【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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トーナメントの開始と、早速の第一回戦目……対ロッキー戦(Side フウタ&ミユ)

 ――――

 

 

 街の中央に位置する、巨大なスタジアムにて。

 

「凄いな。もうこんなに人がいるんだ」

 

 スタジアム内の会場には既に多数のダイバーが集結していた。

 集まる人だかり、その中には……。

 

「あそこにいるのは、カインの奴じゃないのか?」

 

 ジンの示す先、人だかりにいた見覚えがある金髪の青年。それは、この前に戦ったカインであった。

 そして彼以外にも。

 

「ロッキーに、それに……レーミさんもいるよ。まさかみんなここに来ているなんて驚きだね。――あっと!」

 

「マリア! そこにいたのかよ!」

 

 四人の前に現れたのは、マリアの兄であるハクノであった。

 

「うげっ!」

 

「あっ……どうしよ」

 

 同時にジンもマリアも、しまったと言うような表情を浮かべた。

 何故ならば――

 

「俺がいない間に、ジンなんかと一緒にいるだなんて! どう言うつもりさ」

 

「ごめんごめん。偶然出会ったからつい……ね」

 

「ジン! よくもこんな時に一緒にいられるもんだな。人の妹に手を出そうだなんて」

 

 ハクノはジンと顔を合わせた途端、凄い剣幕で言った。

 

「勝手に悪かったよ。……けどやっぱり、ハクノもここに来ていたんだな」

 

 けれどジンは引くこともなく、正面からハクノを見据えていた。以前とは違ってその表情には自信に溢れていた。

 

「今日は宜しく、ハクノさん。約束通り――今回の大会で俺たちは勝つよ。

 そしたら、マリアとの仲だって認めて欲しい」

 

「むぅ、まさかこう出られるとは、調子が狂うな」

 

 さっきまでの怒りの表情は消え、ハクノは少しどうすればいいか考える様子を見せる。けれどすぐに、今度は面白そうにフッと笑う。

 

「けれど、そう来なくてはな。せいぜい途中でやられたりなんてしないでくれよ。……何しろ」

 

 彼はくいと、会場の奥を示す。

 

「あれは、まさか」

 

 そこにあった物にフウタは驚く。それは……大きなトーナメント表だ。

 

「全部で三十二組のタッグチームによる、五回戦に渡るトーナメント。

 まだ名前は伏せられているけれど、二人もあの中のどれかに入り、戦う事になる。……まぁこの大会はそこまで大きいイベントではない。

 集まるダイバーの実力もそこそこな奴が多いが、中には俺たちと同じや、下手するとそれ以上の奴だって多くいるんだぜ」

 

 改めて見るトーナメント表、フウタとジンはともに眺める。

 

「全五回戦か。一体、どんな奴と戦うんだろうね」

 

「分からないさ。けれどどの道ここまで来たんだ、後はやれるだけ全力で行くしかあるまいさ、フウタ」

 

「……だね、ジン」

 

「じゃあ私は二人の観戦かな。ちゃんと、応援しているからね」

 

 そしてミユは二人に優しく微笑んだ。

 対して、マリアとハクノは。

 

「二人ともその気なら、私たちも途中で敗退しないように頑張らないとね。

 ……戦えるの、楽しみにしているわ。ちなみにジン、貴方には勝ってほしい気持ちはあるけどバトルは別よ。

 一切手加減なんてしないから、覚悟してよね」

 

「くくく、さて……二人の実力でどこまで行けるかな。けれど万が一戦うことになったら、その時は完膚なきまでに叩きのめしてやるぜ!」

 

 

 そして、ようやく大会の開会式が始まるらしい。

 ここからトーナメントでの対戦相手の発表と、ガンプラバトルがついに幕を開ける。

 フウタ、そしてジン。二人の命運は……果たして。

 

 

 

 ――――

 

 スタジアムの観客席には、数多くの観客の姿。

 

 ――と言うことで、私だけ一人ここにいるわけなんだよね――

 

