【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝 作:双子烏丸
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「くっ!」
上空に見える。レーミのエールストライクガンダム。
機体はその手に持つビームライフルを構え、下にいるガンダムF91を狙い、ビームを放つ。
――何だよ、逃げるだけで一杯一杯じゃないかよ――
廃墟の中を低空飛行でかいくぐり、ジンの乗るガンダムF91は、上空からのビーム射撃を回避する。
――やっぱりガンプラバトルが上手いと、こうも違うのかよ。そりゃ、彼女の態度も当然か――
〈くすくす……ジンさんの相手は、私がしてあげます〉
通信では余裕一杯の様子の、レーミ。
ジンには反撃する暇も与えず、これはまるで、一方的な攻勢だ。
廃墟の瓦礫まで崩れ落ち、それに激突したショックを受ける、F91。
―ーうわっ……と!――
途端に態勢が崩れ、F91」はぐらついたかと思うと、そのまま地上に不時着する。
先程よりも強い衝撃が、コックピットを襲う。
――いてて、こうも簡単に、とは――
内心自分に苛立ちながらも、ジンは機体を起き上がらせて、改めて状況確認を行う。
……今いる場所は、スタジアムの中だった。
廃墟の中でも、広いスペースが確保された、この場所。
すると、そこに。
〈……ふふふ〉
F91の前方に、空中から綺麗に着地を決める、レーミのエールストライクガンダム。
〈私……これでも実力の半分くらいしか、出してないのに。
それに、マリアさんは私よりも……強いんだから〉
「たしかに、それは――」
話では、彼女はあのマリアの一番弟子だ。
つまり、今ここで苦戦しているようでは、まだまだ先は遠い、と言うことだろう。
「けど! やってみなくちゃ分からないだろ!」
〈威勢だけは、いいのね。なら……〉
するとストライクガンダムは、ライフルを後ろに直し、代わりにバックパックからビームサーベルを引き抜く。
赤いビームの刃先が、淡く輝く。
そしてその刃先をF91に向ける。
〈今度は近接戦なんて……どうかな?〉
明らかに挑発的なレーミに、ジンは応えた。
「いいとも。その勝負、受けてやるとも」
彼のガンダムF91もまた、ビームサーベルを抜き、構える。
〈私を……ガッカリ、させないでよね!〉
「俺だって、少しは強くなったんだ!」
両者はともに武器を構え――互いに向かって行く!
――――
一方、フウタの方も。
――うげっ! こんなのって、ないじゃないかよ!――
比較的頑丈なビルの廃墟に隠れ、一歩も動けないフウタのレギンレイズ。
と、言うのも……。
――今なら、大丈夫かな。攻撃も止んでいるし――
そう考え、フウタはそおっと、ガンプラを廃墟の物陰から出してみた。
……が。
ズガガガガッ!!
凄まじい銃弾の嵐が、途端に襲いかかる!
「ひいいっ!」
途端にすぐまた、廃墟の陰に引っ込んだフウタ。
引っ込むと同時に、銃弾は止むが……。
――やっぱりこれじゃ、ここから動けやしないよ。どうすれば――
〈おいおい、これじゃ全然、勝負にならないじゃないか?〉
通信では軽く砕けた口調で、ta‐zuが話しかける。
「うっ、放っといてくれよ。だいたいその武器、反則じゃあないか」
ta‐zuのガンプラ、ターミナス・ハーキュリー。
その手に持っているのは、ロングライフルに大型のマシンガンなどが装着された、複合ライフルだ。
〈くくく、俺のこのライフル――『ケルベロス』と名付けているのだがな、気に入っていただけたようで光栄だ〉
「武器まで改造しているのかよ! 本当に、よくやるよね」
〈上位に行くダイバーなら、それくらいは普通なんだぜ?
それに、自分の作ったガンプラに、同じく自作の武器を携えてバトルするのも、楽しいじゃないか!〉
通信越しの彼の表情、それは言葉通りに、楽しそうなものだった。
〈しかしまぁ……制限時間までここに釘付けにしているのもいいが、それじゃあ面白くない。
ちょっくら、試してみるとするか〉
と、ターミナス・ハーキュリーは武器を持ち替え、特大のバズーカを代わりに構える。
〈今オレのターミナスが構えているのは、特大のロングレンジバズーカ『ネメアレオス』だ。
遠距離射撃のための兵装だが……破壊力は折り紙付きだ。それこそ、廃墟に隠れているフウタのガンプラを、その廃墟こと吹き飛ばせるくらいにな!〉
「……!」
フウタは思わず、ギョッとする。
〈さぁ、上手く避けてくれよ!〉
ネメアレオスを構え、その銃口から大型の砲弾を、撃ち放った!
その砲弾は廃墟に迫りそして、大爆発とともに一気に――粉砕した。
――――
――ふっ、少しやりすぎたか――
さっきまで廃墟のあった場所は、土煙とともに瓦礫の山と化し、跡形もなくなった。
――もしかして、あのままやられてしまったか? うーん、どうしたものか?――
やりすぎた事を少し反省していた、ta‐zu。
だったが……。
――ん?――
途端、何かに気づいた様子の彼。
そして反射的に機体を、横に飛び退かせた。
ダン! ダン! ダン!
と、同時に、さっきまでターミナス・ハーキュリーがいた場所に、何発もの銃弾が飛来する!
――――
――やっぱ、不意打ちはきかないか――
土煙に紛れ攻撃を仕掛けたのは、フウタのレギンレイズだ。
あのバズーカ攻撃をどうにか別の廃墟に飛び退いてしのぎ、その後爆発で発生した土煙に隠れての奇襲。ではあったが、失敗したようだ。
やはり相手はプロ、小手先の奇襲などすぐに分かる。
〈ほうほう! よくやるではないか。褒めてやろう!〉
土煙が晴れ、ターミナス・ハーキュリーとレギンレイズは正面に向き合う。
「一発でも当たればと思ったけど、残念だったな」
〈悪いがそう簡単には、いかないさ。
さて、じゃあ今度はこの、『ヘイルストーム』の威力でも味わうか?〉
……すると、ターミナスの左右には二本の大筒、大口径の榴弾砲が、いつの間に設置されていた。
〈ネメアレオスは凌いだようだが、ヘイルストームの榴弾の雨……今度も、せいぜい頑張って足掻くことだ!〉
途端に今度は、榴弾砲から上空に砲弾が打ち上げられ、上空で爆発する。
そしてその爆発から、無数の弾に分裂し、さながら火の雨のように降り注ぐ。
「はぁ……次から、次へと」
次々と繰り出される、様々な武器による攻撃。
フウタはまだまだ、苦戦しそうだ。