【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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[コラボ回]着実な、成長(Side ジン)☆

 ――――

 

 レギンレイズと、ストライクガンダム。二機の距離は近く、さらにケーブルで動きも、制限してある。

 いくらアマチュアのフウタでも、この距離で何発か放てば、攻撃が当たるはずだ。

 一撃でも本体に当てさえすれば、二人の勝ちだ。

 

 

〈決めるぜ!〉

 

 

 レギンレイズはライフルの引き金を、引こうとした。

 だがその時!

 

 

〈!!〉

 

 いきなり真下から、回転してこちらに飛来する何かに、フウタは気づいた。

 それは――巨大な大斧。

 とっさにフウタは、機体を操作して斧を避ける。が、間に合わない。

 レギンレイズの左手は、握っていたライフルもろともに、バッサリと切断される。

 ついでに、ストライクガンダムの動きを封じていた、ケーブルまでも。

 

〈やった!〉

 

〈ははは、これは危なかったかな、レーミ〉

 

 斧をぶん投げたのは、下にいたターミナス・ハーキュリー。

 そのパイロットであるta‐zuは、レーミに声をかけた。

 

〈ちょっと……危なかった。ありがと〉

 

〈いいってことさ。……おっと!〉

 

 途端、今度はターミナスに、F91がビームサーベルで斬りかかって来る。

 

「はっ! いきなり斧を投げたことには驚いたが、丸腰の今なら!」

 

 ジンは威勢よく、叫んだ。

 ビームサーベルでの斬撃には、ターミナスはただ避けるばかり。

 

「ははは! 武器をなくしたのが仇になったな! 今度はそっちがピンチじゃないか」

 

 F91は連続で攻め続け、ついに相手を追い詰めた。

 

「……もらった! 今度こそ」

 

 ジンは決着をつけようとする。……しかし!

 

 

 

 

 ――!――

 

 一瞬、何か危険感じ取ったジン。

 とっさにターミナス・ハーキュリーから飛び退いた。と、同時に。

 

 

 中から、巨大な大斧が宙から落下する。それはさっきターミナスが投げたものだ。

 落ちたのは丁度、さっきまでF91がいた場所。いつの間にか誘導され、もしあのまま止めを刺そうとしたなら……。

 

 ――今頃あれで、真っ二つか。ゾッとするな――

 

〈上手く読んだな、ジン。これで、こっちが止めを刺せると、思ったんだがな。

 ……だが!〉

 

 ta‐zuの言葉が終わらない、次の瞬間、更に!

 

「ちっ!」

 

 すぐ真後ろに敵の反応。またジンは、機体を操作し今度は左に飛び退く。

 

 

 今度の攻撃は、後ろに迫っていたストライクガンダムの斬撃だった。

 ビームサーベルによる一閃。続けざまによる攻撃でも、どうにか対応出来た。

 

〈へぇ、ずいぶん……ましになったね〉

 

 レーミはそう、呟いた。

 

 

 

 彼女のストライクと、ta‐zuのハーキュリー。

 互いにビームサーベルと大斧、それぞれの近接装備を握り、横に並ぶ。

 

 

〈ごめん、ジンさん。こっちも失敗しちゃって〉

 ジンのF91の横にも、片腕を失ったフウタのガンプラが並ぶ。 

 残りの片腕にはパイルを握り、構えていた。

 

「いいさ。それより……」

 

 

 問題は、残り時間だ。

 残ったのは、もう一分もない。

 

「多分、残ったチャンスは、次で最後だ。これで決めないと」

 

 画面上のフウタは、頷く。

 

〈うん。でもどうにか、慣れて来てそれに、上達もした気がする。

 ……今度こそ〉

 

 俺は、そんなフウタの自信に応えるように、ビームサーベルを構えた。

 

「ああ! 少々危険な賭けだが、一気に決めるぜ!」

 

 ジンと、フウタ。二人は示し合わせるように頷くと、そのまま――相手に立ち向かっていく!。

 

 

〈ほう! 正面から来るとはいい度胸だ! なら俺たちもそれに答えよう!〉

 

 ta‐zuはそう言い、ターミナスの装備であるマシンガンを連射する!

