【完結】バディーライズ! ――ガンダムビルドダイバーズ外伝   作:双子烏丸

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ガールズ・バトル(Side ジン)

 ―――― 

 

〈それじゃ……ドーン!!〉

 

 マノモのリーオー・ブラスターは両腕のキャノン砲からエネルギーの砲弾を放つ。

 弾はその先のレギンレイズ・フライヤー、フウタのガンプラへ。

 

〈うわっと!〉

 

 レギンレイズは避けようとするも、エネルギーの弾は間もなく着弾して辺りを吹き飛ばす。

 これに機体は巻き込まれるけれど。

 

〈いてて。これは凄い威力だな、少し当たっちゃったよ。――けど〉

 

〈ナノラミネートアーマーの防御力。そりゃビームでは厳しいかしら!〉

 

 鉄血作品の機体には、ビーム攻撃を軽減するナノラミネートアーマーが標準装備である。

 つまり、リーオー・ブラスターのビーム砲撃に対して、鉄血機であるレギンレイズは耐性があった。……けれど。

 

〈最も、ダメージとしてはちゃんと与えられている、みたいだけどね〉

 

〈……くっ!〉

 

 ビーム砲撃を受けたと思われるレギンレイズの左肩装甲。それは一部剥がれ、破損までしていた。

 

〈そりゃ私のブラスターの威力、自慢だからね! さぁて、どこまで持ちこたえられるかしら〉

 

 両腕のキャノン砲から次々と砲撃を繰り出す機体。フウタのレギンレイズは攻撃を回避しつつ、ライフルで反撃を返す。

 けれど、どちらも戦局は互角。……いや、早速マノモのリーオー・ブラスターが押していた。 

 やはり高威力の武器を装備し、それで攻勢に出ていればかなり厳しいのだろうか。

 

 

 

 圧倒的パワーで圧し潰そうとするマノモと、抵抗するフウタ。

 

「フウタ! 平気か!?」

 

 ジンのガンプラ、ガンダムF91もビームライフルでストライクガンダムと空中射撃戦を繰り広げる。

 そんな中でジンはフウタに通信で声をかける。

 

〈ははっ、どうにか。でもヤバいなこれは!〉

 

 フウタもまた必死な様子。

 彼の機体はリーオー・ブラスターにより押され気味。周囲ではキャノン砲の爆風が次々と巻き起こる。

 

〈けれどまだ僕は持つともさ。ジンはジンの戦いに集中しなよ〉

 

「そりゃそうか。こっちだって――」

  

〈……うん、そうだよ〉

 

 レーミの言葉と同時に、彼女が乗るストライクガンダムが迫りビームサーベルを振るう

 とっさにF91はビームシールドで防ぎ、続けて頭部のヘッドバルカンを放つ。ストライクガンダムは僅かに怯み離れる。

 

「もちろん俺だってよ、分かるぜっ!」

 

 瞬間ビームライフルの銃口を、相手の胸部、コックピットに突きつける。

 引き金が引かれビームが放出される。が、レーミは寸前で避ける。けれど背部のストライクパックの左翼部に命中して一部もげた。

 ストライクガンダムは後方に下がり態勢を整える。翼が一部欠けてもまた、墜落には至らない。

 

〈ううっ……〉

 

〈あーらら! してやられたわね、レーミちゃん〉

 

 悔しがるレーミと、からかうようなマノモの言葉。

 

〈……うるさいよ。まだ負けてないから、マノモ〉 

 今度はレーミ、瞬時にビームライフルに持ち替えた。

 けれど持ち替えたと思った次の瞬間、すぐさま三発のビームを撃ち放つ。それはあまりに素早い動作でであった。

 

 ――!!――

 

 ジンはとっさに反応しようとするも、三発中二発、右足先と左部のヴェスバーにヒットする。 

 

「こっちもかよっ、忌々しい!」

 

 右足はそこまでではないものの、ヴェスバーへのダメージは気になる。

 撃てなくはないけれど下手すると暴発しかねない。

 

〈ここからは……本気の、本気。……ジンは私が、すぐに片づけてあげる〉

 

 

 そして彼女のストライクガンダムは続けざまにライフルを向ける。これにはジンも離れて警戒する。

 

 

 ジンとレーミ、再びの射撃戦に入る二人。ちなみに……。

 

