【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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久しぶりの再会(Side フウタ)

 ――――

 

「ジョウさんとのトレーニング、大変だったと思うけど、よく頑張ったよね」

 

「まぁ、ね。それからはジンと一緒にミッション受けたり、前よりも難しいのを、普通に出来るようになっていたんだ。

 トレーニングの前なら二、三分も持たなかったのに。これも成長だ」

 

 フウタはそう、自信たっぷりの様子を、ミユに見せた。

 

「恰好良いよ、フウタ。

 でも不思議だな、あんなにガンプラバトルに本気を出しているなんて。今までそんな事なんてなかった気がするし、ちょっと気になるな」

 

「そりゃ僕には頑張る、訳があるからね。

 ……どうしても果たしたい理由って言うか、約束とも、言うか」

 

「ふーんそれって、何だろうね。」

 

 

 

 そう言ってミユは、ある事を思い出す。

 

「――たしか昔も、フウタはある約束をしていたっけ。私たちが小学校一、二年生くらいの小さい時、ジョウさんの模型店で、ね」

 

 彼女としては、さりげない話だったのだろう。しかしフウタは。

 

「えっ!」

 

 この話が出たとたん、フウタはドキッとした様子で、意外なそして、緊張した様子を見せた。

 

「ミユももしかして、覚えていたの? だってずっと小さい時の事じゃないか」

 

「もちろん! だって私とフウタとの、大切な思い出だから。それにあの時私……とても、嬉しかったんだから」

 

「それは何よりだけど、僕にとっては少し、恥ずかしくもあるんだよな……」

 

 その思い出を振り返りながら、フウタはちょびっと苦笑い。

 

「まぁ私たち、小さかったから。でも本当に素敵だったな。あの思い出は――」

 

 

 

 ミユが話を続けようとした、まさにそのタイミング。

 

 ♪♪♪

 

 ふいに何処かから、携帯電話の着信音が鳴る。

 

「あっ、電話。……僕のだね」

 

 鳴っていたのはフウタの携帯。彼はポケットから携帯を取り出す。

 

「もしもし……うん…………えっ。今は無理だよ、ミユとデートしてるし。後なら大丈夫だけど。

 ……悪いね。じゃあ、後でまた」

 

 一通り何か通話相手と会話する、フウタ。

 そして通話が終った後、ミユは彼に尋ねる。

 

「ねぇ、さっきの電話、何だったのかな?」

 

「電話はジンからさ。どうやら今日も、GBNで一緒にトレーニングしたいって。

 約束の大会までもう時間がないのは分かるけど、僕だってミユと過ごす時間は、大切にしてるて言うのに」

 

 彼女の問いに、彼はやや不満そうに呟く。

 

「まぁまぁ。私との時間を作ってくれるのは嬉しいけど、トレーニングだって大事でしょ」

 

「それは、そうだけどさ」

 

「ならそれも、ちゃんと頑張らないとね。

 どうしてそこまでしているのか分からなくても私、応援は出来るから」

 

 

 

 そんなミユの、励まし。フウタはそれに微笑みで返すと。

 

「ありがと! ミユがそう言うなら……僕も、ちゃんとしないと。

 ――ガンプラバトルを頑張っているのは、ミユの為でも、あるんだから」

 

「何か言ったフウタ? 最後の所、よく聞こえなかったけど」

 

 上手く聞き取れなかったミユは、何気なく尋ねる。それにフウタは、クスリと笑って。

 

「……ううん! 大した話じゃあないよ。それよりあとしばらく、デートを楽しもう。

 ジンに会いに行くのは、それからだ」

 

 ミユとのデートはもちろん大切、しかしジンとのトレーニングだって、もちろん重要。

 何しろフウタにとって――。だが、それはまた、別の話。

 

 ――やっぱりミユと過ごすのもいいけど、今は……こっちに集中するべきだな。

 何しろ――

 

 

 

 

 ――――

 

 それからしばらく公園でゆっくりデートした後、フウタとミユはジョウの模型店へと。

 

 

 何しろジンとの待ち合わせ場所は、GBN、そのロビーである。だからまずは、ログインから。

 

「来たよ、ジョウさん」

 

「こんにちは! お邪魔しますね」

 

 店に入った二人。店主のジョウはカウンターで新聞を読んでいたが、この可愛らしい常連に気づくと、にこやかに出迎えた。

 

「ようこそ、フウタにミユ。今日は買い物かい? それとも……」

 

「先にGBNだね。いつものようにトレーニング、買い物はその後にするよ」

 

「ほうほう! それは精の出ることで。んじゃ、今日も頑張ってくれよ」

 

 フウタは頷いた。

 

「もちろん! 僕には頑張る理由が、あるしさ!」

 

 それに、ジョウは何も言わなかった。ただ、それでも彼の様子に、少し微笑ましげな、そんな感じだ。

 

「……じゃあ、使わせてもらうね。いつもありがとう、ジョウさん」

 

 これからまた、ガンプラバトルの腕を磨く。

 まだ強くならないと――。ミユとの時間を使っていても、フウタにはちゃんと、その自覚があった。

 

 

 

 

 ――――

 

「……はぁ。少し遅かったじゃないか、二人とも」

 

 ジンと待ち合わせたのは、スペースコロニーの内部を模した、エリアだった

 スペースコロニーと言うのは、宇宙空間に作られた施設であり、人が宇宙で居住するためのものだ。

 円柱状の本体と、その内側側面に、地球と同じような地上が再現されている。重力は円柱をぐるぐる回す遠心力で作られ、太陽の光は側面の一部分にあいている透明な窓から、日の光を反射させて取り入れている。 

 円柱の内部にいることもあり、大地はぐるりとカーブを描いて、上空の向こう側には同じく、コロニーの地上が見える。

 何ていうか……不思議な光景だ。

 

 

 ちなみにスペースコロニーもまた、ガンダム作品の舞台にもなっている。

 だからこそGBNでももちろん、こうして再現されている訳である。

 

 

 ジンと合流した、フウタとミユ。

 

「こんにちは、ジンさん!」

 

「ごめん、遅くなって。それに……」

 

 

 

「おう! これでジンにフウタ、二人揃った感じかい。

 それにカワイ子ちゃんも一緒か! 見た感じ、フウタのアレか?」

 

 見るともう一人、見覚えがある大柄な男がいた。

 フランクな感じで出迎える彼。……それは。

 

 

「ロッキー! まさかここで会うなんて」

 

 彼は元悪質ダイバーの、ロッキー。フウタ達とも因縁があったが、今ではそれなりに仲の良い相手で、あるようだ。

 

「こっちも時間が、あったからな。まぁそれより……」

 

 と、ロッキーはにいっと面白そうな表情で、言った。

 

 

「どうやらまた、強くなったらしいじゃないか。ここで会ったも何かの縁、お手並み拝見したいものだぜ」 

 

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