 

〈その攻撃、大体なら慣れた!〉

 

 フウタのレギンレイズは、銃弾を避けながら、迫って行く。無論、完全には無理であり、あちこち破損しながらだが、それもものともしない。

 そしてジンのF91も、ビームシールドを展開して突き進む。

 

〈はぁ……横が、ガラ空き〉

 

 するとストライクガンダムが横から、ビームサーベルを振りかぶり迫る。

 

「させるかっ!」

 

 対してF91もビームサーベルで、防ぎいなした。

 自分の剣撃の勢いをそらされ、驚くレーミ。

 

〈そんな器用な真似が……出来るようになったの!? 短い間で〉

 

「そうさ! おかげさまで、な!」

 

 ジンと、そしてフウタの狙う相手、それは――

 

〈まさか俺を狙って来るとは、な。ふっ!〉

 

 狙うはta‐zuのターミナス・ハーキュリー。

 機体は迫る二機に向かい、大斧を持ち待ち構える。

 

「さぁ! ――これで勝負、つけさせてもらうぜ!」

 

〈そうさ、行かせてもらうよ!〉

 

 レギンレイズと、ガンダムF91、二機は同時にターミナスへと襲いかかる。

 

〈ta‐zuさん!〉

 

 援護しようにも、一瞬間に合わない。レーミはそう叫ぶ。

 

〈平気さ! これぐらいなぞ!〉

 

 だが彼は、動じない。

 余裕を持って待ち構え、そして……。

 

〈くはっ!〉

 

 ターミナスはまず、一瞬早く迫っていたレギンレイズの攻撃を、斧の刃先で受け止め、すぐに吹き飛ばす。

 

「フウタ! ……だが!」

 

 まだ自分がいる。ジンのガンプラはビームサーベルをターミナスへと振り下ろすも。

 

〈ふん!〉

 

 それは大斧の柄により、いとも容易く防がれた。

 

〈少しはましになったものの、やはり……まだまだか〉

 

 そして柄で弾くやいなや、斧をぶんと振り回し……F91を一閃した。

 

 

 

「――!」

 

 その強烈な一撃は、致命的だった。

 機能はダウンし、機体はそのまま膝をつき、動かなくなった。

 

〈ふっ、もはや戦えない、か〉 

 

 ta‐zuは勝ち誇ったように、そう言った。

 

〈制限時間も、もう僅かだ。結局俺の……〉

 

 ――その時。

 

 

 

〈!〉

 

 ta‐zuの乗るターミナス・ハーキュリー。その肩の一部に、あるものが掠った。

 それは、ビームの刃先を展開したままの、ビームサーベルだ。

 ビームサーベルはその肩に僅かな切り傷をつけ、地面に落下し、ビームの刃は消失した。

 

「……どうだ、さっきビームサーベルで斬りかかる前に、もう一本、上に投げておいたんだぜ。

 さっきのta‐zuの真似、とっさに真似したんだが、上手く行ったな」

 

〈……ほう〉

 

〈さすが、ジン。こんな手を用意していたなんてさ〉 

 

 ta‐zuは感心し、またフウタも驚く。

 

 

「大変な戦いだったが……これで、俺の勝ちだ。

 ほんの少しでも、傷はちゃんと、与えたんだからな!」

 

 

 

 ――――

 

「ふふふ! まさか、ジンとフウタくんが勝っちゃうなんて!」

 

 

 戦いが終わり、ジンやta‐zuたち四人のもとに、上空で観戦していたマリアとミユも降りて来ていた。

 

「……一撃でも当てれば勝ちという、ハンデをもらっての勝負だけどな」

 

「それは、相手が相手だからしょうがないわ! とにかくお疲れ様、ジン」

 

 

 

 また一方では。

 

「はー! 今回のバトル、大変だったよ。

 こうしてプロと、戦うなんてさ。……ミユには、情けない所を見せるし」

 

