【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

55 / 88
二人の知らない、成長(side ハクノ)★

 宇宙空間を駆ける、二機の機体。

 

 ――へぇ、前よりも良い戦いをするじゃないかよ――

 

 ハクノは『機動戦士ガンダムOO』の量産機アヘッドを改造した自分のガンプラ、アヘッド・ブロッケンを駆りながら、考えた。

 

 

 

 彼が戦う相手――ガンプラは、アヘッドのGNビームライフルによる射撃を高機動で回避しながら迫り来る。

 相手は……一機。それはV2ガンダムの改造機体。

 機動戦士Vガンダムの主役機、Vガンダムの後継機であるV2ガンダムは従来のMSに比べれば小柄ではあるものの、最高と呼ばれる程の性能を誇り更に、桁違いの加速、機動性を誇るミノフスキードライヴを内蔵していた。

 色合いはアヘッド・ブロッケンとほぼ同じ黒鉄色、外見も全体に刺々しく追加装甲が施され、更にバックアップは更に大型化……まるで蝶を思わせるような、小柄な本体とほぼ同等の物を備えている。

 

 

〈今度こそ、お前に勝ってみせるとも! ハクノ!〉

 

 パイロットは長い金髪のキザな青年。彼はそう叫ぶと彼のガンダムの専用装備である双剣を振るう。

 これにアヘッドは回避すると同時に、ウィンダムの左側に回り込み、右腕部に搭載された蛇腹剣で反撃だ。

 まるで蛇のようにうねる剣先、だがそれが届くよりも先に、相手は懐に入り再び斬撃を加えた。

 

「……くっ」

 

 とっさに後ろに飛びのくが、その一撃、いや二撃はアヘッド・ブロッケンの胸部装甲に深い斬撃痕を残した。

 ハクノは悔し気に顔をしかめるも、次にはにやりと笑みを浮かべる。

 

「はは、は。やってくれるじゃないか、カイン!」

 

 

 

 そう、ハクノが戦っていたのは、先ほどフウタとジンが出会っていたダイバー、カインであった。

 

〈前にやられてから、この日を待ってたのだよ。

 この私のガンプラ……V2シュヴァルツドライで君を、打倒してあげるさ!〉

 

 シュヴァルツドライ――それが、カインのガンプラの名であった。

 

「その心意気は褒めてやるぜ。……でもな」

 

 ハクノのアヘッド・ブロッケンはその手に持つGNビームライフルの銃身など、パーツをパージさせる。それにより武器の全長は短くなり、ビームライフルからGNサブマシンガンへと変わる。

 と、同時にマシンガンからビームを乱射するアヘッド。 

 ビームライフル時の一点集中の射撃でなく、複数の弾による連射、しかも二機の距離は互いに近距離。この状況なら――

 

〈くうっ〉

 

 V2シュヴァルツドライはすぐに回避を試みるものの、内四発のマシンガンの弾が機体各部に当たる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 これに続け、アヘッドは再度剣撃を繰り出してかかる。が、向こうもまた剣の刃先で攻撃を防ぐ。

 

〈続けて斬りかかってくるとはな。だが、こっちには剣が二本ある!〉

 

 そう、アヘッドの攻撃を防いだのは、双剣の片割れであった。つまりもう片方はがら空き、今度はシュヴァルツドライが空いた剣を振るいかかる。

 

 剣の刃先はアヘッド・ブロッケンの胴体を貫こうと。

 

「おっと――少し甘かったな!」

 

 予想通り。まさにそう言うかのようにハクノは笑みを浮かべた。

 次の瞬間、剣が届くよりも早く、アヘッドはその脚部で鋭い蹴りを見舞った。

 

〈!!〉

 

「例えそうだとしても、こっちにだって二本、足があるんだぜ。……そして!」

 

 蹴りを食らって、吹き飛ばされるシュヴァルツドライ。二機の距離は幾らか離れはしたが、アヘッドの蛇腹剣なら。

 

「これで、決まりだぜ」

 

 うねる剣は伸び、そしてシュヴァルツドライのその胸を――深々と貫いた。

 

 

 

 

 ――――

 

「しかし、まぁ良い勝負だったぜ。後少し実力が違えば、多分負けていたのは俺だったろうさ」

 

 ガンプラバトルの後、ハクノとカインの二人はロビーにてそんな会話をしていた。

 

「……ふっ。私もあれから腕を上げたとは思ったが、まだまだと言う所か」

 

「それでも俺のブロッケンに、あんな傷をつけた事は褒めてやるさ。

 ははは、もちろん俺としては悔しいって言うのもありはするんだけどよ」

 

 それでも満足の行く戦い、ハクノも、もちろんカインも、その気持は同じだった。

 

「また戦いたいものだな。三度目の正直、今度は私が勝つとも」

 

「くくく、さてな。悪いがその時には、また俺が勝たせてもらうさ」

 

 二人共互いに、そんな感じだ。

 

 

 

 すると……そんな中でカインはある事で話題を口にする。

 

「……そうだ。勝負で思い出したが、実はついさっきある二人にタッグバトルを申し込まれたんだ 最も、それは私が二人と一緒にいた、可愛い女の子と付き合いたいからなんだがな」

 

「ほう?」

 

 ハクノはそれに、いくらかの興味を持った。

 

「また女の子目的、か。出来ればほどほどにした方がいいとは思うが……まぁいいか。 

 それで戦う空いてってのは、どんな奴なんだ?」

 

「相手は見たところ、ただのどこにでもいるエンジョイ勢というか、言わば普通の奴らさ。

 姿は、そうだな。青い髪のネコミミ少年と、旅人風の格好をした灰色髪の青年の、二人組だよ」

 

「おい……それってまさか」

 

 カインの話に、彼は反応した。そしてこう尋ねかえした。

 

「もしやその二人の名前と言うのは、フウタとそれに……ジン、なんじゃないか?」

 

「おお、よく知っているじゃないか! ハクノの知人でもあるのかな?」

 

 苦々しげに、頷くハクノ。

 

「ちょっと因縁があってな。まさか、ここで名前を聞くとは。

 俺もまた、二人と戦う予定なのさ。でも……」

 

 彼は半分呆れた感じで、首を横へと降る。

 

「カインの言う通り、二人ともアマチュアのアマチュア。俺はもちろんカインさえ、足元にも及ばないだろうさ」

 

「ふむ」

 

 一人うんうんと納得するようなカイン。そしてこう口を開く。

 

「となると、私の勝利は確定か。少し拍子抜けであるが、まあいい。ミユちゃんとのデートは決まったも同じなのだからな」

 

  

 カインは余裕満々。 

 それは当然、戦う相手は自分より数段も格下だと、考えているからだ。

 しかし果たして、本当にそうだろうか?

 何しろハクノも、それにカインも、フウタとジンがあれからどれだけ成長したのか……まだ知らないのだから。

 

 

 




 カインの機体、V2シュヴァルツドライはこんな風。
 V2ガンダムがベースですが、だいぶ変わったかな


【挿絵表示】
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。