【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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第九話 長く紡がれた、二人の絆
フウタの決心(Side フウタ)☆


「おはよう、母さん!」

 

 休日の、早めの朝。二階から元気な声で降りてくる、フウタ。

 リビングには彼の母親がいて、そんな彼に気づくと、にこやかに微笑みを返した。

 

「あら、おはようフウタ。何だかとても機嫌良さそうね」

 

「まーね! だって今日は、ミユとのデートだから!」

 

 見るとフウタはすでに着替えも済ませて、出かける準備を整えていた。

 そんな姿を見て、つい嬉しくなる、母。

 

「……フウタとミユちゃん、昔から幼馴染として仲良しですものね。お母さんも小さい頃から見て来たから、ミユちゃんがどんなに良い子か、よく分かるわよ。

 二人の関係、とてもいい感じだし、母親としても安心だわ」

 

「それって、どう言う意味だよ。

 ……とにかく、僕は行ってくるね。帰りは分からないから、鍵は持って行っておくよ」

 

 

 

 ――――

 

 

 母親に挨拶を済ませ、自宅を出たフウタはそのまま、すぐ隣のミユの暮らす家へと。

 インターホンを鳴らして、少し待つと中から聞こえる足音。そしてドアノブを回す音が聞こえたと思うと……。 

 

「おはよう! 今日は絶好の外出日和だね、フウタ」

 

 玄関から姿を見せたミユも、私服姿でフウタを出迎えた。

 

「やぁ! ミユの方も準備、出来たみたいだね」

 

「うん。だってフウタとこうして出かけるの、久しぶりだから。でも……」

 

 彼女はやや心配そうな、表情を見せる。

 

「そろそろマリアさんとの約束が近いのに、大丈夫? もちろん私との時間を作ってくれるの、とっても嬉しいよ。だけど、ちょっと心配で」

 

 

「平気平気! たまには息抜きだって必要だしそれに、十分に強くなった感じだから、ちょっとはね。

 ――あと、前にも話しただろ? どんな時だってミユとの時間は、僕にとって一番大切だから」

 

 こう話すフウタの表情。それはとても、輝いていた。

 

 

 

 

 ――――

 

 

 カザマ・フウタとアラン・ミユは、昔からとても仲が良い幼馴染。

 互いに物心ついた時から、家は隣同士のご近所。家族ぐるみの付き合いで、二人もよく互いの家を行き来したり、一緒に過ごしたりして、遊んだり……。それがフウタ達の、日常だった。

 

 

 ずっと小さい頃から、そして小学校、中学校に入ってからも、その仲は変わらなかった。

 自分たちの家族と同じくらい、いやあるいはそれより絆が深い二人。

 何しろフウタは……。

 

 ――僕には、こうしてミユが傍にいてくれるのがどんなに幸せかって、いつも思っているから――

 

 自分自身、あまり取柄のない人間だって言うのは、フウタは分かっていた。

 人付き合いも、成績も運動能力も、大体普通。 もちろん人よりやや明るい、意外に運動は出来る方、そして――周囲では珍しい模型趣味を持っているなど、まったくの普通……と言うわけではない。それでも際立った特別さはない、まぁ普通と少年と言えた。

 

 

 

 けれど、フウタには健気で優しくて、いつも想ってくれている幼馴染がいる。  

 決して自分は特別ではないけれど、それでも周りの同級生や普通にはない、特別で大切な存在が傍にいてくれた。

 それこそがフウタにとって、どれだけ幸せで特別なことであるか……小さい頃からずっとその思いが、心の底にあった。

 

 

 

 自分にだけ見せてくれる優しさや、笑顔、そして彼女の想い……。

 彼女のすべてが、フウタにはかけがえのないものだった。

 だから自分は、それ以上に彼女に、お返しがしたかった。幼馴染としての仲、そして友情。……だけど。

 

 

 そして何より、それ以上に、もっと、もっと、彼女を大切にしたかった。ミユの事が誰よりも、好きだった。

 だから――――今から一年前、高校に入ってからしばらくして、ミユに告白した。

 

 

 もちろんミユもフウタの事が、同じくらい大好きだった。だから告白はすぐに実り、それからの二人は恋人として、今まで過ごして来た。

 互いに両想いの、幼馴染カップル。それぞれ互いの事が大好きで、一緒にいるだけでも幸せだった。

 

 

 ――しかし。

 

 

 ――何の取柄もない僕だけど、それでもミユは好きでいてくれるんだ。……だからこそ、せめて僕も彼女が好きだと言う想いだけは、本気で証明したい。

 我儘かもしれないけど、そうすれば僕も、少しでもミユにふさわしいパートナーに、なれると思うから――

 

 それはフウタの、決心であった。 

 





今回はフウタとミユ、二人の私服姿でのイラスト。
うん……ラブラブですね(^^)/


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