 

 

〈私のガンプラがただの、砲撃をかますだけの移動砲台と思っては困るわ!〉

 

 四脚足のリーオー・ブラスター、その二本の後ろ脚は大型のバーニアでもある。

 この大推力で加速、太い両腕でマノモのガンプラはレギンレイズに殴りかかる。

 

〈近接戦も出来るのかよ! よくも!〉

 

 キャノン砲でもある両腕、それは格闘も可能らしい。激しいパンチの威力に、フウタのレギンレイズは回避する一方だ。

 

〈やっぱ、ビーム攻撃ではなかなか決定打は与えられないものね。……最も!〉

 

〈……むうっ〉

 

〈直接の打撃なら、話は別でしょ?〉

 

 さっきまでの砲撃で、既にレギンレイズの装甲はかなり損傷を受けていた。

 対してリーオー・ブラスターは所々軽傷は見られるものの、レギンレイズにくらべれば無傷に等しいものだった。

 再び、リーオー・ブラスターの拳が襲う。

 それは砲撃でダメージを受けていた左肩装甲を粉々に打ち砕き、破壊してしまう。

 

〈よくも、やるね〉

 

 パンチの衝撃でレギンレイズは弾かれる。けれどまた連撃が繰り出されそうになるのを、パイルの先で防ぎいなす。

 今度はパイルの先端をクルリと向きを変え、フウタはリーオー・ブラスターの本体に突撃を仕掛ける。

 

〈ふふっ!〉

 

 しかしパイルの突撃は太い腕によって防がれる。

 腕は厚い装甲、レギンレイズの近接武器は通じない。

 

〈せっかくの攻撃、悪いけれど通じないわね。

 腕は装甲が分厚くて盾にもなるの!〉

 

 得意げに言うマノモ。

 右手に握るパイルの先はこれ以上貫けない。彼女の自信は、まさに正しいようだ。しかし一方で、フウタの心はまだ折れてなどいない。

 

〈それは凄い! 確かにその腕は固いだろうさ。けど、こっちの武器はパイルもだけど……〉

 

 次の瞬間、パイルを握っていないレギンレイズの左腕、それを思いっきりリーオー・ブラスターの本体に叩きつける。

 

〈しまったっ!〉

 

 マノモにとっては不意だった。そう、相手の左腕には盾であり、そしてもう一つの近接武器であるガントレットがあった。

 彼女はパイルに気が行き、そっちには注意が足りていなかったのだ。

 ガントレットを装備した左腕の一撃はリーオー・ブラスターの腹部へと命中する。

 

〈やっと一撃っ〉

 

〈ちいっ、よくも!〉

 

 通常のガンプラよりも長く異形の腹部、そこからスパークを撒き散らしながら数歩下がる。

 

〈このまま続けてっ!〉

 

 レギンレイズはつかさずビームライフルに持ち替え連射を繰り出す。

 反撃の暇もなくリーオー・ブラスターは両腕をクロスさせて防ぐ。

 

 

 

〈まさか……マノモが〉

 

「俺の相棒を甘く見るなって事だぜ!」

 

 放たれたビームライフルのビーム、レーミのストライクガンダムは回避する。

 

「そして、この俺もさ。動きはある程度なら覚えたからさ」

 

 回避する方向を予測したジンは、ビームライフルに続いて無事な右側のヴェスバーを展開して撃つ。

 

 

 ビームライフルよりも高収束、高威力のビームはストライクガンダムの左腕を吹き飛ばす。

 

〈やって……くれるね〉

 

「ああ! あれから強くなったんだぜ、俺は――」

 

 瞬間、ジンの乗るコックピットに激しいスパークが撒き散らされる。激しい揺れの中、警報音が鳴るのを聞いた。

 

 ――何だって、これは!? いきなりこんなダメージをどこで――

 

 見るとガンダムF91の腹部にはいつの間にかビームサーベルが突き刺さっていた。

 さっきのビームで左腕を吹き飛ばされる直前、レーミはビームサーベルを投擲して突き刺したのだ。

 

 

 

 両者ともに既に満身創痍。戦い続けて、あちこちがボロボロになっていた。

 

〈確かに……やるかも、ジン〉

 

 レーミも認めるかのように小さく呟く。

 

