもな」
照れたように頭を掻き、仕方ないな、と言うような様子だ。
「なら二人の厚意に、甘えようか。ありがとうな二人とも!」
せっかくの休暇、やはり……こうでなくては。
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それから三人は、町のあちこちを巡った。
ミユの提案からぬいぐるみ屋の屋台から始まり、その後であちこち……店で買い物、料理にデザートを楽しみ、高台から景色を眺めたりなど、それなりにエンジョイしていた。
……ちなみに遠く離れた場所では。
――ほう? なかなか楽しめているじゃないか――
望遠鏡を片手に、ジョウはその様子を眺めていた。
町を談笑しながら歩く、フウタとミユ、それにジン……。
――これこそ青春って、やつか。いいものじゃないか――
つい見ていて、笑みがこぼれる、ジョウ。
しかし、一方でこんな事も。
――けど……ジンもそうだが、フウタの奴、よくやるよな――
何やら思い出すような、懐かしい表情をふと浮かべる。
――昔のあの約束、ミユちゃんは、果たして覚えているだろうかな。
何しろ、二人ともずっと小さい頃だ。フウタの方もよく覚えているもんだよ。……まぁ、あんな出来事があったのを知っているのは、俺もそうか――
これにはジョウも、つい苦笑いをしていた、その時に……。
――ん? あれは――
ふと別方向に、気になる人影がちらりと見えた。
ジョウはその方向へと望遠鏡を向け、よく見てみると……その人影が誰であるか、分かった。
――これは面白い。見たところ……三人に近づいている感じだが――
見覚えのある。誰かの姿。彼はそれに、興味を感じた。
――この先どうなるか。ま、こうして眺めている分には、面白いかもだな――