【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

51 / 88
ロッキーとのタッグバトル(Side フウタ)

 

 ――――

 

 フウタとジンが対決するのは、ロッキー、それに彼と同じ元悪質ダイバーのディック。彼もまた、あれから足を洗ったらしい。

 

 

 

 バトルフィールドは大きな湖がある、湖畔地帯。

 

「だああっ!」

 

 フウタのレギンレイズは手にしたパイルを、目の前のハイゴックの頭めがけて振り下ろす。

 

〈何の!〉

 

 対してハイゴックはクローで、攻撃を防ぐ。

 

〈最初に戦ってから……どれくらい経ったっけな、えっと、二か月くらい、だったろうか〉

 

 目の前のハイゴックに乗るのはロッキー、彼は久しぶりの二人との闘いに、興味津々な様子だ、

 

「多分、それぐらいだね」

 

 ハイゴックは強烈な力をクローに込め、レギンレイズを弾き飛ばし、続けてミサイルを射出する

 だがとっさにフウタも、パイルからライフルに持ち替え、迫るミサイルを撃ち落とした。

 

〈へぇ? ……悪くない〉

 

「そりゃそうさ! これくらい、今の僕ならね」

 

 と、今度はライフルの銃口を、ロッキーのハイゴックに向ける。

  この距離なら、と――。フウタがそう考えた、瞬間。

 

 

 

「おっと!」

 

 いきなり後ろから、別のクローが伸び、掴みかかる。

 

〈くっ、ディックの奇襲も失敗か〉

 

〈すまないロッキー、しくじった!〉

 

 後ろに迫っていたのは、ロッキーの相棒、ディックのハイゴックだ。背後からの挟撃を仕掛けたようだが、フウタのレギンレイズはその間から避け、攻撃を回避した。

 

「へへん、どんなもんだい。そして――固まってると、危ないよ。

 ねぇ、ジン!」

 

 

〈おうとも!〉

 

 ジンのF91は上空から、ばっと登場した。そしてそれと同時にヴェスバーを展開し、まとまったハイゴック二機に狙いを定め、放つ!

 

 

〈くっ! これは……しまった!〉

 

 ロッキー、それにディックは回避運動を取るが。

 

〈ディック!!〉

 

 ジンの攻撃は以前よりも鋭さを増していた。

 手前にいたディックのハイゴックは、まんま胴体を貫かれ、爆散した。

 

〈これで一体撃破だ! 残るはロッキー、ただ一人だぜ〉

 

〈まさかディックがああも簡単に。それに俺も……〉

 

 ロッキーのハイゴックは回避出来たものの、右腕部が先ほどの攻撃で大破していた。

 

 

 ここから一気に畳みかける。

 フウタはロッキーのガンプラに、肉薄する。

 

「次は僕の番! 倒させてもらうよ、ロッキーさん」

 

 回避し、一瞬怯んだハイゴックに、彼のレギンレイズはライフルによる連射攻撃を与えた。

 だが簡単にはいかない。相手は大破しほとんど使えない右腕を盾替わりに急接近をかける。

 

「何だって!!」

 

〈ダメージを与えたからって、油断するなよな〉

 

 迫るハイゴックは次の瞬間、無事な方の左腕で突きをかました!

 

「……くうっ!」

 

 突きはレギンレイズの右腰を抉り、その膝をつかせる。

 フウタは再びライフルを向けようとするも、ハイゴックはぶんと腕を強く振り、機体もろとも湖の中に吹き飛ばす。

 

〈フウタの奴!〉

 

〈おっと、隙あり!〉

 

 ジンも応戦に入ろうとするが、ハイゴックは左手のクローを開き、内蔵されたビーム砲を放つ。

 ビームの弾をいくつも受け、ジンのF91もまた湖に墜落した。

 

 

 

 ――――

 

 ――ううっ、やっぱりロッキーさんもなかなかだな。と言うか前より腕上げてない?――

 

 湖にドボンと落ち、フウタは頭を抱えた。が、そうしてもいられない。

 

「うげっ! マジかよ」

 