〈以前戦った時よりも、ずいぶん強くなった。悔しいけど……認めてあげる。そして〉

 

 互いの機体はにらみ合い、ライフルを構える。

 

〈この一撃で…………勝負をつける〉

  

 もうどちらもボロボロ、恐らく次の一撃で勝負が決まるだろう。

 ジンもレーミと同じ考えだ。彼は頷いてその視線で画面上の彼女を睨む。  

 

「分かった。これで俺たちの決着を、つけようじゃないか!」

 

 

 そして、ストライクガンダムとガンダムF91は同時にライフルを向けて……一撃を放つ。

 宙で交差するビームの軌跡、一方のビームはガンダムF91の胴体を貫く。

 

「ぐはあっ!」

 

 急所に当たり機体は墜落、そのまま地上へと落下する。

 

「うっ……くうっ」

 

 それでもまだ何とかジンは無事だ。機体はもう、動きはしないが。

 

〈これで、相打ち……〉

 

 レーミのストライクガンダムはいまだ宙を飛行したまま。しかし、本体からは煙が一筋立ち昇っている。

 

〈と、言いたいけど。……私の負け…………だね〉

 

 この言葉を最後に、ストライクガンダムは宙で一気に火を噴き、爆発四散して散った。

 

 

 

 どうにかレーミを倒したジン。けれど、もう彼も戦えはしない。

 

 ――俺もこんな調子じゃあな。フウタは今、どうしている――

 

 F91の頭部を動かし、ジンはフウタ達の戦いを見ようとする。

 するとそこには……。

 

 

 

〈ええい! しぶといわねっ!〉

 

〈キャノン砲は撃たせはしないよ!〉

 

 近接戦闘を繰り広げている最中の、レギンレイズとリーオー・ブラスター。

 互いに互角の戦いをしている……わけだが。

 

〈残念っ! もらったわ!〉

 

 瞬間リーオー・ブラスターの拳はレギンレイズのパイルを弾き落とす。

 勢いの強いパンチは相手に態勢まで崩して、続けて連撃を繰り出そうとする。

 レギンレイズも満身創痍、次の一撃を食らえば無事で済まないだろう。

 

〈よく頑張ったって思うけど、これでおしまい! …………って、あれっ?〉

 

 けれどその瞬間、突然糸が切れたようにガクッと力を失う。

 地面に膝をつき、そのままピクリとも動かなくなる。

 

〈嘘! 嘘! 何でいきなり動かなくなったの!? 

 まさか、さっきの胴体へのダメージで……〉

 

 

 先ほどリーオー・ブラスターは。レギンレイズからガントレットの一撃を腹部に食らっていた。

 その一撃が致命的だった。ダメージは動力部にまで届き、それが今になって現れた結果……動かなくなってしまった。

 

〈これじゃもう戦えない。レーミちゃんはやられちゃったし、となると…………もう〉

 

〈そう言うことさ、ふふん!〉

 

 フウタは得意げな表情。

 そして彼のレギンレイズは地面に転がるF91に視線を向けた。

 

〈さて、大丈夫かい? ジン〉

 

 動けはしないが、それでも返事を返すことは出来る。ジンは余裕そうな笑顔を浮かべてこう返した。

 

「ああ! 第二回戦、かなりの苦戦だが……こっちもクリア、かな」

 

 

 

 ――――

 

 その決着は会場の方でもはっきり見えていた。

 

「おお……っと、さすがフウタとジン、二回戦も突破しやがったぜ」

 

 一回戦で敗退したロッキーは観客席で観戦していた。そして……。

 

「やっぱりジンの奴と、それに君のフウタは強くなっているな、ミユ」

 

「これくらい二人なら……当然ですから」

 

 ロッキーが座っていたのはミユの隣。知り合いと言うことで一緒に観戦していたのだ。

 

「だってずっと頑張っていたから。だからこうして、勝てたんだって」

 

「レーミとマノモは割と強いダイバーなのに、その二人に勝てるほど強く……か。あの感じだともしかするとマリア達にも、勝てるかもしれないな」

 

「うん! きっと――ね」

 

 

 

 二回戦を勝利して次は三回戦、次勝利すればトーナメントは折り返しに入る。

 けれど、勝ち進むたびに戦う相手は確実に強くなる。

 次に戦う――相手は。

 

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