【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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免許皆伝!(Side フウタ)

 ――――

 

「……さてと、夕方からはまたGBNかな。前話していたタッグバトルの大会までもう少しだから、気合入れてトレーニングしないとね」

 

 フウタはふと、そんな事を話した。

 

「そう言えば、フウタもそれにジンさんも、あれからまた腕を上げた感じだもんね。

 うんうん、よく頑張ったよ」

 

「それは……まぁ」

 

 と、彼は微笑むミユの顔を横目に、何だか複雑そうな表情でこたえる。

 ミユはこれに対して、若干不思議そうな感じだ。

 

「フウタってば、やっぱりそんな変な感じ。たまに見せるんだもん、その様子。どうしたのか気になるな」

 

「あはは、別にそこまで大したこと、ないよ」

 

「……でも、あまり無理はしないでね。頑張っているのは分かるけど、程々で大丈夫なんだから」

 

 さりげなく、彼女はフウタを気遣う。

 

 ――やっぱ、優しいな、ミユは――

 

 相変わらず彼には、ある秘密があった。ミユだって心配なのに。そうして自分に何も聞かずに優しくしてくれている。

 それは彼女にとって、フウタがとても大切な存在で、あるから。だからこそ……。

 

 

 ――僕はその期待に応えなきゃ……だけど、大丈夫だろうか――

 

 あれから実力は、めきめきと上がっていた。今なら中級、頑張れば上級ダイバーでさえ、上手くすれば相手に出来る、かもしれない。

 

 ――ジョウさんとのトレーニングも、この間一段落したんだ。僕たちの腕は彼だって、保証してくれたしさ。あの時――

 

 そう、ジョウとのトレーニングも、実はこの間無事に、完了していたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――

 

 一週間ほど前、GBNにて。

 

 

〈さて……。これが最終試験だ。用意はいいか、二人とも〉

 

 今いるエリアは、峡谷地帯。

 それなりに深い峡谷を挟み、平地にはそれぞれ二機のガンプラが向かい合っている。

 

「もちろんだとも! あれから俺も、ジンも成長したって見せてやるさ!

 

〈そう言うこと……だな。ま、全力で、行けるとこまでいってみせるぜ〉

 

 フウタ、そしてジンのガンプラである、レギンレイズとガンダムF91は並んで相手に向き合う。

 対して、その先にいるのは。

 

〈ずいぶん言うようになったな。ま、言葉が大きいのは、元々だったが〉

 

 ジョウのガンプラ、デスアーミー。

 太い体格で、ビーム砲を備えた棍棒を持つ、一つ目の鬼のような機体。

 

〈最終試験と言うことで、その内容はタッグマッチ。何しろ最終目標が、マリアとハクノの二人だから、これは外せない。

 なぁ……ミユ〉

 

 

 

 ジョウとタッグを組んだ相手、それはフウタの幼馴染の、ミユである。

 

〈はい、ジョウさん。

 ……でもこんな形で、フウタとガンプラバトルするなんて、ね〉

 

 ミユが乗るレギンレイズ、これもまた今回のバトルではフウタ達の相手になる。

 

「ミユも、一緒にトレーニングを受けていたしね。だから結構強くなっているのは、分かるけど……」

 

 フウタはやや、困ったような感じで、こう続ける。

 

「けどミユを相手に戦うなんて、僕にはちょっと、難しくてさ」

 

〈それを言うなら、私だって……〉

 

 そんな二人の雰囲気。これにはジン、思わず。

 

〈おいおい、せっかくのバトルなんだ。ちゃんとしてくれよフウタ〉

 

「……あっつ、ごめんごめん。ちゃんとやらないと、ね」

 

 これでようやく、戦闘態勢に入るフウタと、ジン。

 峡谷を舞台にしたタッグマッチ。これがジョウによる最終試験、二人は気を引き締め、それに臨むことになった。

 

 

 

 ――――

 

〈はあっ!〉

 

 高く跳躍し、ジョウのデスアーミーは武器である棍棒を、レギンレイズめがけて振り下ろす。

 

「そんなの、当たるかよ」

 

 しかしフウタは上手く反応し、避けてかわした。

 棍棒は空振りした。が、続けてデスアーミーは棍棒で鋭い突きを繰り出す。

 間髪入れない連撃。だが。F91は腕のガントレットで防御する。

 

「だから言っただろ、僕だって。……一撃必殺!」

 

 攻撃を防がれたことによる、少しの隙。フウタはそれを見逃さず、パイルを抜き、胴体目掛けて反撃を仕掛ける

 

〈!〉

 

 ジョウはそれに気づき、回避するも……。本体の脇の部分に攻撃がかすり、傷がついてしまった

 

〈やるな、フウタ。ずいぶんとマシになったと思うぜ〉

 

 通信でジョウは、フウタへと言った。

 

〈けど、これがタッグマッチだって、忘れたわけじゃないだろ?

