【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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[コラボ回]ある遭遇と、始まる戦い(Side フウタ&ジン)

 ――――

 

 マリアの視線の先にいたのは、向かい合わせで座る二人の少年の姿。

 

 

「このGBNと言うゲーム、俺も気に入った」

 

 黒い髪で赤みがかった瞳の少年、彼がそう話しているのが聞こえた。

 

「ラギが気に入ってくれて良かったよ。

 始めてまだ半月もしていないのに、その実力は上級ダイバーと同じくらいだなんて……かなり凄いよ」

 

 そして向かい側に座り黒髪の少年に返事を返すのは、灰色かかった銀髪のポニーテールの少年。 顔は中性的で、二人ともフウタと同年代くらいの男子高校生らしい。

 

「VRMMOの類は得意なんだ。他の似たようなゲームをやり込んだ経験もあるし、それに開発に携わった経験も少しある」

 

「……へぇ! それは凄いや!」

 

「でも空野……いや、クラルテも凄いぜ。

 カッコいいオリジナルガンプラに、バトルだって目茶苦茶強い。

 さすが、『戦場の死神』と呼ばれるだけある!」

 

「ふふふ、そう言ってくれると嬉しいね。

 ――今日の大会、僕達にふさわしい相手がいたら良いな」

 

 

 

 

 そんな会話を横から聞いていたフウタ、ジン達。

 

「あの二人も大会に出るみたいだね。……僕と同じくらいの年、か」

 

 呟くフウタは少し複雑な表情。

 

「でもどっちとも、僕なんかより雰囲気が凄いって言うか。恰好良い感じだよ」

 

「もう! フウタってばまた卑屈になって。

 私はそんなの全然関係なくてフウタが一番なんだから。だからそんな態度は止めてよね」

 

 これにミユはむうっと、不機嫌そうに頬を膨らませる。

 

「あはは、ごめんミユ」

 

「でもこうして彼女の尻に敷かれているフウタとは、確かに大違いさ。

 ふふふっ、あっち二人の方が大人びた感じもあるし、同年代でもこうも違うか……って」

 

 ――ベチャッ!

 

「ジンさんも、私のフウタをいじめないでください!」

 

 ジンが笑った事にもむっとしたミユは、テーブルの濡れナプキンを彼の顔に投げつけた。

 ナプキンは顔にべったりと張り付き、少しした後に剥がれて落ちた。

 現れた唖然としたジンの表情。彼は、一言。

 

「……すまん」

 

 

 

 けれど、同時にある事にも気づいた。

 それはあまりに今更すぎるような事。――それは。

 

「あれ? いつの間にマリアの姿が、いない?」

 

 さっきまでジンの目の前にいたマリア。彼女の姿がいつの間にかいなくなっていた。

 

「そう言えば、確かにどっかに行っているね」

 

「マリアさんは一体、どうしたのかな……あれ?」

 

 するとミユはまた気づいた事があったようだ。彼女の、視線の先には――。

 

 

 ――――

 

「あら? これはお久しぶりね、君。

 まさか貴方まで、この大会に出場するだなんて」

 

 さっきまで三人といたはずのマリア。

 だったが、彼女はいつの間にかあの少年二人の元にいた。

 銀髪の少年――クラルテは彼女に、ふっと微笑む。

 

「へぇ? マリアさんもいたんだ。

 ……でも」

 

 彼は余裕そうな表情を浮かべる。

 

「悪いけれどマリアさんも、そのお兄さんのハクノも僕の敵じゃないね。

 だって僕と僕のガンプラ、ガンダムグリムリーパーは強いもん。前に二人と戦った時だって、勝てなかったじゃないか」

 

 

 

 ――――

 

 そんな話もまた、横でフウタ達が聞いていた。

 

「あの人、マリアさんよりも強いのか」

 

 フウタの呟きにジンは答える。

 

「みたいだな。そんな奴もこの大会に出るなんて……大丈夫か」

 

 そんな話を、二人がしていた時だった。

 

 

 

「お前たちも、マリアさんの仲間なのかい?」

 

 声のした方へと見ると、そこにはさっきの黒髪で赤目の少年がいた。

 

「……君は」

 

 フウタは少し驚いた顔で呟いた。

 

「ここは俺から自己紹介をした方が良さそうか。

 俺は如月春揮、ここGBNではラギと名乗っている。……まぁ、このゲームは初めて間もないけれど、かなり強くなったと自負しているさ」

 

 こうして自己紹介をしたのなら、自分たちも返さなきゃいけない。

 

「ならこっちも。

 僕はフウタ、そして彼女のミユさ」

 

「初めましてですね。えっと、ラギさんでいいのかな」 

 

「俺はジンだ。……ちなみに今回、フウタと一緒に大会へと出場する予定なんだぜ」

 

 フウタ、ミユ、それにジンも言葉を返す。

 これに如月春揮――ラギは興味深そうな視線を向ける。

 

「へぇ、君たちも大会に出るのか。

 ……ここで友人になったクラルテに誘われて俺も参加しているんだけどさ、大会に出るのは始めてなんだ」

 

「――そう言うことだよ。せっかくのイベントだから、楽しまなきゃ損だからね」

 

 すると話していたクラルテも、そしてマリアもいつの間にか傍に来ていた。

 

「ふむ、これがマリアさんの友人かな」

 

「ええ! 全然アマチュアだけど、まぁ実力悪くはないわよ」

 

 マリアの言葉に、彼は頷く。

 

「成程ね。たしかフウタとジン、と言ったっけ。

 僕の名前はクラルテ。……リアルでは空野 秤、と言うのさ」

 

「クラルテ、そろそろ会場に行った方がいいんじゃないか?」

 

「あっ、そうか」

 

 ラギに言われて、クラルテははっとしたようになる。

 

「――だったな。

 と言うことで僕達は先に行くことにするよ。君たちも急いだ方がいい。……せっかくの対戦相手、遅刻でリタイヤだなんてつまらないからね」

 

「じゃあな。もし戦うことになったら、その時は良い勝負をしようぜ」

 

 

 

 去って行くクラルテとラギ。

 フウタ、ジン、それに……マリアとミユの四人も。

 

「確かに、時間もそろそろ不味いわね。彼の言う通り私たちも行かないと」

 

 言われて気づいたが、時間はもう迫っていた。

 

「これ以上こうしてられないって訳か。

 フウタ、それにミユちゃんも行こうか。遅刻したら不味いだろ」

 

「……そうだね。じゃあ僕達も!」

 

 一時の羽休めはここまで。

 今から――ようやくの戦いなのだ。

  




今回は、如月桜花さんの「Re:ソードアート・オンライン~紅き双剣士と蒼の少女~」
https://syosetu.org/novel/191959/
の主人公、如月春揮さんと、蹴翠 雛兎さんのオリキャラをお借りしました! 有り難うございます!
ちなみに初回登場で、活躍はまた後程。
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