 ミユはその中の観客席で一人、第一回戦の開始も待っていた。

 開会式が終わった後彼女はフウタ達と別れてここに。

 

 ――まさか、一回戦の最初からフウタとジンさんが戦うなんて。それに対戦相手は――

 

 早速フウタ達の戦いはこれから始まる所。観客席でもその発表があり、他の観客も間もなくの戦いを待ち遠しくしていた。そして……ついに。

 

 ――ようやく始まりそうだね――

 

 第一回初戦、フウタ達の戦いがようやく始まる。

 ステージに上がるフウタとジン、そしてその対戦相手に二名の対戦相手の姿。ミユは二人を、とりわけフウタを見つめる。

 

 ――頑張って来てね、ジンさんに……フウタ――

 

 彼はミユのために、その想いを示すために戦っている。

 その気持ちも、彼女は強く応援していた。

 

 

 

 ―――― 

 

 ステージを駆け、戦いを繰り広げる四機。

 

〈やっぱり、簡単に倒せはしないか!〉

 

 ジンのガンダムF91はビームライフルを構えて射撃を繰り出す。……けれど、なかなかに当たりはしない。

 対して向こうは二発のミサイルを放つ。

 放たれ、F91へと飛来するミサイル。

 

「させはしないよ!」

 

 その間に入って、ミサイルをガントレットで防ぐのはレギンレイズ。続けて二発目はパイルで明後日の砲口に吹き飛ばす。

 ミサイルは観客席に飛んで行ってしまう。が、観客席へと向かう前に透明なシールドに防がれて爆発する。もちろん観客にはケガ一つない。

 

「第一回戦、ここで負ける行かないわけいかないだろ、ジン」

 

〈まぁな。ここはちゃっちゃと片付けようぜ〉

 

「……と言うことさ。悪いけど僕達は前よりずっと強くなったんだ。

 倒させて貰うよ、ロッキー」

 

 フウタの乗るレギンレイズはパイルを相手に振るった。この攻撃を右手のクロ―で防ぐのは。

 

〈そうは行くかな? フウタ、それにジン〉

 

 その正体はハイゴック。機体に乗るのは、なんやかんやで知り合った元悪質ダイバーのロッキーだ。

 彼のハイゴック、そしてレギンレイズ、二機はパイルとクロ―で打ち合う。

 一方でジンはもう一機のハイゴックと射撃戦を繰り広げる。互いにビームライフルを撃ちあい、その流れ弾はフウタの方にも。

 

「……っ! 危ないじゃないか、気をつけてよね」

 

〈悪いフウタ、こう場所が限られるとどうしても……な〉

 

 そんな中、今度はジンの戦っていたハイゴックが全推力でF91に突進する。水陸両用MSと言えどもかなりのスピードそして重装甲。

 体当たりを食らった機体は壁とハイゴックのサンドウィッチに。これにロッキーは勝ち誇ったように笑う。

 

〈残念だがジンの奴はディックが倒したみたいだぜ。フウタ、お前も俺が――〉

 

〈残念なのは、そっちの方だぜ〉

 

 通信で言ったのはジン。

 よく見ると、体当たりを仕掛けたハイゴック、その背中からビームサーベルの刃が貫いて伸びるのが見えた。

 ビームサーベルで貫かれたハイゴックはそのまま倒れ、ぴくりとも動かない

 

〈まさか!〉

 

〈下手に体当たりをしたのが迂闊だったな〉

 

 ガンダムF91はビームライフルをロッキーのハイゴックへと、ビームを放つ。

 これに怯むロッキー……だったが。

 

〈水辺があったのならともかく、場所が悪かったね!〉

 

 怯んだ隙をついて、フウタのレギンレイズはパイルの一撃を放つそれはハイゴックの右腕、その関節ごと引きちぎる。

 ハイゴックは下がろうとするが、フウタはライフルで狙いを定める。

 

「第一回戦、これで僕とジンの勝ちさ!」

 

 止めの一撃、彼のレギンレイズはその引き金を引いた。

 

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