 頭上注意、だぜ〉

 

「へっ? 一体何を……」

 

〈フウタ、ごめんね!〉

 

 瞬間、フウタの青いレギンレイズ、その頭上から白と黒のツートンカラーの、もう一機のレギンレイズがライフルを構えて出現した。

 

「えっ、まさか本気なの!?」

 

〈だってフウタのためなら、全力で行かないとって思うし。悪く思わないでよ〉

 

 ミユのレギンレイズは彼のガンプラを狙い、ライフルで撃ち放つ!

 

 

 

〈おっと! 忘れているのはそっちも、同じじゃないか?〉

 

 フウタとミユの間に割って入った、黒く塗装された、ガンダムF91。

 機体は腕のビームシールドを展開し、フウタのレギンレイズを守った。

 

「サンクス! ジン」

 

〈いいってことさ、これぐらい。……うわっと!〉

 

 ミユの攻撃を防いだはいいが、今度は下からビーム射撃が襲い来る。

 ビームを放ったのは、棍棒をライフルのように構えていた、ジョウのデスアーミーだ。

 

〈助けに入ったはいいが、まだ詰めが甘いな。そして――あまりボーっとするなよ、フウタ!〉

 

 続いてデスアーミーは、横からフウタのレギンレイズを蹴り飛ばした。

 確かに幾らか注意が逸れていたフウタ。彼のガンプラは強烈な蹴りをかまされ、そのまま吹き飛ばされ峡谷へと真っ逆さま。……しかし。

 

「残念! 引っかかったね」

 

〈これは、やってくれたな〉

 

 

 

 するとデスアーミーの足元には、ケーブルが絡まっていた。

 ケーブルはさっき吹き飛ばされたレギンレイズが持っているパイルから伸びたもの。そしてその勢いで、デスアーミーもろとも引っ張られ、ともに谷底へと落下して行く。と……思いきや。

 

「それに落下するのは、ジョウさんだけだよ!」 

 だがレギンレイズの方は、落下する直前にパイルを岩盤に突き刺し、同時にケーブルを外した。

 これには一機のみ、深い谷底へと真っ逆さまなデスアーミー。 

 

 ――これで、ジョウさんは倒した」ね。残るは――

 

 後はミユを残すだけ。フウタは崖から上がり、様子を見ると……。

 

〈ううっ、私の負け、だね〉

 

 そこには膝をついた彼女のレギンレイズと、それにビームライフルの銃口を突き付ける、F91の姿があった。

 

〈よぉ! こっちも決着、ついたぜ〉

 

 ジンは得意げに、そうフウタに声をかける。

 

〈フウタ……。私ちょっと、悔しいよ〉

 

 ミユのしょんぼりした様子、これには複雑なフウタ。

 

「えっと、お疲れ様、ジン。

 ――それにミユも、同じくらい凄かったよ。ジンが勝てたのだって、たまたまってものだし」

 

〈むっ、ひどいなフウタ。俺とミユちゃん、どっちが大切なんだよ〉

 

「そりゃ聞くまでもなく、ミユに決まってるじゃないか」

 

 ジンの不満に、さも当然と言わんばかりに、フウタの即答する。

 

 

 

〈……これで、どうにか一安心って、所だな〉

 

 ふと振り返ると、どうにか谷底からよじ登って来たらしい、デスアーミーの姿があった。

 

「あっ、無事だったんだね、ジョウさん」

 

 そう呼びかけるフウタに、ニッと彼は笑った。

 

〈そりゃ簡単には、やられんとも。しかし……二人とも、よくやった。

 俺のトレーニング、良い成果が上がっているじゃないか〉

 

〈それは良かった。じゃあ、あの二人にも――〉

 

〈おっと、ジン! 確かに腕は上がって、中級……上手くすれば上級ダイバーにだって相手出来るようになったが、マリアたちと戦うにはあと一押しって言うところか。

 そこは俺じゃどうしようもない。この先からは二人次第、ではあるのだが……〉

 

 

 そしてジョウは、よくやったと言う様子で、こう口にした。

 

 

「だが、俺から教えられることは、ちゃんと全部教えた。

 お疲れさまだ、フウタ、それにジン。これで免許皆伝……と、言った所だ」

    

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