 見るとあちこちから水だって入って来る。これは早く、陸に上がらないと。

 それにジンのガンプラも、同じく湖に叩き落されていた。

 

〈しまったな、よりにもよって水中とは。……おそらく、ロッキーも〉

 

 彼の嫌な予感は、すぐに当たった。

 突如向こうから高速で迫る物体、そして――

 

〈ぐわーっ!〉

 

 物体はジンのF91に激しく体当たりを仕掛けた。その正体は、ロッキーのハイゴックだ。

 今の一撃はかなり効いたらしく、F91は全身の関節からスパークを散らし、動けなくなる。

 

〈しまった……今ので全身がやられた。これじゃもうこっちは……〉

 

〈くくく! 水中ならこっちの独壇場、覚悟するんだな!〉

 

 強烈な体当たりを食らわせたハイゴックは、急旋回し、今度はレギンレイズの方へと。

 

〈もうジンは戦闘不能。次はフウタ、お前の番だぜ!〉

 

 再び体当たりを仕掛けるつもりらしい、ハイゴック。水陸両用機なだけあり、そのスピードは凄まじい。おまけにあの装甲の強度、あれで体当たりを食らわされたらジンの二の舞だ。

 ……しかし。

 

 ――確かに、この状況はこっちに不利すぎる。けど、向こうから体当たりをしに近づくなら―?

 

 レギンレイズはパイルに持ち帰ると、迫るハイゴックに向けて構える。

 

 ――こっちだって一撃を与えるチャンスでもあるんだ。もちろん、たぶんこれが唯一の――

 

 これで相手を倒さなければ、逆に自分が体当たりでやられるかもしれない。

 

 

 この一撃で、勝負は決まる。

 次第に迫る二機の距離。パイルを握り、レギンスはハイゴック目掛けて――!

 

 

 

 

 ――――

 

 バトルが終わり、フウタとジン、それにミユとロッキーは高層ビルの屋上で過ごしている。ちなみにロッキーと一緒だったディックは、用事があると言うことで、先に分かれた。

 

 

 ビルの柵にもたれ、フウタは自販機で買ったコーラをちびちび飲んでいた。

 

「いやー! いい勝負だったぜ。まさか最後は相打ちとはな」

 

 そんなフウタに、ロッキーは近づいて話しかける。

 あのバトル。最後はレギンレイズのパイルがハイゴックの動力部を貫いたが、同時にハイゴックの体当たりのダメージも受けた。それによりフウタのガンプラも操作不能となり、結局相打ち……と、言うわけだ。

 

「でも惜しかったな。あの時だってあと少しで、僕の勝ちだったのに」

 

「それは俺の言う言葉さ。実力は互角、だったんだからよ」

 

 と、ロッキーは我ながら妙なことを言ったような、そんな表情をした。

 

「俺と互角、か。本当にお前たちは、それなりに進歩したんだな。まぁ、それで上級ダイバー相手に戦えるかどうかは、怪しいけどな」

 

「もう、そんな事ないよ! ジンさんも、そして――フウタも、とっても強くなったんだから」

 

 すると横にはミユまでも現れて、そう話す。

 

「ミユちゃんは、とてもフウタの事を信じているんだな、さすが彼の彼女さんだ」

 

「それはもちろん! だって誰よりも、大好きな相手だもん!」

 

 フウタは勿論だが、やはりミユもミユで、彼に対する想いは強いのだ。

 

「そう言ってくれて、僕も嬉しいよ! やっぱりミユがいてくれるだけで、僕は……」

 

 

 

「……」

 

 しかし、ジンは渋い表情で、その様子を見ていた。

 何やら複雑な考え事をしている感じで、やがて意を決したように彼は、フウタの元へと近づく。

 いつもと少し違う、ジン。フウタはそれに気づく。

 

「あれ? ジンも僕に、何か話でもあるの?

 ……なんていうか、目が怖いよ」

 

 そんなふわふわした感じのフウタに、ジンはいつもより真剣な眼差しを向ける。そして――

 

 

「なぁフウタ、少しお前に話したいことがある。……二人だけでな」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。