「ううん、そんな事ないよ。いつだってフウタは、私にとって素敵なんだから」

 

 勝ったとは言え、良いとこなしでへこむフウタと、そんな彼に優しい笑顔を投げかける、ミユ。

 

「そう……かな」

 

「もちろん! よしよし、フウタ!」

 

「……ああ! そう頭を撫でられると、ちょっと恥ずかしいよ」

 

 ミユはフウタの頭を撫で、彼は照れ恥ずかしがっていた。

 

 

 

「……さて。改めてよくやったな、ジンに、それにフウタも」

 

 今まで二人が戦っていた相手である、ta‐zuはそう言った。

 

「正直な所、アマチュアだと甘く見ていたが、思った以上の健闘ぶりだった。

 こんな戦い、俺たちも初めてだったからな。楽しませてくれて、ありがとう」

 

 これにジン、フウタも。

 

「こちらこそ。おかげでいい経験を、積ませてもらったぜ」

 

「凄いバトルだったよ。どこまで太刀打ち出来たかは自信はないけどでも、僕たちも頑張れた気がするんだ」

 

「……ふーん。ま、良かったんじゃない。アマチュアにしては、上出来」

 

 そう言う割には若干、レーミは、不機嫌そうな感じだ。

 

「へぇ、レーミちゃんがそう言うとはな」

 

「勘違い……しないでくださいよ。実際は二人とも、まだまだ。

 勝てたのはハンデをたっぷり、与えたから。これじゃ私はもちろん、マリアさんにだって全然……及ばないんだから」

 

「……うっ」

 

「レーミちゃんは手厳しいわね、あはは」

 

 

 

 するとマリアは、ジンのもとへと歩み寄る。

 

「マリア、俺は」

 

 ジンは彼女のことが、好きだった。そして彼女との仲を認めてもらい、結ばれることが彼の望み。

 だからこそ強く……それはマリンも。

 

「もちろん、分かっているわ。ジンは確実に強くなっているって、ちゃんと、私は分かるもの。

 だって、私もジンの事が……」

 

 するとマリアはジンの頬に顔を近づけると――

 

 

 

「!!」

 

 自分の頬に伝わる、柔らかい唇の感覚。

 仮想空間であろうとも、いま、マリアに何をされたのか、よく分かった。 

 

 

 彼女がジンの頬にした、キス。

 

「えっ、うそでしょジン!」

 

「キスだなんて……素敵だな」

 

「ヒュウ! やるね!」

 

「……むっ」

 

 これにはフウタ、ミユ、ta‐zuは驚き、レーミは不機嫌そうに頬を膨らませる。

 

 しかし、そんな状況は気にしない、ジンとマリア。

 

「えっと……俺に、キス?」

 

 キスが終わっても、どぎまぎしているジン。

 そしてマリアはそんな彼に、素敵な微笑みを見せる。

   

「改めて、強くなったね、ジン。私……惚れ直しちゃった」

 

「俺は……」

 

 とてもやさしい、彼女の一言。それにジンは。

 

「……みんなの、おかげさ。フウタとミユのサポートもそうだし、戦ってきた相手だった。

 ta‐zuさんとレーミとの闘いだって、良い経験にもなった、感謝だよ」

 

「それは、良かった! ふふっ、この勝負を頼んだ甲斐があったな」

 

 

 

 ――たしかに俺たちは強く、なれたのかな――

 

 それでも、着実に強くなっている、自分。

 

「ジンに、それにフウタくんも。二人ならきっと、私とお兄ちゃんにだって!

 ――だから、応援しているよ!」

 

 マリアだって、きっと期待してくれている。

 

 ――だから俺は、その思いにきちんと、応えたい――

 

 元からきちんと思ってはいた。……が、改めて、ジンはその気持ちを、固めるのであった。

 

 




 今回は本作のライバルである、マリアとハクノのイラスト。
 ちなみに二人は、リアルでも㎇Nでも、外見は同じな感じです。


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