【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
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バトルの舞台となるのは、廃墟となった市街地のエリアだ。
フウタとジンは、クレープ屋で手伝っていた青年と少女の二人組と、向かい合う。
「たしかフウタと……ジン、だったか。アマチュアの割には頑張ってい、いるんだろう?」
青年の問に、ジンは頷く。
「ああ。本当にマリアから、色々聞いているみたいだな。
けど、そっちばっかり知っているんじゃ、不公平じゃないのか。
二人は一体、誰なのさ」
「確かに僕たちは、全然知らないまま、こうなったしね。
……マリアさんの、知り合いだとは思うけど」
ちなみにマリアと、それにミユは四人よりも少し離れた場所にいた。
「まぁ、そんな所ね、フウタくん。それに紹介もまだだったから、今やっておこうかな。
――まずは、あっちの大人しい女の子は私のフレンド、レーミ。
彼女とはよくGBNで付き合いがあってね、ガンプラバトルの才能も、なかなかのものよ!」
するとレーミと呼ばれたおかっぱのパーカー少女は
、小さく微笑んだ。
「紹介の通り。私は……レーミ。マリアさんの、一番弟子……です」
見た感じ、無口で内気そうで、表情も豊かではなさそうではあるが、普通に良い子のように、見えた。
「よろしく、レーミさん。こうしてガンプラバトルが出来て、光栄だよ」
フウタは彼女にそう、挨拶をかえす。
……しかし。
「でも……少し、不満……」
「え?」
「二対二じゃなくて、私一人でも……良かったのに。だって……あまり強そうじゃ……ないもん。私だけで余裕なのに……」
ふてくされた感じで、そう言うレーミ。
――この女の子、可愛いけど少し、生意気な感じだな。まぁ俺たちは、まだアマチュアだとは思うけど、さ――
「でも……二人の実力試しには……付き合ってあげる。
……だって、暇だし。心配しなくても……ちゃんと手加減はして、あげるから」
「むむむ……」
それにジンも、フウタも、何とも言えない様子だ。
「おいおい、それは少し失礼じゃないのかな、レーミ。礼儀はしっかり、しないとな」
するとレーミの横にいた青年は、彼女の肩にぽんと手を置くと、そんな事を言った。
「あっ、ta‐zuさん。ごめんなさい……私、変な事を言ってしまって」
さっきの二人に対する小生意気な態度はどこにやら、青年に対しては礼儀正しい感じで、接していた。
マリアのことを師匠と読んでいた所も考えると、強い相手など尊敬する相手に対しては、敬意を見せる子なのだろう。
そして、青年だ。
短髪で眼鏡の、好青年そうな彼。
レーミからta‐zuと呼ばれた青年は、二人に挨拶をする。
「では俺の番、か。俺のダイバー名はta‐zu
と言う。『GUNSTARDOM』というフォースに所属しているんだが、まぁ気楽によろしくな」
こちらは印象通り、良い人のようだ。
「ああ、もちろん。御手柔らかにな」
「さっきもはなしていたと思うが、俺も、レーミもマリアから二人の話を聞いて、興味を持って、な。
彼女とも一緒なのはたまたまだが、まぁ、タッグバトルだから丁度いいよな。前みたいに、俺が自分のガンプラを二機操縦してって言うんじゃ、面白みも少ないだろうしさ」
なるほど、二人そろったのは、たまたまらしい。
そしてジンは、ある事も一つ気になっていた。それは……。
「ところでta‐zuさん、だったか。あなたももしかしてガンプラバトル、強いのかい?」
ジンの質問に答えたのは、マリアであった。
「もちろんよ。彼の実力は、折り紙つき。
……だって、あの人は私とお兄ちゃん、二人で相手にしても勝てないくらい、強いのだから」
「なっ!」
ギョッとするフウタ。
「じゃあ……っ、この二人を相手にするって言っても、勝ち目ないじゃあないかっ!」
このリアクションにta‐zuはつい笑ってしまう。
「ははは! 大丈夫さ。ガンプラバトルの方法はちゃんと……考えてあるからさ」
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ジンとフウタのガンプラ、ガンダムF91とレギンレイズ。
そして対するは……
〈さて、ルールはさっき伝えた通り、俺とレーミのガンプラのどちらかに、一つでも傷を付けられたら君たちの勝ちって事だ。
どうか、頑張ってくれたまえよ〉
ta‐zuの愛機である、重武装を施した濃緑のトゲトゲしいガンプラ、ターミナス・ハーキュリー。
〈……まぁ本気を出せば、あっという間だから……手加減はするよ。
そこはちゃんと……手心を加えてあげないと、ね〉
そしてレーミの機体は、機動戦士ガンダムSEEDの主役機である、エールストライクガンダムだ。
ただカラーリングは、銀と黒と濃紺色、そして頭部はジム系統に近いものにしているなど、オリジナルな部分も見られるガンプラだ。
〈むうー! 好き勝手言っちゃってさ、なぁジン?〉
通信では膨れ面のフウタがそう言う、対してジンは。
「仕方ないさ、そこは。……ただ、こうして情けをかけられているっていうのは、少し惨めな感じは、しないでもないけどさ」
その言葉に、ta‐zuは返答する。
「ハンデ、と言ってほしいな。たしかに俺たちは手心はある程度加えるが、だからといって簡単に勝たせるつもりはない。
……手心を加えるかわりに、バトルの制限時間は、十分間にしてある。それまでに勝利条件を満たさなければ、君たちの負け、と。
どうだ? なるべくフェアにしようと、しているんだぜ?」
たしかに、実力にかなりの差がある分、それをバトル条件により補っている部分は、ちゃんとある。
どのみちまともに戦って、敵う相手ではない。
――なら。
「もちろん、分かっているさ。
じゃあ……そろそろ始めようか!」
プロとアマチュアの、両極端なバトル。
果たして、ジン達はどこまで、太刀打ちが出来るのか。
今回も、ta‐zuさんとその機体の活躍回です。
もちろん、ちゃんと本人にも許可をとっていますよ!